製造現場の改革からバックオフィス効率化へ。通訳やWebマーケティングに「在宅チーム構築支援」を活用し、事業成長を加速

大成金属株式会社
代表取締役社長 藤田 実 氏
取材日:2026年6月1日
千葉県市川市と静岡県菊川市に拠点を置く大成金属株式会社は、1963年の設立以来、ブリキやアルミを使用した高品質な製缶業を展開している。食品や化粧品などに使われるブリキ缶・アルミ缶のプレス加工を一貫して手掛け、長年の実績を活かしつつ、若手中心の技術開発にも積極的に取り組むことで多様化するお客様のニーズに対応し続けている。近年は事業拡大に伴い、事務作業の増大や専門人材の不足といったバックオフィス側の課題に直面していた。従業員数は40名、在宅ワーカーは1名が活躍中。今回は、代表取締役社長の藤田実氏に、技能実習生の受け入れや新規事業を見据えて「在宅チーム構築支援」を導入した経緯と、その後の成果や今後の展望について話を伺った。
倒産の危機を乗り越えた社内改革。次なる課題は膨大なバックオフィス業務

清田:事業内容と、藤田様が社長に就任されるまでの経緯について教えてください。
藤田:弊社は1963年に設立し、ブリキやアルミを使用した各種製缶業を行っています。平らな板からプレス加工でお茶缶や海苔缶、化粧品や食品の容器などを作っています。かつては大手菓子メーカーの有名商品の缶を手掛け、日本で印刷したものを海外へ輸出するほどの技術力を誇っていました。私が本社に戻った当時は、会社の経営状況が厳しく、今のままブリキだけの商売を続けていたら倒産しかねない危機的な状況でした。そこで、既存の設備を活かして当時は珍しかったアルミ缶の製造を始め、社内のIT化や自動化を進めました。さらに、社員がそれぞれの得意分野を磨く「一人一芸制」を敷き、現在では複雑な画像検査機なども自社内で組み立てられる強いチームワークを構築しました。
清田:製造現場の大改革に成功されたのですね。そこからどのような課題に直面されたのでしょうか。
藤田:現場の生産性が劇的に向上した一方で、事務的な作業が膨大になり、バックオフィス業務がボトルネックとなっていったのです。そんな中、深刻な人手不足を解消するためにミャンマーからの技能実習生を受け入れる計画を立ち上げました。実習生のご家族に安心していただくため、丁寧な手紙を現地語で作成したかったのですが、ミャンマー語の通訳や翻訳ができる人材を自力で探すのは困難を極めていました。
清田:その課題に対して、どのような経緯でアイドマ・ホールディングスのサービスを導入されたのですか。
藤田:ちょうどそのタイミングで、アイドマさんからご案内をいただいたのがきっかけです。最初は伝票整理などの事務作業をアウトソーシングしたいと考えていたのですが、紙の原本をデータ化する手間などの物理的な課題があり、なかなか噛み合いませんでした。しかし、翻訳業務であればすべてデータ上で完結できると気づき、まずはミャンマー語の通訳・翻訳ができる在宅ワーカーさんを募集するために「在宅チーム構築支援」の導入を決めました。
通訳からECサイト運営まで。「在宅チーム構築支援」で専門人材を獲得

清田:サービスを導入されてから、どのように専門人材を獲得していったのでしょうか。
藤田:「在宅チーム構築支援」を活用して募集したところ、すぐに複数名の候補者さんと面談することができました。その中から、海外在住の方と国内在住の方に、トライアルとして現地のご家族向けの手紙の翻訳をお願いしたのです。
清田:トライアルでの在宅ワーカー様の対応はいかがでしたか。
藤田:国内の方はミャンマーの大学に通っていた経験があり、直訳するだけでなく、「この言い回しは日本的なので、現地の言葉ではこちらのほうが伝わります」という現地のニュアンスを含めた添削バージョンまで作成してくれました。私たちが手紙に込めた想いを深く汲み取ったきめ細やかな対応に驚かされましたね。実際に現地でその手紙をご家族に読んでもらったところ、安心していただけました。アイドマさんの出会える仕組みや在宅ワーカーさんのスキルの高さには本当に感謝しています。
清田:着実に成果につながったのですね。その後、新規事業でも活用されたと伺いました。
藤田:はい。次にECサイトでの販売事業を新しく立ち上げることになり、再び「在宅チーム構築支援」でWebマーケティングやプレゼン資料の作成ができる人材を募集しました。オンライン面談を経て、福島県在住の男性と京都府在住の男性の2名に絞り込み、資料作成のトライアルをお願いしました。京都の方は画面上での説明が滑らかだったのですが、実際に提出された資料を見ると、福島在住の男性のほうがはるかに見やすく、丁寧な仕事ぶりが伝わってきたため、彼との契約を決定しました。
清田:実際の成果物を見て判断されたのですね。現在の具体的な取り組み内容を教えてください。
藤田:彼とは現在も継続して業務をお願いしています。福島でイベントが開催された際には、妻と一緒に直接会いに行ったほど信頼関係が深まっています。毎月オンラインでミーティングを行い、広告の出し方や動画を活用したプロモーションなど、Webマーケティング全般の業務を全面的に任せています。
コストを抑えて専門部署を構築。外部リソースの活用で描く今後の展望

清田:「在宅チーム構築支援」での外部人材活用により、組織にはどのような変化がありましたか。
藤田:福島在住の在宅ワーカーさんとは今も毎月ミーティングを重ねており、社内に専門のWeb担当部署が1つできたような状態です。業務にかかった時間分の業務単価をお支払いしていますが、月額に換算するとおよそ10万円程度に収まっています。今の時代、これだけ有能で専門スキルを持つ人材を正社員として1人採用することは容易ではありません。必要なスキルを必要な分だけ業務委託として補えるのは、アウトソーシングの最大のメリットだと実感しています。
清田:コストを抑えながら専門体制を構築できたのですね。今後の展望についてお聞かせください。
藤田:今後は、自社の加工技術をアピールする動画を活用した新しい営業施策に注力したいと考えています。専用のツールを使ってターゲット企業を抽出し、ピンポイントで動画を送付してYouTubeチャンネルへ誘導する計画です。今の時代、AIを駆使したメールの一斉送信などは簡単に行えますが、それに対する返信の確認や、本当にニーズのある企業を振り分ける作業には、どうしてもアナログな処理が必要になります。このリストの選別作業などでも、在宅ワーカーさんの力を借りることを検討しています。
清田:データでのやり取りと、大成金属様が得意とされる物作りをうまく組み合わせるのですね。
藤田:おっしゃる通りです。私たちの根幹は「物理的なものを形で作る」という製造業です。だからこそ、現場での作業と、データで完結する業務をいかにうまく組み合わせるかが重要になります。事務作業のアウトソーシングにおいても、現地で原本をデータ化する作業と在宅ワーカーさんの入力を組み合わせるような仕組みがあれば、さらに活用の幅が広がると期待しています。
清田:最後に、同じように外部人材の活用を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
藤田:一番大切なのは、自社が「何をしたいか」を明確に決めることです。支援会社さんからの提案をただ待つのではないのです。自分たちがやりたいことをしっかりと定義して発信し、それを実現するための最適な運用方法を一緒に作っていくことが成功の秘訣だと思います。