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優秀な海外在住の在宅ワーカーと連携し、海外営業の仕組みを構築。「在宅チーム構築支援」で18ヵ国との輸出取引を実現

髙藏工業株式会社
代表取締役 髙橋 保雄 氏
取材日:2026年7月14日

愛知県春日井市に拠点を置く髙藏工業株式会社は、研削砥石・研磨砥石の専門メーカーとして日本のものづくりを支えている。お客様の要望に合わせた製品提供に注力しており、医療用注射針砥石やセンタレス研削砥石など、同社の製品の80%以上が受注生産品となっている。「お客様・社員・会社 すべてが幸せになれるように」という企業理念のもと、長年培った信頼と実績を基に、研削・研磨の専門的ソリューション企業を目指している。今回は、4代目となる代表取締役の髙橋保雄氏に、海外販路の拡大を背景に「在宅チーム構築支援」を導入した経緯と、その後の成果や今後の展望について話を伺った。

海外への販路拡大を目指すも、語学力を持つ専任担当の確保が課題に

清田:事業内容と、髙橋社長が事業を受け継がれた当時の状況について教えてください。

髙橋:弊社は1939年に創業し、医療用具メーカーや自動車部品メーカーなどが製品を加工する際に使用する、研削・研磨用の砥石を製造しています。製品の80%以上がオーダーメイドであり、お客様の細かな要望に応える技術力で日本のものづくりを支えてきました。私が4代目として正式に事業を受け継いだのは、2020年のコロナ禍の最中です。厳しい業界もある中で、当社には医療用具メーカーからワクチン用の注射針を削るための砥石の受注が多く入り、海外を中心に需要が伸びていく側面もありました。

清田:そのような状況の中、アイドマ・ホールディングスの「在宅チーム構築支援」を導入された経緯をお聞かせください。

髙橋:当時のアイドマの担当者の方からオンラインで「社長、何をやりたいとお考えですか?」と聞かれたのがきっかけです。私は「自社の砥石をもっと海外に売り込んでいきたい。アメリカやヨーロッパを開拓したい」と伝えました。すると「ぜひ一緒にやりましょう」と提案を受けたのです。当時は製造業の業務を社外に出すという発想がなく、最初はピンときていませんでしたが、海外にネットワークを持てる在宅ワーカーを集め、海外市場のニーズを開拓していくという構想に可能性を感じました。

清田:海外展開を進める上で、当時の課題はどのようなものでしたか?

髙橋:海外営業への意欲はあったものの、語学力や専門知識を持つ人材を専任で確保するには多大なコストがかかり、十分な業務量を与えられるかという懸念がありました。また、製造業においては「ものづくりは自社内で完結させるべき」という固定観念が根強く、当社も当初は総務や経理などの管理部門を含めて外部へ委託する予定はありませんでした。しかし、未知の領域である海外販路開拓において、ゼロから自社でノウハウを構築するよりも、外部の優秀な人材と協働するアプローチが最適であると判断し、導入に踏み切ったのです。

スペイン在住の優秀な在宅ワーカーと契約し、役割分担で海外営業を仕組み化

清田:実際に「在宅チーム構築支援」を導入されて、どのような在宅ワーカーさんと契約されたのでしょうか。

髙橋:海外営業の業務を担う在宅ワーカーの募集を開始したところ、東京などの都心部ではなく、地方や海外にお住まいの優秀な方々から10件以上の応募がありました。通常の募集では出会えないような人材にアプローチできることが、このサービスの大きな醍醐味です。最終的に、スペイン在住で日本語、スペイン語、英語を操るトライリンガルの方と業務委託契約を結びました。

清田:具体的な業務プロセスと、役割分担について教えてください。

髙橋:まずはアイドマさんの伴走支援を受けながら、海外の医療用具メーカーや刃物メーカーなどをターゲットにリストアップを実施しました。例えば「インジェクションニードル(注射針)」などのキーワードをもとに国ごとにリストアップし、過去の展示会情報なども活用してターゲットを絞り込みます。在宅ワーカーの方には、ターゲット企業へのファーストコンタクトメールの送信から電話営業によるアプローチ、そしてオンライン商談の設定までを担当してもらいました。

清田:商談の設定だけでなく、通訳もお願いしているのでしょうか。

髙橋:はい、商談当日の通訳も彼女の役割です。我々は、技術的な説明やサンプル提供後のフォローに専念するという完全な役割分担を確立しました。コロナ禍で世界的にオンラインでのやり取りが定着していたことも追い風となり、時差を活かして日本の夕方からヨーロッパの企業にアプローチを行うなど、効率的な営業活動を展開できました。結果として、電話営業からオンライン商談につながる確率は高い水準を記録しています。

清田:在宅ワーカーさんとのコミュニケーションや関係性はいかがですか?

髙橋:在宅ワーカーの方からの業務報告で時間と活動内容、アウトプットを確認するだけなので、不満を感じることは全くありません。費用対効果も高いと言えます。私がヨーロッパへ出張した際にはご自宅に泊めていただき、ご家族に南フランスのお客様のもとへ案内していただくなど、ビジネスの枠を超えた深い信頼関係を築けています。

18ヵ国への輸出を実現し、広報業務も外部化。選ばれる企業を目指して

清田:見事な成果ですね。現在の取引状況や、その他の業務での活用についてはいかがでしょうか。

髙橋:明確な役割分担による海外営業の仕組み化が功を奏し、現在は世界18ヵ国との輸出取引を実現しています。在宅ワーカーがネットで世界中の企業を探してくれたおかげで、フランスやドイツ、インド、中国などへの取引が広がっており、今後はこれを20ヵ国、30ヵ国へとさらに拡大していくことが目標です。また、当社は「在宅チーム構築支援」の活用範囲を広げ、現在は広報・マーケティング業務も外部化しています。群馬県在住の在宅ワーカーと契約し、ホームページの充実やSNSの運用、求人原稿の作成などを一任しています。

清田:広報業務を外部化されたことで、どのような変化がありましたか?

髙橋:SNS運用は、採用強化、お客様への発信、社員の家族への情報共有という3つの目的で行っています。広報担当の在宅ワーカーには、実際に1泊2日で工場へ来ていただき、見学や作業体験をしてもらうことで、より質の高い発信ができるよう親睦を深めました。コア業務は正社員が担い、それ以外を優秀な外部人材に任せるという仕組み化は、企業の成長にとって大きなチャンスになると実感しています。

清田:最後に、今後の事業展開の展望と、外部人材の活用を検討されている企業へメッセージをお願いします。

髙橋:規模の拡大をむやみに追い求めるのではなく、50名規模の筋肉質な体制で現在の1.5倍の売り上げを目指したいと考えています。ものづくりの環境が変化し、既存の仕事が縮小していく中でも、新たなニーズや海外展開のチャンスをいち早くキャッチし、日本のものづくりとして必要とされる「選ばれる企業」をつくっていきたいと考えています。自社内だけで業務を完結させるのではなく、外部の優秀な人材とうまく仕組み化して役割分担をすることで、正社員はコア業務に集中でき、可能性は大きく広がります。在宅ワーカーの活用は、企業の成長の大きな機会になるはずです。

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