在宅ワーカーのセキュリティ対策「どこでもデスクトップ」

ドコデモ株式会社
代表取締役
柘植 信英氏
取材:2021.07.07
代表取締役
柘植 信英氏
取材:2021.07.07
2017年設立。テレワーカー・クラウドワーカーのSaaS型VDI仮想デスクトップ型ソリューション「どこでもデスクトップ」を独自開発、運営・提供するドコデモ株式会社。
クラウドにログインして仮想デスクトップから業務を行うことで、高度なセキュリティ対策が可能となる。
奥澤 | 在宅ワーカーの導入にあたり、個人のパソコンで業務をすることに対するセキュリティを不安視される経営者は少なくありません。どのような理由で御社のサービスを導入される企業が多いのでしょうか? |
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柘植 | 大きく分けて、3パターンの導入理由があります。1つ目は、ローカルに情報を残すことによりヒューマンエラーで間違って漏洩されてしまうことを恐れての導入。 2つ目が、ローカルに残った情報を意図的に漏洩されてしまう危険性を回避するための導入。 最後は、企業ポリシーとして、社内情報を提供して業務を行ってもらうため、管理をする面でローカルに残さないやり方をしたいという理由です。 |
奥澤 | なるほど、情報漏洩だけではなく、企業ポリシーとして導入する場合もあるのですね。 |
柘植 | はい。企業によって抱えている不安はさまざまです。そういった不安を解消するひとつの手段として、弊社のサービスを導入していただいています。 |
奥澤 | そうですね。そもそも、セキュリティ対策として取れることは何があるのか、まずまとめてみたいと思います。ママワークス事務局がご紹介している対策としては、3つあります。 【3つのセキュリティ対策】 1.法律 在宅ワーカーと業務委託契約を締結する際に、契約内容の中にNDA(秘密保持契約)を必ず入れてください。条件に同意した上で契約を結ぶことが大前提となります。 2.リテラシー 在宅ワーカー選考の段階で、情報セキュリティのテストを実施し、一定以上の点数を取った人のみ採用をします。 3.ハード 在宅ワーカーのパソコンから情報漏洩がされないために取る、ハード面の対策です。リモートデスクトップの利用や、クラウドデスクトップの利用など。 1つ目と2つ目に関しては、「ソフト面」の対策になりますが、しっかりやっておくことで企業の信頼度があがりますし、採用される在宅ワーカーの意識も高まります。 3つ目にある「ハード面」のセキュリティ強化に関して、ママワークス事務局がおすすめしているのがドコデモ株式会社で開発された「どこでもデスクトップ」です。次項から、同社の柘植社長に詳しく伺いたいと思います。 |
奥澤 | 「どこでもデスクトップ」は、実際にどのような業種で導入されていますか? |
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柘植 | 特に業界が決まっているということはありませんが、顧客情報を扱う業務を在宅ワーカーへ依頼する企業の導入例は多いです。 例えば、会計事務所や税理士事務所など、顧客情報の取り扱い自体を行う業務を在宅でやってもらう場合、セキュリティ強化として導入していただいています。 中小企業でも、経理業務を在宅でやる、テレワークをしたいという企業なども、管理用のパソコン1台だけに経理・会計ソフトをインストールすれば、「どこでもデスクトップ」で利用できるので、作業環境を作りたいという理由での導入もあります。 他にも、不動産会社の営業補助として、見積もりなど事務作業を在宅ワーカーに依頼するために導入したいというケースなど、さまざまです。比較的、社員数もそこまで多くなく、在宅ワーカーを10人以下で稼働している企業が多いですね。 |
奥澤 | セキュリティ面だけではなく、作業環境の構築もできるのは助かりますね。 |
柘植 | 先ほどの、ソフトのインストールの件もそうですが、作業環境の構築がわからないというご質問を多くいただきます。弊社はそのような企業に対しても、最適な進め方、どういう作業環境に構築すれば良いのかというご提案もサービスとして行っています。 |
奥澤 | なぜ「どこでもデスクトップ」は、在宅ワーカーが作業するパソコンのセキュリティ強化が可能なのでしょうか。具体的な特徴や機能を教えてください。 |
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柘植 | 「どこでもデスクトップ」は、ブラウザでインターネットに接続できるパソコンであれば、どこからでもログインができて、仮想デスクトップを利用して業務を行うことができます。 在宅ワーカーの所持しているパソコンのローカルとは完全に分離した状態になるので、アクセス制限をかけているのと同じになります。ファイルのダウンロードやスクリーンショットなどで、ローカルに情報を残すことが物理的にできないので、安全です。 管理者用のページからは、在宅ワーカーが使用している仮想デスクトップの画面をリアルタイムで確認したり、あとから見たりすることもできます |
奥澤 | ローカルに情報が残らなければ、漏洩されることはないですよね。他に便利な機能はありますか? |
柘植 | 「どこでもデスクトップ」の中であれば、例えばひとつの企業用Googleアカウントのみで複数の方がログインして業務を行うこともできます。ひとつのアカウントを使用して業務を行えば、Googleドライブなどを利用する際にもファイルやデータが散在せずにひとつのストレージに保存、蓄積することができます。 |
奥澤 | 情報やデータが企業アカウントのストレージだけに残るのは、安心ですね。 |
柘植 | あとは、「どこでもデスクトップ」の中に、業務に必要なアプリケーションをあらかじめインストールしておけば、在宅ワーカーのパソコンに同じアプリケーションを入れなくても、利用することができます。(編集部注:それぞれアカウントが必要な有料アプリケーションは、通常と同じく複数の契約が必要です。) |
奥澤 | それはすばらしいですね。ちなみに、在宅ワーカーのパソコンの容量やスペックは関係なく使用できるのですか? |
柘植 | 仮想デスクトップの中でアプリケーションを動かしますので、問題ありません。「どこでもデスクトップ」には、“すべての人間に高性能マシンを”というキャッチフレーズの通り、ロースペックなパソコンでも、ハイスペックな環境で業務を行えるのです。 |
奥澤 | メリットしか感じないのですが、導入のコストはどのぐらいですか? |
柘植 | 月の使用時間によって料金設定が変わってきますが、1台あたり80円/時間+2,000円のプランからあります。 |
奥澤 | ありがとうございます。企業のポリシーにより対策の取り方は変わってきますが、セキュリティに不安を感じる経営者の方はぜひ「どこでもデスクトップ」もご検討いただければと思います。 |