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2021年11月の記事一覧

てつがくカフェ

授業レポート

問う力って素晴らしい!「小学生てつがくカフェ」

人気講座「小学生てつがくカフェ」では、小学校3年生以上のお子さんを対象に、ふだんの生活ではなかなか深めて考えることのない「素朴な疑問」について、じっくりと考える時間を提供しています。

「てつがくカフェ」の授業レポートも、今回で第3弾(開催は通算5回目)。子どもたちは一体どんな話で盛り上がったのでしょうか?気になるカフェの様子をお伝えします。
(以前の開催紹介についてはこちら →
【vol.1】,【vol.2】

「てつがくカフェ」って気楽なところ

「てつがくカフェ」では、毎回「先生」ではなく、「カフェの店長」がファシリテーターを務めます。5回目の開催となる今回は、店長は坂岡さん、サポート役は店員の老田(おいた)さんでのオンラインカフェ開店です。

5回目ともなると、いつも参加してくれるメンバー(いつメン)の子もいれば、初参加となる子もいます。「てつがくカフェ」では「いつメン」も「初めまして」の子も、どちらも大歓迎です。

「たまに遊びに行ってみようかな」
「忙しいから今日はいいかな」

「来たい人が 来たい時に 来たいぶんだけ フラっと入れるお店」―そんな「気楽」なカフェを目指していることを、冒頭に坂岡店長が改めて語ってくれました。

実際、今回の開催では、お話を聞いて反応したり、挙手での多数決には参加したりしつつも、自分では発言しない子もいました。発言したい子が自由に発言し、人の意見を聞いて考えていたいだけの子も、みんなが参加しやすいカフェです。

質問力に成長の兆し

「てつがくカフェ」では、毎回はじめに場を温めるウォーミングアップや自己紹介ゲームなどを実施しています。その一環で、今回も「『しりたい』『おしえて』ゲーム」を行いました。

参加者の1人に、「好きな色」か「好きな遊び」のいずれかについて答えてもらい、制限時間を2分として、さらにみんなで質問をして深掘りをしていく、という質疑応答ゲームです。

前回のレポートでも「『しりたい』『おしえて』ゲーム」を紹介しましたが、今回はさらに子どもたちの質問する力が伸びていました。

「好きな色は青です。落ち着く色だからです。」と教えてくれた子に対して「何で青は落ちつくんですか?」「青以外に好きな色はありますか?」「その色は何で好きなんですか?」「濃い青と薄い青、どちらが好きですか?」「なんで薄い青が好きなんですか?」……と限られた時間の中で、次から次へと質問をしてくれました。

いろんな色

「質問力」は、コミュニケーションには欠かせない能力です。また、自分自身の知識をアップデートしていくにも、質問をすることが大切な役割を担います。

カフェの開催を重ねるごとに、質問力をあげていく子どもたちの姿に成長を感じるとともに、知識教育ではなかなか養うことの難しい「生きるための力」が、「てつがくカフェ」を通じて少しずつ身についていく可能性を感じることができました。

今回の「てつがく」本題は?

後半は、いよいよ「てつがくカフェ」のメインタイムです。

前回までは、「なんでペットはかわいいの?」「楽しい時ってどんな時?」というテーマで考えを共有してきました。

今回、子どもたちから挙がった「テーマ案」は

  1. ・なんでオバケは怖いの?
  2. ・なんでご飯を食べないといけないの?
  3. ・なんで夜は寝ないといけないの?
  4. ・友達とは?
  5. ・なんでお母さんはお化粧するの?
  6. ・なんで人は珍しいものを見ると興奮するの?

などなど。

今回は協議の結果、「なんで夜は寝ないといけないの?」に決定しました。

子どもたちから次々とテーマ案があげられる様子からも、子どもたちの成長を感じることができました。

なんで夜は寝ないといけないの?

今回のテーマ、「なんで夜は寝ないといけないの?」について、まず「本当は寝たくないけど、寝ないと脳がぐちゃぐちゃになる」という意見が出ました。

一方、寝たくない派の子どもたちからは
「夏は寝苦しいから寝たくない」
「やりたいことがたくさんあるから、寝たくない」
「宿題も終わらせられる!」

といった意見が。
この後しばらく子どもたちは、寝たくない理由について話して盛り上がります。

坂岡店長から、「では、朝遅刻しないで済むんだったら、一晩中起きていたい? 」という投げかけをすると、ほとんどの子どもたちが「うん、うん」と頷いていました。

そんななか、1人の子が、「私は寝るのが好き」と発言してくれました。

「寝ると元気いっぱいになって、次の日いっぱい遊べるから」

もし寝なくて良い人生だったら、絶対に寝ない!という子もいる一方で、寝るのが好きと答えてくれる子。どちらも、考え方は違うけれど、それぞれの意見を正直に表明してくれて、みんなでお互いの考えを共有することができていました。

ここで老田さんが、「私は夢をみるのが好きだけれど、みんなは夢をみることは嫌い? 」と子どもたちに質問をしました。

すると、
「楽しい夢をみても、怖い夢に移っちゃうから嫌い」
「怖い夢をみると、もう一生寝たくないって思っちゃう」
「夢って怖い夢の方が記憶に残りやすい気がする」

というように、怖い夢をみるのが嫌だという話をしてくれた子がたくさんいました。

また、
「昼間見ていた怖いことが夢に出てきちゃうことがある」
「怖いことがあっても、怖い夢をみないこともある」
さらに、「寝る時間によって夢をみたりみなかったりする」といった経験談も出てきて、夢談義はとても盛り上がりました。

それに対して、「怖い夢をみるのが怖かったけど、寝ると体力があがっていくから、寝るのは大好き」と、改めて「寝る」ことが好きと話してくれる子がいたり、「怖い夢があっても、『夢』だって思えば怖くない」という前向きな話も出てきたりして、「どうしたら怖い夢をみないで済むか?」という話題へと展開しました。

また、「お気に入りのぬいぐるみと一緒に寝ると安心する」と教えてくれた子に対して、「私も」と賛同してくれた子もいました。

ぬいぐるみと寝ている男の子

そんななか、1人の子が、「そもそも寝るってなに? 」と呟きます。

「そもそも」を考えるって大切なことだなと感心していると、「目をつぶって、脳を休ませることが睡眠だと思う」と答えてくれた子がいました。

子どもたちの話をまとめていくと、「本当は寝たくない。でも、脳を休ませないとヘトヘトになる。どうせ寝るのであれば安心して眠りたい。ただ、一回寝ないで居てみたい! 」という心持ちのようです。

寝たくない理由、怖い夢、安心して寝るには……限られた時間ではありましたが、「なんで夜は寝ないといけないの?」というテーマを通じて、あらゆる側面から、話をお互いに共有し合えたのではないでしょうか。

参加した子どもたちの感想

最後に、子どもたちに参加した感想を聞いてみました。すると、

「みんなの色々な宝物を知ることができたり、寝るのが好きな人がいることを知ったり、いろいろなことがわかった」
「初めての参加だったから緊張したけど、話せていたから、また来たいです」
「新しい友達と、違う意見が聞けて良かった」
「みんなでいっぱい喋って面白かった」

といった声があがりました。

冒頭に店長からも話のあった、「来たい人が 来たい時に 来たいぶんだけ フラっと入れるお店」というコンセプトの通り、「いつメン」も「初めまして」の子も、互いの想いや意見を共有することで、違いがあることを理解し、その違いを愉しむことができていたようです。

店長(講師)よりメッセージ

今回のポイントはズバリ、「子どもたちの問う力」だと思います。 質問の性質が本当にすばらしく、インターネットなどで検索をすれば答えがわかる「知識」ではなく、何気ない習慣やルールの本質を掘り下げるものになっています。

「なぜお化粧をするのか」
「なぜ夜は寝ないといけないのか」

こうしたルールや習慣に関する疑念を聞くと、大人はちょっと身構えてしまうものです。でも、「疲れを癒し、明日も元気に活動するため」という本質がわかれば(しかも自分でその答えを出せれば! )、「しかたなくイヤイヤ」ではなく、自らその必要性を理解して、主体的に行動できるようになるのではないでしょうか。

先日も選挙がありましたが、人間はロボットや人形ではありません。「権力者におまかせ」ではなく、納得のいくルールを自分たちで作り、自分たちでそれに従う。それが人間社会の本質です。

誰かの決めたルールに従うことも大事ですが、「本質を深く考える力」も、同時に身につけていく必要があると思います。

その他、沈黙して考えているメンバーの発言をみんなでそっと待つ時間があったり、質問タイムが盛り上がったりと、「聞く力」や「訊く力」が育ってきていることを感じられました。みんながどんどん手をあげて、自分に関心を持ってインタビューしてくれるというのは、きっと本人たちにとって嬉しい体験だと思います。

最後に店長の反省点についても一言。みんながあまりにたくさんの素晴らしい質問を次々に出してくれるので、途中で切るのがしのびなくなり、時間が押してしまったのでした……。

最後に

てつがくカフェが創り出す雰囲気から、参加した子どもたちは次第に自分の意見を自由に言ってくれるようになっています。時間が足りなくなるほど……。

今回のように、一見難しいテーマでも、「ずっと話していたい」という気持ちが子どもたちの様子から伝わってきます。こういった経験をした子どもたちが大人になったころには、きっと世界の価値観や社会も変わっているでしょうね。

「てつがくカフェ」は今後も随時開催予定です。店長ともども、みなさんの来店をお待ちしております!

『オンライン de キッズスクール』では、今後の講座のスケジュール、および各講座へのお申し込みを以下のページから受け付けています。

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一人でも多くのお子さまがこの講座で楽しく学び、新たな可能性を見出せますように!

この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!

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