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からだ・性・ジェンダー学の講座レポ!愛すべき自分のからだのこと知ってる?

突然ですが、お子さんを持つ保護者の方に質問です。
みなさんは、お家で性教育をしていますか?

「自然とわかること」
「学校でもいずれやるから、家では何も・・・」
と思うのは、実はとても危険かもしれません。

幼少期から性教育をしておくことは、子どもを守るうえで、実はとっても大事なこと。

でも、まずどんなきっかけで話していったら良いのか・・・。
今回は、性教育のヒント満載!オンラインdeキッズスクールの特別講座の様子をお伝えします。

家庭での性教育のメリットは?

今回、夏休み中に行われた特別講座では、【親子で学ぼう!はじめてのからだ・性・ジェンダー学】を実施しました。
「親子で」ということで、ZOOMの画面の向こうには、お母さんと参加してくれた子が多かったようです。

講座を担当した「命育」は、保護者向けの性教育サイトを運営しており、幼児期から思春期の子どもを持つ保護者に対して、性教育の情報や性の悩みの解決策をサイトに掲載しています。
(→ 命育)

命育ホームページ

講座当日は、代表である宮原さん、小杉さんのお二人から、お家で性教育をするメリットを3つ挙げてもらいました。

  1. (1)日常の中で繰り返し伝えることができる
  2. (2)失敗しても大丈夫!やり直しができる
  3. (3)子どもの反応をみて進めることができる

毎日、お着替えやお風呂に入る際など、伝えられる機会は思っているよりもたくさんあるようです。
でも、実際に幼い子どもに「からだ」についてどうやって伝えたら良いのかを知らないと、なかなかアイディアがわかないかもしれません。

どのように伝えていったら良いのでしょうか?

幼児期にからだについて伝えていく

幼児期は、「“自分のからだは愛すべきもので、自分だけのもの”ということを理解するのに最適な時期」だと言います。

例えば、「胸にある点は何?」という子どもの疑問に対して、「それは乳首だよ。誰にでもあるんだよ」といった具合にシンプルに回答をすることで、子どもは理解しやすくなります。

子どもは、からだの名称がわかることで、痛みを訴えやすくなったり、ダンスなど体を動かす際に理解しやすくなったり、それだけで大人と子どものコミュニケーションが円滑になることがあります。

そして、大事なことは「“誰”が自分の性器を見たり、触ったりしてもよいか」について、家庭内で話をしておくこと。

お風呂や健康診断など、「どんな状況」なら良いのかについて話をしておくことは、性的虐待を防ぐのに役立つからです。

このような切り口なら、子どもに話しやすいな、と思われた方も多いのではないでしょうか?

お着替えをするこども

子どもと、からだについて会話をするオススメの時間は、お風呂やお着替えタイムです。でも、成長するにつれて、お風呂に一緒に入ったり、着替えを手伝ったりする機会は減っていってしまうものです。

さらに、思春期になってからは、親と会話をしたがらないなど、なおさら話す機会を設けるのが難しいもの。

大人は「性教育」というと身構えてしまいがちです。

しかし、子どもが見えないところで危険な目に遭うことを防ぐためにも、早すぎる、と後回しにせず、幼少期から少しずつ、子どもと一緒にからだについて話す機会を設けていくことが大事というお話でした。

(子どもと「身体」のことをどのように会話すればよいか、詳しくはこちらの記事もご覧ください。)

多様性・ジェンダーについても話そう

命育の小杉さんから、「ご自身の体型に対して、子どもの前でネガティブな発言をしてしまったことはありませんか?」という問いかけがありました。
案外、やりがちなことかもしれません。

小杉さんは、「かわりに、“すべての人は、違っていて美しい”と伝えるようにする」ことを勧めます。

すべての人は、違っていて美しい

小さな子どもは、自分とは異なるからだや性別、人種、民族、髪の毛、能力などに気づくことが多いですが、そんな時はまさに多様性を教える絶好のチャンス!

大切なのは、「自分とは異なる人がいることが素晴らしい!ありのままでいることが美しい!」ということを、子どもに対してシンプルでわかりやすく、ポジティブに伝えていくことです。

続いて、講座では「男らしさって?女らしさって?」という動画をみんなで見ました。

幼い子どもは、「女の子とは、男の子とは、どういうものか」について、周りの世界から様々な情報を受け取りながら、イメージを形成していきます。
あなた、家族、テレビ、本、映画、友人・・・
   
男の子らしさや女の子らしさというのは、周りの情報から受け取ってイメージが形成されています。

ここで、小杉さんから補足と重要な問いがありました。

「お子さん自身が(将来の職業や好きなものなどを)選択をしていますか?」
「期待や常識に外れた選択をした時に、制限をしていませんか?」

大切なのは、子どもの本当の気持ちを話し合える関係を作っていくことです。

それって、ジェンダーという分野に限らず、大事なことですね!

親子でクイズに挑戦!

次に、「からだの名前をいくつ知っているかクイズ」に、親子で取り組みました!からだのイラストをみながら、部位の確認をし、チャットに回答を送っていただきました。からだの部位の名称も呼び方はそれぞれ、認識もそれぞれ。

その他、「プライベートゾーンクイズ」も実施しました。
質問:他の誰かが、見たり、触ったりしてはいけない、あなただけのからだの大切なところはどこかな?

→正解は、「お口と下着(水着)で見えない場所」です。

また、「こんなとき、どうする?」という具体的なシーンを想定したクイズなど、様々なパターンのクイズを通して、プライベートゾーンについて、みんなで学ぶことができました。

クイズに回答する時には、お母さんと一緒に相談して回答している姿も見られ、それぞれの家庭で性について話す、足がかりとなったようでした。

最後は、みんなで「工作タイム」です。
“好きな服装で出かけよう!”と題して、事前に配布していたシートをもとに、みんなで好きなファッションを考えながら、製作を開始しました。

ワークショップの様子ワークショップの様子(画像提供:命育®)

Q&Aの一部ご紹介

子ども達が工作をしている間に、大人は「質問タイム」に移りました。その一部をご紹介します。

Q.子どもがよく性器を触っているが、そういう時にはなんと言葉をかけたらいいのか分からず、困っている。
A.珍しいことではありません。
特に幼児~小学校低学年頃の子どもの場合は、「耳たぶを触っていると落ち着く」と同じレベルで触っていたりします。
親が落ち着いて「触ること自体はいけないことではない。でも、プライベートなことだから、一人だけになれる場所や時間にやろうね」と声がけをすると良いのだそう。トイレで、お布団の中で、など、具体的に伝えた方が子供には理解しやすいそうです。
炎症などが出てしまうといけないので、「綺麗に洗った手で」触ることも付け加えます。腫れなどの症状が発生してしまった場合には、受診しましょう。

他に、男子の性器の包皮についての質問もあり、「成長に伴って自然と剥けるもの」とのことでしたが、親が剥いてあげることについては、北欧では、例え親であっても、プライベートゾーンは触らない方が良いという考えもあります。
汚れがたまっていると良くないので、清潔を心がけましょう、とのことでした。

その後、“好きな服装で出かけよう!”の工作を発表しあいました。

工作の様子

和服にした子、カジュアルな服装にした子、ブロンズヘアーにした子など、様々で、ファッションのポイントについて話してくれた子もいました。
みんな違ったファッションを選びましたが、それこそが良いのだということを実感した子もいるのではないでしょうか?

「面白かった人!楽しかった人!」と呼びかけると、一斉に子ども達の手が上がって、大盛況のうちに終了しました。

遊びながら子どもが自分の「からだ」や「これが好き」を知ることができるワークブックはこちらから購入できます。

最後に

今回、講座を担当した命育の代表である宮原さんは、『子どもと性の話、はじめませんか?』(CCCメディアハウス)という本も出版されています。

産婦人科医の高橋幸子さんの監修も入っており、幼児期・児童期・思春期のお子さんのいる保護者に対して、各時期に適した「伝え方」が掲載されている本です。

今回の命育による講座は、保護者の方にも大好評でした。

・大人にとっても、すごくありがたい話でした。普段から話す機会を作ろうと思います。ありがとうございました!

・家庭では、男女のステレオタイプの押しつけはしないように心掛けていても、周りから刷り込まれてしまうことが悲しいです。とくに小さい頃が大事だと思うので、乳幼児期にかかわる人はみんな意識できるようになると良いですよね。ご活動に共感いたします!

・からだやジェンダーの話も、小学校一年の子どもでも理解しやすい、親しみやすい内容での説明でした。自分が手探りで説明するよりもずっと効果的な内容でした。受講して本当によかったです。

親にとっても子供にとっても、大事なお話をしてくださりありがとうございました!一人でも多くの方がこの事について考えたり、知識をつけることができたりしたら、きっと皆がより良く性について考える事ができると思いました。

参加した保護者の方は、この講座に参加してくれているくらいなので、もともと性教育に対して、意識の高い方が多かったと思います。
それでも、なかなか何から始めたら良いかわからない、という状況がこの講座の参加によって変わったようですね。

オンラインdeキッズスクールでも、第二回を検討したいと考えていますので、その際は、ぜひみなさんご参加ください!

インスタグラムでは、#ママワークスキッズスクール で今までの参加者の方々による投稿も見られますので、重ねてチェックしてみてください。

『オンライン de キッズスクール』では、今後の講座のスケジュール、および各講座へのお申し込みを以下のページから受け付けています。

開講案内はこちらから

一人でも多くのお子さんがこの講座で楽しく学んで、働くママの負担が軽減されますように!

この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!

イベントレポート

蓑手先生の子育てお悩み相談室!発達や学習の遅れについて

今回は、『子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた』の著者であり、特別支援学校での勤務経験もある蓑手章吾先生(通称ミノテ先生)をお招きし、「子育てお悩み相談室」を開催しました。

テーマは、発達や学習の遅れについてです。
気になるその内容をレポートします!

伸びない子って、1人もいない!

前半は、ミノテ先生から「発達」や「学習」に関してのお話がありました。
小学校に入学すると、急に一斉スタートを切らされる感じになり、遅れを感じたり、それに伴う焦りを感じてしまったり……

しかし、ミノテ先生は「伸びない子は、1人もいない!」と断言されます。

「途中でどんなに、これはもう伸びないかな?と思っても、結論から言うと伸びない子は1人もいません。“その子に適した環境を作っていってあげる”ことこそが大事なことなのです。
それがミノテ先生の信条です。

そもそも「遅れ」とは?

「マイペース過ぎない?集団生活できているのかしら?」
「うちの子、読み書き苦手だけど、これって学習の遅れ?」

子育てをしていると、ふと不安になることがあるかもしれませんが、そもそも上記の心配ごとは、「他人との比較」によって生じる不安です。

階段を登る三人の図
ここに、3人の子ども達が、成長の階段をそれぞれ歩んでいるイメージ図があります。

「本来は、目的地がそれぞれの子で異なるのだから、比較することに意味はない。」とミノテ先生は言います。

ところが、基準となる線を引いてしまうことにより、それよりも「上の子」「下の子」という区別が、現在の教育現場ではみられます。

そのため、前述の心配ごとー「遅れている」「苦手だ」と感じてしまうことに、つながっていくのです。
一旦、そのような負の感情を有してしまうと、焦れば焦るほどうまくいかない…という悪循環に陥ることになります。

本来は、それぞれの子ども達には、それぞれの階段の高さ・幅の最適解があり、そこを大人が調整して、子どもの成長を促していくことが必要だと言います。

「幸せ」ってなんだろう?

上の段の図において、段の上の方に居ても幸せと感じることができない人もいれば、段の下の方に居ても幸せそうな人もいます。

これは大人でも同じで、経済的に豊かな人が必ずしも幸せというわけではありません。

では、「幸せ」とは?
ミノテ先生の考える「幸せ」は「段のどこに居ても、斜め上を見ていられる」ことだと言います。

上を見上げるこども
どこの段に居るか、ではなく、明日、そして未来に楽しいことが待っていると感じることができること。

段の現在の位置に親がとらわれてしまうと、それは子どもにとっては不幸の始まりです。

「今できなくても、ダメでもいい。『明日に希望をもつ力』をつけていくこと」を大切にしたいものです。

片付けできない子、どうしたら?

後半は、事前にいただいた質問をもとに、ミノテ先生が解決策を提示してくださる形式で進んでいきました。

このコラムでは、いくつかピックアップしてご紹介します。

「子どもが散らかしてばかりで、片付けができるようにならない。」

簡単な解決策としては、置きっ放しにしがちな場所に片付ける箱を置いたり、よく使う場所のすぐ近くに片付ける場所を設置したりすることが望ましい、とミノテ先生はアドバイスされます。

さらに、どうやって片付けたら良いか、目で見てわかるように、どの引き出しに何を入れたらわかるように、各引き出しに「イラスト」や「写真」を貼るといった「視覚支援」の観点を大切にされています。

イラストを貼った引き出し
しかし、ミノテ先生は言います。

そもそも、本当に片付けが必要なのか?を考えることも大切です。大人の健康器具のように、出しっ放しにしておくほうが良いものもあります。」

頭ごなしに「片付けなさい」と言うのではなく、「そもそも」に立ち戻って考えること、忘れてはいけませんね。

切り替えられない子ども達

うまく次に切り替えることができない子どもに、悩む親も多いものです。
「ご飯だよ」と言っても、子どもがすぐに遊ぶのをやめないー。子育てあるあるですね。

ゲームをしているこども

解決策の一つに、「切り替えたら得をして、切り替えられなかったら損をする」仕組みを導入するという方法が紹介されました。約束通りにできたらおやつの量が増え、できなかったら減るなどです。

大切なのは、子どもと対立せずに寄り添うことだと言います。

「子どもVS大人」とならぬよう、「何時になったらやめられそう?」「10数えるよ」と言って、子どものペースに合わせて、時には笑ってしまうくらいゆっくりと「10〜! 9〜! 8〜!…」とカウントダウンしていくという手法も紹介されました。

切り替えがうまくできない子どもは、集中力が高いとも言えます。概して、うまく切り替えができない子の方が大成したりするようです。

ここでも「そもそも」について考えます。

そもそも「切り替え」というのは、大人の都合に合わせているだけのことも多く、本当にそこで切り替える必要があるかも再考の余地があります。

だからと言って、大人だけが我慢するのではなく、大人と子どもがそれぞれ少しずつ我慢することで、みんなが幸せでいられる方法を模索しましょう、とミノテ先生は提案されていました。

「ねば」はNEVER

私たちの社会、特に育児に関しては「こうあらねば」という呪いがはびこっています。

「嫌なことを耐えさせねば…」
「ストレスを極力軽減させねば…」
「正しい習慣をつけさせねば…」
「褒めて育てねば…」
「正解を教えねば…」
「成功体験させねば…」
「自分が責任持って育て上げねば…」など…

しかしながら、この数々の「こうあらねば」に対して、
「全部手放して良い」とミノテ先生は言い切ります。

むしろ、その子が一歩先・半歩先に進めることを共に喜んであげることこそが大切なのだとお話ししてくださいました。

数々の「ねば」によって、しんどく感じてしまう人はとても多いのではないでしょうか?

「ねば」の呪いは強く、今までの慣習などが邪魔をして、自身のマインドから「ねば」を簡単に手放すことは難しいと言います。

しかしながら、今回の相談室で、その「ねば」からの解放に少しは向かうことができたのではないでしょうか。

その他のQ&A

上記以外にも、ミノテ先生は多くの質問に回答いただきました。ほんの一部をご紹介します。

Q.5歳の子が、兄弟に比べ明らかに「読み書き」ができません。苦手意識があるのか、兄と姉が何かを書いていても参加しようとせず、ますます苦手意識を募らせているようです。鉛筆の持ち方もおかしいため、親が手を添えようとするとすぐに嫌がってやめてしまうため、接し方に悩んでいます。
A.子ども自身が劣等感を抱いてしまうと、余計やりたくなくなります。今回は、まだ5歳とのことで、鉛筆を持つのがまだ難しい可能性があります。まずは字ではなく絵を描いたり、ぬりえをしたりすることをお勧めします。本人のプライドが邪魔していることもあると思うので、他の兄弟とはジャンルを変えて、後追いにならないようにしてあげてください。
Q.マイペースで、つまずきやすく、つまずくとすぐ泣いてしまいます。どうしたらいいでしょうか?
A.簡単なことで良いので、失敗して、やり直して…のサイクルをなるべく多く経験させてあげましょう。「失敗慣れ」をすることで、失敗が何ともなくなっていきます。また、泣いた時に大人がアタフタしないようにすることも気をつけたほうが良いです。

失敗をいかにさせるか、というのは、成功体験以上に必要だと思っています。失敗することが怖いと思っていると幸せにはなれません。むしろ、チャレンジした時に「ナイストライ!」と言ってあげるようにしましょう。

参加者の皆様からの声

今回参加してくださった保護者の皆様からは、以下のような声が届きました。

「階段のイラストにははっとしました。無理やり二段以上引っ張りあげようとまさにしていたところだったので、気づけてよかったです。」

「発達の悩みだけではなく、幸せや子育てなど生き方全般について、大切なことを考え深める大切な糸口を頂きました。」

「そもそも必要か、というのは、本当にそうだと思いました。」

皆さん、普段の生活ではなかなか気がつくことができなかったことに、ミノテ先生のアドバイスで気づかれたことがあったようです。

「どんな子も必ず伸びる!と、たくさんの子をご覧になってきた先生が言いきってくださったのに救われました。その子のペースに合わせた、その子なりの成長を見守れる大人でありたいと思います。」

「子供の頃出来なかった子が大人になって成功していると言われていました。子供の将来が不安でしたが、そこまで悩まなくても良いと思える言葉でした。」

「本当に子育てがしんどく、色々と悩んでいたので、お話が聞けて良かったです。」

ミノテ先生の言葉で、子育てに対して、少し力を抜くこともできたようです。

このように、誰かに相談したり、専門家の意見を聞いたりすることで、子育ての辛さが和らいだり、楽に感じたりすることはよくあります。

『オンライン de キッズスクール』でも、相談会・講演のように、子育てのお悩みを解決する機会をどんどん提供していきたいと考えています。

みなさんもお気軽にご参加ください!

◇登壇者プロフィール◇

蓑手 章吾(ミノテ ショウゴ)

Hillock初等部スクールディレクター 校長

特別支援校での現場経験を活かし「人間発達プログラム」で修士号を取得。
教育のICT活用にも経験豊かでコロナ禍休校中にICT推進校である小金井市立前原小学校で行った実践はメディアでも話題に。
代表著書「子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた」(学陽書房)

蓑手先生の写真
『オンライン de キッズスクール』では、今後の講座のスケジュール、および各講座へのお申し込みを以下のページから受け付けています。

開講案内・講座スケジュールはこちら

一人でも多くのお子さんがこの講座で楽しく学んで、働くママの負担が軽減されますように!

この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!
蓑手先生の「教えます!夏休みの過ごしかた!」」

イベントレポート

蓑手先生「教えます!夏休みの過ごし方!」レポート

夏休み目前の2021年7月9日、『子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた』の著者である蓑手章吾先生(通称ミノテ先生、以下同)を講師にお迎えし、夏休みの過ごし方の心得についてお話しいただくイベントを催しました。

蓑手章吾先生(以下、ミノテ先生)は、自由進度学習を取り入れた授業を公立小学校で実践した経験を活かした活動を通じて広く知られ、現在はオルタナティブスクールの立ち上げプロジェクトにも参画されています。

前回、先生による第一回講演イベントを開催後、会員の方々からの熱いリクエストをいただきまして、引き続き今年2度目となる先生の再登壇が実現しました。(前回の登壇内容詳細についてはこちら)

今回はこちらのイベントの内容についてレポートします!

「夏休みのめあて」を立てるコツは?

約40日もの長期にわたる夏休み。誰もが長い休みを有意義に過ごしたいと願うものですが、過ぎてしまうとあっという間に終わってしまったな、ということになりがちですね。充実した長期休暇を送るためには、どんな目標設定、「めあて」が必要となるのか、気になるところです。

ところが、「『夏休み』という長い期間のために めあて を立てることはあまり意味がありません」と話すミノテ先生。

なぜなら、「もし1か月以上にもおよぶ『夏休みのめあて』を作ったとしても、結局は8月末になるまでその進捗を振り返らなかった、という状況になってしまいがちだから」だそうです。
ミノテ先生は、あるときにいきなり長期のものを作るのではなく、日単位の めあて を作成して、毎日といった短いサイクルでふりかえりをすることを勧めています。もっと言えば、「“今日の午前中”とか、“今から30分”といった短さのものでも良い」とのことです。

予定の計画

「めあて(目標)」を立てるにあたり気をつけたいこと

前回登壇された際に、「簡単にできることをこなしている子を、安易に褒めてはいけない。適度な難度の めあて を作成することが大切」とお話しされたミノテ先生に、保護者の方からの質問が寄せられました。

「子どもが学校で作ってきた めあて には、『次はがんばる』、『次はミスがないようにがんばる』といったことが書かれていました。こんなふわっと漠然とした作り方で良いのでしょうか?どこまで子ども自身に任せるべきか、大人が手伝って良いのか、手伝うべきなのか悩みます。」

前回の講演でミノテ先生は、日々の学習を、「チキンレース」に例えて説明されていました。

「自分が絶対に間違えないような安全圏である『コンフォートゾーン』ではなく、そこから少し先にある『ストレッチゾーン』に めあて を置くのが望ましい」というお話でしたが、

詳しく言うと、「自分自身の状況からして飛躍しすぎて、なかなか達成できないようなレベルではなく、あくまでもがんばれば8割くらい達成できそうな程度の『少し先』を具体的に めあて に定めることが大切」だと言います。そして、「このことを実践する際には、『失敗しても良いんだよ』という大人による『失敗の許容』や安心・安全を保証してあげることが重要になってくる」と先生は強調します。

勉強する女の子

最初はこの達成難易度の調整が子どもには難しいので、ここでも大人が寄り添い見守ってあげることも大切だそうです。最初からベストな めあて でなくても、親が日々の調整をサポートしてあげて、徐々に子どもが自力でその子なりの めあて を作れるようになっていけるようになることが望ましいようです。

「良いめあて」、「良いふりかえり」は達成できたかわかりやすいものを

実際に「めあて」を立てる場合、その内容によって良いめあてと、そうでないものとがきまってしまいます。

例を挙げると、

  • 「集中する」
  • 「理解する」
  • 「〜を学ぶ」

これらは、ミノテ先生によれば、のちに達成できたかどうかの判断基準が曖昧になってしまうので、 めあて としては不完全です。

一方、別の例では

  • 「〜ページ目までやる」/「〜問解く」
  • 「最後のチェックテストで合格する」
  • 「分からないところを分析する」
  • 「昨日より、より良い点数を取る」

といった書き方はいずれも内容が具体的で、また達成したかどうかが主観ではなく客観で判断できるので、これは「良いめあて」と言えます。

これは「ふりかえり」の作業をする際にも、同じことが言えます。

例えば、

  • 「分からないところがあった」
  • 「集中できた/進まなかった」
  • 「〜が理解できた」

これらは、具体性に欠けたふりかえりです。今日は何点取れた、昨日できなかった問題が解けるようになった、など、こちらも具体的に何が理解できたのか、できるだけ測定可能な状態で振り返る必要があります。体操や鉄棒など、数値化が難しいふりかえりについては、写真や映像を使って記録し、前回と比較していくなど、工夫を要するようです。

このように、めあて に対する ふりかえり が客観的に測定可能な状態で記されてあれば、大人が褒めずとも、子ども自らやる気になっていくものだと言います。

また毎朝のルーティンなども、「親が『早くしなさい』と急かすのではなく、親の頭の中にあるルーティンを子どもにも可視化できるよう、たとえばホワイトボードにルーティンを書いたマグネットなどを並べるなどすることがおすすめだそうです。

そこへ実際の時間などを後から記録していくことでかかった時間などが見て明らかになるので、やがて『どの順番にやれば効率が良いかな』ど、子どもが自らゲーム感覚で検証するようになる」、という先生によるアドバイスでした。

子どもは、特に幼少期は様々な面での成長が目覚ましいので、何でもすぐに出来るようになると親はつい思いがちですが、一度身についた習慣を変えることは大人にとっても難易度が高いものです。

「習慣を壊すことは非常に難しいと認識したうえで、ハードルを下げるために、仕掛けをゲーム化して楽しみながら改善を図るなどといった工夫が大切であり、そうして習慣を変えることができれば次なる成長に繋がっていく」という点を強調されていました。

「ゲームはレベル・経験値・お金など、成長が数値化されて可視化されることで、子どもたちが引き込まれて好きになっていくという面がある。学習も同様で、成長を数値化・可視化することで、好きになっていってくれるものです。」といった言葉が印象的でした。

遊びを優先し、勉強の予定は後回し。これで良いの?

また、別の保護者の方からの「勉強と遊びの予定を子どもに作らせると、必ず勉強を後回しにして遊びを優先してしまう。嫌なことを後回しにするのはやめてほしいと思う。」といった相談が挙げられました。

それに対するミノテ先生のアドバイスは

「基本的には子どもの決めたことを尊重してほしい」でした。

「結果的に勉強できないまま寝てしまったり、遊びの時間は長く取るのに、勉強の時間を不十分なままにするようになったりするのであれば、親は子どもに変更してもらうように働きかけるべきです。しかしそうでないのであれば、勉強より先に遊ぶことを容認してあげてほしい。」とミノテ先生。

「友達と一緒に遊ぶような場合は、時間の関係で先に勉強するということができないケースもあるので、そのような場合はよく子どもの話を聞いてあげることが大切。もしそうでなくても、後で勉強することが頭から離れないまま遊ぶことが嫌になり、子ども自身が順番を変えようと気づくかもしれない。」

そういった場面でも、あくまでも子ども自身が決めたことを優先するべきだとする先生のアドバイスに、参加者の皆さま一様に納得の様子でした。

参加者の皆様からの声

今回は、前回の講演を受けて「より詳しく先生のお話を伺いたい」という保護者の方からのリクエストにより実施されたということもあり、先生も前回以上に参加者からの質問に答えることに時間を割いてくださり、より理解の深まったイベントとなりました。

参加いただいた皆さまからは次のような感想をいただきました。

「(いままで)良かれと思ってしていたことでも、先生のお話を聞くと考え直した方がいいなと思うことが多々ありました。視野を広くして子育てを楽しみたいと思います。」

「目標を立てる方法があることにびっくりしました。それは自分たちが目に見えてわかるように、数値化したり、短く言語化したりすることだということでした。最後にフィードバックしたときに、ひと目で成長がわかると楽しく取り組めるので、とてもいいなと思いました。」

ミノテ先生も、「最初は適度なめあてを設定するのが難しいが、一度サイクルが回りだすと、自転車の練習のように勝手に子どもだけで進めていくことができる」と話していました。
千里の道も一歩から。まずは、お子さんと一緒に めあて を立てて ふりかえり をする機会をまめに作ってみてはいかがでしょうか?

登壇者プロフィール

蓑手 章吾(みのて しょうご)

特別支援校での現場経験を活かし「人間発達プログラム」で修士号を取得。

教育のICT活用にも経験豊かでコロナ禍休校中にICT推進校である小金井市立前原小学校で行った実践はメディアでも話題に。

著書に「子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた」(学陽書房)

『オンライン de キッズスクール』がお届けする今後の講座のスケジュールの確認、および各講座のお申し込みは以下のURLからしていただけます。

今後も一人でも多くのお子さまやママにこの講座で楽しく学んでいただき、また日々がんばるママをサポートするサービスを提供すべく、スタッフ一同より一層励んでまいります!

オンラインdeキッズスクール事務局
https://mamaworks.jp/kidscourse/

この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!
たっく先生子育て相談室

イベントレポート

Tak (たっく)先生の「子育て相談室」レポート

インターナショナルプリスクールの代表を務めるほか、未来の子育てプロジェクトなどで大活躍中の堺谷武志先生(通称 Tak(たっく)先生 以下同)をお招きし、2021年5月15日に保護者イベント「Tak先生 子育て相談室」を開催しました。


銀行員から保育士という異色の経歴を持つTak先生。
英語学習や子育て、さらに日本と世界の教育比較、未来予測など幅広いテーマでお話しいただきました。

今回はその内容について詳しくレポートいたします。

英語を学習することで広がる可能性とは?

「海外に留学することを含めて、英語を勉強することによって、その先の世界に触れられることの素晴らしさを子どもたちに知ってほしい」とTak 先生。

その言葉の背景には、「どの子どもも、いじめやうつや戦争で死んでしまうようなことはあってほしくない」という先生の考えが根底にあります。

「世界は広く、人生は色々であり、自分の幸せを自分で掴み取っていく過程において、それを実現するためのヒントは世界中に転がっているということ、そしてそれぞれみなさんの居場所は必ずどこかにあるということに気づいてもらいたい」と言います。

たとえば、日本語を使うときと、外国語を使うときとでは、ものの見方は必ずしも同じではありません。留学や外国語の勉強は長期的にそういった気づきを得ることのできる大きなチャンスになります。

Tak先生自身そういった経験を経て、「幸せにはいろんな形がある」ことに気づき救われたと言います。そして結果として、やりがいのある仕事に就くことや、人生の彩りを豊かすることへ繋げていくことができるのですね。

英語学習において大切なことは「ほそく、ながく、たのしく」

Tak先生自身は、帰国子女でもインターナショナルスクール出身でもありません。MBA取得のために海外留学をするまでは、英語を使う機会といえば大学受験の勉強や旅行の際に使う会話などに限られていたそうです。

そんな先生が留学中や、その後の海外とのビジネスの場面を振り返ると、最も苦労したのは、「聴く」ことだったようです。

「読む」「書く」「話す」については、量をこなすことで上達をしていく一方で、「聴く」については、なかなかこれらと同じようには伸びてはいかなかったそうです。

一般的に楽器や語学などで特に求められるような「耳」に関する力は幼少期に伸びることが知られており、大人になってからその力を伸ばしていくのは容易なことではありません。

ゆえにこういった学習においては、幼少期から「聴く」練習を中心に、「ほそく、ながく、たのしく」続けていくことが大切だと先生は何度も話していました。

また、お子さんが長い時間をかけて練習を継続していくためには親御さんの手助けが必須であり、そのためには、親御さん自身が根気づよく取り組むことと、途中で燃え尽きてしまわないことが大切だといえそうです。

変化の激しい時代に幸せになるために「はずれられるチカラ」を持とう!

日本は同調圧力が強い傾向があり、それが極端な方向へ進むことで引き起こされるパワハラ・いじめ・体罰・DVの温床になってしまっているのが現状です。

そういった社会においては、「結局のところ、同調圧力に屈することなく精神的に自立した人間が最後には強い」とTak先生ははっきりと言います。

お子さんがこういった同調圧力に直面した場合、先生はこれに打ち勝つためにご家庭で日ごろからできるサポートとして、

① 「世界は広い」ことを見せておくこと

② 普段から学校外コミュニティ(逃げ場)を持たせておくこと

③ 親以外の信頼できる大人の存在を作ってあげること

の3点を挙げていました。

「「敷かれたレールに乗る」ことや「みんなと一緒」であることが大事と思いながら生きていくと、やがて人生の後半になってから、自分自身の人生を生きていないような気持ちが生じてしまう人がいる」とTak先生は指摘します。

そうならないためには、若いうちから試行錯誤することが必要であり、ご家庭では、

・「自分で選ぶ・決める」を促すこと

・(状況によっては)少数派になる勇気を持つこと

この2点を日ごろからお子さんに伝えるよう心がけると良いと言います。

「「メインストリームからはずれて少数派になっても大丈夫だと思えるチカラ」つまり「はずれられるチカラ」が大切になる」というわけです。

学校の宿題って本当にやらないといけないの?

イベント後半では、参加者の皆様から頂いた沢山の質問に対して先生に回答していただきました。

「学校の宿題って本当にやらないといけないの?」という質問から、「宿題」や「学校」の本質を問うものまでと質問は多岐にわたりましたが、先生はそれら一つ一つについて丁寧に答えてくださいました。

質問の一つにあげられた「宿題の意義」について先生は、「宿題の強制は「黙って言うことを聞きなさい」と教師や親が子に言ってしまうことの典型ですが、実のところ学校に行って言われたことをやる、という時代はもう終焉しているのではないか」との見解を示しました。

「たとえばヨーロッパでは、もともと宗教上や職業上の理由もあり、自分の子どもがどの学校でどんな教育を受けるか、というのを親が主体となって自由に選択することが一般的であり、日本のようにみんなが同じ学校に行って、言われたことにみんなが一様に従っているという感じではありません」と、海外の教育事情について触れ、かならずしも日本における考え方が世界で普遍のものではないのだと説明しました。

「宿題をやること」、「学校に行くこと」。

どちらも私たちは長きにわたり当たり前のようにやり続けていることかもしれませんが、それは本当に必要なことなのか、そもそもなぜ必要なのか、ということへ立ち返って、親子で一緒に考えることが必要な時代が来ているのかもしれません。

参加者の皆様からの声

当日ご参加いただいた皆さまからは、

「子どもに選択させることが大切ということ、コントロールできないこと、改めて気付かされました。まず親も楽しむことが大切なのだと思いました。」

「英語のみならず教育全般に対する非常に深い考察も色々と聞くことができ、とても有意義な時間を持つことが出来ました。英語学習にはまずヒアリング力を伸ばす事が大事だと言うことを知れただけでも、取っ掛かりやすくなったように感じました。」

「先生のお話を聞いて、経験から学ぶ事の大切さを改めて実感しました。」
(原文引用)

といった感想が寄せられ、皆さまにとって多くのことに改めて気づくきっかけとなる相談会になったようです。

当日Tak先生には事前にいただいたものも含めて、多くの質問に快く回答していただき、最後は先生からも、「全ては問いから始まるものであり、いただいた多くの質問は愛情の証拠です」という温かいメッセージをいただきました。

イベントは大変な盛り上がりを見せ、結果予定時間を超える長時間におよびましたが、皆さん最後まで真剣に聞き入っている様子で、充実した時間を過ごしていただけたようです。

登壇者プロフィール

堺谷 武志(さかいたに たけし)

プリスクール「キッズアイランド」創設者

現在、都内に3校のプリスクールを経営。京都大学工学部卒業後、南カリフォルニア大学にて MBA を取得。
都市銀行で米国やシンガポールに駐在し国際ビジネスに従事したのち、「自分が子供だったら絶対行きたいスクール」を創設することを目指し、2006年キッズアイランドを設立。
小学校の設立控え準備を進める傍ら、未来の子育てプロジェクト、EdTech 推進など様々な活動を精力的に行っており、その未来を見据えた鋭い視点、そしてユーモアと情熱あふれる先生の諸活動についてはラジオなど各種メディアで取り上げられている。

今後も一人でも多くのお子さまやママにこの講座で楽しく学んでいただき、また日々がんばるママをサポートするサービスを提供すべく、スタッフ一同より一層励んでまいります!

『オンライン de キッズスクール』がお届けする今後の講座のスケジュールの確認、および各講座のお申し込みは下記のURLからできます。

オンラインdeキッズスクール事務局
https://mamaworks.jp/kidscourse/

この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!
たけちゃん先生の学習・子育てお悩み相談室

イベントレポート

たけちゃん先生「がくしゅう・子育てお悩み相談室」レポート

2021年2月、啓林館の教科書の著者であり、教員の養成も長年経験されている竹内英人先生(通称 たけちゃん先生)を講師にお招きし、お子さんとその保護者向けのオンラインイベントを開催しました。

プログラム前半では主に低学年のお子さん向けの「たけちゃん先生 算数出前授業」、後半は保護者を対象とした「たけちゃん先生 がくしゅう・子育てお悩み相談室」の時間を設け、参加いただいた親子の皆さまにご好評をいただきました。

前半45分間の「出前授業」では、低学年のお子さん達が集中して授業を聞き、積極的に手を挙げて回答する姿が見られました。よくよく注意して見てみると、そこには常に竹内先生による絶妙なタイミングでの声かけが…。

実は先生のこの授業スタイルには、日ごろの子育てに関する悩みを解決する多くのヒントが隠されているのです!
今回はこちらのイベントの当日の様子についてレポートします!

たけちゃん先生授業

「たけちゃん先生 算数出前授業」を通じて

「算数好きな人、手あげて!」

当日の竹内先生の授業は、そんな声かけから始まりました。

もちろん参加者の中には算数が好きな子も嫌いな子もいて、私たちもそれが普通であるように思いがちですが、先生によると、「子どもは本来みんな学ぶことが大好き」で、さらには「子どもというのは、知らないこと、未知なものに対しては最大限の興味を示す」ものだとか。

実際、当日のイベント授業では、目を輝かせて先生の話に集中し、提示された問題に積極的に取り組むお子さん達の様子が印象的で、まさに先生の話すところの「本来の学び好きな子ども」の姿そのものでした。

なぜ竹内先生の授業での子ども達はそんなに生き生きとしているのか?そしてなぜ子ども達は、いつしか学ぶことを嫌いになってしまうのか?
プログラム後半で先生はそんな私たちの疑問に答えてくれました。

考える男の子

なぜ学ぶことが嫌いになってしまうのか

後半のお悩み相談室では、先生は子どもが勉強を嫌いになる理由を3つあげていました。

  1. ・結果(正解か不正解)しか求めないから
  2. ・急ぎすぎるから(結果が出るのを急ぎすぎるから)
  3. ・他人と比べるから

これらのことはいずれも、周りの大人による影響なのです。

今回の出前授業では、はじめに「自分の頭で考える」ことを子ども達に「お約束」として提示していました。

「分からなかったり、間違ったりしても大丈夫。周りの大人に聞かないで、自分でまずは一生懸命考えましょう!」と先生が励まします。

たけちゃん先生の授業で大事なことは、正解・不正解ではなく、またはやく答えを出すことでもなく、まずは自分で考えることなのだと、それぞれのお子さんに促す姿勢を随所に感じることができました。

子どものやる気を失わせるNGワードとは?

お悩み相談室では、たけちゃん先生から「こんな声かけしていませんか?」と親が注意すべきチェック項目についてがあげられました。

以下の8つの項目のうち、4つ以上あてはまる場合はイエローカード、6つ以上でレッドカード!とのことです。どうぞ皆さんもチェックしてみてください!

  1. ・もう宿題やったの?
  2. ・今しっかりやっておかないと後で困るよ(ここでつまずくと後が大変だよ)
  3. ・もっと早くできないの?
  4. ・そそっかしいミスさえなくなれば、もっと良い点数を取れるよ
  5. ・中学受験でも算数は大事だよ
  6. ・お姉ちゃんはできたのに・・・
  7. ・○○くん(ちゃん)はどうだった?
  8. ・クラスで100点は何人いた?平均点は何点だったの?

いかがだったでしょうか?

子どもをせかしたり、嫌味っぽいことを言ったり、他の子と比べたり・・・。なかには、親が良かれと思ってつい言ってしまうこともあるかもしれませんが、何気無い親の一言で子どものやる気はだんだんと失われていくのだそうです。

「本来学ぶことが大好きである」はずの子どものやる気を、他でもない親みずからがそいでしまうのは非常にもったいないこと。これらのNGワードにこれからは気をつけないといけませんね。

親の究極の役割とは?

「親が子に対して果たすべき究極の役割とはなにか?」

たけちゃん先生はズバリ、「自分(親)が死んだとき、子どもが一人でどんな困難にも負けずに、前向きに楽しく生きていけるような土台を作ってあげることである」と主張します。

さらに先生は「いい学校に行くことで幸せな人生を歩めるという時代は終わり」だと断言します。

自分の力で学び続けられる子どもに育てることが親としてしなければならないことであり、そしてそのためには幼児・児童教育がとても重要な役割をもつことを強調されていました。

「では、具体的に親は子にたいして何をしてあげれば良いのでしょうか?」という質問に対して、先生は以下の5つのポイントを挙げてくれました。

  1. ・子どもにいろんな学びのチャンスを提供する(何に興味があるかはまだ誰も分からない)
  2. ・親自身が学び続ける姿を見せる(継続することの大切さを見せる)
  3. ・最後まで子供の「応援団」でいる
  4. ・「ティーチング(指導、教える)」ではなく、「コーチング(支援、導く)」
  5. ・子どもの話を聞く

読んでそれらが良いと分かっていても、なかなか実践できていないこともあるのではないでしょうか?たとえば上記5項目と普段の親子関係を照らし合わせて、今できていることとそうでないことが明らかになれば、今後親として子どもをどうサポートしていけばよいのかが見えてくるかもしれません。

また先生は、「何事もまずは3ヶ月継続しましょう!」と強調していました。つまり、親が何かを学ぶ姿勢を子どもに見せるのであれば、最低3ヶ月はそれをやり続ける。また、子どもが自分で勉強の計画が立てられないときも、3ヶ月は根気よくサポートするなど、「3ヶ月」を一つの目安にすると良いそうです。

子どもが伸びる環境とは?

さらに先生は、子どもが伸びる環境づくりのために以下の5つの条件を挙げています。

  1. ・安心して学べる環境(何があっても自分を認めてくれる親の存在)
  2. ・良い声かけ
  3. ・良質なコンテンツ(教材)
  4. ・良い先生(子供に合った先生)
  5. ・良い仲間

勉強する女の子

前半の出前授業でも、たけちゃん先生は絶妙なタイミングで子どもたちへ声かけをしていました。また声かけの際には、「否定をしない」という点も大切にしていると言います。

実際、当日授業に参加するお子さんの様子を見ていた保護者の方からは、

「(子どもの回答が)合っていても間違っていてもトーンが変わらない声かけがあり、また最後にあえて答えを解説せず、自分で考えてみてね、と締めくくるなど、なるほど(参考になる)と思いました。」という感想もいただきました。

大げさに何もかもを褒めるのではなく、ここぞという時に声がけをしていくには、そのための技術も必要です。

どのタイミングでどう声がけをしていけば効果的なのか、親御さんはお子さんの様子をよく観察して、それを見定める必要がありますね。

参加者の皆さまからの声

たけちゃん先生の授業およびお悩み相談室は、合わせて1時間半を超えるほどの長時間に及びましたが、そこで話された内容には子育てのヒントが満載でした。

前半の授業に参加したお子さんの保護者の方からは次のような感想をいただきました。

「ゲーム感覚での授業、新鮮でした。」
「みんな全く集中力切れていないように思えました。テクニックがすごいです。」
「何を答えても、自然体で本当に否定しないでいて、学校の先生がこんな先生ならいいなあと思いました。」
「子どもが楽しそうで声かけが参考になりました。」

まさに子どもが画面に食いつく勢いの授業展開でしたね。

さらに、後半のお悩み相談室に対しては次のような感想もありました。

「耳が痛いことばかりでした。1つでも親として子どもの邪魔をしないよう頑張ります。」
「同じような悩みがある方がたくさんいて、うちだけじゃないのに少し安心しました。親が死んでも、子どもが楽しく生き抜く力をつける、そのための勉強の仕方を考える、という視点を見失わずに子供と関わっていきたいと思います。」

日ごろ子育てをしていると、うまくいかないことや、良かれと思ってやっていたことが裏目に出てしまうこともありますよね。
イベント当日も、たけちゃん先生のお話しされた内容を、耳が痛いと思いながら聞いていた方も多いと思います。

ですが、そんなご自分を責めるのではなく、この機会にお子さんとの接し方を見直して、イベントで得た情報をこれからの子育てに活かしていただくことで、お子さんがこれまで以上に生き生きといろんなことへ取り組む姿を見ることができるかもしれません。

今回の会が、今後の皆さんの子育てのよきヒントを提供できましたら幸いです!

登壇者プロフィール

竹内 英人(たけうち ひでと)

名城大学 教職センター教授(数学)

大学では中高の数学教員養成、全国の教員研修を行っている教師育成のプロフェッショナル。啓林館の教科書執筆をはじめ著書多数。小・中・高校生のための出前出張授業も大人気。

『オンライン de キッズスクール』がお届けする今後の講座やイベントのスケジュールの確認、および各講座のお申し込みは以下のURLからしていただけます。

今後も一人でも多くのお子さまやママにこの講座で楽しく学んでいただき、また日々がんばるママをサポートするサービスを提供すべく、スタッフ一同より一層励んでまいります!

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この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!
蓑手先生「子どもが自ら学びだす学習のススメ」

イベントレポート

蓑手先生「子どもが自ら学びだす学習のススメ」開催レポ

メディアや講演会で大活躍中の蓑手章吾先生を講師にお迎えして、「子どもが自ら学び出す学習のススメ」と題して、子どもの「自由進度学習」をテーマとした保護者向けオンラインイベントを2021年6月に開催いたしました。

最近耳にする機会の増えてきた「自由進度学習」とは?ご参加いただいた皆さまにご好評をいただいたこちらのイベント、今回は当日の様子をレポートいたします!

ミノテ先生と「自由進度学習」

通称ミノテ先生として広く知られる蓑手章吾先生は、ICT教育推進校である前原小学校での教員時代に、一人ひとりの子どものよさを引き出し、自立して学ぶ力を育む「自由進度学習」を取り入れた授業を実践してきました。

その経験を活かして、現在はオルタナティブスクールの立ち上げにも参画するなど、教育界の最前線で活躍されています。

イベントでは、はじめに「自由進度学習」とはどういったものなのか、それから学校や家庭における実践の経験談を、先生ご自身のお考えなどを交えながらお話しいただき、全体を通じて非常に内容の濃い、盛りだくさんの内容となりました。

先生のお話を通じて知るこの新しい教育スタイルは、これまで日本の学校で「普通」とされている学習方法とは全く異なるもので、参加者の皆さまに新鮮な驚きをもたらしました。

学びって遊びの反対?

「自ら学んでいる姿」を想像すると、机に向かって教科書などを読んで勉強している場面をイメージする方が多いかもしれません。

ですが、本当にそれだけが学びなのでしょうか?と、冒頭に蓑手先生は問いかけます。

そして、そもそも生物学的な観点からしても、学びと遊びは本来そこまで明確に分けられるものではないのではないと先生。

「教科書を使った学習」だけが学びなのではなく、もっと広く実技や習い事、遊びも含めて全てが「学び」であると定義し、「遊びの中に学びを」という考えを常に念頭におきながら、先生自ら学校教育や家庭での子育ての場で実践しているそうです。

子どもたちとコンピューター

「自由進度学習」、今までの教育とどう違う?

蓑手先生は、日本における今までの教育スタイルを、「下りエスカレーターをひたすら上っているようなもの」と例えます。

「毎日ずっと階段を上り続けているつもりなのに、周りもみんな同じように上っているから気づかない。ゆえに、日々の自身の成長を実感できるチャンスがないのです。逆にちょっとでも休んだり、分からなくてつまずいたりすると、どんどん他に置いていかれる気がしてしまう。実際には日々成長していて、下に下っているはずはないのに・・・。」

学習している子ども

まさにこの感覚が、子どもを勉強嫌いにする一番の原因であると、蓑手先生は指摘します。

また一方で、目の前の学習内容が簡単だと感じ、できれば自分のペースでどんどん先に進みたい子もいますが、実際には学校においてそのようなチャンスを与えられることはまずないのが、今の日本の教育システムの現実です。

子どもにはそれぞれの学びの出発点があり、一人一人に合った学習進度で進めていくことが本来の望ましいやり方であって、それこそが「自由進度学習」の根本的な概念だと言います。

ちょうど良い目標設定とは?

「自由進度学習」をはじめるにあたっては、最初に子どもたちが自分で達成したい目標を定めます。その際にその子にとって簡単すぎず、難しすぎずといった、ちょうど良い目標設定のための手助けができるかどうか、ここが親や教師の腕の見せどころだと蓑手先生は言います。

えてして大人というのは、子どもが課題やテストで多く正解をだせばだすほど喜び、たくさん子どもを褒めてしまいがちですが、それはとても危険な行為になりうるそうです。

というのも、子どもはまわりの大人の反応にとても敏感なので、よりたくさん褒められたいがために、本来その子に望ましい到達レベルよりも下のほうに目標を据えるようになり、それによって、本来伸びるはずの能力を伸ばせなくなるおそれがあります。

子どもの可能性の芽を摘んでしまわないよう、安易に褒め言葉のシャワーをあびせるといったことは避けたいものです。

スタート、ステップ、ゴール

また子どもには、簡単ではないけれど、少し頑張れば達成できるといったレベルの目標設定をしてもらうのが理想です。そのためには、まずは大人による「失敗の許容」が重要であり、学習の過程で子どもが失敗や間違いをした、なかなか理解できないといった場合でもそれを責めることは望ましくなく、とくに親は留意したい点です。

そして、例えばテストで最初から100点を取った子が居たとしたら、それはその子にとっては成長の機会をのがしたことになるので、点数を褒めるよりも、親御さんにはむしろ「残念だった」と捉えるようにしていただきたい、と蓑手先生。とても印象的な言葉でした。

家庭で大事にしたい『し・ず・む』

続いて蓑手先生は、「親が子どもにしてあげたいこと」として『し・ず・む』というキーワードを紹介しました。これは3つの行動の言葉の頭文字を並べたものです。先生は家庭におけるこのことの実践を日ごろより提唱しています。

まず一番目の「し」は、「知る」。

これは、自分の子どもは何を好きで得意なのか、何が苦手で、嫌いと思っているのかを知るという意味です。子どもが好きなことをしているときに、どんなところが楽しい、どんなところが良いと感じているのか教えてもらいます。くれぐれも親はそれを否定することなく耳を傾けてあげましょう。まずはとにかく知ることに努めるのが大切です。

二番目の「ず」は、「ずらす」。

これは、子どもがなにか一つのことを好きだとわかったら、親は子どもがそのことばかりに偏愛しすぎないように、徐々に興味をずらすよう手伝いをすることです。たとえば、そのことを題材に絵や記事を作成するよう勧めてみたり、どのように好きなのかを言葉で表現してもらったり、好きなことを発揮できるような大会に応募するよう提案するといった、少し視点を方向転換をするように促してあげます。あくまで、「楽しい」から外れないように気を配りつつ、興味の幅を広げるサポートをしてあげましょう。

最後三番目の「む」は、「結びつける」。

これは、たとえばネット通販のサイトによく見られる、商品と一緒に表示される「おすすめ商品、レコメンド」のように、子どもが好きなことに関連するものを親御さんから勧めてあげることです。

もし子どもが何かのゲームに夢中になっているとすれば、別の似たようなゲームを提案してみる。またキャラクター好きの子には、そのキャラクターがデザインやイラストで使われている問題集を与えるといったことができるでしょう。ここではあくまで親が誘導しすぎないようにすることが大切です。

ぜひ、この『し・ず・む』をご家庭に取り入れていただき、まずは「知る」ことからはじめてみてください。そうして子どもの「好き」を大切に育てていってあげたいですね。

「自分を知り、明日に希望を持ち、幸せになる力を」

イベントでは、小学校における「自由進度学習」の実際の時間配分や実施の際の留意点といった具体的な実践方法や、それにまつわる様々な経験談、そして先生の教育に対する思いなど、盛りだくさんの内容でお話しいただきました。

その中で蓑手先生が随所で強調していたのは、「親が子どもの好きなものを否定しない」ことの重要性です。

たとえば、子どもの好きなことが、一見勉強に結びつかない遊びやコンピューターゲームだとしても、親はそれらをはなからダメなものと一方的に決めつけないようにしてほしいと言います。

実のところコンピューターゲームというのは、「成長実感を見せるもの」としてうまく作られており、ゆえに子どもをどんどん夢中にさせる要素があります。そこで親が、「ゲーム=価値がない」と決めつけてしまうと、子どもは、「自分はダメなものにハマっているんだ」と自身を卑下してしまいかねません。

勉強する子供たち

さらに蓑手先生は、日本人の幸福度が世界的にみると相対的に低いというデータを紹介しました。

自分が幸せだという意識に乏しいと、たとえば自分と比べて成績や社会的立場が下の人を見ると安心して満足してしまう、逆に自分よりも得をしているように見える人には故意にその足を引っ張るといった行動につながります。時折ネット上でも見られるこのような状況は、その根幹には、これまでの日本特有の教育システムによる影響があると、先生は考えています。

「自分を知り、明日に希望をもち、幸せになる力を」。

これは子どもの教育において蓑手先生が最も大切な目標とされているものです。

平均に合わせるのではなく、自分の「好き」を知り、それに向かって素直に一歩一歩進んでいけば、いつか自分の幸せにたどり着ける、またそう思うことが明日への希望へと繋がるのです。このような心に響く言葉で講演の最後が締めくくられました。

参加者の声

参加者の皆さまからは、次のような感想が届いています。

「とても刺激になりました。家での子どもとの接し方が変わっていくといいです。」
「今まで普通と思っていたことが変わる内容のお話でした!!みんなそれぞれのペースで授業を受けられたらいいなと思いました。」
「親が覚悟を持って子どもに遊ばせることも、学びなのだと思いました。ゲームからもフィードバックして発展させることを、意識してやっていきたいと思います」
(原文引用)

当日は時間にして1時間超の講演となりましたが、たいへん盛況のうちに終えることができました。

参加者の方からは「もっと詳しくお話を聞きたかった」、「ぜひ蓑手先生にはまたお話しいただきたい」、といった声が多数聞かれ、早くも先生の次回の登壇が待ちのぞまれるといった雰囲気でした。事務局としても大変勉強になる、素晴らしい機会となりました。ご登壇いただいた蓑手先生ならびに参加者の皆さま、ありがとうございました!

講師プロフィール

◆蓑手 章吾(ミノテ ショウゴ)

特別支援校での現場経験を活かし「人間発達プログラム」で修士号を取得。
教育のICT活用にも経験豊かでコロナ禍休校中にICT推進校である小金井市立前原小学校で行った実践はメディアでも話題に。
著書に「子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた」(学陽書房)がある。

『オンライン de キッズスクール』がお届けする今後の講座のスケジュールの確認、および各講座のお申し込みは以下のURLからしていただけます。

今後も一人でも多くのお子さまやママにこの講座で楽しく学んでいただき、また日々がんばるママをサポートするサービスを提供すべく、スタッフ一同より一層励んでまいります!

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この記事を書いた人
【ママワークス在宅ライター 高原温子】
保育士兼ライター。新卒で入社した会社で、営業・広報・コールセンターと勤務するも、幼児教育に興味を持ち、労力・時間を集中させるために退職。
その後、教育に関する知識と経験を増やすため、保育士資格を取得して、パートで保育士をしています。
今は小学生男子の母です!
ママのほっとカフェ

イベントレポート

ママのほっとカフェをオンライン開催!ヨガや保活講座も♪

2021年5月および6月に子育て中のママ向け無料オンライン講座&座談会「~ママの学びと笑顔をもっと~ママのほっとカフェ」を全3回にわたり開催いたしました。
 
内容は「親子ベビーダンス」、「産後ヨガ」、そして「復職のための保活準備」を学ぶ全3講座。担当したのはそれぞれ分野のプロで、かつ現役ママでもある経験豊かな講師陣。また各講座の終了後には講師と参加者皆さまでご歓談いただける座談会を催しました。
 
ご参加いただいた皆さまにご好評をいただいたこちらのイベント、今回は当日の様子をレポートいたします!

 

 

 

「ママのほっとカフェ」とは

 

今回開催したイベント「ママのほっとカフェ」は、毎日がんばる子育て中のママを応援する無料のオンラインワークショップです。
 
それぞれの講座の終了後は、講師やほかの参加者の皆さまとご歓談いただける時間を設けました。中にはこちらのカフェタイムのみご参加いただいた方も。
 
講座の感想そして参加者の皆さまの日々の育児について語り合い、タイトルの通り「ほっと」一息ついていただける時間となったようです。
 
ママたちの集まり

 

 

親子ベビーダンス講座  当日の様子

 
第一回に開催した「親子ベビーダンス」講座。こちらは英国式社交ダンスをもとに2007年に日本で考案された、赤ちゃんや幼児を抱っこ紐で抱っこしながら行うダンスです。
 
音楽に合わせて軽くステップを踏みますが、約7kg~10㎏のお子さんを抱っこしながら踊るため、実際はかなりの運動量となります。
 
「優しく、同じ動きを繰りかえすステップは、ママの運動になるだけでなく、実はこのダンスは赤ちゃんの寝かしけダンスでもあるんです。」と講師の荒野多恵先生。
 
開催当日はレッスン中に寝かしつけに成功したママもいらっしゃいました。

 

 

産後ヨガ講座  当日の様子

 
つづいて第二回に開催した「産後ヨガ講座」。こちらはマインドフルネス呼吸法から丁寧に導入されるヨガプログラムです。
 
講師のSATOMI先生は、「産後は数か月、1年、10年経っても産後」という考えをもとに、事前に参加者の皆さまの身体の悩みを個別にヒアリングし、当日は身体と心へ語りかけていくような丁寧なアプローチでレッスンを進めていきます。
 
参加者の皆さまは、骨盤のゆるみ、ゆがみ、腰痛など、産後の悩みはそれぞれでしたが、ご自身の身体と向き合ううちに心もカラダもリラックス。
 
自分の時間をもつことへの大切さを、ヨガを通じて実感してくださっている様子が伝わってきました。
 
ヨガ

 

 

復職のための保活講座  当日の様子

 

最終回である第三回には「復職のための保活講座」を開催。講師は出産後に国家資格キャリアコンサルタント資格を取得し、自身も大きなキャリアチェンジを経験した、現在3児の母でもある伊浪里奈先生。
 
「保育園は一時に比べ、すこし入りやすくなりましたが、その状況は自治体によってかなり異なります。さらに、コロナ禍では保育園の見学も制限されることもしばしばあるので、保活には工夫と情報の整理が必要です。」と先生談。
 
ママと赤ちゃんとコンピューター
 
講座でははじめ、保育園選びにあたってまず明確にしておくべき主な3つのポイントについて説明をしました。
 
まず、「自分がどんな働き方をしたいのか?」、「なぜベビーシッターや一時保育ではなく、保育園を選ぶのか?」、そして「どんな保育園に通いたいか?」。
 
参加者は先生のアドバイスをうけながらその問いに対する自分なりの考えを一つ一つ確認する作業をしていきました。
 
一般的に保活は希望項目が多くなりがちですが、重要なのは希望する条件の優先順位を決めること。
 
保育園はお子さまが毎日通い、長い時間を過ごす場所であると同時に、親御さんにとっても送り迎えで毎日通う場所です。日々の生活において大きなウェイトを占めることになりますから、重要視するポイントが何かを明確にしていくことが大切だと、先生は繰り返し話していました。
 
当日のワークで明確になった皆さまそれぞれの保活ポイントが今後の保活の参考となり、満足のいく成果へとつながっていくことをお祈りしています!

 

 

「ママのほっとカフェ」座談会でママが語った本音とは!?

 

講座終了後は、講師やほかの参加者の皆さまとご歓談いただける「ママのほっとカフェ」座談会を開催しました。
 
平日日中のオンライン開催ということもあり、参加者の皆さまはご自宅で、ある方は赤ちゃんにお昼ごはんをあげたり、ミルクをあげたり、またはお茶を飲みながらとそれぞれのことをしながら、終始リラックスした雰囲気で参加していらっしゃいました。
 
話題は講座の感想からはじまり、日々の赤ちゃんの様子、ママのストレス解消法まで展開。今回は計3回の開催でしたが、どの回もとても盛り上がりました。
 
その中には、
 
「コロナ禍での育児はママ友ができにくい」
「家族以外で久しぶりに話をすることができた」
「コロナ禍という特殊な状況で、下の子の育児事情が上の子の時と全く異なっている」
「いろいろな情報収集しにくい」
 
といった、現在のコロナ禍ならではの悩みの声もありました。
 
容易にだれかと会うことがかなわない、以前のような日常をおくることが難しいこの状況だからこそ、「人との繋がり」がより大切なものとなり、またときには、「自分らしさを取り戻す時間」が必要だと感じるのかもしれませんね。
 
そんな中で私たち「キッズスクール」もオンラインならではの利点を活かし、今後も皆さまのニーズにこたえるよりよいサービスを考え提供していきたいと、心を新たにいたしました。

 

 

参加者からの声

 

参加者の皆さまからは、

「オンラインで参加できるのがすごく有難かったです。」
「子どもがいるとあまり動く機会がないもので、(参加して)よかったです。」
「保育園をどう探すかというより、どういう子育てがあるのかを知ることができました」
「家で子供がぐずっても大丈夫だし、安心して参加できました。」(原文ママ)
 
といった感想が寄せられ、それぞれにとって有意義な体験になったようです。
 
改めまして、今回ご参加いただきました皆さまありがとうございました!

 

 

講師プロフィール(開催順)

 
◆親子ベビーダンス講座  荒野多恵(あらの たえ)

Flow代表
一般社団法人 日本ベビーダンス協会認定インストラクター
児童館・保育園、フィットネス施設にて子育てイベント等にてベビーダンスレッスンを開催
一児の母
https://www.flowtae.com/

あらのたえ
 
◆産後ヨガ講座 SATOMI(さとみ)

全米ヨガアライアンスRYT200取得
ピラティス&ヨガスタジオ BRIGHT 講師
ヨガレッスンの活動を通して「こころとからだ」の整え方や豊かな毎日を送るヒントを伝えている
https://studio-bright.com/

さとみ
 
◆復職のための保活講座  伊浪里奈(いなみ さとな)

国家資格キャリアコンサルタント
日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネージメントファシリテイタ―

自身の保活やキャリアで悩んだ経験から、アンガーマネージメントを学び国家資格を取得
府中市で「保活カフェ」を展開、地域の子育て支援に関わる
3児の母
https://www.angermanagement.co.jp/

いなみさとな

 

今後も一人でも多くのお子さまやママにこの講座で楽しく学んでいただき、また日々がんばるママをサポートするサービスを提供すべく、スタッフ一同より一層励んでまいります!
 

『オンライン de キッズスクール』がお届けする今後の講座のスケジュールの確認、および各講座のお申し込みは下記のURLからできます。
 
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イベントレポート

SDGsとは?こどもたちが真剣に話し合いました

2021年5月6日に小学生のための理科実験教室「SDGsをわかりやすく~海のごみを再現しよう!~」を開催いたしました。
 
小学校低学年のお子さまにもSDGs(注※)をわかりやすく学べたとご好評をいただいたこちらのイベント、今回は当日の様子をレポートいたします!

(※) SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。読み方は「エス・ディー・ジーズ」。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国により、2016年から2030年の15年間で達成するべき世界共通の目標として掲げられました。

 

 

 

実験内容と子どもたちの反応について

 

実験ではまずお子さんがそれぞれ透明なコップに水を入れ、「水にものが溶ける状態」を観察することから始め、その後「水に溶けるもの」と「水に溶けないもの」を分類する実験を行いました。

用意してもらった材料は、砂糖、塩、小麦粉、飴、アルミホイルそしてプラスチック。参加した子どもたちは、小麦粉は溶けるかな?プラスチックは溶けるかな?という様に結果を一つ一つ予想し、仮説を立てながら実験を進めていきました。

実験風景

そしてそれぞれを水に溶かした結果、水に溶けないのは、小麦粉とアルミ箔、そしてプラスチックとわかりました。なかでも子どもたちは、小麦粉がいったん溶けたのちにコップの底に沈殿してしまう現象に驚いた様子。

そしてコップの中で溶けずに存在するものたちの様子を観察していくうち、その状態がまさに海に捨てられたゴミの姿と同じであることに気づきました。

 

 

小学校低学年の子どもたちがSDGsについて真剣に語り合う!

 

続いてSDGsの17の目標のうち2つの目標を選び、さらにそこから3つのターゲットに絞り、ナビゲーターが世界の海の現状を写真で見せて実例を挙げながら、SDGsについてわかりやすく説明をしました。

 

海のごみ

 

今回は以下の2つの目標から3つのターゲットを取りあげました。

 

『目標12「つくる責任、つかう責任」』より

  • ごみを減らして海の汚染をやめよう(ターゲット5より抜粋)
  • 食料廃棄を半分に減らそう(ターゲット3より抜粋)

 

『目標14「海の豊かさを守ろう」』より

  • 海にあるごみや、栄養がたくさん入っているものを陸から海に流さず、ごみを減らそう(ターゲット1より抜粋)

 

テーマを決めてから、ナビゲーターがこれらの目標を達成するために、「どんなときにできる?」「どこでできる?」「誰とできる?」といった具体的な問いかけをして、子どもたちに自分たちにできることを考えてもらいました。
 
すると、「ごはんの時に残さない(はじめから食べきることのできる量をもらう)」「おうちにいるときできる」「ごみ処理場でできる」「お店でできる」「みんなでできる」「友だちや家族とできる」「一人でもできるかも」といったたくさんの提案や意見を出してくれました。

 

実験終了後は家族でこのテーマについて話し合っていただき、後日それぞれの意見を互いに発表する機会を設けました。その結果、
 

  1. ・海に流せないものは、お魚に害のない薬で溶かす。薬を作ったらどうかな?
  2. ・ごみを集めるイベントをみんなで考える。ポイント制にする。
  3. ・みんなにもっと知ってもらう。海のない県の人が、海のある県の人とつながる。
  4. ・要らなくなったものを必要な人と交換する。

といった、目標を叶えるための具体策を提案してくれました。
 
またそれぞれの目標の達成までの猶予期間があと残り5年から10年である旨を伝えると、子どもたちはその短さに驚き、自分がそのときに何歳になっているかを考えてから、
「絶対実現できる。みんなでやろう。」と前向きに発言してくれるなど、大人が勇気づけられるようなシーンもありました。

 

現在のところ日本の教育において、とくに小学校低学年では世界に目をむけるといった、その年齢の発達の段階を越える題材は基本的に授業等では扱われません。
 
ですが例えばこうしてご家庭でも日ごろのご家族の対話にこういったテーマを気軽に取り入れていただくことで、お子さまが自ら学び、視野を広げるきっかけをつくることは十分可能であると、今回のイベントを通じて感じることができ、たいへん有意義な機会となりました。

 

 

参加者の声

参加者のみなさまからは
 
「(SDGsに)とても興味を持っていました。興味を持っている海の生き物から、環境問題へとつなげていただき大変有意義な時間となりました」(小1ママ) 
 
「楽しい実験で、思わぬ発見や、知らない人の中で自分の意見を発信していくよい経験となりました」(小1ママ) 
 
「実験を交えながら進んでいくので、こどもの関心度合いが違いました。難しいテーマも子どもにわかりやすく進めていただけたと思いました」(小3ママ) 
 
「いろいろ予想するところが楽しかったです」(小1) 
(原文引用)
 
といった感想が寄せられ、みなさまそれぞれにとっても有意義な体験になったようです。

 

 

SDGsの現在の認知度はどのくらい?

 

講座開催の際にご協力いただいたアンケート調査では、「SDGsを以前よりご存じでしたか」という質問項目に対して、「名前は聞いたことがあるが内容まで知らない」と答える保護者の方も多くいらっしゃいました。
 
SDGS1の目標7
 
ちなみに新聞、メディア等での調査では、SDGsについては「2人に1人が知っている」という調査結果(2020年4月現在)が出ており、徐々にその認知度は向上しているようです。
 
しかしかたや年代別にみると、年代が上がっていくにつれて認知度が低い傾向にあるという分析もあり、SDGsの認知度向上にはまだまだ多方面で乗り越えなければならない課題がありそうです。

 

以上、開催レポートでした!参加していただいた皆さまならび保護者のみなさま、本イベントへのご参加およびご協力ありがとうございました。

 

一人でも多くのお子さまに当スクールで楽しく学んでいただき、それぞれの新たな可能性や発見、成長のきっかけの一つとなればと思っております。

今後も「オンラインde キッズスクール」スタッフ一同、より一層励んでまいりますのでよろしくお願いいたします!
 

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