海外進出の大きな足掛かりに!高いスキルを持つ在宅ワーカーとの二人三脚の取り組みが好調
中山水熱工業株式会社
中山水熱工業株式会社
代表取締役 中山 慎司 氏
取材:2023.01.13
三重県鈴鹿市の中山水熱工業株式会社は1969年設立で、機械設備の工事を主体に、電気・建築など多分野に関わる業務の統合管理を担っている。エネルギーシステムやIoT、AIを応用したシステムの構築から、熱機器・流体機器のコストダウン提案に至るまで、幅広い分野での実績を持つ。2022年から在宅ワーカーの募集を開始し、現在1人が活躍中。
新規事業の海外展開を支援する人材を求めて、在宅ワーカーを導入
大場 | 中山水熱工業株式会社の事業内容を教えてください。 |
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中山 | 主な事業は配管工事などの機械設備工事とポンプやファンなどの回転機械のメンテナンスで、その他に新規事業として自社製品の開発・販売を行っています。自社製品については、取引先のニーズにお応えしながら測定器などの機械を一緒に開発しています。私はもともと会社員でエンジニアとしての経験を積んだ後、父が創業した弊社を継ぎました。 |
大場 | 在宅ワーカーの導入に至ったきっかけは何ですか? |
中山 | 新規事業で海外展開を進めたいと考えましたが、既存の社員では対応が難しいため、新たに海外向けのマーケティングや販路開拓を担当できる人を探したいと考えていました。しかし、高いスキルを持つ経験者を最初から正規雇用するのはコストも大きいですし、雇用できたとしても活躍してもらえるかどうか確実ではないので、弊社のような中小企業にはハードルが高い状況でした。そのようなときにママワークスさんから電話営業でアプローチを受けて、試してみることにしました。2022年の8月頃のことです。 |
大場 | 募集から導入に至るまでのプロセスはいかがでしたか? |
中山 | 技術に関する知識・スキルがある人ということを条件にしていたため、ハードルが高く人が集まらないかもしれないと思っていましたが、想定よりも応募があり驚きました。応募者との面接も私が対応しました。 社会人経験が少なく直接の業務経験はないものの、大学で航空工学を学んで技術に理解があり積極的に提案も行ってくれるなど、「一緒に考えながらやっていけそうだ」という方がいたので、その方にお願いすることにしました。技術系の知識が豊富な他、英語が堪能でマルチな才能を持つ方です。 |
社内の一員のように、一緒に方向性を考えながら進められる存在
大場 | どのような業務を在宅ワーカーに依頼していますか? |
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中山 | 現在は在宅ワーカー1人で、海外マーケティング・海外ユーザーサポートを担当してもらっています。「GlobalSpec/Engineering360」という海外で産業製品を多数掲載する技術向けのデータベースサイトに情報掲載を行うデジタルマーケティングの実務、サイト運営側の担当者や販売パートナーとのやり取り、獲得した顧客情報の管理などを行ってもらっています。顧客や外部パートナーのミーティングにも、なるべく参加してもらうようにしています。 これまでは私と一緒に行ってきましたが、徐々に在宅ワーカーに任せる部分が増えてきている状況です。 |
大場 | 在宅ワーカーとはどのような体制でやり取りをされていますか? |
中山 | 業務依頼や成果確認といった業務管理は、私が直接行っています。その他、週に1回30分程度のミーティングを行い、状況確認や困っていることがないかなどを確認しています。 現在ワーカーの稼働時間は月間120時間程で、フルタイムに近いくらい稼働してもらっています。子育て中の方ですが、本人は「楽しくやりがいもあるので、もっと稼働を増やしたい」と希望されており、今後お願いする業務を増やしていこうと思っています。 |
大場 | 困ったことや大変だったことなどはありましたか? |
中山 | 最初はお互いの様子を見ながら始められれば良いかと思っていたのですが、ワーカーが優秀なため依頼した業務が思ったよりも早くできて時間が空いてしまい、「次は何をしたらいいですか?」と聞かれることがありました。新しい事業でいろいろな状況が手探りのため、簡単に取り組める仕事から徐々にレベルアップしてもらえればと思っていましたが、こちら側の準備ができていないことを改めて認識しました。 最近では、プレスリリースを作成するときに見てもらって内容を検討している他、配信後もその成果を見て、「次はこのニュースにも出そうか」などと話しています。今では、在宅ワーカーと一緒に考えてもらうような進め方ができていると思います。 |
在宅ワーカーによる効果的な施策で、海外からの注目度がアップ
大場 | ママワークスサイトの導入効果や良かったことを教えてください。 |
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中山 | 初めての海外マーケティングに取り組んでいますが、在宅ワーカーは思っていた以上にうまくいっていますし、社内側の立場で責任を持って業務に取り組んでもらっているので良かったと思います。在宅ワーカーが、掲載する文章の工夫や画像を付けて出したりといったさまざまな取り組みを行ってくれたことで、運営サイトが発行するニュースレターの上位に掲載された他、アメリカの超大手企業にアクセスしてもらえるなど、さまざまな成果が出ています。 海外マーケティング業務はこれまで別の外部委託にお願いしてきました。しかし、コストが高いので、ノウハウを吸収しながら徐々に外部委託を減らし、在宅ワーカーの力で販売やシステム連携などの外部パートナーとの関係を広げていきたいと考えています。 今後売り上げが立つようになれば、組織をもっと大きくして、ワーカーの人数増加やチーム化ができればと考えています。理想としては、海外在住のワーカーに参加してもらい、取引先と現地の人間同士で打ち合わせもできるようになればと思います。 |
大場 | 在宅ワーカー導入を検討している企業へメッセージをお願いします。 |
中山 | 大きなコストをかけずに試しながら進めることができますし、新規事業だと最初は業務量も大きくないかと思いますので、短時間から稼働可能な在宅ワーカーを活用するのが効果的ではと思います。リモートは対面よりもやり取りの手間がかかるように思えますが、情報整理をして相手にわかりやすく伝える言語化を繰り返すことで、コミュニケーションの質が上がったように感じています。 地方の中小企業が専門性の高い人材を近隣で探そうとすると難しいので、広い市場にアピールして必要な人とめぐりあえるようにアプローチすることが大事だと思います。ママワークスさんならそういった出会いが可能なので、おすすめしたいですね。 |