在宅勤務とテレワークの意味の違いとは?働き方やリモートワークとの違いも解説
在宅勤務とテレワークの違いとは?
在宅勤務とテレワーク、どちらも最近よく聞く言葉です。ほかに、リモートワークという言葉を使う方もいるでしょう。
ここでは、それぞれの意味、違いについて、説明していきます。
▽在宅勤務の意味
在宅勤務とは、文字どおり、自宅にて仕事をすることです。会社のオフィスなどに出向かずに、自宅で勤務を行うことを指します。
▽テレワークの意味
テレワークとは、「tele=離れた」と、「work=働く」をくっつけた造語です。
オフィスから離れた場所で働くということを意味しています。
オフィスから離れて仕事をするが、その場所を従業員の自宅とは限定していないところに在宅勤務との違いがあります。たとえば、ネットカフェなどで仕事をするケースは在宅勤務ではなくテレワークに当たります。
なお、テレワークという言葉は、英語圏では一般的ではありません。通じないケースがほとんどなので、覚えておきましょう。
▽リモートワーク
リモートワークとは「remote=遠い、遠く離れた」と「word=働く」をくっつけた造語です。
オフィスから遠く離れた場所で仕事をするということになり、テレワークとほぼ同義語と考えて良いでしょう。
なお、こちらも英語ではありません。
テレワークの種類とは?
テレワークと一言でいっても、さまざまなワークスタイルが存在します。
どのような働き方があるのか、そしてどのような呼ばれ方をしているか見ていきましょう。
▽在宅勤務
テレワークのなかでも、自宅で働くスタイルを在宅勤務と呼びます。
オンライン会議システムや勤務管理ができるアプリなどをさまざまなIT技術の発展により、在宅勤務が容易になりました。
▽サードプレイスオフィス勤務
サードプレイスオフィスと呼ばれる施設で勤務をするスタイルもあります。
サードプレイスオフィスには、Wi-Fiなどネット通信が完備され、軽食が取れるようになっているインターネットカフェや、よりビジネスユースに特化したシェアオフィス、コワーキングスペース、レンタルオフィス、サテライトオフィスなどがあります。
自宅ではなかなかスペースが取れない、ほかの家族がいて集中できないなどといった方や個人事業主の方が利用しているケースが多いです。
こちらも在宅勤務と同様レワークの一種ですが、オフィスとは別の拠点を利用したワークスタイルと言えます。
▽モバイルワーク
出張先や移動中、取引先などでモバイルツールを使って仕事をする方法のことです。
電車やバスなどで移動している間や、ホテル、他社のオフォイスなどで仕事を行います。
こちらもテレワークの一種ですが、拠点型のサードプレイスオフィスと異なり、一時的な要素をもったワークスタイルと言えます。
テレワークおよび在宅勤務のメリット・デメリットとは?
テレワークや在宅勤務のメリット、デメリットについて説明していきます。
▽メリット
・通勤時間やコストの削減
自宅や自宅により近い場所で勤務を行うことにより、通勤時間をゼロ、または短くすることができます。
これは企業にとっては大幅なコスト削減に繋がります。
従業員に支払う交通費やオフィスの光熱費を抑えることができるためです。また、出勤する社員が減ることからオフィスを小規模のものに変えたり、都心から郊外に移すなど行えば、さらにコスト削減をはかることが可能です。
・ワークライフバランスがとりやすい
子育てや介護などの事情がある場合も、自宅勤務であれば無理なく続けることが可能であり、ワークライフバランスがとりやすくなります。
ひいては、従業員の満足度向上に繋がると言えます。
・人材確保がしやすい
テレワークが導入されれば、遠隔地の方も働きやすくなるため人材確保がしやすくなります。
遠方に住んでいることからということで応募をしてもらえなかった優秀な方に、働いてもらえる可能性も高まります。
・安定して業務を回すことができる
感染症が流行した場合でも、自宅勤務であれば社員同士の感染を防ぐことが可能です。
また、通勤の場合、地震や事故による交通機関のトラブルに影響されがちですが、自宅勤務であれば問題なく勤務が可能です。
そういった意味では不測の事態に影響されず、安定して業務を回すことが可能となります。
▽デメリット
・コミュニケーション不足になりがち
在宅勤務だと共にオフィスで仕事をするより、コミュニケーション不足になりがちです。
在宅勤務の場合、チャットやメールなどテキストベースでのコミュニケーションが中心となるため齟齬が生まれたり、結果として仕事の進み質が落ちる恐れがあります。
ついては、それを防ぐために、表現を工夫したり普段以上に確認作業を強化するなど対策が望まれると言えるでしょう。
・心の不調を生みがち
自宅で1人で仕事をしていると、孤独感にさいなまれがちです。
オフィスで勤務をしていると適度な緊張感や仲間意識がやりがいを生むことがありますが、在宅勤務だとそういった機会が失われるという恐れがあります。
上司による声かけ、定期的なオンライン会議の実施などにより、モチベーションの向上を心がけると良いでしょう。
・導入にコストがかかる/導入できない場合がある
在宅勤務をすすめるにあたり、コストがかかることがほとんどです。
自宅で仕事をするために渡すPCやマイクなどの機器や、チャットやオンライン会議ツール、クラウド化など、遠隔での勤務を支えるビジネスツールが必要となるためです。
また、ホテルのフロントやショップの店員などといったサービス業や工場の作業者などにおいては、導入自体が現実的でないケースがあります。
テレワークおよび在宅勤務をするために用意すべきものとは?
テレワーク、とりわけ在宅勤務をする場合、用意するべきものには以下のようなものがあります。
・パソコン
会社支給または個人のパソコンが必要です。
スペック、セキュリティ面共に仕事に適したものを用意する必要があります。
・インターネット回線
離れた場所から仕事をするにはインターネット回線が欠かせません。
パケット料が限られているような契約であると仕事に支障を来す恐れがあるため、高速インターネットであることはもちろん、パケット料に上限がないインターネットの契約が望まれます。
ただしインターネット回線完備のサードプレイスオフィスを利用する場合は、とくに準備はいりません。
・スペースやデスク、イスなどの備品、環境
自宅で勤務するとなると、仕事で使える部屋があることが望ましいです。部屋の一角で仕事をする場合は、集中できるようパーティションを設置したり、作業するのに十分な机、疲れにくいイスなどがあると良いでしょう。
また、空調や照明も重要です。
空調や照明が十分ではないスペースでは仕事効率が落ちる恐れがあるため、整った環境が必要だと言えます。
・ビジネスツール
会社や顧客とスムーズにコミュニケーションをとるために、オンライン会議システムやチャットツールの導入は必要不可欠と言えるでしょう。
なかには、より精度の高いコミュニケーションを行うため、有料サービスへの申し込みも必要です。
ほかにも、勤務管理行えるソフトを用意することが望まれます。
以上のようにテレワークを導入するには、交通費等の削減が図れる一方で別のコストがかかる可能性が高いです。ビジネスツールに関しては企業が負担することになるものの、個人宅の光熱費等の増加が従業員負担になることも見逃せません。
最近では、光熱費等の負担増加に対してテレワーク手当を別途支給する企業も出てきています。