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個人事業主の確定申告はいくらから必要?対象者や手続きを解説

公開日: 2018.09.19
最終更新日: 2023.08.23

個人事業主の確定申告はいくらから必要?対象者や手続きを解説

人事業主のみなさん、確定申告をしていますか? 収益がでなかったから確定申告をしなかったという個人事業主さんもいるのではないでしょうか。もちろん納税額がゼロであれば確定申告の義務はありません。ところが確定申告をすることによって反対に税金が還付されることがあるんです。どうしてそんなことになるんでしょうか。個人事業主と確定申告について詳しくみていきましょう。

個人事業主は確定申告が必要?「確定申告しなくちゃいけない」のはいくらから?

確定申告が必要となるのは、所得が48万円を超えている方です。 

ただしこの所得というのは、収入から必要経費を引いた金額のことを指しています。 

たとえば何かを仕入れてオンラインで販売している場合、総売上から仕入れ額を引くことができますし、包装代や、オンラインショップにおけるネット運営費なども経費として引くことができます。 

引いた結果48万円以下であれば確定申告は必要ありません 

 

ちなみになぜ48万円なのかというと、最大48万円の「基礎控除」というものがあるからです。 

48万円は人が生きていくのに最低限必要なお金であり税金はかけるべきではないといった考え方が素になっています。 

ですから、もしあなたの所得が48万円以下だったとしたら、所得から基礎控除の48万円を引くと課税所得(課税すべき所得)は0円となり、申告の必要がないということになるのです。 

 

なお、この基礎控除の48万円というのは、所得が2,400万円以下の場合に限ります。 

2,400万円を超えると段階的に減っていき、最終的に2,500万円超えると基礎控除は0円となります。 

ちなみに令和元以前は、所得制限はなく、基礎控除は一律38万円でした。まだ、この以前のルールで覚えてしまっている方もいるので注意しましょう。 

所得がマイナスでも確定申告をした方がいい場合って?

「所得が48万円を超えなければ確定申告は必要ないのね」と思っている方、ちょっと待ってください。 

実は、所得がマイナスになっている方やある一定の条件に当てはまる方は、「確定申告をしたほうが得する可能性がある」のです。 

 

たとえば、仕入れをしたにも関わらず商品が売れなかったり、開業時の初期投資で所得がマイナスになってしまうこともあるでしょう。 

所得が48万円を超えていなければ本来確定申告は不要なのですが、確定申告をしておけば損失の繰越しをすることにより損益計算ができるので、結果的に得するということになるのです。 

 

また、業務委託契約を結んだ相手が源泉徴収をしている場合があります。 

つまり、報酬を受け取る時点ですでに所得税を納めている状態なのです。 

しかし、最終的に年間所得が48万円超えなかった場合、本来は課税はされませんから、先に納めていた所得税は還付されます。 

だからこそ確定申告を行うことで得をするのです。 

「確定申告をしなくていいんだ!」と単純に喜ぶのではなく、今一度自分の場合はしたほうが良いのかどうかを見極めるようにしましょう。 

 

 

参照:国税庁「No.2250 損益通算 

そもそも確定申告って何?

そもそも個人事業主にとって、確定申告とは、どういったものであるのかというところからみていきましょう。

会社勤めの経験のある人は、会社の方で税金相当分を天引きして、最終的に年末調整をして納税をしてくれていたので、ほとんどの人が確定申告とは無縁だったのでないのでしょうか。

ところが、たとえ会社員であっても、不動産収入があったり、年収が2000万円を超える人は確定申告が必要になるのです。また反対に医療控除を受けて税金を返還してもらうためには、確定申告をする必要があるのです。

とはいえ、やはり会社員にとっては確定申告は遠い存在だといえます。しかし個人事業主はこれを避けて通るわけにはいかないのです。何らかの収益がある限りは、その年の1月1日から12月31日の事業収支を税務署に申告して税金を納めなくてはいけません。

このため個人事業主は、日々の売上や仕入れの支払いを帳簿にきちんとつけておく必要があります。そうしないと翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間に間に合わなくなるからです。

確定申告は絶対に必要なの?

人事業主で確定申告が義務づけられているのは、所得がプラスになり、納めるべき税金がある個人事業主です。

所得とは1年間の収入から仕入れ費や必要経費を差し引いた額のことをいいます。

この所得がプラスであっても、その額が38万円以下である場合は、個人事業主に適用される基礎控除によって納税する税金は発生しません。

たとえば、在宅ライターとして1年間に40万円の収入を得たとしても、プリンターのインク代、プリント用紙代、パソコンの修理代などで5万円がかかったとすれば、40万円-5万円=35万円で、所得は35万円になりますから、申告は必要ありません。

ただし在宅ワークでフリーランスのライターをしている個人事業主の場合は、予め10.21%の源泉徴収をされていることがあります。つまり形の上では先に税金納めているのです。

この場合、所得が38万円以下の場合だと所得税額は0円ですから、確定申告をすることによって源泉徴収された税金が戻ってくることになります。したがって、たとえ所得がマイナスであっても確定申告をするメリットがあるということになります。

青色申告と白色申告の違いは?青色申告にはどんなメリットがあるの?

確定申告には青色申告と白色申告と2種類ありますが、違いがよく分からないという方もいるでしょう。

簡単に説明すると以下のような特徴があります。

 

青色申告と白色申告の違いは?青色申告にはどんなメリットがあるの?

 

白色申告は初めての方でも簡単にできますが、特にメリットがありません。

いっぽうで青色申告にすると、最大で65万円の控除が受けられるうえに、赤字を3年にわたって繰り越すことができます。

機器代や仕入れなど大きな先行投資があるような事業においては、最初はなかなか利益を出すことは難しいですから、このメリットは大きいと言えます。

また、家族を専従者として雇用すれば、その給与を経費として計上することも可能です。

そのため、個人事業主を本格的に始める場合には、青色申告が望ましいと言えます。

 

▽青色申告をするには?

 

青色申告をするには、まず「青色申告承認申請書」を管轄の税務署に提出する必要があります。

人事業主を始める際に提出する「開業届」と同時に提出する方がほとんどです。

「これから私は事業を開始し、それを青色申告で確定申告をしますよ」と宣言するわけです。

と同時に、複式簿記による帳簿をつける必要があります。

複式簿記とは、「売上げ」「仕入れ」などといったひとつの取引に対して「借方」「貸方」と2つの側面から記帳をすることです。

つまり、基本的に簿記の知識が必要と言えます。

とはいえ、現在はそれほど知識がなくても簡単に入力ができる会計ソフトが開発されているので、それほど難易度は高くないと言えます。

どんなものが経費として認められるの?

青色申告の場合、収入から経費を差し引いたものを所得として計上します。それではどのようなものが経費としてみとめられるのでしょうか。

在宅ワークでライターデザイナーをしている人であれば、プリンターのインク代やプリント用紙はもちろんのこと、業務専用として使用するのであれば、パソコンやプリンターも経費として認められます。

在宅ワークの難しいところは、プライベートとビジネスの線引きにあります。

インターネットの接続料金も、業務としてのみ使用しているのであれば認められますが、私用でも使用しているということであれば、根拠のある比率を掛けて按分した費用のみが認められるということになります。

同じように自宅を職場とする個人事業主であっても、行政書士事務所、設計事務所、デザイン事務所などの事務所を開設している人であれば、もう少し経費の幅が広がります。

固定電話の料金も使用割合に応じて一部を経費として認めてもらえることがあります。また業務に必要な書籍や研修費も経費になります。

同業者が地域単位の支部組織を結成している場合であれば、支部の会費や懇親会なども経費として認められることがあります。

いずれのケースも領収書やレシートがないと信憑性が失われますから、かならずきちんと保管しておく必要があります。青色申告は、基本的に7年間保管義務がありますから、帳簿と同様に領収書類もきちんと保管しておかなくてはいけません。

確定申告の流れ

それでは確定申告の具体的な流れをみていきましょう。

在宅ワークでライティングの仕事を1年間して収入と支出の内訳が次のとおりだったとします。

【収入】1,200,000円

【支出】 200,000円

支出の内訳

  1. 広告宣伝費  50,000円
  2. 通信費    20,000円
  3. 修繕費    30,000円
  4. 消耗品費    100,000円 

課税の対象となる所得は次の数式から算出します。

所得=収入-支出-控除

控除の中には基礎控除38万円の他に生命保険控除、医療費控除、寄付金なども含まれます。このケースでは、基礎控除のみで計算します。

1,200,000円-200,000円-380,000円=620,000円

国税庁の示す税率表によると、所得が195万円以下の場合、税率は5%です。したがって以下の計算になります。

620,000円×5%=32,500円

この額が基本所得税額になります。政党への寄付金や住宅借入金控除があれば、この額から差し引いたものが基本所得控除額になります。これに復興特別所得税を加えます。復興特別所得税は基本所得税額の2.1%です。

その結果、納税額は以下の計算で導き出されます。このケースでは控除額はないものとして計算します。

(32,500円-0円)×2.1%=682円(復興特別所得税額)

32,500+682円=33,182円

この結果、今年の納税額は33,182円という結果になりました。

フリーランスの在宅ワーカーの場合、多くは発注者から予め源泉徴収をされている場合があります。この場合は、必ず支払い調書か源泉徴収票を発行してもらいましょう。

これらの書類から源泉徴収額を合算します。たとえばその額が2万円だったとすると、形の上では既に2万円を納めているわけですから、納税額から既納付額を差し引くことができます。

33,182円-20,000円=12,182円

上記の計算により、実際の納付額は12,182円ということになります。

また多くの場合、発注者は支払額の10.21%を源泉徴収額としています。これは年収195万円から330万円の層を想定した比率ですから、それ以下の所得層に属すれば余分に納められていることになります。

このため源泉徴収額が既に納税額を上回っていたということは、十分にあり得る話なのです。たとえば、このケースで既に5万円源泉徴収をされていたとしたらどうなるのでしょうか。

33,182-50,000円=▲16,818円

上記の計算により、16,818円多く支払っていたことになりますから、この場合は指定した銀行口座にこの額が後日振り込まれることになります。

個人事業主が確定申告を行う際の注意点とは?

人事業主によっては確定申告を行う際に注意したいポイントがあります。

 

1:経費は忘れずに計上すべき

 

人事業主の場合、事業を行うためにかかった費用と経費として申告することができます。

たとえば、Webサイト製作の事業を行っている場合、事務所の賃貸料やインターネットなどの通信費、光熱費などを経費とできるということです。

売上げから経費を引いた金額が所得となり、課税対象となります。

経費を計上しないとより多くの所得税を支払うことになるので、忘れずに帳簿に記載するようにしましょう。

ただし、事業と全く関係のない経費は計上しないようにしてください。

税務署に指摘される可能性があります。

 

2:給与収入がある場合は一緒に申告をすべき

 

会社員として働きつつ、副業で個人事業主をしている方が増えています。

その場合、個人事業主として行う確定申告の際に、給与収入についても記載し申告する必要があるのです。

確定申告書内には、事業所得や雑所得などの欄のほかに、給与所得の欄が設けられていますので、

年間の給与所得を記載しておきます。

理由は、所得税は、給与所得や事業所得、雑所得を合算したうえで計算されるためです。

 

なお、給与所得の金額は、会社から発行される源泉徴収票を元に記入します。

したがって、源泉徴収票を受け取ったら、大切に保管するようにしてください。

まとめ 個人事業主も確定申告を

ここまで個人事業主と確定申告についてご説明をしましたが、いかがだったでしょうか。

確定申告は収益が一定以上あれば、申告をして納税をするのは当然のことですが、フリーランスのライターにとっても、税金が戻ってくるかもしれないというメリットがありますから、ぜひ確定申告をしましょう。

確定申告は通常翌年の2月16日から3月15日の間に行われます。この期間に税務署に足を運んだら、ものすごい人だかりで驚かれた経験のある方もいるのではないでしょうか。

しかし確定申告は、必ずしも直接税務署にいって提出することはないのです。郵送でも可能です。

しかもマイナンバーカードを所持している人であれば、電子申請も可能なのです。電子申請の場合は受付が一ヶ月早い1月15日から開始されるという特典もあります。

さらに2019年からは、マイナンバーカードがなくても、一度税務署に出向いて職員と面談をすれば、電子申請に必要なIDとパスワードを交付してくれる制度も導入されます。

確定申告は一度体験してみると、意外と簡単に処理できることに気づかされますから、来年の確定申告の時期には、ぜひチャレンジしてみてください。

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