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パートで働く主婦は厚生年金に加入した方がお得?ケース別に詳しく解説★

公開日:2018.10.05
最終更新日:2019.07.09
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社会保険に関して

厚生年金は社会保険の中に組み込まれた制度です。それでは、この社会保険とは何でしょうか。

社会保険は、日本国民が生活上において発生するリスクに備えて公的機関が費用の一部を負担する制度です。ただし一般的に社会保険というと、会社などの組織に勤める人を対象にした、健康保険や厚生年金保険に対して用いられます。

社会保険には、この他に介護保険、雇用保険、労災保険が含まれます。

社会保険に加入するには、 まず勤務先の会社が社会保険に加入していることが前提条件となります。そのうえで、社会保険に加入する会社に勤める従業員の中で、一定の加入要件を満たした者が社会保険に加入することができるのです。

かつては加入要件として「週に30時間以上働いていること」といった条件があったために、多くのパートやアルバイトが加入対象から外れていました。しかし現在では、制度の見直しが行われて、加入対象者が拡大されています。

厚生年金の対象者はどんなふうに拡大されたの?

それでは、厚生年金の加入対象者はどんなふうに拡大されたのでしょうか。パートが厚生年金に加入できる要件をみていきましょう。次の項目にすべて該当すれば、加入要件を満たしたことになります。 

1.週の労働時間が20時間以上である場合
2.賃金月額が8.8万円以上(年間106万円以上)ある場合
3.1年以上の継続雇用が見込まれている場合
4.従業員数が501名以上である場合(労使の合意ができていれば、500名以下でも可)
5.学生ではない場合

週20時間といえば、週に5日働いて、1日4時間以上労働すれば達成できる時間ですから、普通にパートをしていれば達成可能な数字です。

厚生年金に加入するメリットは?

それでは厚生年金に加入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、将来支給される年金が確実に増えます。夫が、自営業か会社員かにかかわらず、主婦に支給される年金は、基礎年金のみです。しかし厚生年金に加入することで、基礎年金に加えて、厚生年金が加入期間に応じて支給されるのです。

加入要件ぎりぎりの月額88,000円の給料だとすると、月額8,000円の保険料になります。本来保険料は、16,000円なのですが、厚生年金の場合は、半額会社が負担してくれることになっています。

この場合で、1年だけ働いたとしたら、将来支給される年金は基礎年金に加えて月額500円が上乗せされます。

月額500円だと、支払った保険料を取り戻すのに16年かかりますから、あまりメリットは感じられないかもしれません。しかし、20年働いたとしたらどうなるでしょうか。

この場合は、年金受給者になると基礎年金に加えて月額9,700円上積みされますから、メリットが実感できるのではないでしょうか。

ところで、ここまで厚生年金の加入枠について説明をしてきましたが、正式には、社会保険の加入枠が拡大されたのです。社会保険というと、公的年金制度に加えて医療保険制度のことをいいます。

つまり厚生年金に加入すると、同時に健康保険にも加入することになるのです。健康保険は、本人であろうと家族であろうと、基本的に医療給付の差異はないのですが、傷病手当金と出産手当金については差があります。

病気、けが、出産で仕事を休まざるを得ない場合、傷病手当または出産手当金として、賃金の約2/3相当額を受け取ることができるのです。

こうした点が厚生年金、つまり社会保険に加入するメリットだといえます。

厚生年金に加入するデメリットは?

厚生年金に加給することで、将来受け取る年金額が増えることが分かりました。しかし反対に厚生年金に加入するデメリットはないのでしょうか。

ひとつは毎月の給料で、自分自身の手取り金額が減るというデメリットがあります。厚生年金に加入する前は、夫の配偶者という扱いであったために、社会保険料の負担はありませんでした。しかし本人が厚生年金加入者になると、新たに保険料の負担が発生することになるために、加入前と比べて給料の手取り金額が少なくなるのです。 

また夫の会社の方でも、「106万円の壁」や「130万円の壁」と呼ばれる社会保険加入の要件に合わせて、配偶者がこの「壁」を超えると、扶養手当の支給を止めることがあります。これにより夫の給料の手取り金額が少なくなることがあります。

夫が自営業の場合、厚生年金に加入した方がいいの?

夫が自営業の場合、パート勤めをしたら厚生年金に加入した方がいいのでしょうか。

夫が第1号被保険者の場合、妻も第1号被保険者です。このため、現状でも月額約1万6千円の保険料を納めているのです。

パートで勤めて厚生年金に加入した場合、保険料を考えただけでも、会社が半額負担してくれるのですから、それだけで8千円のプラスになります。

さらに20年勤めると、基礎年金に加えて月額9,700円が厚生年金として加わります。40年勤めた場合は、19,300円が加わるのです。

ところで、基礎年金はいったいいくら支給されるのでしょうか。基礎年金は、月額65,000円です。つまり、自営業の夫の場合、夫は月額65,000円支給されるのに対して40年パート勤めをした妻は、65,000+19,300円=84,300円支給されることになります。

それにしても、国民年金の支給額が月額65,000円なのはどうしてなのでしょうか。これは、かつて年金が軍人や官僚のものだったという歴史的背景があります。保険料なしで年金だけがもらえるという時代だったのです。

その後1955年に一般企業に勤める会社員に厚生年金保険制度が導入されました。自営業も含めたすべての国民が加入できるようになったのは、1961年になってのことです。

このように自営業の年金制度の導入が遅れたのは、自営業は、商売が順調にいけば、サラリーマンよりも生涯収入が多いうえに、定年退職もないという考えからです。

このため、自営業者は自助努力だけで保険料を全額納付し、支給されるのは基礎年金のみという制度が現在まで引き継がれているのです。

したがって夫が自営業の場合、妻がパート勤めをするのであれば、厚生年金に加入した方がメリットがあるといえます。

夫が会社員の場合、厚生年金に加入した方がいいの?

夫が会社員の場合、パート勤めをしたら、厚生年金に加入した方がいいのでしょうか。もし勤め先から、あと1時間だけ勤務時間を増やせば、厚生年金に加入できると言われたら、どう判断したらいいのでしょうか。

この場合、夫は第2号被保険者となり、妻は第3号被保険者です。妻の保険料は支払われていませんから、厚生年金に加入すると、保険料の負担が増えることになります。

短期的に見れば、支出が多いのですが、長期的に見れば年金額が上積みされるので得をするようにも思えます。

厚生年金の加入要件が揃ったということは、年収が103万円を超えているので、所得税の対象にもなってきます。しかし、税制上の配偶者控除枠が103万円から150万円に拡大されたこともあり、年収130万円くらいまでであれば、あまり負担も大きくありません。

ただし、年収130万円~150万円くらいだと、給料から天引きされる金額も増え、夫の方も扶養手当が支給されなくなるなど、あまり収入が増えた実感を得ることができません。

このため、バートをして厚生年金に加入するのであれば、年収130万円程度を目途にするのが、最も効率がよいといえます。

年収150万を超えると、収入が増えたという実感が得られますが、職務上の負担や責任が増えることになりますから、パート勤めの本来の目的から乖離してくるかもしれません。

このため、年収130万円くらいを目途にパートをするならば、夫が会社員の場合、パートの勤め先で厚生年金に加入しても、現役で働いている間は、さほどメリットはないといえます。

ただし第3号被保険者のままだと、支給される年金額は月額65,000円ですが、たとえば40年間パートを続ければ、これに19,000円加えられる点は、夫が自営業のケースと同様です。

夫が会社員の場合の厚生年金加入は、夫の給与体系も含めた総合的な観点から判断した方がいいでしょう。

まとめ

ここまで、パートで働く主婦は厚生年金に加入した方が得なのかについてご説明をしてきましたが、いかがだったでしょうか。

夫が自営業の場合は、せっかくパートに出るのであれば、厚生年金に加入した方がメリットがあるといえます。毎月納める保険料が軽減できるだけで、ずいぶんと経済的負担が軽減できます。

夫が会社員の場合は、さまざまな状況を勘案しながら、総合的に判断した方がいいといえます。ただ、妻が将来支給される年金額は、厚生年金に加入した方が多いのは、夫が自営業の場合と同様です。

パート先の企業が大手の場合は、勤務時間によって加入の義務が生じます。予め厚生年金に対する自分の考えを明白にしたうえで、勤務時間を決めましょう。

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