音声おこしの仕事内容を紹介!気になる収入やメリット・デメリットは?
在宅ワークの求人を見ていると、よく出てくる「音声おこし」「文字おこし」の仕事。実際、どんな仕事なのか気になっている方も多いのでは?
今回は、そんな音声おこしの仕事について、内容や収入、メリット・デメリットなどをご紹介します。
音声おこしの仕事とは?
まずは、仕事の内容について見ていきましょう。
音声おこしとは、音声データを聞いて、その内容を文字化することを言います。昔はカセットテープに録音していたので、その名残で「テープおこし」と呼ばれることもあります。
現在は、ほとんどICレコーダーで録音されており、その音声データをパソコンに取り込んで文字おこしを行っています。
場合によっては、ビデオで録画された動画データや、スマホで録音されたデータを渡されることもあるようです。
音声データの内容は、インタビューや講演会、会議など多種多様。業種によっては専門用語が頻発することもありますし、録音状態が悪いと聞き取るだけでも一苦労です。
また、一口に音声おこしと言っても、文字に起こす際の種類がいくつかあります。大きく分けて、「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3種類です。
素起こしとは、音声データの内容をそのまま文字化することです。「えー」「あのー」などの間投詞と言われる言葉や、「全然」「やっぱり」のような口癖も、全て文字化します。
ケバ取りについては、明らかに話の内容と関係ない部分を省いて文字化することです。
前述の間投詞や口癖、言い間違えや過剰な相槌なども含まれます。一般的には、ケバ取りで音声おこしを依頼する場合がほとんどです。
最後に整文ですが、これは簡易的な編集も含めて文字に起こします。例えば、語尾を「です・ます」で統一したり、不自然な日本語を直して文章として読みやすく整えます。
このように音声おこしに種類があるのは、それぞれに適した用途があるからです。例えば、素起こしは裁判などの証拠書類や会話を分析したい場合に重宝されます。
整文は議事録に適していますし、ケバ取りはインタビューや講演会など、多くの場面で必要とされています。
収入はどのくらい?
次は、気になる音声おこしの収入面について見ていきましょう。
音声おこしの報酬は出来高制で、「1分あたり〇円」のように時間給のところもあれば、「60分のインタビューで報酬5,000円」のように、固定報酬のところもあります。
また、英語翻訳や医療分野など、高度なスキル・知識を要する音声おこしであれば、報酬はもっと高くなります。
時間給の場合は、1分あたり80円前後が多いようです。60分の音声おこしを行った場合、80円×60分=4,800円の報酬となりますね。
作業時間の目安として、60分の音声おこしの場合、経験者でも5時間ほど、初心者であれば10時間前後かかるでしょう。
例えば、60分の音声おこしを月に10件受注した場合、月収5万円前後が見込めます。
ただし、育児などにより集中して作業できる時間が短いと、そこまでの件数をこなすのは難しいかもしれません。
仕事の始め方
音声おこしの仕事を始めるには、主に下記の方法があります。
- クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトとは、企業(もしくは個人)が外注する仕事が掲載されているサイトのことです。
個人事業主や主婦などが登録しており、秘書や営業アシスタントなどの事務系から、WEBデザイナーやプログラマーなどの専門職まで幅広い仕事があります。
音声おこしの案件も豊富で、内容はインタビューや対談が多いようです。
クラウドソーシングサイトは、プロフィールを登録すればすぐに応募することが可能で、仕事探しの方法としては非常に手軽です。
好条件の案件だと競争率は高くなりますが、初心者向けの案件もあります。まずはそのような案件をコツコツとこなし、実績を積むことで継続的に受注できるようになるでしょう。
- 在宅ワーク専門のマッチングサイト
在宅ワークを探す主婦向けのマッチングサイトを利用して、仕事を探す方法です。
利用方法はクラウドソーシングサイトとほぼ同じで、まずは会員登録をします。次に、条件を指定して求人を検索し、応募します。応募先の企業とうまくマッチングできれば、晴れて業務開始となります。
企業と雇用契約を結ぶ場合もありますが、たいていは業務委託契約を結び、個人事業主として仕事を請け負います。
音声おこしは在宅ワークとして長い歴史がありますので、案件は豊富にあるはずです。
- 音声おこし専門会社
音声おこし専門の会社に応募する方法もあります。各都道府県に音声おこし専門の会社がありますので、そのHPなどから仕事を探します。
音声おこしは在宅ワークとして外注しやすく、「居住地不問」で求人を出している会社もあります。ですので、地方に住んでいても東京の会社に応募することも可能です。
業務委託のスタッフを募集している場合もありますので、まずは情報収集から始めましょう。
メリット・デメリット
ここでは、音声おこしの仕事について、メリット・デメリットをそれぞれ見ていきたいと思います。
(メリット)
- 仕事が見つけやすい
音声おこしは在宅ワークとして外注しやすいので、インターネット上で簡単に仕事を見つけることができます。
インタビューであれば、10分程度の短いものから90分と長時間のものまであり、内容も、日常会話に近いものから専門分野の会議まで幅広い案件がありますので、自分のレベルに合わせて選べるのはありがたいですよね。
- すぐに始められる
初期投資がほとんど不要で、いますぐに始められるのもメリットのひとつ。
最低限の設備として、セキュリティソフトの入ったパソコンがあれば始めることができます。
ただし、将来的に音声おこし専業を目指すのであれば、高音質を聞き取れるヘッドフォンや、足でマウスの操作ができるフットスイッチなど、専用の道具を揃えた方が作業効率はアップします。
- 幅広い知識を身に付けられる
音声おこしで渡される音声データの内容は多種多様です。各分野の専門家や、普段接することのない経営者などの話を聞くことができる貴重な機会とも言えます。
あくまでも音声データを正確に文字化することが音声おこしの仕事ですが、仕事を通して幅広い知識を身に付けられるというのは嬉しいですよね。
(デメリット)
- 集中力と根気が必要
音声おこしは、特に集中力と根気が必要な仕事です。
まず、音声を正しく文字化しなければならないので、聞き取るための集中力が必要とされます。
事務作業やデザイン系の仕事と違い、音楽を聴きながら、または同僚と会話をしながら作業をすることは不可能です。
そして、音声が90分など長時間の場合は、完成させるまで根気が必要になります。
興味のない内容であれば聞いていて飽きることもあるでしょうし、音質が悪く、聞き取りにくくて作業が進まないこともあり得ます。
- 最初は思うように稼げない
例えば、30分の音声データを文字化するのに、経験者でも2.時間はかかります。さらに校正や編集も含めると、もう1時間ほどかかると考えた方がいいでしょう。
「音声を聞いて入力するだけなら、簡単そう」と思う方もいるようですが、決して楽に稼げる仕事ではなく、慣れるまでは非常に時間がかかります。
- 国語力が必要
ただ文字にすればいいというわけではなく、「日本語として通じる文章に整える」というのも、音声おこしの大事な仕事です。
そのためには、正しい日本語を知っていることや、ビジネス用語や最新ニュースを知っていることが求められます。
音声おこしを続けていると、自然とそのような国語力はアップしますが、日々の勉強も欠かせません。
音声おこし初心者であれば、「文字起こし技能テスト」という、文字起こし専用のオンラインで受けられるテストがありますので、挑戦してみるのも一つの手ではないでしょうか。
また、新聞を読むなどして、常に最新ニュースを頭に入れておくことも重要です。
まとめ
いかがでしたか?ここまで、音声おこしの仕事について、あらゆる側面からご紹介してきました。
「簡単そう」というイメージを持たれがちですが、実際は根気や国語力などを必要とされる仕事なのですね。
その一方で、在宅ワークに非常に適した仕事でもありますので、少しでも「やってみたい」と思った方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!