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ダブルワークの社会保険加入はどうなる?

2つの職場を掛持ちするダブルワークという働き方が注目されています。求人募集の広告にも「ダブルワーク可」と表示をしている会社も目立つようになりました。

いろいろなメリットがあるダブルワークですが、はたして社会保険の加入については、どのような扱いになるのでしょうか。安心して働けるために、ダブルワークにおける社会保険の扱いについて詳しくみていきましょう。

どんな組み合わせのダブルワークがあるの?

ひとことでダブルワークといっても、働き方の組み合わせはさまざまです。たとえば、次のような形態が想定できます。

①正社員としてフルタイムで働いて、夜または休日にパートで仕事をする
②正社員としてフルタイムで働いて、夜または休日に個人事業主として働く
③自営業をしているが、空いた時間をパートとして働いている
④2のパートを掛持ちして、曜日によって勤務先を変えている
⑤2つのパートを掛持ちして、昼と夜で勤務先を変えている
⑥2つのパートを掛持ちして、シフトをうまく組み合わせている

この他にも、派遣社員、契約社員、短時間正社員、アルバイトなどとの組み合わせも想定できます。

それではダブルワークの場合、どんな要件が整えば社会保険に加入することができるのでしょうか。

社会保険の加入要件は?

社会保険とは健康保険と厚生年金の総称です。企業の雇用主は、一定の条件を満たす労働者は社会保険に加入させる義務があります。パートやアルバイトなどの短時間労働者であっても、一定の条件を両方満たした場合には社会保険の加入対象になります。

現在国民健康保険に加入していたり、家族の扶養家族になっている人も、以下の条件の①か②のどちらかを満たせば加入対象者になります。

① 1カ月及び1週間の所定労働時間が、正社員の4分の3以上あること
正社員の労働時間は「1日8時間、1週間5日勤務40時間」で想定します。したがって「40時間×3/4=30時間」の計算から、1週間に30時間、1日6時間以上働いている労働者が社会保険の加入対象者になります。

②従業員が501名以上の会社で以下の条件を満たすこと

・週の所定労働時間が20時間以上であること
・賃金月額が8.8万円(年約106万円)以上であること
・1年間以上の雇用が見込まれること
・学生でないこと

②の条件は雇用者(厚生年金の被保険者数)が501名以上の会社に適用されるものですが、雇用者が500人以下の企業でも「労使合意に基づき申し出している」場合や「地方公共団体に属する事業所」であれば適用が可能です。

しかしダブルワークの場合、条件を満たしていたり、条件を満たしていない会社があったりと、それぞれまちまちです。あるいは、ふたつの会社の勤務時間を合わせれば、条件を満たすということもあるかもしれません。それぞれ条件がまちまちの場合、社会保険の加入はどのように考えればいいのでしょうか。

ダブルワークの形態別による加入要件は?

それでは、ダブルワークの形態別の加入要件をみていきましょう。

①どちらの会社も加入要件を満たさない場合

どちらの会社も加入条件を満たしていない場合は、社会保険の加入対象にはなりません。二つの会社を合算して勤務時間を考えるという発想は今の規定にはないのです。
したがって、どちらの会社も加入条件を満たさない場合は、家族の扶養家族として登録されていなければ、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。

②どちらか1つの会社が条件を満たす場合

どちらか1つの会社が加入条件を満たす場合は、その会社で加入手続をすることになります。

③両方の会社が条件を満たす場合

両方の会社が要件を満たす場合は、それぞれの会社で加入手続をする必要があります。その際は、要件を満たした日から10日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者選択・2以上事業所勤務届」を提出する必要があります。

これにより、該当する会社の賃金を合算して標準報酬月額が決められ、保険料は各社の賃金に応じて按分されることになります。

ダブルワークで社会保険に加入するメリットは?

ダブルワークで社会保険に加入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず厚生年金に加入することで、将来支給される年金が確実に増えます。専業主婦の場合は、夫が自営業か会社員かにかかわらず、支給される年金は基礎年金のみです。しかし厚生年金に加入することで、基礎年金に加えて、厚生年金が加入期間に応じて支給されます。

また健康保険にも加入することで、国民健康保険にはない傷病手当金や出産手当金が支給されることになります。病気、けが、出産で仕事を休まざるを得ない場合、傷病手当または出産手当金として、賃金の約3分の2相当額を受け取ることができるのです。

夫が自営業の場合であれば、妻も国民年金加入者ということになります。このため、現状でも月額約1万6千円の保険料を納めているのです。

パート勤めで厚生年金に加入した場合、保険料を考えただけでも、会社が半額負担してくれるのですから、それだけで8千円のプラスになります。
さらに20年勤めると、基礎年金に加えて月額9,700円が厚生年金として加わります。40年勤めた場合は、19,300円が加わるのです。

ところで、基礎年金はいったいいくら支給されるのでしょうか。基礎年金は、月額65,000円です。つまり、自営業の夫の場合、夫は月額65,000円支給されるのに対して40年パート勤めをした妻は、65,000+19,300円=84,300円支給されることになります。

したがって夫が自営業の場合、妻がパート勤めをするのであれば、厚生年金に加入することを前提に働き方を決めた方がメリットがあるといえます。

それでは、夫が会社員の場合はどうでしょうか。もしパート先から、あと1時間だけ勤務時間を増やせば、厚生年金に加入できると言われたら、どう判断したらいいのでしょうか。

現段階では、夫は第2号被保険者であり、妻は第3号被保険者(扶養家族)です。妻の保険料は支払われていませんから、厚生年金に加入すると保険料の負担が増えることになります。
もし厚生年金の加入要件が揃ったということになれば、年収が103万円を超えているので、所得税の対象にもなってきます。しかし税制上の配偶者控除枠が103万円から150万円に拡大されたこともあり、年収130万円くらいまでであれば、あまり所得税の負担も大きくありません。

ただし、年収130万円~150万円くらいになると、給料から天引きされる金額も増え、夫の方も扶養手当が支給されなくなりますから、家族単位で考えると、あまり収入が増えた実感を得ることができません。
このため、バートをして厚生年金に加入するのであれば、年収130万円程度を目途にするのが最も効率がよいといえます。

ダブルワークをするのであれば、所得税に関しては年収は合算して考える必要があります。年収が増えると、夫の方の基礎控除がなくなったり、扶養家族から外れたりと影響は少なからずあります。
夫の健康保険の扶養家族から外れた場合、ダブルワークをしている会社のどちらも加入要件を満たさないとなると、国民健康保険に加入しなくてはいけません。

一定の収入のある人の国民健康保険の掛け金は決して安くはありませんから、ダブルワークに際しては、単純に収入面だけを考えるのではなく、社会保険への加入を視野に入れながら働き方を決める必要があります。

つまり、ダブルワークで合わせて30時間働いているのであれば、それぞれ15時間づつ働くのではなく、従業員が501人以上の会社の勤務時間を20時間以上にするなどの工夫が必要です。

ダブルワークは会社にバレるの?

ダブルワークが会社にばれる最も多い理由は、住民税の支払額が増加することによるものです。住民税は、働いているすべての会社から集めた給与支払報告書を役所が受け取り、給与支払報告書に記されている金額を合計して算出します。 

その後、住民税決定通知書を作成して会社へと通知しますが、これは給与が最も高い会社に送付されるのです。これにより、本来支払うべき住民税よりも高額になっていると、副業していることがばれてしまいます。 

また日常の勤務態度からもばれることがあります。副業で疲れて、勤務中の居眠り、遅刻、欠勤が目立つようになると、その原因として真っ先に「副業疑惑」が巻き起こるのです。 
このため、自分のペースで仕事ができる在宅ワークが最も副業にてきしているといえます。しかし副業で確定申告が不要とされているのは、年収20万円以下なので、もしそれ以上の収入がありながら確定申告を怠っていれば、それは違法行為ということになりますから注意が必要です。 

したがって、ダブルワークをするのであれば、兼業を公認している会社に勤めるのが最善だといえるのです。

まとめ

ここまでダブルワークをしたら社会保険はどうなるのかについて説明をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。社会保険は、従業員が要件を満たせば、雇用者に加入させる義務が生じます。社会保険は加入した方がメリットが多いのですから、条件に適合しそうなら、積極的に条件に適合する勤務シフトを選択した方がいいでしょう。勤務の組み合わせを合理的に考えて、ダブルワークに励みましょう。

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