『確定申告ってなに?』そんなあなたは必見!基本的なことから詳しく解説します☆
目次
- 確定申告とは?
- 確定申告が必要な税には何があるの?
- Ⅰ所得税の確定申告の特徴は?
- 1.給与所得がある方
- 2.公的年金等の所得だけの方
- 3.退職所得がある方
- 4.個人で事業をしている方
- 5. フリーランスで働く方
- 所得税の確定申告の必要がない場合は?
- 1.職場で年末調整をしている
- 2.所得が少額である
- Ⅱ相続税の確定申告の特徴は?
- おまけ:ところで、納税者が死亡した場合にも確定申告が必要です。
- 1月1日から3月15日までに亡くなった場合
- 3月16日から12月31日までに亡くなった場合
- Ⅲ贈与税の確定申告の特徴は?
- 贈与税がかからないものは?
- Ⅳ消費税の確定申告の特徴は?
- 消費税の確定申告の方法はチョット違う?
- Ⅴ法人税の確定申告の特徴は?
- まとめ
確定申告とは?
確定申告とは「1月1日から12月31日までの一年間の所得額に対し、所得税の金額を確定させて、そこで得られた過不足分を納付したり、還付する」システムをいいます。
この確定申告をする時期は、毎年「2月16日から3月15日までの1ヵ月間」と決められています。
しかし、会社などによっては、確定申告の対象期間が「1月1日から12月31日まで」とは限らない場合があります。
その場合には、その会社ごとに、事業年度の期間中の所得で計算をすることになり、申告期間も「決算終了日の翌日から2ヵ月以内」に実施することになっています。
このように、確定申告は、いくつかの方法があるんですね。
確定申告が必要な税には何があるの?
確定申告が必要な税には、
1.所得税
2.相続税
3.贈与税
4.法人税
5.消費税
があります。
これらの税には、それぞれの申告の特徴があります。
Ⅰ所得税の確定申告の特徴は?
所得税の確定申告は、基本的に「毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得の金額」から所得税の金額を計算して、源泉徴収などで納められた税金などと比較して、その過不足分を精算します。
所得税の確定申告が必要な方は、大きく分けて、
1.給与所得がある方
2.公的年金等の所得だけの方
3.退職所得がある方
4.個人事業主で確の方
5.フリーランスの方
があります。
これらの方々の確定申告の特徴をご紹介いたします。
1.給与所得がある方
サラリーマンの場合、ほとんどの方は、年末調整で所得税等が精算されますから、申告は不要です。
しかし、次の方は、確定申告が必要です。
(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える場合
(2) 給与をひとつの職場からもらっていて、その給与の全額が源泉徴収の対象となる場合、その合計金額が20万円を超える場合
(3) 給与を2カ所以上からもらい、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、年末調整をされなかった給与の収入金額が20万円を超える場合
(4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、工場や店舗などの賃貸料、機械類の使用料などを受けた場合
(5) 災害減免法により、給与で、所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた場合
(6) 在日の外国公館に勤務する方などで、給与で所得税等を源泉徴収されない場合
2.公的年金等の所得だけの方
公的年金等だけの所得の方は、所得控除を差し引いて残額がある場合、確定申告が必要です。
しかし、その公的年金の収入総額が400万円以下の場合には、確定申告の必要性はありません。
3.退職所得がある方
退職金などの場合、一般的には、退職所得は源泉徴収で課税がされますので、退職所得の申告は不要になります。
しかし、海外の企業から受け取った退職金など、源泉徴収されない場合では、申告が必要になります。
4.個人で事業をしている方
個人で事業をされている方は、当然のことながら所得を自分で計算します
そして、自分の事業で得た利益に対する税金を納めるために、確定申告をしなければなりません。
5. フリーランスで働く方
フリーランスで働いている人の場合も、原則として確定申告が必要です。
そして、フリーランスの方で、所得税の源泉徴収が行われない状況の場合は、これらの作業をすべて自分で行う事になります。
また、源泉徴収をされているフリーランスの方でも、会社等で事前に納税されていることがあります。
例えば、収入の中でも課税対象とならない「仕事にかかった必要経費」や「各種控除」などがあるのですが、そのような場合、それらを申告することが必要です。
所得税の確定申告の必要がない場合は?
ところで、所得税の確定申告が必要ない場合もあり、それは以下の通りです。
1.職場で年末調整をしている
職場で年末調整をしている場合、基本的に確定申告を行う必要はありません。
しかし、収入額などによっては確定申告が必要なケースや、申告することで税金が返ってくるケースもありますので、チェックをすることをおススメします。
2.所得が少額である
例えば、自分は働いていなくても、銀行の利息を得たり、インターネットを介しての仕事等で少額の収入を得る場合があります。
このような場合、年間の所得金額が38万円以下の場合、収入があっても確定申告の必要はありません。
Ⅱ相続税の確定申告の特徴は?
相続とは、家族などが死亡したときなどに、他の家族に財産を受け継ぐことです。
そして、相続した財産が、基礎控除額を超える場合には、その超える部分に対して、相続税が課税されます。(ちなみに、「相続税」というと、土地や家屋、預貯金などを思い浮かべますが、借入金や未納の税金など支払わなければならない遺産?もありますのでご注意ください。)
(参考)
相続税の基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除額
となります。
ちなみに、非課税対象の財産としては、
1.墓、仏壇、祭具など
2.国や地方公共団体、特定の公益法人に寄附した財産
3.生命保険金のうち(500万円×法定相続人の数)まで
4.死亡退職金のうち(500万円×法定相続人の数)まで
などがあります。
おまけ:ところで、納税者が死亡した場合にも確定申告が必要です。
納税者が死亡した場合、1月1日から死亡した日までの納税の申告となります。
これを「準確定申告」といいます。
通常の確定申告は、1月1日から12月31日までの所得を、翌年2月16日から3月15日までに申告しますが、準確定申告の場合、死亡日が3月15日以前か、以降かによって手続きが異なります。
この時、相続人が2人以上いる場合には、相続人全員が連署をして、準確定申告書を提出します。
また、他の相続人の名前を付記して、各相続人がそれぞれ提出することもできます。
しかし、この場合、準確定申告書を提出した相続人は、他の相続人に対して、お互いに申告した内容を通知する必要があります。
ちょっとややこしく、手間がかかりますが、残念ながら、納税の義務?ということで避けられません。
1月1日から3月15日までに亡くなった場合
もし、確定申告をする人が、3月15日までに、確定申告書をしないまま死亡した場合は、死亡する前年1年分の所得と、死亡した年の1月1日から死亡の日までの所得をそれぞれ計算します。
そして、相続の開始日の翌日から4カ月以内に準確定申告をしなければいけません。
3月16日から12月31日までに亡くなった場合
死亡日が3月16日から年末までの場合は、相続の開始日の翌日から、計算して、4カ月以内に、その年の分について準確定申告をしなければいけません。
しかし、この場合、確定申告の期限である3月15日までに間に合いますので、前年分については通常の確定申告として実施できます。
Ⅲ贈与税の確定申告の特徴は?
贈与税とは、個人から財産をもらったときにかかる税金のことです。
基礎控除額である「110万円を超える財産」であった場合に課税されます。
また、
・自分が掛け金を払っていない生命保険金を受け取った時
・債務の免除で利益があった場合
にも、贈与税がかかる場合があります。
しかし、個人ではなく、会社などの法人からの贈与を受けた場合には、贈与税ではなく、所得税となりますのでご注意ください。
贈与税は、基礎控除額の110万円を差し引いた額に対して課税されますので、、相続した財産が基礎控除額より少なかった場合には、贈与税はかかりません。
贈与税がかからないものは?
贈与税は、原則として、贈与を受けたすべての財産に対してかかります。
しかし、中には贈与税がかからない場合があります。
ここでは、私たちの身近にある、代表的なものについてあげてみました。
例えば、
・夫婦、親子、兄弟、姉妹など、扶養義務者から生活費や教育費として提供された財産
・奨学金の支給を目的とする特定公益信託
・宗教、慈善、学術など、公益を目的とする事業を行う者が取得した財産など
・心身障がい者共済制度に基づいて支給される給付金、
・香典、花輪代等
・年末年始の贈答品、祝物、見舞い金など
などです。
Ⅳ消費税の確定申告の特徴は?
消費税とは、消費者から預かっている商品販売代金や飲食代の売上に含まれている税金のことです。
ご存じの通り、店舗の商品の売上に含まれている消費税は、下記の2種類の方法で処理されています。
それは、
・「税込」金額で処理する方法
・「税抜」金額で処理する方法
の2つです。
どちらの方法も、納税額に違いはありません。
ですから、事業者がやり易い方法を選ぶことになります。
消費税の確定申告の方法はチョット違う?
消費税は、申告対象となる事業者が課税対象に限定されています。
そのため、対象とならない事業者は、消費税の確定申告をする必要がありません。
課税対象の事業者の場合、課税対象か否かを判定する基準は、基準期間の課税売上が1,000万円となっています。
この基準期間は、原則として「2年前の1月1日から12月31日までの期間」と決まっています。
例えば、2017年(平成29年)の消費税が申告対象となるかどうかは、「2015年(平成27年)の1月1日から12月31日までの課税売上の金額」で決めます。
ですから、今年開業したばかりの方は、2年前が「消費税の免税対象」となるため消費税の確定申告は必要ありません。
Ⅴ法人税の確定申告の特徴は?
法人とは、「法律の規定で、人と同じような権利や義務を認められた存在」を言い、「人」と同じような資格を認められているため「法人」と呼ばれています。
法人には多くの種類がありますが、その性格から分けると、
・営利法人
・非営利法人
・公的法人
があります。
その中で営利を目的とした営利法人としては、例えば、
・株式会社
・合同会社
・合資会社
などがあります。
そして、営利を目的としない「非営利法人」や「公的法人」には、身近にある代表的のものに、
・社団法人
・財団法人(一般社団・財団法人法、公益法人認定 法)
・医療法人(医療法)
・宗教法人(宗教法人法)
・学校法人(私立学校法)
・社会福祉法人(社会福祉法)
・農業協同組合(農業共同組合法)
・信用金庫(信用金庫法)
・健康保険組合(健康保険法)
などがあります。
法人税の確定申告は、「事業年度終了日の翌日から2カ月以内に所轄の税務署へ提出」することが決められています。
また、他の確定申告との違いに、法人税は、中間納付と確定申告時の年2回に分けて納付する特徴があります。
そして、法人税の場合、ある一定の期間で延長手続きを行ってる場合などは、確定申告の期限を延長することができます。
法人税については、それに関係する法律が頻繁に改正されてきていますので、自分が申請するときは、必ず最新情報をチェックするようにしましょう。
まとめ
いかがですか。
納税は、私たち国民の義務です。
確定申告の必要がある人が申告を行わなかったり、この期間を過ぎてしまったりすると、追徴課税が発生する可能性もあります。
しっかりルールを守って、適切な申告をしていきたいですね。