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確定申告は夫婦で合算したほうがお得?医療費控除の仕組みと受ける方法を解説

公開日: 2018.12.07
最終更新日: 2023.02.13

確定申告は夫婦で合算したほうがお得?医療費控除の仕組みと受ける方法を解説

夫婦共働きであっても、源泉徴収や確定申告はそれぞれ個人で行われるのが一般的です。ところが医療費控除を受けるために確定申告をする場合は、世帯単位で医療費を合算した方が節税になるのです。 

世帯単位で医療費を合算するとは、いったいどういうことなのか。また確定申告はどのように行えばいいのか詳しくみていきましょう。

医療費控除って何?

医療費控除とは、その年の1月1日から12月1日までの間に支払った医療費が、10万円を超える場合、その超えた金額を総所得金額から差し引くことができる制度です。

これにより、課税所得額が低くなるので、課せられる税額も下がることになります。ただし、この医療費控除は、確定申告をしなければ受けることができません。 
この医療費の中には、病院に行くために利用した公共交通機関の交通費やドラッグストアーで購入した治療薬代も含まれます。 

また課税所得額が200万円以下の人は、医療費が課税所得額の5%を超えれば、医療費控除を受けることができます。

医療費は夫婦で合算できるの?

この医療費控除を受ける場合に対象となる医療費は「生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」が対象になります。このため確定申告をする人の立場からみて「生計を一にする人」の医療費であれば、すべて合算して申告することができるのです。 
「生計を一にする」とは、扶養家族のみではなく、扶養対象外の配偶者や社会人の子どもなども対象にすることができます。 

それぞれの医療費が10万円に満たなくても、合算して10万円を超えれば、夫婦のどちらか一人が確定申告をすることで、医療費控除を受けることができ、その結果として一度納めた税金の一部が還付されるのです。

夫婦のどちらが申告すればいいの?

夫婦のどちらが申告しても、還付される額が同じというわけではありません。課税所得額に応じて還付される金額は異なってきます。 

それぞれのケースをシミュレーションするために、まず所得税率の速算表を次に示します。

所得税の速算表

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円を超え 330万円以下

10%

97,500円

195万円を超え 330万円以下

10%

97,500円

330万円を超え 695万円以下

20%

427,500円

695万円を超え 900万円以下

23%

636,000円

900万円を超え 1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円を超え4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円超

45%

4,796,000円

それぞれが確定申告をした場合

所得税を考える場合、対象となるのは年収ではなく課税所得額です。夫の課税所得額が500万円、妻の課税所得額が300万円のケースでみていきましょう。それぞれに20万円の医療費を支払ったとします。 

まず確定申告前の税金を計算してみましょう。
 
夫 500万円×20%-427,500円=572,500円
妻 300万円×10%-97,500円=202,500円 

それでは医療費控除を受けるために確定申告をしたら、税金はどのようになるでしょうか。10万円を超える額が控除の対象になるので、20万円の医療費だと、20万円-10万円=10万円で、10万円を課税所得額から差し引きます。 

夫 (500万円-10万円)×20%-427,500円=552,500円
妻 (300万円-10万円)×10%-97,500円=192,500円 

この結果、夫が2万円、妻が1万円の合わせて3万円の節税になりました。 

それでは夫が医療費を合算して確定申告をしたらどうなるでしょうか。二人合わせた医療費は40万円ですから、10万円を超える額である30万円を課税所得額から差し引くことができます。 

夫 (500万円-30万円)×20%-427,500円=512,500円 

この結果6万円の節税ができることになります。夫婦がそれぞれが確定申告をするよりも節税効果があることが分かります。 

それでは、妻が代表をして確定申告をしたらどうなるでしょうか。 

妻 (300万円-30万円)×10%-97,500円=172,500円 

妻が夫の分をまとめて確定申告をしたら、3万円しか節税することができません。これは妻に課せられる税率が低いために、あまり有効な節税効果がでなかったためです。 

つまり夫婦で合わせて医療費控除を受ける場合は、年収の高い方が代表をして確定申告をした方が、節税効果が高いということになります。

年収が300万円以下だと申告者は低い方がいい?

ところが、それぞれの収入によっては、必ずしも高収入者が申告した方が有利とはいえないことがあります。 

夫の課税所得額を190万円(年収300万円相当)、妻の課税所得額を40万円でシミュレーションしてみましょう。税額は次のとおりです。 

夫 190万円×5%=95,000円
妻  40万円×5%=20,000円 

医療費は夫婦合わせて合わせて20万円とします。これを夫が確定申告をすると次のようになります。課税所得額が200万円以下なので、控除されるのは「10万円を超えた額」ではなく「所得の5%を超えた額」です。 

控除額  20万円-190万円×5%=105,000円
夫 (190万円-105,000円)×5%=89,750円 

夫が医療費控除の確定申告をして節税できた額は、5,250円です。 
妻が申告した場合、どうなるでしょうか。 

控除額  20万円-40万円×5%=18万円
妻 (40万円-18万円)×5%=11,000円 

妻が医療費控除の確定申告をしたことで9千円の節税できたことになります。 
つまり夫婦ともに課税率が5%の場合、収入が低い方が確定申告をした方が、控除額が多くなるので有利だといえるのです。

ただし節税の最大値は、確定申告をした人の納税額までですから、あまりに収入が低い人が確定申告をすると、節税効果が現れないことがあります。

高収入世帯でも医療費が10万円以下の申請が可能になる?

夫の年収が高い世帯においても、妻の課税所得額が200万円以下であれば、医療費が10万円以下でも医療費控除が可能になります。 

これは課税所得額が200万円以下の場合、医療費控除額が課税所得額の5%になるからです。たとえば、妻の課税所得額が40万円で、医療費が8万円だとしたら次のようになります。 

控除額 8万円-40万円×5%=6万円
妻 (40万円-6万円)×5%=17,000円 

夫が確定申告をしても10万円以下の医療費は控除が受けられないので、この場合、確定申告ができるのは妻だけになります。医療費控除前の妻の税額は、2万円ですから、確定申告をすることで3千円の節税になります。

確定申告はどうすればいいの?

確定申告は、毎年2月~3月中ごろまで行われています。 
確定申告の記載内容に自信がないときは、平日に税務署に赴き、直接窓口で提出するのが最も確実です。 

ただし確定申告の時期は、個人事業主なども確定申告にきているために、非常に混雑しています。そのため長時間待機することを覚悟してのぞまないといけません。 

そんな時間が取れない人や申告書の記載内容に自信のある人は、郵送かインターネットによる申請が便利です。 
郵送は普通郵便でも可能ですが、確実に税務署に到着したことを確認するために、レターパックなどの配達記録が残る方法がいいでしょう。 

インターネットによる申請も可能です。e-Taxで申請をする場合は、カードリーダーや個人証明書類が必要です。これらのものが手元にない場合は、国税局のホームページから「書面提出」をクリックして、メニューに従って記入をしていくと申請ができます。

まとめ

ここまで、確定申告と世帯単位の関係について説明をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。 

医療費控除を受ける場合は、夫婦や家族で合算して、ひとりが世帯を代表をして確定申告をした方が節税になります。年収が300万円を超える人がいる世帯では、収入の多い人が申請をするのが最も節税になります。 
世帯全員が年収300万円未満の世帯だと、収入が低い方の人が申請をした方が節税になります。

夫婦によって、いろいろな収入の組み合わせパターンがあります。医療費控除を受ける際には、誰が申告者になれば最も節税になるかをチェックしたうえで確定申告をしましょう。

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