なぜ主婦は無職扱いなの?みんなに知ってほしい主婦のお仕事の大変さ☆
主婦の仕事は、朝から晩まで尽きません。朝起きて、洗濯、朝ごはんの準備と片付け、ゴミ捨て、掃除、洗濯物の取り込みと片付け、買い出し、夕飯準備と片付け・・・これ以外にも、細々とした仕事が多く存在し、これに育児が加わると一日中動いていなければならないというような状況にもなりかねません。
これほど仕事量が多く、しかも休みがなく毎日のことなのに、主婦は「職業」として見なされず、「無職」扱いされることが多いのが実情です。しかも、「やってあたり前」と思われることが多く、全て主婦の仕事をこなしても、褒められたり報酬をもらえたりというようなことは基本的に期待できません。
一方で、家事代行サービスのように、主婦の仕事を代行して行う代わりに報酬が支払われるという職業が存在します。外注すれば決して安くは済まない主婦の仕事。それなのに、なぜ主婦は無職と見なされてしまうのでしょうか?仮に主婦の仕事を年収に換算するとどれぐらいになるのでしょうか?実際に主婦が「無職扱いされている」と感じる状況はどういった時なのでしょうか?
主婦も毎日頑張っています。そんな主婦業に専念している人にとって、大切なことは何でしょうか。
特に専業主婦の人には、最後まで読んでいただきたい内容です。
なぜ主婦は無職扱いなのか
行政が主婦を職業と見なさない理由は、主婦が自分の家の仕事をしても、賃金が発生しないためです。基本的に「職業」とは、「生計をたてるために行うもの」とされているので、賃金が発生することのない「主婦」は、無職として扱われることになるのです。
従って、例えば、痴漢やスリなどの犯罪に巻き込まれた場合、警察の書類の職業欄には「無職」と書かれます。「主婦」という職業欄はありません。
主婦の仕事を年収に換算すると
「無職」として見なされていても、主婦の仕事量は多く、終わりのないものです。難易度の高いものや重労働のものもあり、誰にでもできるわけではありません。
それでは、実際に主婦の仕事を年収に換算すると、いくらぐらいになるのでしょうか?
家事代行サービスなどの市場価格をもとに、主婦の仕事を年収に換算すると、平均年収は約470万円という結果が出ています(キリンビール㈱・2016年発表)。これは、サラリーマンの平均年収とほぼ同額、もしくはそれ以上ということになります。
このシミュレーションでは、家事労働時間は平均5.3時間とされており、そのうち最も多い割合を占めている仕事が「料理」でした。特に夕飯作りという項目は一番年収が高いとされ、平均年収123万円という結果が出ました。確かに料理は、誰にでもできるものではなく、それ相当のスキルや経験を要しますので、納得です。
料理に続いて、掃除・家族のお世話・洗濯など、代表的な家事はどれも重労働です。また、家事には名前のついていない仕事も多く存在し、例えば足りなくなった洗剤の詰め替え、散らかった部屋の整理、洋服から取れてしまったボタンの付け替えなど、細かい仕事を含めると、このシミュレーションで出た平均年収より高くなることも十分考えられます。
もちろん、賃金というのは、払う人が存在して初めて成立するものですから、主婦に賃金を払う人がいなければ、いくら換算のシミュレーションをしても、賃金は0円のままです。しかし、このようなシミュレーションの結果、主婦の仕事はこれほど価値があるのだということを世間に知らしめたということは、大変意味があったことなのではないでしょうか。
無職扱いされていると実感する状況
それでは、実際に主婦のみなさんは、どんな時に無職扱いされていると感じるのでしょうか。人によってそれぞれかもしれませんが、特に多いケースをご紹介いたしましょう。
【アンケート欄などに「主婦」という項目がない】
アンケートや、何等かの登録手続きなどの際、職業に丸をつける欄が多く見受けられますが、この欄に「主婦」という項目がないといった時に、仕方なく「無職」に丸をつけることになります。こういった時に「私って無職なのか・・・」と、少し残念に思ってしまうことがあるようです。
【「今お仕事してるの?」と聞かれた時】
久しぶりに再会した友人などに、「今お仕事しているの?」などと、仕事について聞かれた時、専業主婦の場合は「仕事は、していないの」と答える人がほとんどでしょう。「主婦という仕事を毎日しているの」と答える人は珍しいかもしれません。このよう時に、「何もしていないように思われているのではないだろうか」と、胸の中がモヤモヤする人も少なくないのではないでしょうか。
主婦も毎日頑張っている!
先にも述べた通り、主婦の仕事は多岐に渡り、年収に換算するとサラリーマンの平均以上です。それほど、主婦は毎日、休みなく頑張っています。主婦が家の仕事をしているからこそ、夫は自分の仕事に専念できます。
その証拠に、「夫が稼いだ収入は、専業主婦の妻と2人で稼いだもの」と法律的に見なされています。最近では、その逆もあり、妻が仕事をして夫が主夫をしているパターンもありますね。
共働きの夫婦が増えたので、「主婦の仕事に加えて外で働いている人がいるんだから、家事だけをしているなんて怠慢なのでは」と言ってくる人もいるかもしれません。
しかし、それは正しくはありません。家事と仕事の両立を完璧にこなせる人はおらず、働くママはどこかで手を抜いたり、外注に頼ったりしながら、なんとかやっているに過ぎないのです。もちろん、それも素晴らしいことです。いくら手を抜いても、家事に終わりはありませんから、仕事をしながらの主婦業は本当に大変です。
しかし、だからといって、「主婦の仕事だけだったら楽だろう」ということにはならないのです。主婦の仕事には、「これとこれとこれをやれば終わり!」という概念がなく、突き詰めれば仕事量は増えていく一方で、その家庭によっても仕事内容・仕事量はさまざまなのです。
さいごに
ここで伝えたいことは、「主婦の仕事に専念している人は、例え無職扱いされても、誇りを持って毎日過ごしましょう」ということです。
中には、小さい子どもがいて、今は家事と育児に専念しているけれど、子どもが手を離れたら働けるように、資格取得のために勉強中という人もいるかもしれません。また、家事や育児が好きなので、子どもとたくさんの時間を一緒に過ごし、毎日掃除をして、手作り料理を家族に食べてもらうことが幸せ、という人もいるでしょう。一口で「主婦」といっても、色々な生き方があるのです。
アンケートの職業欄に「主婦」という項目がなかったら、手書きで「主婦」と書いてしまっても良いでしょう。友人に「仕事はしているの?」と聞かれたら、「毎日、家の仕事を目いっぱい頑張っているよ!」と答えても良いのです。
主婦の仕事を年収に換算するシミュレーション結果が世間に広まったということは、主婦の仕事がそれほど評価されてきているという証でもあります。家事代行サービスが決して安くないことも、それを物語っています。
そして、肝心なのは、主婦をしている当の本人が、誇りをもって、それを仕事だと思って、主婦業に取り組んでいるかどうかということではないでしょうか。
今日も家族のために、快適な空間を準備し、おいしいご飯を作り、子どもとたくさん一緒に過ごしましょう。とても幸せな仕事です。言葉には出さなくても、家族は「ありがとう」と思っているはずです。