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主婦の悩み…扶養控除に伴う収入制限の壁!税制面や社会保障面から徹底解説!

公開日: 2019.11.18
最終更新日: 2022.11.09

主婦の悩み…扶養控除に伴う収入制限の壁!税制面や社会保障面から徹底解説!

はじめに

子育てがひと段落してパートに出ようとすると、よく耳にするのが「103万円の壁」という言葉です。ほかにも、「106万円の壁」「130万円の壁」などといた「壁」があるので、よく分からないという方が多いのではないでしょうか。

しかも、この収入の壁に関しては、法律の改正もあり、いつの間に事情が変わっていたなんてことがあり得るのです。

そこで今回は、最新情報を加えながら、改めて「壁」について解説していきます。

壁ってなんのこと?

そもそもこの壁とは、「これ以上は稼がないようにしよう」という収入上限のことを指します。

その壁を超えるとデメリットが発生すると考えられているため、超えないように計算しつつ働く時間を調整する方が多いです。

というのは、配偶者に扶養されている主婦には、税制面や社会保障面で優遇措置がなされているためです。配偶者も同様に、扶養している家族がいることで税制面での優遇を受けています。

その扶養に入っていた主婦が働いて収入を得た場合、収入額に応じて優遇措置が適用されなくなります。

そのため、「多く働いたら損をした!」ということが起こりうるのです。

でも、実際に損するかどうかについては、考え方の違いにもよるというのが正解と言えます。

このあと、1つ1つ壁に対する説明を行っていきます。

壁には2種類ある

壁には2種類の壁があります。

ひとつは税金の壁、そしてもうひとつは社会保険料の壁です。

税金とは、所得税や住民税のことです。

各種控除があるので収入が少ないときにはかかりませんが、ある一定の所得を超えると課税される仕組です。しかも、所得が多ければ多いほどその率が高くなる累進課税方式をとっています。

 

社会保険料は、収入が少ないときには配偶者の被扶養者として被保険者扱いとなるため保険料の支払いは発生しません。

しかし、収入が一定額を超えると被扶養者から外され、自ら国民健康保険料などの支払いが発生するのです。

しかも、配偶者の支払いが減るわけではないことがポイントです。

なぜなら、国民健康保険料は、扶養者の人数により保険料が変わるわけではないためです。

つまり、夫が、妻、子を扶養しているときと、妻が自ら国民健康保険料を支払うようになって夫が子のみを扶養している場合でも、夫の国民健康保険料は変わらないということになるのです。

妻の支払いが増えた分、社会保険料に対する家計全体の出費が増えてしまうという図式になりますね。

だからこそ、収入の壁を越えないよう、時間の調整をして扶養から外れないようにする方が多いのです。

「税金の壁」をもっと詳しく

税金の壁としては以下の3つです。

 

【1】103万円の壁

 

103万円を超えると所得税が発生します。

パートやサラリーマンなどといった給与所得者は、基礎控除48万円と給与所得控除55万円、合計103万円までは所得控除を受けることができますので、103万円を超えた場合、所得税がかかります。

所得税は、課税所得が194万9,000円までは5%、それ以降はその課税所得に応じて、最大45%の所得税率で計算されます。

また、令和19年までは、所得税に加えて復興特別所得税(2.1%)も加算されます。

とはいえ、あくまで課税所得に対してのパーセンテージであるので、所得税がかかるというインパクトよりも所得自体が増えるというメリットの方が大きいと言えるでしょう。

 

【2】150万円の壁

 

150万円になると、配偶者特別控除の金額が減ります。

配偶者特別控除とは、配偶者の合計所得が一定額以下であれば、納税者本人が最大38万円の控除が受けられるというものです。

配偶者の所得が48万から95万円以下の場合は、満額の38万円の控除が受けられますが、

それを超えると、段階的に控除額が減らされてしまうのです。

配偶者がパートをしている場合、55万円の給与所得控除が受けられますので、95万円+55万、つまり150万円がボーダーラインとなります。

なお、この控除額は納税者本人の所得金額にもよって変わります。

年収が900万を超える方の場合は満額でも26万円、950万円を超えた場合は満額13万円、1,000万円を超えている場合はそもそも配偶者特別控除を受けることができません。

詳しくは下記の表をご参照下さい。

 

配偶者特別控除

※出典:国税庁「No.1195 配偶者特別控除」 令和2年度以降

「社会保険の壁」をもっと詳しく

つぎにもう一つの壁である社会保険の壁について説明していきます。

 

【1】106万円の壁

 

106万円の壁は、社会保険料が発生するかどうかの壁です。

もともと、社会保険料が発生するかどうかのボーダーラインは130万円でした。

しかし、令和2年に、この社会保険適用を拡大するという年金制度改正法が成立され、ボーダーラインが変わりつつあるのです。

具体的には、勤務先の従業員が101人以上の場合、所得が106万円を超える方は社会保険に加入することになりました。これは、2022年10月から適用となっています。

また、2024年10月からはさらに拡大され、従業員数が51人以上の勤め先に勤務している方も対象となります。

社会保険に加入したくないという場合は、106万円を超えないよう時間等調整していく必要があるのです。

 

【2】130万円の壁

 

所得が130万円を超えた場合、勤務先の従業員数にかかわらず社会保険への加入が必要となります。社会保険に加入をしていない小さな会社や個人事業主の場合は、国民年金や国民健康保険に加入することとなります。

 

なお、国民年金保険料は毎年見直しが行われますが、令和4年度は16,590円です。

いずれも少ない金額とは言いがたいため、これらの壁を超えないよう調整する方が多いと言えます。

壁を超えると損するの?

壁について説明してきましたが、壁を超えると本当に損なのでしょうか?

実は、そうとも言い切れないのです。

たとえば、103万円の壁を越えて所得税がかかったとしても、入ってくる収入自体は増えるからです。また、150万円を超えて配偶者特別控除が段階的に減らされたとしても、同じく収入自体が増えることには変わりないためです。

所得税はあくまで課税所得に対してのパーセンテージであるので、所得税がかかるというインパクトよりも所得自体が増えるというメリットの方が大きいと言えるでしょう。

 

また、106万、または130万円を越え社会保険に加入することになったとしても、厚生年金自体は将来の蓄えとなるので、損とは言い切れないのです。

とはいえ、健康保険料の支払いは負担として大きくのしかかるのは事実です。

130万円を少しだけ超えた場合、超えない場合と比較して結果として手取りが減ることがあります。そのため、130万円を超えないよう働くのか、フルタイムで働き手取りが減らない分まで働くかといった工夫は必要と言えるでしょう。

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