フルタイム勤務の筆者が副業を始めたきっかけとは?
副業とは?
副業とは、本業とは別の仕事を、本業を続けながら同時に行っている、そしてそこから収入を得ていることをいいます。
簡単に言うと、本業とは別に収入を得るような仕事をしていることを指しますので、その仕事がアルバイトだろうと、フリーランスであろうと、副業という扱いになるわけです。
つまり、A社にお勤めをしながら、勤務後にB店に行きアルバイトといったケースも当然副業と言えます。
ただし、収入を得るということがキーポイントになるため、休みの日に無料で近所の子供たちの勉強を見てあげるといったことは副業にはなりません。
副業のメリット・デメリットについて解説
<メリット>
1:欲しい分だけ稼げる
正社員で働く場合は基本的にフルタイムワークが求められており、1日8時間など働くという選択しかないものですが、副業は、その種類にもよりますが、仕事量の調整が可能です。
たとえば、本業帰宅後の3時間だけや、土日だけといった契約にしたり、成功報酬型でこなした
分だけお金をもらうといったように、自分ができる範囲で仕事を行うことができます。
そのため、自分のおこづかいとして月2万円だけ副収入があればよいといった方でも、気軽に始めることができるのです。
2:副業で得たスキルは本業に生かせる
副業の種類はさまざまですが、副業で得たスキルを本業に生かすことも可能です。
たとえば、イラスト作成の副業を行っていたら、本業ではグラフィックデザイナーとして全体のデザインだけだったのが、腕を認められ、イラストまで任されるようになったなどといったケースです。
本業のスキルを生かして副業をするといった考え方もありますが、自由に仕事内容を選べる副業だからこそ、目指すスキルや経験が得られるものに就くということも可能なのです。
3:将来に可能性が広がる
現在サラリーマンをしている方は、定年というものが必ずやってきます。
現在、70歳まで定年が延期される方向にありますが、役員やなにか特別な事情がない限り60歳以降の給与はさがる傾向にあります。
一方でフリーランスとして副業を行うと定年はありません。
60歳以降副業を本業にすることで、現役世代と同じ収入をキープすることも可能ですし、ずっと好きな仕事をしていられることになります。
<デメリット>
1:体力や精神的に負担が増える
副業は収入が増加するいっぽうで、体力が奪われたり、精神的な負担を受けるものです。
たとえ副業が楽しいものであっても、単純に働く時間が増えるわけですから、身体的には必ず負担になっているはずです。
疲れが出て本業にまで影響を与えかねませんので、時間や体調をきっちりと管理するようにしましょう。
2:手間や税金が増える
収入が増えるということは税金が増えるということです。
得た所得に対して税金が増えるといった累進課税制度をとっているため、税金が増えることになります。
しかも副業による所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要となります。
サラリーマンの場合、会社が代わりに計算を行ってくれているので、確定申告にかんする知識がない方がほとんどでしょうから、これは大きなネックになると言えるでしょう。
3:損をする恐れもある
副業でも、最初に投資が必要なものだったり、毎月運営費がかかり、ある程度成功しないと利益が得られないものがあります。
ほかにも「せどり」といって、安く買ったものを高く販売して差益を得る副業の場合、売れないと仕入れ分が単なる出費となり、利益どころか損害となります。
また、プログラミングを学ぶためにスクール費100万円かけても、仕事がうまく見つからなかったり、本業が忙しくなって副業自体ができなかったりすると、これも損失で終わってしまうのです。
収入を得るという目的で副業をするときは、損をしないのかという視点で職種を選ぶようにしましょう。
副業禁止の背景・副業がバレる時
企業はなぜ副業を禁止しているのでしょうか。その背景を説明していきます。
もし副業にかんして禁止や制約などを行わない場合、以下のようなことが想定できます。
—————————————————————————————————————————-
1:労働者が疲れなどから業務に支障をきたしてしまう
デメリットでも説明しましたが、副業により労働時間が増え、身体的に影響が出る恐れがあり、ミスをしてしまったり、本来期待された能力を発揮できなかったりする心配がある
2:企業の秘密が漏れてしまう・・・企業が培ってきたノウハウやシステム、内情など
企業内で業務に従事することで得たノウハウや内部の状況を副業先にはなされてしまったり、副業がブロガーであれば、それを記事に書かれてしまったりなどの心配がある
3:労働者の副業の内容により、本業の名誉や信頼までなくしてしまう
副業が接待業などでお客様に本業の会社名を明かしてしまうことによりイメージダウンにつながる恐れがある
4:競業(副業が本業のライバルになるような職種であること)により利益を害する恐れがある
自分たちの価格より割安な値段を設定して顧客に声をかけ奪ってしまうような恐れがある
—————————————————————————————————————————-
次に、隠れて副業をしていたのに、本業にバレるとしたらどのようなケースなのかについても説明します。
・著しく体調を崩してしまい本業に影響してしまった場合
・住民税が本業の給与に対する金額より多い場合
・副業をしていることを会社の人に見られてしまった場合
・内部情報漏洩などにより事実調査が行われた場合
・Wブッキングなどで失敗をしてしまった場合
・本業から副業先に行く際に事故を起こしてしまった場合
以上のケース以外にも、バレる可能性は多々あります。
そもそも、就業規則で禁止されている場合、企業に申告せずに、しかも本業に影響してしまうような副業はするべきではありません。
給与が不足していてどうしても副業をしなければならない、副業によりスキルアップしたいなどしっかりとした理由があるのであれば、素直に上司へ相談、申告してはいかがでしょうか。
とくに、本業に役立つ、しかし本業で仕事をしているなかでは学べないことを身につけられるような副業であれば、残業を減らしてくれたり、都合の悪い日、当番を変わってくれたりなどと、上司や同僚の協力が得られるかもしれません。
副業時の注意点をご紹介
副業時の注意点を述べていきます。
1:公務員は法律の定めに従う必要がある
国家公務員、地方公務員などの場合、それぞれ、国家公務員法、地方公務員法により副業が制限されています。はっきりと禁止されているわけではありませんが、「営利企業を営んだり、営利企業より報酬を得て仕事をしてはならない」だったり、「営利企業以外でも報酬を得るような場合は内閣総理大臣及び、管轄部門の長の許可が必要」といったような記載があります。
2:民間企業就労者は、就業規則をチェックしよう
会社には就業規則というものが用意されており、そこに副業に関しての記載がある場合が多いです。
基本的に企業は、終業後の従業員の行動を制約するといったことはできませんが、「本業に支障を与えるような副業はしない」や、「本業に著しい損害・損失を与えるような副業はしない」といった文言により一部の副業を禁止しているケースが多いです。
本業で得た秘密や顧客情報を漏洩することや、名誉棄損にあたるような内情を記事にするといったようなことを防止するためです。また、疲れから本業の仕事の質を著しくさげることのないようにとの狙いもあります。
したがって、副業で本業と同じ商売をして、本業より安い価格で請け負うと声をかけ顧客を奪ったりするようなことも当然ご法度となります。
なお、さらに、副業をする場合は会社に所定の届け出を行うといったことも記されていることも多く、この場合、黙って副業をすること自体が規則違反につながります。
3:労働通算ルールがある
本業で所定労働時間を8時間としている方が、本業終業後副業先で働く場合、副業先での業務は法定時間外労働となります。
その場合、本業では割増賃金とはなりませんが、副業先では割増料金となり、その申告は自分から行うことが基本です。
また、本業が月~金曜日というウィークデーの就労で、土曜に副業を行うといったケースも同様で、ウィークデーは所定労働時間ぴったり働いたとしたら、土曜日での就労は法定時間外労働となります。
4:本業、副業先に迷惑をかけない
当たり前のことですが、2つの仕事をすると決断、実行しているのはあなた自身です。
企業側が副業を勧めるケースはほぼないと言えるでしょう。
となれば、それぞれの企業の業務に影響を与えないよう、体調の管理、スケジュールの管理はしっかりと行うべきです。
「休みである土日のうち1日だけであれば、睡眠時間が削られないし問題ない」と考える方が多いですが、自分のペースでゆっくりしたり、精神的にもリラックスできる休日が1日減るということなので、気がつかぬうちに身体的、精神的疲労がたまっている恐れがあります。
重々理解したうえで、十分に体調管理を行うようにしましょう。
5:年末調整・確定申告をしっかりと行う
年末調整は1箇所でしかできませんので、収入がより多い方、一般的には本業のほうで提出するようにします。
また、正しく源泉徴収をしてもらうためにも、2つの仕事を行っていると言うことを本業、副業先の企業にきちんと申告をするようにしてください。
なお、副業による所得が年間20万円を超えた場合は、自ら確定申告を行う必要があります。
毎年2月16日から3月15日までの期間に前年の所得に対し、必要な書類を揃えて申告します。慣れない間は手間取ってしまうことが予想されるため、不安な方は事前に税務署に出向いて書き方の相談にのってもらいましょう。
副業が向いている人・向いていない人とは?
副業にむいている人、むいていない人の特徴を説明していきます。
【副業にむいている人】
・本業が決まった時間に終わる
・時間が余っている人
・スケジュール管理が得意である人
・気持ちの切り替えがうまく、複数の業務をすることに負担を感じないこと
・スキルアップに前向きな人
・体力に自身がある人
・家族などお世話をしなければならない人がいない人
・収入アップをしたい人
・なにごとも続けることができる人
・責任感がある人
【副業にむいていない人】
・本業が終わる時間がバラバラで規則性がない人
・時間にゆとりがない人
・スケジュール管理が苦手な人
・気持ちの切り替えが苦手で、ものごとに器用に対処できない人
・体力があまりない人・不健康な人
・家族などお世話しなければならない人がいる人
・恋人がいる人
・なにかを続けるのが苦手な人
・飽きっぽい人
・利己主義で迷惑をかけることが気にならない人
副業にむいている特徴に複数当てはまる人は、まさに副業向きと言えるでしょう。
自己管理ができている、スキルアップに前向きであるなどといった場合は、基本的な能力が高いとも言えるので、きちんと体力管理などを行えば、本業に対してプラスになる可能性も高まります。
一方で副業にむいていない特徴に当てはまる場合でも、スケジュール管理や気持ちの切り替えなどの問題は意識改善や訓練で十分克服することができます。
諦めないでくださいね。
副業のための時間管理術をご紹介
本業に悪影響を与えずに、上手に収入を確保するためには、時間をうまく管理することが重要です。
休日だけにする、もしくはウィークデーだけにして休日はしっかり休むといったように、あらかじめルールを決め、それ以上はやらないようにすることをおすすめします。
一般的に毎月の給与が決まっている本業に対して、副業の場合は、時給制や出来高制であることが多いので、働けば働くだけ収入がアップします。
そのため、つい夢中になって、いつの間にか無理をしてしまう方が多いからです。
もしくは1ヶ月○時間以内などでも構わないので、上限を決めておくことが重要です。
副業を選ぶためのポイント
○副業の目的に沿ったものを選ぶ
そもそもあなたが復業する理由はなんでしょうか。
とにかく、収入を増やしたいということであれば、やはり単価が高いもの、そして今現在のスキルで十分稼げるものを選ぶべきでしょう。一方でスキルアップが目的であれば、これからチャレンジしたいもののなかでも、未経験でOKといったものやアシスタントとして働けるものなどから選ぶのが良いでしょう。
自分の目的に合わせることで、楽しく続けられると言えるからです。
○融通がきくものを選ぶ
副業はあくまで副業です。なかには、副業がうまくいって、副業だった職業1本にしぼるといったコースをたどる方もいらっしゃいますが、あくまで本業に対するサブ的なお仕事であるはずです。
本業が今までどおりにこなせること、もしくは本業が忙しくなる場合を見越して、ある程度働く量や時間を調整できるような副業を選ぶことが結果的に長続きの秘訣と言えます。
もちろん、また本業が落ち着いたときには、仕事量を増やすことができることが理想です。
○負担が少ないものを選ぶ
繰り返しになりますが、一番問題となるのは本業に支障をきたすことです。
迷惑をかけることになり、場合によっては、昇進がなくなったり、続けること自体ができなくなる恐れもあります。
仕事自体は簡単でも、通勤に時間がかかるといったような副業であると、それだけでもかなりの負担になり得ます。
仕事場が近場であったり、在宅ワークでできるといったような負担の少ない副業を探すことがおすすめです。
移動時間が短い分、より多くの時間を仕事に割り当てることも可能になります。
○人間関係が疲れないものを選ぶ
仕事のうち、意外とネックになるのが人間関係です。
上司、同僚、部下、さまざまな人たちと一緒に仕事をすることになりますが、気が合ったり、尊敬できる人ばかりが集まることは希です。
副業先で人間関係が面倒なところは選ばないようにしましょう。
○メリットの多い在宅ワークから探すようにする
可能であるならば、メリットの多い在宅ワークの仕事を探すことがおすすめです。
在宅ワークが可能ということは、たとえ住んでいるところから離れた会社の仕事もできるということです。
ずばり、仕事の選択肢も広がると言うことにつながるので、条件が良いものを選べる可能性が高まります。
さらに、もし本業から副業先の場合の移動中にケガしたり、仕事中に問題が起きた場合は、雇用関係のある本業、副業先、いずれかが対処や保障するのかなど揉める恐れもあるので、少しでも面倒なトラブルを防止するといった観点でも在宅ワークがおすすめです。
○投資がいらないものを選ぶようにする
副業でも、自分自身が事業主となり仕入れを行うものや、サービスを提供するために最初に機器を購入する必要があるものなど、初期投資がかかるものを選ぶ方がいます。
しかし、やる気をだして始めてみたものの、うまく行かず、ほとんど収入が得られず、むしろ損して終了してしまったという方もたくさんいます。
長期的な視点で見られる、また、必ず黒字にする自信があるなんて方意外は、安易に投資が必要な副業を選ばないようにしましょう。
おそらく、「vol.1」をお読みくださった皆様の中には「なんでこんなに大変なのに、副業まで始めたの?」とお思いになられた方もいらっしゃるかと思います。しかし私にとっては、副業を始めることは、ある種ごく自然なことだったのです。
副業を始めたきっかけ:その1~Time is money~
私は毎日、電車を2本乗り継いで片道約2時間かけて通勤しています。これまた「何でそんな遠くまで!?」とのご指摘を受けそうですが、これだけの時間をかけて通勤するのには大きな理由が2つあります。
理由の1つ目は、今の勤務先の近くに私が通っていた大学があり、土地勘があったから。
もう1つの理由が、再就職活動中、面接をした会社の中で、残業ができなくても勤務可能だった唯一の会社が、現在の勤務先だったからです。
かくして私は、片道約2時間を掛けて通勤するようになりました。再就職直後は、勤務時間が唯一自分のためだけの時間ということで、それを手にした嬉しさは格別でした。
ただ、それから1年が経ち2年が過ぎると、入社直後から勤務先の一部の人に言われていた「よくまぁこんな遠くまで勤務しているね?近くに会社はないの?毎日が小旅行みたいなもんね」という言葉が、非常に気になり始めたのです。
片道約2時間と言うことは、往復だと約4時間。4時間とは、一日の6分の1もの時間になります。私には、一日の6分の1もの時間を無意味に過ごすことは、とても勿体ないことに思えてなりませんでした。
特に、「早起きは三文の徳」と言われる程貴重で、頭も冴えている朝の2時間は、もっと有効に使いたいと思うようになりました。
これが私が副業を始めた最大のきっかけでした。
副業を始めたきっかけ:その2~自分の好きなことが認めてもらえる喜び~
私の副業は、ライターです。ライターを副業に選んだ理由は、元々「書くことが好き」だったのと、勤務先で当時妊娠中だった方から子育て関連のことについて色々と質問をされ答える中で、「もしかすると私の育児経験や子育てをしながら仕事をしている経験を文章化して発信することで、誰かの役に立つことがあるのかもしれない」と思ったからです。
平日の校正の仕事で文字や文章の間違いを指摘している私が、全く逆の立場のライターとして校正をされることは、正直何だかおもはゆいことでした。しかし、ライターの私がお世話になっている校正担当の方々は、私が記事を提出するたびに「今回の記事の視点が良かった」とか「いつも素敵な記事をありがとう」などという思いやりのある言葉を掛けてくださいました。
子育てを始めて以来、「私」という人間を直接的に評価したり認めてくれるような言葉を掛けて貰う経験がなかったため、ライターとして報酬をいただくこと以上に、自分という人間を認められることは、遥かに嬉しいことでした。
またこの経験をきっかけに、今までの私の校正の仕事は間違いを指摘するだけのことが多かったのが、まずは相手を敬うことから始めるようになり、良い相乗効果を生み出したと思います。
次回は、副業が私の公私にもたらした良かった点と、副業をしていて、大変さを感じた点をお伝えしたいと思います。
ライタープロフィール
家族は夫、小1長女。現在は、昨年某ドラマで注目を集めた校正の仕事に従事。現在、大阪府在住。