自由業とは?メリットやデメリット、職種や年収、難易度についても解説
自由業とは
自由業と検索するといろいろな説明、表現がされていますが、共通して以下のような事柄があります。
▶雇用関係を結ばず、取引先から仕事を得る
▶案件ごとに業務委託契約などを結び仕事をする
▶時間や場所、仕事内容を自由に決められる
▶専門性やスキルを活かして仕事をする
自由という言葉が入っていることからも分かるように、勤務場所や勤務時間、仕事内容も決められているサラリーマンとは異なり、自分の裁量で仕事をする職業だということが言えます。
自営業やフリーランスとの違い
自由業と似ている言葉に、自営業やフリーランスという言葉があります。
これらの言葉と自由業との違いはなんでしょうか?
~自営業との違い~
自営業と言われて思いつくのは、八百屋さんなどの食料品店や美容院、レストランなどの飲食店ではないでしょうか。
そのイメージどおり、自営業とは、個人で店舗経営などの事業を営んでいることを指します。
従業員がいるかいないかといった限定はなく、一般的に営業時間を決めて、そのなかで営業活動を行っている方を指します。
季節によって働く時間は異なりますが、店舗を持たない農家も自営業に入ります。
自由業の場合、時間はもちろん、働く場所は限定されないことから自営業とは明確な違いがあると言えますね。
~フリーランスとの違い~
いっぽう、自由業と同じ「Free=自由」が含まれたフリーランスという言葉もあります。
自由業やフリーランスに明確な定義はありませんが、フリーランスも自由業と同様、どこにも所属せずに、企業との契約を行い、そのスキルを提供し報酬を得るといったスタイルを指しています。
これは、中世ヨーロッパにおいて、報酬により働く傭兵が活躍していたことから、「Free=自由」と「lance=槍」を組み合わせたフリーランスという言葉が使われるようになったという説が有力です。
いずれにせよ、自由業もフリーランスも法律用語ではないので、一般的に通用している概念での説明となります。
自由業のメリット・デメリット
≪メリット≫
▶仕事内容を選ぶことができる
自由業の場合、雇用関係を結ぶわけではないので、仕事の内容を選ぶことができます。
サラリーマンの場合、会社や上司から命じられた仕事を実行する必要がありますが、自由業の場合、やりたい仕事を選ぶことが可能です。
取引先も選ぶことができるので、ストレスが軽減されると言えるでしょう。
▶仕事する時間・場所を選ぶことができる
サラリーマンの場合、決まった時間に事業所に出勤することが一般的ですが、自由業の場合勤務先がありませんので、通勤の手間がありません。
自宅やカフェなど、場所も業務時間も自由に決めることができます。
また、週に5日でも、3日だけでも、その頻度も自由に決めることができるのもポイントです。子育てや介護などでフルタイムで働くことができない方も、自由業なら自分のペースで働くことができるのでワークライフバランスを取ることが可能です。
▶頑張れば頑張るほど収入がアップする
自由業の場合、仕事のボリュームやスキルの高さによって、収入をあげることが可能です。
サラリーマンの場合は月給が決められていたり、昇進制度により給料アップの巾もある程度決められていることがほとんどです。
しかし、自由業の場合スキル次第で金額をあげていくことができるので、年齢にかかわらず高収入を得ている方もいます。
▶人間関係のストレスが少ない
サラリーマンの場合、好きではない上司や同僚と毎日顔を合わせなければなりません。
自由業の場合は自宅などで仕事ができるし、取引相手先も選べるので、嫌な相手と顔を合わせることがあまりないのです。
結果、人間関係のストレスが少ないと言えるでしょう。
≪デメリット≫
▶収入が安定しない
サラリーマンの場合は、毎月決められた給与がもらえますが、自営業の場合、仕事量によって変わるので収入が不安定となります。
たとえば、病気などで数日休んでしまうと、そのぶん報酬は減ることになります。
▶雇用保険や厚生年金など社会保障が少ない
サラリーマンの場合、会社を辞めてしまっても社会保険に加入していれば失業手当をもらうことができます。また、厚生年金保険に加入していれば年金保障も二階建てとなります。
保険料は会社が折半していますから、少ない保険料で手厚い保障が受けられることになります。
いっぽうで自由業の場合、個人として仕事をしている以上どちらにも加入することはできません。万が一働けなくなったときは収入が途絶えてしまいますし、将来のために自分自身で資金を確保する必要があります。
自由業の職種別、年収、難易度について
▶プログラマー
自由業として最近注目がされているのがプログラマーです。
機械の制御システム、銀行の基幹システムなど大型のものから、スマホのアプリ、オンラインゲームなどプログラムが必要とされるものはたくさんあります。
とくにWeb系やスマホアプリ、オンラインゲーム系は在宅でも仕事ができるものが多く、マーケットも大きくなっているので人気が高まっています。
〇年収:384万~576万円
※時給2,000~3,000円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★★★
プログラミングを学ぶオンラインスクールが充実していることから、現在の仕事を続けながら習得することも可能です。また、求人が多いため仕事を見つけやすいというメリットがあります。
ただし、内容によっては時給が低いものもあるので、最初経験が少ないうちは年収が低く抑えられてしまう恐れがあります。実績を積んでより報酬の高い案件を扱えるようになると年収1,000万円も可能です。
〇なるためには
無理なく学ぶには、スクールに通うか、オンラインスクールの受講がおすすめです。
ただし書籍も充実している上、プログラミングについてのWeb記事もたくさんあるので、自力で習得することも可能です。
▶コーダー、Webデザイナー
Webサイトのデザインをしたり実際に構築する仕事です。
プログラマーとは異なり、主にPHPやhtml、JavaScriptなどフロントエンド系の言語を使ってWebサイトの制作をします。
〇年収:192万~249万円
※時給1,000~1,300円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★★☆
オンラインスクールで気軽に学ぶことができるので、主婦や手に職を付けたいと考える方に人気の職業です。募集も多いのでおすすめと言えます。
プログラマーと比較して容易に習得できる反面、報酬が低めなのがデメリットです。
〇なるためには
スクールに通うか、オンラインスクールの受講がおすすめですが、書籍や解説記事もたくさんあるので、自力で習得することも可能です。
▶CADデザイナー
戸建てやビルなどの設計図面や、部品、機械などの図面をCADソフトを使って書く仕事です。もともとは2Dから立体化させていましたが、最近では、3Dにシフトが映りつつあります。
〇年収:232万~345万円
※時給1,210~1,800円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★★☆
主なソフトが限られているので、習得後もさまざまな会社の仕事を受けやすいことがポイントです。
2Dの場合報酬はそう高くありませんが、3Dを扱う人材が乏しいこともあり、3Dを扱えると報酬が跳ね上がるため、これから学ぶ方は3DCADを学ぶことがおすすめです。
〇なるためには
3DCADの場合はオンラインスクールやパソコンスクールがおすすめです。
2Dであれば、市区町村や商工会議所等で基礎的な講習を行っているところもあります。
▶イラストレーター
Webサイトやプレゼン資料、マニュアルからアニメーション、ゲームなどのエンターテイメント業界において欠かせないのがイラストレーターです。
AdobeのIllustrator®やPhotoshop®などのソフトウエアを使ってイラストの制作を行います。
企業から具体的な案件の依頼をされイラストを描く場合と、自ら好きなイラストを描いて販売する方式があります。
〇年収:249万~422万円
※時給1,300~2,200円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★★★
Illustrator®やPhotoshop®を習得することが必要です。
また、これらのソフトウエアは自分で購入する必要があります。
より報酬の高い仕事を得るためにはポートフォリオを作成するなど、工夫することがおすすめです。
また、企業の要望に従いイラストを作成する場合イメージどおりに仕上げることが必須なので、イラストスキルと同様、コミュニケーションスキルが必要と言えるでしょう。
〇なるためには
デザイン系のスクールやオンラインスクールでの受講がおすすめです。
もっとも有名なIllustrator®やPhotoshop®を販売しているAdobeで基礎的な使い方を学ぶことができます。
▶ライター
商品の説明記事や解説記事など文章を作成するのがライターです。
1文字あたりの単価で報酬が決められることが一般的です。
Webサイトの記事を作成する場合は、SEOの知識が求められることが多いですが、比較的未経験でも始められる仕事と言えます。
〇年収:192万~576万円
※1文字1円~3円(ママワークス求人例より)、1日あたり8,000字で計算
〇難易度:★☆☆
未経験でも可という仕事が多いので初心者におすすめです。
SEOの知識はWebサイトで調べることが可能であるうえ、オンラインスクールも充実しているので習得も容易と言えます。
経理やIT系、人事系など専門的な知識があれば、1文字あたりの単価があがるため他業種経験者は有利と言えます。
〇なるためには
オンラインスクールでひととおりに知識を学ぶことはできますが、未経験でも可とされている仕事を受け実績を重ねることで十分習得が可能です。
▶カスタマーサポート
電話でお客様からのお問い合わせを受ける仕事です。
マニュアルが充実しているので特別な知識が不要であることがほとんどです。
サービスや請求額に関する質問から、技術的なお問い合わせなどさまざまで、後者の方が報酬が高めです。
〇年収:212万~249万円
※時給1,100~1,300円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★☆☆
人が好き、話すのが苦にならないという方であれば、特別な知識は不要です。
インターネット回線、ヘッドセットを準備すればすぐに始めることができます。
〇なるためには
未経験でも可能なので特になにかを勉強する必要はありません。
▶カスタマーセールス
インターネット電話やメールなどを使って企業や個人に営業活動を行う仕事です。
トークスクリプトが用意されていることがほとんどなので、特別な知識は不要であることが多いです。別名テレアポとも呼ばれ、「より詳しい説明が聞きたい」などといったアポイントがとれたら、インセンティブが発生するケースがほとんどです。
〇年収:199万~288万円+インセンティブ
※時給1,041~1,500円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★☆☆
人が好き、話すのが苦にならないという方であれば、特別な知識は不要です。
インターネット回線、ヘッドセットを準備すればすぐに始めることができます。
〇なるためには
未経験でも可能なので特になにかを勉強する必要はありません。
▶在宅事務
経理や営業事務、総務、人事などの業務を在宅で請け負う仕事です。
業務内容は一般的な会社と代わりはありませんが、在宅で行うため、クラウドサービスやスプレッドシートを使って業務をすすめていきます。
なお、業務時間が企業の営業時間に限定される場合があります。
〇年収:212万~288万円
※時給1,100~1,500円(ママワークス求人例より)で1日8時間、月20日間で計算
〇難易度:★☆☆
未経験でも可能としているものもありますが、経理や人事、労務などは実務経験が条件とされていることが多いです。
〇なるためには
実務経験が必要なもの以外は、特になにかを習得する必要はありません。
ほかにも、ここで紹介しきれていない仕事があります。
自由業にむくお仕事が掲載されているサイトで、一度探してみると良いでしょう。
自由業にむくお仕事一覧はこちら
自由業にむいている人とは?
自由業に向き不向きはあるのでしょうか。
さまざまな職種がありますし、そういった意味では門戸は開かれていると言えます。
とはいえ、実際に自由業を成功させるには向き不向きがありますので、いくつか特徴を挙げていきます。
▶自己管理ができる
一番大事なのは自己管理ができるかどうかです。
サラリーマンの場合は決まった時間に決められた仕事を行っていれば毎月決まった給料がもらえるのが一般的です。
一方で自由業の場合、収入は自己努力で変わってきます。
さぼらず、きちんと仕事をし続けることができる方でないと難しいと言えるでしょう。
▶スキルがあること
自己管理できることと同様に重要なのは、スキルがあることです。
昨今、ICTの発展に伴い自由業の種類が増えているので、以前より特別なスキルが不要となってきました。
とはいえ、ある程度収入を得るためには経験や一定のスキルは求められると言えるでしょう。
▶積極的である
自由業の場合、仕事を得るためには自ら営業し、契約に結びつけることが必要です。
案件を自ら探すことはもちろん、ホームページを作成しアピールするなど、積極性も必要です。
たとえば、プログラマーとして優れていて独立したとしても、仕事を得なければ収入を得ることはできません。
案件が紹介されているサイトに登録したり、知人、元取引先などのツテを頼ったりといった努力が必要です。
ただ待っているだけでは生計を維持することは非常に難しいです。