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就業促進定着手当はいくらもらえる?もらえないケースとは

「転職で給与が下がってしまった・・・」そんなあなたに朗報です!

 

転職は新しい可能性への挑戦であり、人生を大きく変えるチャンスです。

しかし、転職によって給与が下がってしまうケースも少なくありません。

 

そのような場合、就業促進定着手当という制度を利用することで、収入を補うことができます。

 

就業促進定着手当とは、転職や再就職によって給与が下がった方をサポートする制度です。

 

この記事では、再就職手当を受け取り、再就職をしたけれど給与が下がってしまったという方に向けて以下の点を解説します。

 

・就業促進定着手当とは?
・就業促進定着手当を受け取るための条件
・就業促進定着手当の計算方法
・支給申請書の記入方法や必要書類
・就業促進定着手当の注意点

 

転職や再就職で給与が下がってしまった方や、就業促進定着手当について詳しく知りたい方、「再就職手当はなしだけど、就業促進定着手当は受け取れるの?」と疑問に思っている方はぜひ最後までご覧ください。

 

目次

就業促進定着手当とは?

 

就業促進定着手当とは、転職によって給与が下がった方を対象に、その差額の一部を支給する制度です。

支給額は、離職前の賃金と再就職後の賃金の差額によって決定しますので、計算式は後述します。

 

離職した際に貰えるお金は、就業促進手当以外にも種類がありわかりづらいので、主な手当を記載します。

※どの手当も受け取るためには所定の条件を満たしている必要があります。

 

まとまった金額を貰えるケースもあるため、手当を受け取る条件を満たしているのであればしっかり手続きをして受け取りたいですよね。

 

 

 

就業促進定着手当を貰うための条件は?

 

就業促進定着手当を受け取るには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

 

1.再就職手当の支給を受けていること

2.再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主の元で6ヶ月以上雇用され、雇用保険に加入していること(※)

3.再就職後の6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金よりも下がっていること(所定の算出方法あり)

 

※事業主の都合による出向等自身では変更できない理由があっても、6ヶ月経過前に再就職先にて、雇用保険の被保険者資格が喪失された場合には「就業促進定着手当」を受け取れません。

 

就業促進定着手当支給対象者か確認するための賃金計算方法

 

上の項目でご紹介した、「3.再就職後の6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金よりも下がっていること」の賃金の計算式は以下の通りです。

 

以下の計算式を用いて計算した賃金額が、前職を下回っていれば就業促進定着手当の支給対象者となります。

 

■月給の場合

 

再就職後の6ヶ月間の賃金の合計金額 ÷ 180

例)再就職後の月給が18万円だった場合
18万円×6ヶ月÷180 =6,000円

 

■日給・時給の場合

 

①と②の計算を行い、金額が高い方が適用されます。

 

①再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 180
②(再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 賃金支払いの基礎となった日数)× 70%

 

例)時給1,200円で7時間、月に20日間働いた場合
①1200円×7時間×20日間×6ヶ月÷180 =5,600円
②(1,200円×7時間×20日間×6ヶ月÷120日間)×70% =5,880円

 

例のケースでは②の方が金額が高いため、②の計算式が適用されます。

 

 

■就業促進定着手当支給対象者か確認するための賃金計算の注意点

 

就業促進定着手当支給対象者か確認する計算の注意点は以下の通りです。

 

・税金や雇用保険料などが控除される前の総支給額で計算する
・就職日が賃金締切日の翌日ではなく、最初の賃金が1ヶ月分に満たない場合は、その翌月から6ヶ月分の賃金の合計で算出
・通勤手当や皆勤手当などのほか、事務手続きのために期間ごとにまとめて支払う通勤手当なども含む
・夏冬の賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含まない
・「再就職後6か月間の賃金の1日分の額」が離職前の賃金日額額の上限額を超える場合は上限額、下限額より低い場合は下限額となる(※)

 

※賃金日額額の上限額金額と下限額は、毎年8月1日に改訂されます。

 

2024年4月3日現在は以下の通りです。

 

【上限額】
離職時の年齢が30歳未満の方 13,420円
離職時の年齢が30歳以上45歳未満の方 14,910円
離職時の年齢が45歳以上60歳未満の方 16,410円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方 15,650円

 

【下限額】
全年齢共通 2,470円

 

※引用元:再就職手当を受給した皆さんへ/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク

 

 

 

就業促進定着手当の計算方法は?

 

就業促進定着手当が貰えるとわかった方は、実際にいくら貰えるのか?が気になりますよね。

 

ここでは支給額の計算方法をお伝えします。

 

就業促進定着手当の金額の計算方法は以下の通りです。

 

〔離職前の賃金日額(※1)- 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額(※2)〕×再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数(※3)

 

※1 原則、再就職手当を受け取るためにハローワーク等で発行される「受給資格者証」の1面14欄に記載されている額となります。

 

ただし、賃金日額の上限を超える場合は上限の金額、下限より低い場合は下限額になります。

上の項目でもご紹介しましたが、上限と下限は毎年8月1日に改訂され、2024年4月現在の上限と下限額は以下の通りです。

 

【上限額】

離職時の年齢が30歳未満の方 13,420円
離職時の年齢が30歳以上45歳未満の方 14,910円
離職時の年齢が45歳以上60歳未満の方 16,410円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方 15,650円

 

【下限額】

全年齢共通 2,470円

 

※2 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分額の計算方法は、上の項目の「就業促進定着手当支給対象者か確認するための賃金計算方法」をご覧ください

 

※3 原則、月給制の場合はカレンダー通りの日数(30日、31日など)、日給月給の場合はその基礎となる日数、日給制・時給制の場合は労働の日数

 

上記の計算だけであればかなり高額な手当を受け取れるという方もいるかもしれません。

ここで注意しなければいけないのが、就業促進定着手当の支給には上限があることです。

 

上限額の計算式は以下の通りです。

 

基本手当日額※3 × 失業手当の支給残日数 × 40%※4 =上限額

 

※3 基本手当日額の上限額は毎年8月1日に改訂されますが、2024年4月現在は以下の通りです。
離職時の年齢が60歳未満の方は6,070円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は4,914円

 

※4 再就職手当の給付率が70%の方は40%ではなく30%で計算します。
給付率は、失業保険の支給残日数が多い方が率が高くなります。

 

詳しくは厚生労働省の雇用保険受給資格者証の見方内にある「再就職手当について」をご覧ください。

 

就業促進定着手当の支給額の計算例

 

離職前の賃金日額が12,000円、再就職後6ヶ月間の賃金の1日分額が8,400円、時給制で月に20日間働いた場合の計算は以下の通りです。

※再就職手当の給付率は40%、支給残日数は30日、基本手当日額は5,000円、31歳の方の場合で計算しています。

 

〔12,000円-8,400円〕×120日間=432,000円

 

上記の計算だけでは「432,000円貰える!」ということになりますが、ここで注意しなければいけないのが就業促進定着手当には上限があるということです。

 

計算例のケースの上限は以下の式で計算します。

 

5,000円×30日間×40%=60,000円

 

「43万円も貰えるの!?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、上限額などの関係で実際貰える金額は6万円となります。

 

計算例で上げたケースは時給制の方でしたが、月給制の場合は「再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数」が増え、貰える手当の金額も増えます。

 

複雑な計算に見えますが、実際はハローワーク等で貰える書類の雇用保険受給資格者証にほとんどの情報が書かれていますので必要情報を探して計算してみてくださいね。

どうしても一人で計算できない場合は各地域のハローワークに相談に行くと詳しく教えてくれます。

 

 

 

就業促進定着手当の申請方法は?

 

就業促進定着手当の申請は、再就職手当の支給申請を行ったハローワークで行うことができます。

就業促進定着手当の申請に関する詳細は以下になります。

 

※就職日が賃金締切日の翌日ではない場合、就職後最初の賃金締切日後の6ヶ月分

 

指定のハローワークに行くことができない場合は、郵送での申請も可能です。
また、書類の記入例に関しては、各地域のハローワークもしくはハローワークのHPにてご確認ください。

 

 

就業促進定着手当に関するよくある質問

 

就業促進定着手当に関するよくある質問をまとめました。

就業促進定着手当について不明点がある方は、ハローワークに問い合わせる前に1度確認し、答えがないか確認してみてくださいね。

 

再就職手当と就業促進定着手当両方貰うことはできない?

 

就業促進定着手当を貰うためには、再就職手当を受け取っていることが手当を受けるための条件となります。

そのため、再就職手当と就業促進定着手当両方受け取ることができないというのは間違いで、どちらも受け取ることができます。(離職前よりも賃金が低下しているなど条件を満たしている必要はあります。)

 

再就職手当を受け取った後に転職しました。就業促進定着手当を貰うことはできますか?

 

就業促進定着手当の支給条件に、「再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること」という条件が含まれているため、転職をした場合は就業促進定着手当を受け取ることはできません。

 

事業主の都合による出向などで雇用保険の被保険者資格喪失や変更があった場合も就業促進定着手当の支給対象外となってしまうので注意しましょう。

 

2ヵ月過ぎたら就業促進定着手当を受け取ることはできない?

 

基本的には2ヶ月の期限厳守が原則ですが、期間を過ぎてしまった場合も申請できる場合があります。

 

就業促進定着手当は以下の期間内であれば申請することが可能です。

 

再就職手当が支給される就職日の翌日から起算して6ヶ月を超えて雇用された日の翌日から起算して2年を経過する日
引用元:厚生労働省:申請期限が過ぎたことにより給付を受けられなかった方へ

 

 

まとめ

 

今回は、前職に比べて再就職先で給与が下がってしまった方の生活を支える、「就業促進定着手当」について解説してきました。

 

就業促進定着手当に関する重要ポイントは以下の通りです。

 

・再就職手当の支給を受けていなければ申請できない
・再就職日から6ヶ月経過後にも同じ再就職先と同じ雇用主に雇われている必要がある
・所定の計算式で計算し、前職よりも給与が下がっていなければ申請できない

 

上記の重要ポイントを満たしていれば、就業促進定着手当を受け取れる可能性が高いため、ご自身の状況に当てはまっているようでしたら事前計算をしてみたり、ハローワークに問い合わせてみたりしてみてはいかがでしょうか?

 

なお、今回の記事は2024年4月現在のハローワークや厚生労働省のHP情報を元に作成しています。

支給上限額など、毎年金額が変わるものもありますので、詳しくはハローワークや厚生労働省のHPをご確認ください。

 

利用できる制度を賢く活用し、ぜひ生活に役立ててくださいね。

 

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