内職とは?種類や仕事内容・収入について詳しく解説!
目次
内職とは一体どんなお仕事のこと?
在宅でできるお仕事の中には、主に「内職」と「在宅ワーク」の1種類があります。
どちらも、自宅で業務を行い納品するという点では、共通していますが、「内職」とは、被雇用者に区分されるのに対し、「在宅ワーク」個人事業主というカテゴリーに区分されます。
似ているようで違っている点もある「内職」と「在宅ワーク」。本記事では、内職とはどんなお仕事なのか?また、内職を実際に行った場合に得られる報酬も含めて、内職についての詳しい情報をお伝えします。
1.内職の定義とは?
内職とは、パーツ部品の組み立てやパッケージングなどの梱包作業の他、シール貼りなど、企業やメーカーなどに雇用され、受け取った原材料を使って自宅で行う業務全般のことと大まかに定義されます。また、法律上、内職従事者は、企業から雇用されている被雇用者という区分に分類されています。
一方、在宅ワークは、受注した業務を自宅などで行い、クライアントに納品するという内職に類似する業態のお仕事ですが、法律上は、内職と違って個人事業主に区分されています。
在宅ワークと内職とは、似ているようで違った部分もあるので、このポイントを覚えておきましょう。
2.内職の仕事内容
内職で請け負えるお仕事とは、一体どんな業務があるのでしょうか?内職のお仕事は、製造業者や物流会社などから原材料となるパーツ部品を受け取ったり、梱包作業やパッケージに必要な資材を預かって自宅で組み立てや軽作業を行うお仕事です。
加工や組み立てなど、作業内容は会社によって異なりますが、基本的には単純作業が多く、検品や袋詰めなど、未経験者でも誰でも取り組める内容の場合がほとんどです。
内職のお仕事は、出来高制になっており、納品数や納期もあらかじめ決められているため、隙間時間をつかってコツコツと続けていく必要があります。
育児や介護などが理由で、自宅から離れてお仕事をしづらい方、あるいは資格がない、パソコンを使ったお仕事は苦手という方にも、おすすめなのが内職のお仕事です。
3.内職と在宅ワーク、それぞれの違いとは?
内職と在宅ワークのそれぞれの違いとは、仕事上の立場だけではありません。
内職なら家内労働法に基づいて、工賃の最低金額や安全面などの最低限の労働環境が保証されていますが、在宅ワークに適用される下請法という法律では、最低賃金が保証されていないのです。
そのため、在宅ワークの中には、内職に比べて非常に単価の低い業務などがあったり、時給換算すると同様のお仕事を企業で行うよりもはるかに収入が低いお仕事も存在しています。
また、内職では、手作業や軽作業など、体を動かして実際に物を組み立てたり、梱包したりするお仕事が多いのに対し、在宅ワークでは、パソコンなどを駆使して受注するお仕事がほとんどです。
在宅ワークでは、体よりは頭を使うお仕事が多く、無資格・未経験でもできる案件もたくさんありますが、デジタルメディアを使うことに慣れていない方には、内職に比べて負担が大きい働き方と言えるでしょう。
4.内職のお仕事にはどんな案件がある?
内職とは、どんな就業形態なのかも分かったところで、ここからは、実際に内職で請け負えるお仕事にはどんな案件があるのか、大まかに見ていきたいと思います。
【シール貼り】
女性にもおすすめの内職として知られる「シール貼り」のお仕事は、CDや化粧品パッケージにシールを貼るようなお仕事から、ダイレクトメールや企業の広告メールなどの宛名などにシールを貼るなど、様々な案件があります。
お歳暮やクリスマス商品など、季節で需要が変動するお仕事で、資格不要でどなたでも気軽に始められる内職の一つです。
【値札つけ】
値札つけも、シール貼りに類似する人気のお仕事で、企業から預かった商品に値札をつけながら、値札の印字ミスなどのチェックも行います。
商品在庫を置くスペースや、値札をつけ終わったものを保管するスペースなどが必要となりますので、自宅に空きスペースのある方におすすめの内職です。
【袋詰め・梱包】
文字通り、商品の袋詰めや発送業務の一環として梱包などを請け負うお仕事です。
ダイレクトメールを封筒に入れるお仕事や、ポケットティッシュに広告を入れるお仕事の他、様々なパッケージの付録などを挿入する作業全般となります。
最寄りの物流センターまで納品・発送しなければならない場合もありますので、車がある方や、内職発注業者が送料を負担してくれるかなど、受注の際に確認しておくと良いでしょう。
【紙製品の加工】
紙系の文房具の組み立てや、くじや祝儀袋の作成など、紙にまつわる組み立て。加工作業を請け負うお仕事です。
手先が器用な方や、細々とした作業を負担と感じない方、角をきちんと揃えるなど、几帳面な性格の方に向いているお仕事です。
【カプセル詰め】
子供から大人まで人気のガチャガチャの機械に入っているプラスチックカプセルにおもちゃを詰めていくお仕事です。
細かいパーツはありませんが、小さなお子さんがいらっしゃる場合は、子供に見つからないように商品を保管できるスペースがあった方が良いでしょう。
【電子部品の組み立て】
自動車部品や電化製品に使用されている電子部品を組み立てる作業で、特によくある案件としては、ドライバーなどで、パーツを留めていく作業です。
細かいパーツが多いお仕事なので、目が疲れやすく、小さな子供がいるとパーツを誤飲してしまう危険性もあります。独立した作業スペースを確保できる方におすすめのお仕事です。
5.内職で得られる収入はいくらぐらい?
内職の報酬は、アルバイトやパート勤務と違って、時給ではなく出来高に応じて支払われることがほとんどです。
内職で請け負う業務によっても報酬は異なりますが、歩合制を採用していますので、納品数が多ければその分収入もアップします。
作業単価は安いものだと1円にも満たない案件もありますので、とにかく数をこなさなければ収入が見込めないという傾向にあります。
アクセサリー作成や、電子部品のはんだ付けなど、作業時間が長い業務や精密作業の場合は時給単価が高くなるようです。
1日平均4時間ほどの作業で、内職で1ヶ月に得られる報酬は、平均して1万円から5万円ほどが相場のようです。
6.内職の勤務時間はどれぐらい?
続いては、内職を行っている方の実際の勤務時間は、どれぐらいなのか見てみましょう。
内職の勤務時間は、在宅で行うという特性もあり、家族のいる時間帯(主に早朝や深夜)などの時間帯で働く方はほとんどいないようです。
日中の内職作業時間は、2014年度の家内労働者実態調査によれば、1日平均4時間から6時間ほど作業している方が、全体の約30%を占めており、最多となっています。
次に多かったのが、6時間から8時間作業されている方で、ここまで来ると、パートやアルバイト勤務、あるいはフルタイムで働いている方と同じくらい労働時間が長い計算となります。
ちなみに、一人あたりの平均就業時間は5時間から6時間ほどのようですので、子供が学校へ行っている時間など、短時間で内職をすることが可能ということがここからも推察できます。
7.内職のメリットとデメリットとは?
内職とはどんなお仕事か、ずいぶんイメージも固まってきたと思いますので、ここからは、内職のメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
内職従事者の最大のメリットと言えば、やはり自宅で仕事ができて報酬を得られるという点です。
通勤の必要もなく、服装や髪型も自由であり、一緒に働く同僚などもいませんので、面倒な人間関係もありません。
また、子供がお昼寝した最中や、学校などで家に不在の時間帯など、隙間時間を活用して稼げるお仕事ですので、子育て中の主婦にもメリットの大きい働き方と言えます。
内職とは未経験者で資格なしで始めれられる案件がほとんどなので、社会人としてブランクのある方や、シニア世代にもおすすめです。
一方、内職のデメリットとは、どんなことが考えられるでしょうか?内職の最大のデメリットは、作業単価が非常に低く、出来高制であるため、なかなかまとまった報酬を得られないということにあります。
家内労働法で最低賃金が決められているとは言うものの、実際の作業単価は1件あたり1円未満の場合がほとんどで、数をこなせなければ、あまり収入にならないという側面があります。
内職で高収入を得ようと思うのであれば、よほど作業に熟練して、手早くテキパキと行えるスキルが必要と考えた方がよさそうです。
8.内職のお仕事おの受注から報酬を受け取るまでの流れ
内職のお仕事を受注するには、内職斡旋業者や内職サイトでの求人に応募する必要があります。
お仕事の受注が決まったら、商材を受け取り、与えられた内職作業をこなして、企業に納品します。
企業からのお支払いは、現金の場合や指定口座への振込などが主流となっており、報酬は週払いで受け取れる案件などもあるようです。
納期や報酬の支払い方法についても、応募時に確認しておくと良いでしょう。
9.在宅だけで内職のお仕事は完結できるのか?
内職のお仕事を実際にやってみた方への調査によると、約90%の人が自宅ですべての内職業務を完結できたと答えています。
では、残りの約10%の方については、自宅外でどんな作業があったのか?を見てみると…。
物流センターへの出勤が必要とされており、最初に業務を覚えるまでは、通勤しなければなかなかったケースや、梱包だけでなく発送作業まで込みで車やバイクで外にでなければならなかったケースなどがあるようです。
完全在宅で受注可能な内職なのか、企業側にしっかりと確認してからお仕事を受注しましょう。
10.在宅ワークと内職の違いを知って自分に合う働き方を選ぼう!
内職とはどんな就業形態なのか?在宅ワークと内職の違いについて比較しながらご紹介しました。
内職とは、在宅ワークと違って、被雇用者という区分で働く在宅形式のお仕事です。最低賃金の保証はあるものの、時給単価が低くなる傾向にあるのが内職のデメリットと言えます。
自分に向いているのは、在宅ワークなのか?それとも内職なのか?その違いを見極めて、自分に合った働き方を選んでみて下さい。