働く主婦注目★フルタイムとパートの違いは?家庭と両立させるためのポイントをご紹介
目次
主婦がフルタイムで働くのはどのぐらい大変?
子育て中の主婦でも働きたいと考えている女性が多くなっている昨今。妊娠・出産で一度は産休に入り育児休暇が明けてそのまま職場に戻るフルタイムのワーキングママも少なくありません。
今回は、フルタイムとパートタイムで働く場合の違いや、主婦がフルタイムで働く場合に工夫できるポイントなど、主婦がフルタイムで働くために知っておきたい情報をまとめます。
パートとフルタイムの違いとは?
主婦の働き方は、フルタイムかパートタイムで選ぶことができます。まず、パートタイムとフルタイム勤務の大きな違いとしては、その勤務時間の長さがあります。フルタイム労働者は、法定労働時間である週40時間勤務が最低限決められており、これに対してパートタイムの場合は週40時間以下の勤務時間となっています。
フルタイム勤務の場合、1日8時間勤務で、週5日=週40時間勤務が基本となっており、一般的に「正社員」と言われる枠で労働する方のことを言います。
パートタイムの年収は103万円と130万円の上限を知っておこう
フルタイム勤務と違って、主婦がパートタイム勤務する場合に、知っておきたい年収の上限が二つあります。この上限は、年収103万円の壁、あるいは、130万円の壁とも言われています。
妻のパートタイム年収から、控除額となる65万円を差し引いた残りの所得が38万円以下戸なる場合、所得税や住民税の課税対象から外れるだけでなく、配偶者特別控除の対象となるため、夫の扶養に入ったまま働くことができます。
つまり、控除額65万円と38万円を足した103万円以下の年収であれば、住民税などを支払う必要も、確定申告の必要もありません。自治体によっては、住民税の控除を100万円からに設定している場合もありますので、この点だけ注意が必要です。
年収1000万円以上の配偶者がいる場合は、月額85,833円の給与を越えない範囲でパートタイム勤務すれば、世帯全体の収入はお得ということになります。
一方、主婦のパートタイム年収が103万円以上130万円以下の場合は、所得税や住民税の支払い義務はありますが、「配偶者特別控除」が適用されますので、社会保険料は負担しなくて済みます。
ただし、例外として年収130万円以下でも、勤務時間が正社員の3/4以上の場合は、社会保険を負担しなければならないケースもあります。
妻の所得を年収130万円以内に抑えたい場合は、月収108,333円が目安となります。
【 社会保険の加入義務は年収106万円から】
主婦がフルタイムで勤務する場合は、社会保険に加入することが一般的です。2016年10月から法律が改正され、パートタイム労働者でも以下の条件に当てはまる場合は社会保険の加入義務が発生します。
1.週の労働時間が20時間以上
2.年収106万円以上
3.1年以上の継続勤務
4.従業員501名以上の企業に勤務
上記4つの条件に当てはまる場合は、フルタイム、パートタイムに関わらず、社会保険料を支払う義務が出てきます。社会保険に加入するメリットもありますが、手取り収入が保険料を支払う分減ってしまいます。
従業員501名以上の大企業で勤務しているパートタイム労働者は、これまで通り103万円で働くか、あるいは106万円以上130万円未満の範囲で働くかによって手取り収入に大きな差が出てきます。
勤め先によっては、フルタイム勤務の方が、社会保険料として差し引かれる額が大きく、手取り収入が大幅に減るということも知っておきましょう。
【長時間パート勤務をすると税金で手取り収入が激減!】
主婦でパートタイム勤務している方の中には、1日8時間という長時間労働をしている方も多くいます。次に、パートで長時間働く場合について解説します。
仮にパートタイマーで1日8時間働く場合、週の労働時間は40時間となります。
例えば、時給800円あるいは時給900円で、1日8時間労働するパートタイマーの年収はどのようになるのか?以下に試算してみます。
時給800円の場合は
1日800円x8時間×5日=32,000円
1ヵ月勤務32,000×4週間=128,000円
1年勤務128,00012ヵ月=1,536,000円
年収は1,536,000円となります。
時給900円の場合は
1日800円x8時間×5日=36,000円
1ヵ月勤務36,000×4週間=144,000円
1年勤務144,000×12ヵ月=1,728,000円
年収は1,728,000円となります。
上記から分かる通り、パートタイマーでも長時間勤務すれば、年収130万円は軽く越えてしまいます。所得税や住民税に加えて、社会保険や年金なども支払い義務があり、20万円から30万円以上が所得合計から差し引かれます。
年収によっては103万円以下の方よりも、手取り収入が少ないという計算になります。
パートタイムで長時間勤務する場合は、年収150万円以上でなければ、103万円以下で働く人よりも損をすると覚えておいて下さい。
フルタイムで働く主婦は収入も高い
続いてフルタイム勤務の場合を見てみましょう。正社員で働く場合は、就業規則がパートタイマーと違っており、待遇、福利厚生のメリットが大きくなります。
フルタイムで働く主婦は、昇給、昇級、賞与、退職金、社会保険などの他に、住宅手当、資格手当など各種手当などを受けられる場合もあり、年収にも大きな差がつきます。
フルタイムで勤務した場合、一般事務の平均年収は約290万円で、事務職全般の平均年収は約305万円ほどとなっています。パートタイムに比べれフルタイムは格段に収入が多くなります。
社会保険、雇用保険などを差し引かれた後の手取りは年収の8割程度残りますので、実質収入はパートタイムよりもかなり多くなります。
ただし、フルタイムの正社員は残業や業務のノルマがあったり、家庭の事情で何日も休みを取るといったことが実質できません。
収入増える半面、勤務時間の長時間化や職務責任の重さがパートタイムより増える傾向にあります。
【専業主婦がフルタイムで働く場合の1日のタイムスケジュール】
それでは、実際にフルタイム勤務をしている主婦の1日のタイムスケジュールはどのような感じになるのか、実例を挙げてみましょう。
例1:7歳のお子さんがいるママの場合(以下Aさん)
6:00 起床、お弁当づくり
7:00 朝食
8:00 子供を学童に預ける、朝の家事
10:00 出社
18:00 退社
19:00 最寄り駅で夕食の買い出し
19:30 子供のお迎え
20:00 帰宅、夕食の準備
20:30 夕食
21:00~21:30 子供はテレビ、お風呂、宿題など。ママは家事
22:30 子供の就寝、ママは自由時間
例2:5歳の子供がいるママの場合(以下Bさん)
6:30 起床、朝食・夕食の下準備
8:00 夫出勤
8:30 子供を保育園へ
10:00 出社
17:00 退社
18:00 子供のお迎え、買い出し
18:45 帰宅、夕食準備
19:30 夕食
20:00 お風呂
20:30 子供就寝
21:00 家事
22:30~自分時間
例3:13歳・16歳・20歳のママの場合(以下Cさん)
6:00 起床
6:30 お弁当作り、家事
7:00 朝食
7:30 子供たち登校
10:00 出社
19:30 退社
21:00 夕食、お風呂、夜の家事
自由時間
以上、3つの例を見てみました。フルタイムで働く三人の女性ですが、なぜ、フルタイムで働くことにしたのか?そのきっかけを聞いてみました。
【フルタイムで働くことにしたきっかけ】
Aさん:子供が小さい時は、保育園に預けて時短勤務していたが、子供が小学校に上がったので、フルタイム勤務に切り替えた。
Cさん:子供の成長にしたがって、長時間労働も可能になったので、フルタイム勤務に変えた。子供が小さい時は、時短勤務または在宅ワークで働いていました。
主婦が働く場合は、子供の成長に合わせて、徐々に勤務時間を長くしてフルタイムに切り替えるパターンが多いようです。
【フルタイム勤務で働く上で大変なことはどんなこと?】
続いて、フルタイムで働く主婦にとって大変なことはどんなことかを聞いてみました。
Aさん:お弁当作りが大変です。毎日準備しなければならないので結構負担。
Bさん:お弁当作りと子供の世話。どうしても家事優先で子供が二の次になってしまいます。
フルタイムで働くママにとって、毎日用意しなければいけないお弁当作りはかなり負担のようです。子供と過ごす時間が減ってしまうのもネックです。
【フルタイムを続けるために工夫していること】
フルタイム勤務の主婦が仕事を続けるために工夫していることはどんなことがあるでしょうか?
Aさん:家事は隙間時間を活用。
Bさん:週末や時間がある時に、料理は作りおきする。通勤中に献立を考える。
Cさん:水回りなど、気になるところはこまめに掃除する。それ以外は、まとめ家事で済ませる。子供が小さいうちは、在宅ワークなどで子育てを優先する。
買い物はまとめ買いやネットショッピングなどを上手く利用するフルタイムママも多いようです。忙しい中にも、家事と育児、仕事を両立することを目標に、メリハリの効いたライフスタイル我実現できそうです。
【家事は家族も負担している?】
フルタイムで働く主婦にとって、一番大変なのが毎日の家事ですが、家事の負担については、家族も手伝ってくれているのでしょうか?
Aさん:家事はママ一人で行っている。
Cさん:家事はほぼママ一人。掃除や洗濯物たたみなど、多少パパが手伝ってくれる家事もある。
やはりフルタイム勤務でも、料理や洗濯などの家事はママが一人で負担しているケースが多いようです。もう少し家族の協力を得られるようにしたいものです。
【フルタイム勤務で不安なことはある?】
忙しいフルタイム勤務の主婦にとって、この先不安なことはどんなことでしょうか?
Aさん:結婚前からフルタイム勤務なので、収入にも余裕があり、特に金銭面の不安はない。
Cさん:かなり年齢も上がってきたので、いつまでハードなフルタイム生活を続けられるか、体力的に多少不安がある。
フルタイムの主婦にとって、一番不安なことは体力面が挙げられるようです。家事、育児、仕事の両立は、思いの他エネルギーが必要で、続けていくには健康であることが必須条件です。
若いうちは、子供を預けて頑張れるけれど、年齢を重ねるごとに、家事との両立が厳しいと感じる方も増えているようです。働けるうちに稼ぐという考え方が一般的なようです。
【フルタイム勤務で良かったこと】
Aさん:就業時間は自分時間で、考え事をしたり休憩時間には自分の好きなこともできること
Bさん:仕事自体が息抜きになっている。家にいて、家事と子育てだけやる方がストレスになると感じます。
Cさん:仕事にやりがいを感じる。充実した毎日を送れる。
フルタイム勤務を続けてよかったと思う方の大半が「仕事の達成感」「充実感」を挙げています。フルタイムで働けば、主婦で家にいるときと違って、様々な経験もできますし、いろいろな方にも会えます。ここが、フルタイム勤務の一番の魅力とも言えるでしょう。
主婦でも頑張れる!フルタイム勤務でばっちり稼ごう!
主婦がフルタイム勤務をする場合のメリットとデメリット、そして大変な面なども含めてご紹介致しました。
一日のスケジュールを見ても分かる通り、フルタイムで主婦が働くというのは、なかなか大変なことです。
しかしながら、収入面の安定や仕事のやりがいを考えるとフルタイムで働くことは、決してデメリットばかりではありません。
子供の成長に合わせて、徐々に勤務時間を伸ばし、フルタイム勤務に切り替えて働くというのも一つの選択肢ではないでしょうか?