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個人事業主は給与を経費にできる?生活費についても解説

会社だと社長も給料をもらっているけど、個人事業主の場合はどうなのだろうと疑問を抱いたことはありませんか? はたして、個人事業主は給料をもらえるのでしょうか。また家族が一緒に働いた場合の給料はどうなるのでしょうか。個人事業主の給料にまつわる疑問を探ります。

個人事業主の給与は経費にできない

法人であれば、従業員の給与だけでなく自身への給与も、人件費という経費で取り扱うことができます。
しかし、個人事業主はあくまで個人が主体であるため、自分自身への報酬を経費とすることはできません。

 

また、個人事業主が事業のために必要となったものの費用は経費として計上することができますが、プライベートで発生したお金は経費とすることはできません。
たとえば、事業のために車を購入したとして、その車は経費としてあげることはできますが、自分自身用に購入した個人のための車や使用したガソリン代は、経費としては挙げられないということです。
こういった基本ルールを知っていたとしても、個人事業主である場合、事業用のお金をプライベートに使用したり、逆に事業用の備品をポケットマネーで購入するといったことは十分起こりうると思います。
その際には、普段と同じように帳簿処理するのではなく、「事業主勘定」を使って処理を行います。
事業主勘定とは、事業外で金銭的な動きがあったときに使用する勘定科目です。
具体的には「事業主貸」と「事業主借」との2つがあります。
これは、法人には使わない、個人事業主だからこそ使用する科目です。
次にどのような違いがあるのかについて、具体例を用いながら説明していきます。

 

◆事業主貸と事業主借の違い

まずひとつめの事業主貸とは、事業のお金をプライベート(個人の消費)に使用するときに使います。
もうひとつの事業主借は、プライベートのお金を事業用として使用するとき使用します。
この2つは慣れるまで使い分けが難しいと言われていますが、「事業を中心に考える」ことで理解しやすくなります。
なぜなら、個人ではなく事業に関する帳簿だからです。
より、分かりやすくするため、ここからは具体例で説明していきます。
あなたが家族や友人と食事に行った際に、事業用のお金、10,000円を使用したとします。
その場合、事業としては、個人にお金を貸したことになるわけですから、事業主貸を使います。

 

反対に、事業用のお金が不足していて、10万円を事業用運転資金として個人の口座から入金したら、それは事業主借として計上することになります。

 

なぜなら、事業主が個人からお金を借りたことになるからです。

 

 

関連記事はこちら:個人事業主になるメリットは?どうやってなるの?必要なことは?知りたいアレコレ徹底解説!

家族への給与を経費にする方法

それでは、家族が一緒に働く場合の給料はどうなるのでしょうか。

個人事業主の場合、配偶者や生計を共にしている親族の給与は、原則として経費として認められませんが、青色申告の場合であれば「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に性出することで、経費として計上できます。

この届出書は、青色申告をするその年の3月15日までに届け出ることが義務づけられています。ただ届け出ればいいというものではなく、以下の条件に該当しないと認められません。

  • 青色申告者と生計を同一にする親族であること
  • 当該年度の12月31日に15歳以上であること
  • 青色申告者の事業に6カ月以上従事していること

必要経費となる給与額は、社会通念上妥当な額で、届出書に記載した金額の範囲に限られます。また他にメインの業務に従事している場合は専従者とは認められません。

青色専属従事者であっても、年収が103万円を超えると所得税が課せられます。ただ、その一方青色専属従事者の給与が高くなると、その分青色申告者の所得が減ることになるので、逆に税負担を軽減する場合もあります。

給与の支払い方法は届出書に記載した方法で支払われたものでなければ、必要経費として認めて貰えないので、細心の注意が必要です。

青色申告の事業専従者給与の勘定科目は「専従者給与」に仕訳します。

 

関連記事はこちら

https://mamaworks.jp/column/?p=5918 個人事業主の方は必見!専従者給与に関する知識をご紹介☆青色申告とどんな関係が?

経営者の報酬を経費にするなら法人化を検討

個人事業主は自分への報酬を経費とすることはできないことは説明しました。
でも、事業が軌道に乗り所得が増えてきた場合は支払う税金も増えてしまうので、自分への報酬も経費にしたいと考えるのが一般的です。
その場合におすすめなのが、法人化の検討です。
法人化すると経営者自身の報酬だけでなく、家族も従業員として取り扱い、その給与を経費として計上することができるからです。
たとえば、本人と奥様と2人の給与が経費とできるのであれば、大幅な節税効果が期待できます。

 

◆法人化のタイミングって?

「自分だけでなく家族の給与も経費にできるなら、すぐにでも法人化しよう!」と考えた方は、少しお待ちください。
法人化も、得をする場合と損をする場合があるからです。
それは、所得が少ないうちは、法人税よりも所得税のほうが税率が低く設定されているためです。
早々に法人に切り替えてしまったがため、かえって税金が増えてしまったなんてことになりかねません。
業種によって異なるのでいくらから得となるかは一概に言えませんが、十分所得が確保できるようになった時点で切り替えることがおすすめです。
とはいえ、法人化には節税対策以外にもメリットがあります。
それは社会的な信用度がアップするということです。
個人事業主では相手にされなかったのが、法人になって売り込みをかけたら受注できたなんてこともあり得ます。
したがって、税金の面やそのほかのメリットを考慮にいれたうえでタイミングをはかりましょう。

 

関連記事はこちら:意外と知らない!個人事業主と法人の違いやそれぞれのメリット・デメリットをご紹介☆

個人事業主が生活費を帳簿に記帳するポイント

個人事業主がプライベートに使う費用を経費として計上することはできないことは説明いたしました。
とはいえ、プライベートな生活費なのか、経費としてあげていいのか明確でないものも実際には存在することでしょう。
そこで生活費の場合はどのように記載すれば良いのか、生活費か事業用の経費か曖昧な場合はどう判断し、どう記載するのかを説明していきたいと思います。

 

◆生活費の場合

もし仕事では一切使用しない、プライベートで使用する電子レンジを購入したとします。
完全に自分の貯蓄用口座から出したのであれば問題ありませんが、もし事業用のお金から出した場合は、帳簿にしっかりと記載しなければなりません。
たとえば、電子レンジが50,000円だったとします。それを手持ちのお金がないなどの理由で事業用の現金から支払ったのであれば以下のように帳簿に記載していきます。

 

 

これは、さきほど別の項で説明したものと同じです。
あくまで事業を主体に考え、お金を個人事業主に貸したということになるので事業主貸勘定となります。
これはあくまでも事業用のお金を使用したということで記載しますが、事業用の口座とはまったく別の口座やポケットマネーから出したのであれば、とくに記載の必要はありません。
つまり、個人事業主の場合は、どちらのお金なのかきちんと意識したうえで支払いを行うことが重要となります。

 

◆生活費か事業用の経費かが曖昧な場合

個人事業主のなかには、自宅で仕事をしているという方がいらっしゃることでしょう。
貸しオフィスなどを利用し事業をおこす方もいらっしゃるとは思いますが、自宅の1室を仕事場にして小規模から事業をスタートする方も、数としてはかなり多いと思います。
その場合、悩ましいのが生活費と経費の区別です。
とくに光熱費や賃料をどう扱えば良いのか疑問に持つ方が多いです。
生活の場である自宅ですが、日中そこで仕事をし、パソコンで作業をしているとなると、少なくとも電気代や通信費の一部は仕事で使っていると言えるからです。
とはいえ、仕事をするための電気代と生活をしているときをいちいち計算して電気代を毎月形状するのは非現実的なことと言わざるを得ません。
この日は仕事用にこれくらいのワット数を使ったから、この日の電気代のうち〇円が仕事用で、などと計算していたら、計算だけで1日の大半を使い果たしてしまいます。
そこで、事業用として使用している割合を事前に基準を設けて計上する「家事按分」という考え方で処理するのが一般的です。
例えば、1日のうち8時間弱、自宅で仕事しているとしたら、「事業で3:プライベートが7」といった按分にするということです。
もし電気代が月額15,000円だとしたら、15,000✕10分の3で、4,500円が事業用の経費として考えます。
同じように賃料も10分の3をかけて出せば、簡単な計算で事業経費が計上できることと思います。
具体的には以下のようになります。

 

≪家賃が15万円の場合で事業用の普通口座から支払った場合(按分比率:30%)≫

 

 

この場合、事業用として計上して良い家賃は15万円に対して30%になる45,000円になりますので、45,000円を地代家賃として計上します。
残りの105,000円は個人事業主の代わりに支払った(貸し)ということになりますので、事業主貸で計上します。

 

もし、この家賃をプライベートの口座から引き落としたのであれば書き方が変わってきます。
≪家賃が15万円の場合でプライベート用の普通口座から支払った場合(按分比率:30%)≫

 

 

あくまで事業用としては40,500円分の家賃を支払ってもらったことになるので、その分だけを事業主借として計上することになります。

 

なお、今回は家賃で説明しましたが、電気代や上下水道なども同様に処理します。
いずれにせよ、摘要に按分率などを記載しておくようにしましょう。

確定申告時の事業主貸と事業主借の会計処理

先に述べたように、個人事業主が事業のお金をプライベートに使用したり、プライベートのお金を事業用に使用した場合、事業主貸勘定や事業主借勘定を使います。
その方法については例にあげたとおりですが、問題は、それらの事業主貸と事業主借を確定申告にどのように会計処理を行えば良いのかという点です。
個人事業主の方のほとんどは青色申告をされているかと思いますが、青色申告には青色申告決算書の作成が必要です。青色申告決算書の4ページには賃借対照表がありますので、表の下部にある事業主貸と事業主借欄に、集計した金額を入れます。

 

 

◆決算時には相殺しておく

その際には、事業主貸と事業主借勘定の両方を残さないよう相殺しておきます。
たとえば、個人事業主に200万貸して、別の日に50万円借りた場合、200万円の事業主貸と50万円の事業主借の両方を帳簿に記帳しますが、同じ人から(この場合は個人事業主本人)から借りた場合は相殺できるので、150万円貸しているということになります。
結果、青色申告決算書の賃借対照表の事業主貸の欄は150万円、事業主借の欄は0となるというわけです。

 

◆事業主勘定の残高は所得金額には影響しない

この事業主貸が残ることで所得税が増えてしまうのではないかと心配する方もいますが、この事業主勘定は資産や負債といった項目にあたり、損益にはあたりませんので所得税に影響することはありませんのでご安心ください。

 

◆翌期首には元入金に振り替える

決算時に相殺をしても事業主勘定に残高がある場合は、次の年の帳簿づけでは「元入金」に振り替えます。
元入金とは最初に用意した開業資金や運転資金のことです。法人でいう「資本金」にあたり、個人事業主でしか使用しない勘定科目です。
業主貸や事業主借、また元入金といった勘定科目は、運転資金にかかわる資産や負債という同じ仲間に属しています。
したがって、これらをバラバラにしておくわけにいかないので、すっきりと整理しておきましょう。
具体例を使って決算時の相殺部分から改めて紹介します。

 

先ほどの例と同様、今期の事業主貸は200万円、事業主借が50万円だったとします。
また、事業から得た利益は100万円で、最初に運転資金として用意した元入金は100万円だったとします。

 

この場合、翌期首には事業主借を元入金に加えます。
元入金は100万円でしたから150万円になります。
さらに今年事業で得た所得、100万円を足していきます。
そうすると250万円になりますが、事業主貸の200万円があるので、それをひいた50万円が翌期首の元入金となるのです。

 

計算式は以下のとおりです。

翌期首の元入金=事業主借の期末残高+元入金の期末残高+今年得た所得*-事業主貸の期末残高
*青色申告特別控除前の金額です。

 

 

もし、事業主貸が300万円や400万円などもっと大きな金額ならば、翌期首はマイナス〇〇円といったように、マイナスのスタートになることもあり得ます。
ただし、基本的には事業を始めて決算を行う度に元入金が徐々に増えてくるということが、健全な経営であることは言うまでもありません。

事業主貸と事業主借は、どのようなときに使う?

事業主貸と事業主借についての会計処理方法についてはご理解いただけたと思います。
では、具体的に、どのようなときに事業主貸や事業主借を使用するのかについて説明していきたいと思います。
最大のポイントは、事業以外で金銭的な動きが発生したときに使用するということです。
うっかり忘れて帳簿につけておかないと、「あれ?金額が合わない」なんてことになりかねません。
なかには、見落としやすい例もあります。
具体例をたくさんあげていきますので、しっかりと掴んでおきましょう。

 

◆事業主貸を使用するケース
事業主貸は、事業が事業以外の部分で出費をしてしまったときに使用します。

 

–具体例—
・個人事業主が生活費を事業用口座から引出した
・個人事業主が生活用品を購入するため、事業用の現金を使った
・事業用の口座から個人事業主分の光熱費が引落しされた
・事業用のクレジットカードで生活用品を購入した
・事業用の口座から国民年金保険や住民税を支払った
・事務所兼住居の賃料が事業用口座から引落しされた

 

これらはすべて事業主貸で処理します。
たとえば、一番上、「個人事業主が生活費を事業用口座から引出した場合」は以下のように処理します。

 

 

あとで見たときに分かりやすいよう、摘要に内容を書いておくと良いでしょう。

 

◆事業主借を使用するケース
事業主借は、事業用の支払いを個人のお金で立替えたり、事業用口座に入金する場合に使用します。

 

–具体例—
・個人のお金を事業運用資金として入金した
・事業用に使用する備品を個人のクレジットカードで支払った
・事業に必要な仕入れの代金が、個人の口座から引き落とされた。
・事業用の口座に利息がついた

 

最後の利息については、「え?なぜ?」と思う方も多いことでしょう。
別に個人にお金を借りたわけではないためです。
実際に法人の場合は「受取利息」として処理するため、経理をやっていた方ですと特に混乱してしまいがちです。
しかし、個人事業主の場合に使用する事業主貸、事業主借勘定は、事業以外で金銭の動きがあったときに使用する勘定科目です。
預金による利息は事業で得た「事業所得」ではなく、「利子所得」にあたるため、事業に関係のない入金ということで、事業主借で処理するのです。
たとえば、利息が100円ついたとします。
その場合、以下のように記載します。

 

 

個人事業主のお金の管理方法は?

個人事業主の収益は帳簿で管理します。確定申告をするのも目的のひとつですが、帳簿の最も重要な役割は経営状態を把握するためです。

どの分野で収益が上がり、どの分野で赤字になっているのかを客観的に把握しないことには、事業を未来につないでいくことはできません。

また設備投資で資金が必要な場合、金融機関から融資を受けようと思えば、帳簿をきちんとつけていることが最低条件です。資金管理がきちんとできていれば、信頼を得ることができ、融資につながる可能性があるのです。いくら自分が事業主だからといって、事業で得たお金を勝手に持ち出していては、事業の将来展望がもてなくなります。

それでは、事業主自身がプライベートに使うお金や生活費はどうやって工面すればいいのでしょうか。やはりサラリーマン同様に「給料」という形で支出するのが正しい方法なのでしょうか。はたして個人事業主には給料があるのか、じっくりとみていきましょう。

個人事業主の生活費はどうするの?

個人事業では、売上から経費を差し引いて残った金額が、個人事業主の取り分になります。しかし、これを「給料」という形で経費として計上することはできません。

事業を開始する際には、事業用の銀行口座を開設して、そこで資金管理をすることで公私の区別をつけるようにするのが一般的な方法です。ここから生活費を引き出した場合は、帳簿に「事業主貸」という名目で記載します。

たとえば、銀行口座から事業主の生活費を10万円こ引き出した場合は、複式簿記では次のように記載します。

  • 借方 事業主貸 10万円
  • 貸方 預金   10万円
  • 適用 生活費

個人事業主の多くの人は、会計ソフトで帳簿管理をしていますが、会計ソフトの中にも「事業主貸」の勘定科目は標準設定されています。

事業主貸という勘定科目は資産に分類されるので経費には算入されません。そのため事業主貸で生活費を引き出しても所得にはまったく影響しません。

事業主に貸すというと、まるで借金をしたかのような印象ですが、これは個人事業主特有の用語です。帳簿を主体に考えたときに事業主に貸したと仕訳すると、帳簿自体の考えがクリアになるところから発想されたものです。

事業主貸は生活費ばかりでなく、所得税を納付した際にも同じ様に事業主貸で処理をします。所得税は経費には算入されない項目ですから、同様に事業主貸の扱いになるのです。

さて、ここまで事業主貸について説明をしてきましたが、反対に「事業主借」というものもあります。これは事業が赤字になって帳簿がマイナスになった場合に、その赤字を個人事業主のプライベートな預金から補った際に用います。

この事業主借も収入には参入されません。会計ソフト上では、事業主借や事業主貸は会計年度が変わると自動的に元入金に算入されます。

新年度の元入金は、次の数式で算出します。

新年度元入金=旧年度の元入金+所得+事業主借-事業主貸

それでは、実生活において個人事業主はどのような基準で生活費を引き出せばいいのでしょうか。サラリーマンのように、毎月決まった日に、同じ金額を引き出すのが理想的だといえますが、収入が安定していないと、なかなかそういうわけにもいきません。

売上に左右されると生活費の管理が難しいので、なんとか給料にならないかと思案しても、個人事業主である限りは給料という制度を取り入れることはできません。それでも給料にこだわるという場合は、個人事業からの法人成りをおすすめします。

従業員の給料はどうなるの?

従業員を雇ったとしたら、給料の扱いはどうなるのでしょうか。

個人事業主が従業員を雇うと、「給与支払事務所等の開設届」を税務署に提出する必要があります。開設の事実が発生した日から1カ月以内に手続をしなければいけません。

これにより、個人事業主は源泉徴収義務者となり、従業員の給料から源泉徴収を行う義務が発生します。

従業員から源泉徴収したら、毎月1回税務署に納付しなくてはいけません。ただし従業員が10名未満の小規模な事業所であれば、これを年2回の納付に減らすことができます。この制度を利用するためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する必要があります。

毎月納める場合は、翌月の10日までに納めないといけません。年二回の納付にした場合は、1月~6月の源泉徴収分が7月10日までに納付、7月~12月の源泉徴収分は翌年の1月10日までの納付とされています。

納付するまでの源泉徴収したお金は、勘定科目の「預り金」に仕訳しておきます。出し入れが頻繁に行われるので、源泉徴収した税金を管理するためには、帳簿とは別に「源泉徴収簿」を作成することをおすすめします。

従業員の給料は勘定科目の「給料賃金」仕訳します。

まとめ

ここまで個人事業主と給料の関係についてご説明をしてきましたがいかがだったでしょうか。

個人事業主の場合、給料を支払う人との関係性によって勘定科目が異なってきます。その関係は次のとおりになります。

  • 事業主の生活費……事業主貸(経費ではない)
  • 家族の給料……専従者給料(一定条件により経費になる)
  • 従業員の給料……給料賃金(経費になる)

専従者給料を増やすことによって収益を減らすことができることから、一定効果のある節税が見込めます。収益が1,000万円あれば、専従者の年収が300万円でも不自然さはなく認められる可能性が高いでしょう。

しかしこれが収益が400万円なのに専従者の年収が300万円だと、あまりにもアンバランスなので税務署に認めてもらえることは難しくなります。

専従者の給与が10万円を超えると、どのような業務に従事しているかについて、税務署から問い合わせを受ける場合もあります。やはり業務内容に見合った給料に設定しておくべきでしょう。

従業員に給与を支払うことになった個人事業主は源泉徴収義務者になりますが、扶養控除等申告書を提出してもらっている従業員の場合、毎月の給料が88,000円以下であれば源泉徴収の必要がありません。これは専従者の場合も同様ですので、専従者の給料を設定する際のひとつの目途にもなります。

青色申告の場合は、家族の給料も専従者給料として経費の扱いを受けることができる点が大きなメリットといえます。家族も業務に従事するのであれば、個人事業主として、この利点を有効に活用しましょう。それと同時に、従業員を雇うようになれば、源泉徴収義務者になることを自覚しておきましょう。

個人事業主自身は給料という名目でお金を得ることはできませんが、収益は自分の意思でいくらでも使うことができるのですから、努力して収益をあげて有意義な暮らしをしていきましょう。

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