個人事業主の方におすすめの保険や共済について解説!万が一に備えて賢く選ぼう☆
万が一に備えたい!個人事業主がかけるべき保険はどれ?
自由な働き方ができる「個人事業主」。文字通り、個人で事業を展開する小さなビジネスオーナーという位置付けです。
サラリーマンと違って、会社勤務をしていない個人事業主は、たとえば病気になったり、事故にあったりして働けなくなった場合にも、社会保険に加入していないため、労災なども降りず、何のサポートも受けられません。
また、自分自身に何も起こらなくても、会社倒産などの危機に麺した時、誰も助けてくれないというリスクもあります。
こういった万が一の事態に備えるために、保険をかけることはとても大切なことで、個人事業主なら特に、自分に合った保険をしっかりと選んで加入することが大切です。
今回は、個人事業主におすすめの保険の他に、個人事業主の事業をサポートしてくれるおすすめの共済など、個人事業主が知っておきたい社会保障システムについてお伝えします。
個人事業主にあった健康保険をまずは選ぼう!
まず、個人事業主が自分で加入できる保険には、健康保険があります。
健康保険の中で、個人事業主が加入できるものとして、真っ先に思い浮かぶのは「国民健康保険」ですが、それ以外にも、選べる保険がいくつかあります。
国民健康保険には、市町村が運営するタイプの健康保険と、業種ごとに組合に加入して支払う健康保険組合の2通りのタイプがあります。
前者は、前年度の収入に応じて保険料が課せられるタイプなので、年収300万円以下の個人事業主なら、こちらに加入する方がお得な場合が多いようです。
一方、組合が運営する健康保険は、医師、税理士、文芸・美術など、それぞれの同業者で結成される団体に所属する人が加入でいる保険で、保険料が一定額に固定されているという特徴があります。年収300万円以上の個人事業主なら、収入に応じて加算される国民健康保険より、定額支払いの健康保険組合に所属する方が、保険料がずいぶんお得になります。
その他の選択肢としては、企業に勤めていてサラリーマンを辞めたばかりの方が加入できる社会保険の任意継続という選択もあります。こちらは、最長2年間更新が可能となりますが、退職後1ヶ月以内に手続きをしなければならず、2年後には解約されるという特徴があります。
また、在職中と違って、会社が負担してくれた分の保険料もすべて自分で支払うことになりますので、保険料の内容次第では、他の保険を検討した方が良い場合もあります。
最後の選択肢としては、配偶者または両親などの扶養家族として国民健康保険に加入するという方法もあります。保険料の負担はありませんが、年収130万円未満という条件がついており、個人事業主として、これ以上の収入がある方は加入できません。
この4つの選択肢の中から、もっとも自分に合ったものを個人事業主は選択する必要があります。
個人事業主が支払うべき年金のタイプはどれ?
健康保険の次に個人事業主意が考えたいのは、将来の社会保障についてです。個人事業主が加入できる年金は、国民年金以外にも3つほど選択肢があります。
保険料は、全額自己負担になりますし、年金の掛金が社会保険料控除の対象となりますので、個人事業主の場合は、節税対策の一つとして年金を検討することができます。
個人事業主が選べる年金は、国が運営している国民年金があります。こちらは、保険料が一律ですが、配偶者がいる場合は、夫婦両方の保険料を負担しなければなりません。
一方付加年金も、国が運用している年金ですが、こちらは、国民年金に上乗せして支払うものです。個人事業主(第1号被保険者)のみ加入できるという特徴がありますが、国民年金基金と併用して加入することはできません。加入した場合の保険料は月額400円となっています。
国民年金基金も、国が運用している年金の1つで、国民年金に上乗せして加入することができます。掛金は、一定となっており、口数によって将来受け取れる年金の金額が変わってきます。掛金はすべて社会保険料控除の対象となりますので、個人事業主の場合は、節税対策として加入しておくと非常に有利な年金と言えます。
最後に、もう一つ個人事業主が加入できる年金には「確定拠出型年金」があります。日本版401kとも言われる私的年金は、運用した資金が老後の年金として支給されるというシステムです。
こちらの年金システムでは、自分が運用したい商品と掛金を選択し、毎月決まった金額(確定拠出)します。しかし、将来受け取れる年金額は、運用の結果次第となっているため、うまく行けば多く年金を受け取れることになりますが、元本割れするリスクもあるということです。
もちろん、元本を確保してくれるタイプの確定拠出型年金もありますので、そちらを選択することも可能です。また、確定拠出型年金も、社会保険料控除の対象となっていますので、個人事業主なら、節税対策として加入するのがおすすめです。
個人事業主なら労災保険も考えた方が良い?
個人事業主が加入を検討した方が良い保険の中には「労災保険」もあります。仕事中に怪我をした場合に受けられる労災保険は、労働者のみにかけられています。
経営者(個人事業主)は、業務上で発生した傷病についても労災保険を受け取れない仕組みになっていますが、「特別加入制度」を利用すれば、中小企業の役員などでも労災保険に任意で加入することができます。
一人親方やその他の自営業者にも適用される労災保険の「特別加入制度」は、タクシー運転手や土木関係者など、いくつかの事業者に限られています。厚生労働大臣の許認可で運営されている団体ですので、不明な場合は、全国労災保険連盟に問い合わせて、近くの組合について問い合わせしてみてください。
個人事業主なら加入できる小規模企業共済もおすすめ!
ここまで、個人事業主が加入すべき保険の種類についてご紹介してきましたが、ここからは、保険以外に個人事業主が加入できる共済システムについてご紹介致します。
まず、最初にご紹介するのは「小規模企業共済」。小規模企業共済は、個人事業主が会社経営を辞めた際や、会社役員を退職した後に必要となる生活資金を前もって積立する共済制度のことです。自分自身の退職金を積み立てるとイメージしていただくと、わかりやすいと思います。
小規模企業共済に加入できる人は、従業員20人以下(商業・サービス業なら5人以下)の従業員が働く組織、または、個人事業主や会社役員となっています。
掛金は、月額1000円から7万円までの間で、500円刻みで好きな金額を設定することができます。
「小規模企業共済等掛金控除」があるため、個人事業主が確定申告を行う際は、課税対象となる所得から差し引かれるというメリットがあり、節税対策という観点からも加入しておくのがおすすめです。
もう一つのメリットは、掛金合計額の範囲内で、事業資金の貸付け(担保・保証人不要)が受けられるという点です。事業運営でまとまった資金が必要な際は共済を解約せず、現金を拠出することができます。
個人事業主こそ賢く保険を選んで万が一の際に備えよう!
個人事業主は取引先が倒産した場合、そのあおりを受けて、自らの事業が倒産に追い込まれたり経営難に陥ったりするリスクを背負っています。そうした事態を回避するために貸し付けを行ってくれるのが、倒産防止共済です。
共済金の貸付限度額は、「回収困難になった売掛金債権等の額」と「掛金総額の10倍に相当する額(最高8千万円)」のいずれかの少ない方です。
さらにメリットとして、12カ月以上掛金を払い込んだ後に解約をすると「解約手当金」が受け取れます。掛金納付が12カ月の場合、掛金総額の80%ですが、40カ月以上掛けると100%になります。
加入条件として、1年以上事業を行っている中小企業であることとされています。毎月の掛け金は、5,000円から20万円の範囲内で、5,000円単位で自由に選択することができます。
生命保険に関して
個人事業主は万が一の際の保証がありません。家族のためにも生命保険の加入を検討しておきましょう。生命保険はいろいろな保険会社が扱っており、商品が多くどれを選択すればいいのか迷うところです。
生命保険には、大きく分けて3種類のタイプに分類できます。それぞれどのような特徴があるのかみていきましょう。
■定期保険
定期保険は、保険期間が決まっています。保険期間中に死亡した場合は、保険金が受け取れます。保険加入者が存命のまま保険期間が終了した場合の払戻金はありませんが、保険料は比較的安く抑えることができます。
■終身保険
終身保険は、保障が一生涯続きます。生涯保障のため満期の払戻金はありませんが、途中解約した場合は「解約返戻金」が受け取れます。ただし同じ保険料で比較した場合、定期保険に比べて保険料が高くなります。
■養老保険
養老保険は、保険期間が決まっている生命保険です。期間中に死亡した場合保険金が受け取れるのは、定期保険と同じですが、大きく異なる点は、満期返戻金があることです。一般的には、満期になると死亡時の保険金と同じ金額を受け取ることができます。
貯蓄性が高い点に大きな特徴がある生命保険であるために、保険料は高くなります。
生命保険は持病や既往症があると加入できなくなることがあります。生命保険に加入を検討している場合は、一度事前に健康診断等を受診した方がいいでしょう。