年金は払わないと損をする?保険に関する気になる疑問を徹底解説☆
目次
年金制度とは
まず「年金」には3つの年金が存在します。
・国民年金
・厚生年金
・国民年金基金
この公的年金の仕組みを簡単に言ってしまうと、「定められた月数分の保険料を納付(最低10年分)することで命ある限り年金を受け取る資格が得られる制度」ということです。
会社員や公務員は「厚生年金」が国民年金に上乗せされます。つまり、公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て仕組みが基本として成り立っているということになります。
※厚生年金基金などを含めると3階建てとなります。
※国家・地方公務員、私立学校教員などは共済員となるので「共済年金」もありましたが、平成27年10月1日以降厚生年金となりました。
自営業等で厚生年金に加入していない場合は、1階部分に当たる国民年金(基礎年金)だけしか受け取ることが出来ませんが、任意で「国民年金基金」または「i-DeCo(個人型確定拠出年金)」に加入して受け取る年金を増やすことはできます。
今回は、自分で老後の資金を貯蓄した場合と、年金を支払った場合ではどちらが損をするのかを含めて、日本の社会保障制度が抱える問題点などを探ります。
厚生年金って?
先ほど、国民年金の上に厚生年金が上乗せされるとお話しましたが、上乗せ部分に当たる厚生年金は、当然国民年金よりも高額となってしまいます。
では実際に厚生年金は月々いくら支払っていることになるのでしょう?
厚生年金の基準となるのは標準報酬月額というもので、毎年4~6か月の3か月間の支給額の平均をとって決定されています。つまり、厚生年金の金額はそれぞれの「給与」によって決まっているため、それぞれ支払っている金額は異なってきます。
また、厚生年金は標準報酬月額によって1~31等級に分かれています。この等級は、日本年金機構のHPに納付金額を一覧表とした「厚生年金保険料額表」が掲載されているので、そちらの表を見ていただくとより理解しやすいかと思います。
例えばですが、給与支給額が21万円の会社員は14等級となり、標準報酬月額は20万円となります。先ほど紹介した表を横にたどると、年金保険料が全額で36,600円・会社と折半して18,300円となります。
※厚生年金保険料は標準報酬月額の18.3%なので、20万円の場合は20万円×0.183=36,600円、折半することで÷2なので18,300円という計算式になります。
また、国民年金と違って厚生年金には上限が存在します。給与支給額60.5万円以上(標準報酬月額で62万円)が上限で、支払いは113,460円、折半で56,730円となっています。
国民年金は一体いくら払わなければならないの?
会社勤めのサラリーマンの場合は、会社の給与から自動的に厚生年金が天引きされる仕組みになっています。それに対して、学生や自営業者などその他の人が支払う国民年金は、自ら払込を行わなければ支払うことができません。
国民年金制度は強制的な保険というイメージがありますが、実際は未納となっている世代が4割近くもいるということから払い損と考える方が増えていることが分かります。
では、実際に、国民年金はいくら支払わなければならないのかという点から、損なのか得なのかを見ていきたいと思います。
2016年度の日本の国民年金の保険料は、月額16260円となっており、支払い期間は20歳から60歳までの40年間と定められています。
満額の場合65歳以上から支給される年金額は年間780100円で、一ヶ月の支給額は65000円となります。生活費として考えると、かなり少ない金額で、持ち家があって家賃が発生しない方でも、これだけで生活していくといのは非常に難しい金額です。
国民年金しか支払わない自営業者や学生にとっては、月に65000円のみ支給される年金よりも、生活保護を受ける方が受給額が多いという計算になってしまうので、年金を払う方が損だと思う方が多い理由はこの辺にもあると言えそうです。
国民年金の支払い額は、40年間毎月収めた場合に、約780万円となります。支払額は年度によって変動しますが、2016年度を基準に試算すると65歳から75歳までの10年間、毎年78万円支給された場合に、元を取れるという計算です。
寿命の長さは人それぞれですが、日本人の平均寿命は男女ともに80歳を越えているので、大半の人が年金を支払っても損はしないということになります。
将来の国民年金は何歳まで生きれば払い損にならない?
現在は、75歳まで生きられれば元が取れるという国民年金ですが、現在年金を支払っている私たちの世代が高齢者になった時は、一体何歳まで生きれば払い損にならないのでしょうか?
国民年金の受給年齢は、現在65歳からとなっていますが、今後、受給年齢が70歳に引き上げられるという可能性もあります。
朝日新聞が行った年金の試算によれば、2015年度から国民年金の支給額は月770円ずつ減額となり、今後毎年500円から900円ずつ減額されていくと予測されています。
2020年度の年金支給額は、月額6万1534円となり、現在の年金に比べると、3474円減ってしまうことになります。20年間で減額される年金の額は、月あたり1万4484円となる試算で、これまで支払った年金額780万円を回収するには13年かかるとされています。
仮に年金の受給年齢が70歳になっていた場合は、83歳まで生きてようやく元を取れるという計算になるため、今より8年長生きできなければ損をするという計算です。
日本の少子高齢化は今後も進むと予測される中、公的年金が社会保障制度としてもはや破綻するしかないと考える専門家がいるというのも納得です。
国民年金の代わりに積立貯金をしても損するの?
一般の終身保険は、国民年金よりも損をする可能性が高いことは分かりました。では、国民年金の代わりに、自分で全額貯金して積み立てるという方法ならどうでしょうか?
現在小学生の子供たちの平均寿命は120歳と予測されており、現在40代の人たちでも、平気寿命は90歳まで伸びると予測されています。
老後が何年あるかどうかは、誰にも予測できませんが、最長100歳まで長生きできたと仮定すると、かなり多額の貯蓄が必要となります。
もし、65歳から100歳までの35年間の生活費を20歳から60歳まで貯蓄すると仮定すると、毎月の生活費が20万円の場合は、20万円x35年/40年=175,000円で、毎月18万円ほどの貯金をしていかなければなりません。
子育て世代の場合は、子供の養育費にもかなりの出費がかかりますので、いくら所得が多くなったとしても、これだけの貯金を毎月行うというのはほぼ不可能に等しいでしょう。
例えば、国民年金と同額の月65,000円を貯蓄していくなら、65,000円x35年分=約2300万円を貯金する必要があります。最近では、貯金を投資に回して資産運用などでお金を増やす方法などもありますので、正確には、2300万円全額を自分で貯金する必要はないかもしれません。
国民年金の場合は、月額16000円ほどを支払うと、将来月65,000円が支払われることになっていますが、これは、国の税金で残りの50%をまかなっているため、掛金が少ないという形になっています。
自分で積み立て貯金する時には、自分の寿命が予測できませんので、終身年金である国民年金より奥の貯蓄を残そうとする方が多いようです。
自分で貯蓄するよりも、月々の負担額が少なく、将来もらえる金額が同じであるなら、国民年金を払う方がお得な気もします。
国民年金は50%が税金なので払わないと逆に損をする!
国民年金の掛金は、国が50%を税金でまかなってくれています。ということは、国民年金をかけていない人は、将来もらえる保障がないのに、税金だけを負担させられているという風にも言い換えられます。
また、自営業者の国民年金の支払い分は、すべて所得税の控除対象となっているため、支払った分だけ所得税を節税できるというメリットもあります。
この他にも、国の財政を支えるために、来年10月からは消費税も10%に引き上げされる予定となっており、年金保険料を支払わない人は、消費税も負担しているのに将来年金をもらえないということにもなります。
消費税も含めて、国民である私たちが納めた税金の分、年金を受け取れなければ義務だけ果たして恩恵を受けていないということになります。
こう考えると、逆に国民年金を支払わない方が損をするという風にも受け取れるのではないでしょうか?
税金を取られている分、年金もかけておけば、生涯に渡って小額でも生活費が支給される保障があるということを覚えておきましょう。
国民年金を今払っている若い世代は将来損をするのか?
若い世代の年金未納者が増加の一途をたどっている現代社会、そこには、根強い「年金不信」という考え方があります。
少子高齢化社会がますます進行する日本に置いて、サラリーマンの平均年収は減少の一途をたどっており、年金の支払い額や支払い時期も先延ばしされるという可能性が高くなっている今、老後に自分たちが受け取れる年金はないと考えるのも無理はありません。
日本の年金制度は、ヨーロッパ諸国と同じで、現在年金を受給している世代を、労働者世代が支える賦課方式を採用しています。これに対して、東南アジアのシンガポールやマレーシアなどでは、自分が支払った年金が自分の貯蓄として将来受給できる積立方式という年金制度を導入しています。
賦課方式だと、自分が現在支払った年金額がそのまま老後に受け取れる保証がありませんし、日本と同じように少子高齢化が進むヨーロッパ諸国に置いても、年金問題は深刻が社会問題となっています。
これに対し、積立方式を実施している国々では、自分が働いて支払った分だけ年金が支給されるため、不公平感が少なく、強制年金だからというのもありますが、積極的に年金を支払う傾向にあるようです。
賦課方式の年金は積立方式の年金制度に比べて損なのかどうかについて考えてみましょう。
賦課方式の年金の場合は、ある程度長生きしなければ、支払った分の元を取れないというデメリットがあります。一方、積立方式の年金の場合は、自分の支払った分が年金として受給できるという平等さがある半面、積立額が足りない低所得な人や、予想以上に長生きしてしまった人は年金が足りないというリスクもあるの
賦課方式の場合は、インフレで貨幣価値が暴落したとしても、現役世代が支払う年金で高齢者が生活できるというメリットもあります。逆にデフレとなった場合は積立方式の方にかなりメリットがあります。
積立方式の年金の方がお得と考える人も多いようですが、日本の年金制度が、賦課方式から積立方式になる可能性はかなり低いです。
掛金の増額は、月額16,900円以上を越えないように制度改正が進んでいますが、自営業者の場合は、サラリーマンと違って基礎年金しか受け取れませんので、年金以外にも自分の老後資金をきちんと準備して対策しておくことが重要です。
国民年金はさらに少子高齢化が進んでも損をしないのか?
今後ますます少子高齢化が進む日本社会では、現役世代が支払う賦課方式の年金だけでは財源が確保できないという可能性が濃厚となっています。
そこで公的年金制度の一部が改正され「年金積立金」を積み立てることで、少子高齢化社会の影響を軽減する取り組みも始まっています。
年金積立金は、公的年金の貯金のようなもので、100年ぐらいはこの積立金を使って国民年金制度を維持することができると予想されています。
肩車方式と言われる超高齢化社会が到来した時に、現在年金を支払っている私たちの世代は、一体いくらぐらいの年金を受給できるのでしょうか?
賦課方式で現役世代が収める年金額が月額16,000円の場合は、
16000×2(国の税金50%分)=32,000円
これに、先ほどご紹介した年棋院積立金の取り崩し分が加算される見込みです。年金積立金の取り崩し分の財源が底をついた場合は、最悪の場合、年金受給額は、現在の年金の半額以下に落ち込みます。
このような試算がされている一方で、保険料の上限を固定した上で、国民年金の保険料を徐々に引き上げて行くという対策も行われています。
基礎年金の国庫負担割合は2分の1に引き上げられ、財源の範囲ないで給付水準を調整する仕組みなども導入されています。
厚生年金の保険料と国民年金の保険料は、ある程度の金額に達したら増加しないと言われていますが、国庫負担金や年金積立金からの収入も固定されていますので、政策が発動された時点では「100年安心年金」とも言われていました。
しかしながら、政策を実施した2004年から14年が経過した現在、現役世代の50%ほどの年金給付額を維持することはかなり難しい見込みとなっており、今後、年金を支払っても将来受給できないのではないかという不安がさらに広がっています。
実際に、2043年頃に年金を受給する世代の受給額の見込みは、年54万円で月額45000円と予測されています。厚生年金については2割程度、国民年金については3割程度、現在の受給額より減額される見通しです。
ついでながら、平成26年4月からの年金受給額は年間772,800円で、既に3割ほど減額されている状況です。
人口減少率や経済成長が見込めない日本社会の現状を考えると、今後、もっと厳しい現実が私たちを待っていると考えるのが当たり前と言えそうです。
年金の重要な役割について
公的年金が担っている役割には、大きく分けて4つあります。その役割について順にお話していきます。
◆高齢者の扶養
高齢者の扶養形態が「私的扶養」から、公的年金を通じた「社会的扶養」に変化していった社会経済の変化に対応するものとして公的年金の役割があります。
核家族の進行・平均寿命の長寿化・所得格差の拡大・都市部と地方の格差・親元から離れて暮らす子世代の増加…挙げ出したらキリがありませんが、このような世の中の変化に伴っているのは明白です。こうなってしまった現代の変化によって生じるリスクは、個人で対応できるレベルを超えつつあります。つまり、社会全体が受け皿としてリスク回避する仕組みとして機能するための役割を担っているのが公的年金ということなのです。
◆リスクや不確実性に備える保険
公的年金は人生のリスクや不確実性(長寿リスク、障害・配偶者に先ただれ遺族となるリスクインフレリスク等)に備える保険制度としての役割も持ち合わせています。
◆国民皆年金によるセーフティーネット
公的年金は20歳~60歳未満の日本に居住するすべての人が加入しなくてはいけない制度です。そのことから「国民皆年金」と呼ばれており、国民全員が保険料を納付する義務があります。将来引退した時、支払っていた保険料に見合った年金を受け取る仕組みとなっています。
また、将来発生しうる貧困対策も兼ねています。引退後に起こってしまうかもしれない問題が発生してしまった時でも、何かしら所得を得る手段を確保するためのセーフティーネットとして機能するように国民年金が備えられています。
◆所得再分配効果
国民年金=老基礎年金と呼ばれている年金を老後世代となった時に受け取ることが出来ます。現在の受給権者が受け取っている老基礎年金の給付源は、現代働いている世代が支払っている保険料の半分を占めています。残りの半分は国庫負担、つまり消費税や所得税などの税金によって賄っているのです。つまり、老基礎年金の2/1は現役世代の支払っている保険料、2/1は社会全体で負担しているのです。
保険料は全員一律の金額を納付していますが、所得が低い人ほど納付する税金が少なくなるように年金制度内で所得の低い人を優遇する仕組みとなっています。給与が高い人ほど高い保険料を払い、給与が低い人ほど低い保険料を支払うことで、給与が低い人のカバーをすることができ、厚生年金全体で所得の再分配を行うのです。
職種別に見る保険・年金
職種によって加入する保険や年金が少し異なります。全部の職種別にはさすがにお話しできませんが、いくつかの職種の場合をご紹介していきます。
◆会社員や公務員
会社員や公務員は、国民年金保険と厚生年金保険の2種類に加入する義務があり、国民年金の第2号被保険者に分類されます。厚生年金保険の適用を受けている事業所や企業に勤務する=自動的に国民年金にも加入する仕組みとなっています。
国民年金保険料は厚生年金保険料に含まれており、合算した上で納税額が決められるため、自分から改めて収める必要はありません。勤務先によっては企業年金を設けている会社もあるので、その場合企業が運営する年金制度に加入する必要もあります。
◆郵便局員
法改正前の郵便局員は公務員だったため、共済年金が適用されていましたが、郵政民営化に伴い、現在は厚生年金保険に加入する義務があります。会社員や公務員と同じく国民年金保険と厚生年金保険の2種類の年金に加入する必要があるのです。
◆専業主婦
夫が会社員や公務員で厚生年金保険に加入していて、本人が専業主婦で第3号被保険者となる場合、厳密に言えば国民年金保険に加入していることになりますが、保険料を納める義務はありません。しかし、パートなどをしていて年収が130万円以上ある場合や労働時間が正社員の3/4以上ある場合、厚生年金加入の対象になり、2種類の年金に加入することが義務付けられます。
国民年金は海外在住や未納期間があっても受け取れる?
国民年金の支払い期間は、25年間なければ支給されないという法律がありましたが、この支払い期間は、他の先進諸国と比べても相当長く、時代に即した法律とは言えませんでした。
そこで、法律が改正され、現在では国民年金の支払い期間が、最低10年間あれば、支給額に差はあるものの年金が支払われるという形に法律が改正されています。
ライフスタイルの多様化により、国外で生活する方も増えており、海外在住などで一定期間年金を支払えなかったという方もたくさんいます。こういった方々も、以前は年金はずっと支払わなければ老後に支給してもらえないので損をするという認識だったと思いますが、現在は、10年分支払えば年金が支給されるので、それほど悪い条件ではありません。
未納期間については、追納という形で支払うことも可能で、支払った期間の長さによって、支給額が変わります。また、遺族年金を受け取れるのは、支払い期間が25年以上の保険者の遺族のみとなりますので、それ以下の支払い期間の方の場合は、遺族年金を受け取れない分損をすると考えてください。
国民年金はどんな点が他の保険に比べてお得なの?
公的年金は、本当に損をするばかりなのでしょうか?公的年金には、他の保険制度にはないメリットがあるので、まずは、そのメリットを見ていきましょう。
公的年金は、生涯に渡って受給できる「終身年金」や、加入者が不慮の事故などで障害者になった場合の保証を行う「障害年金」、さらには、家族が亡くなった時に残された遺族を支える「遺族年金」という3つの社会保障制度を実現する制度となっています。
最近では、民間保険の中にも「終身年金」を謳っている商品が発売されていますが、公的年金に比べて、掛金や受給額にはどのぐらいの開きがあるのかをみてみましょう。
日本生命のGran Ageは「5年保証終身年金」商品ですが、50歳で契約して70歳から受給が開始されるサービスとなっています。
契約者が女性の場合は、平均寿命が男性よりも長いため、掛金が高めで支払い期間も長くなり、約6万円ほどの保険料を20年間支払った場合に、月5万円の終身年金が支給されるサービスです。
国民年金の場合は、月額約1万6千円を40年間支払えば月額6万5千円が支給されますので、月々の負担額を考えると国民年金の方がお得という計算です。
90歳以上生きる人であれば、日本生命のGran Ageでも十分元を取れますが、そこまで長生きできるかどうかの保証は誰にもありません。そう考えると月々の支払い額が小さい国民年金の方が、支給される年齢や元を取れる寿命も若くなるため、多少将来不安があるものの、一般的な保険商品よりは損をしないと考えることができます。
払い損のような気もするけど国民年金を払って将来に備えよう!
国民年金の実態と、今後の見通しについてご紹介致しました。現在年金を受け取っている世代と比べて、将来年金を受給される現在の20代、30代、40代の人たちは、少子高齢化の影響や、日本経済成長の停滞で、明らかに受給額が減ることが分かりました。
しかしながら、公的年金は、生きている限り生涯に渡って保障される「終身年金」という性質を持っており、障害を持った場合や亡くなった場合の遺族のサポートなど、他の保険商品などではカバーできないような手厚い社会制度となっています。
また、保険料の支払いは、国民年金の場合は、月額16,200円と固定されているものの、消費税を含めた国の税金でその50%がまかなわれています。税金を支払っているのに、国民年金の掛金を支払わないということで、年金が一円ももらえなければ、逆に損をしているということになってしまいます。
また、自営業者やフリーランスの場合は、国民年金の掛金がすべて所得税控除の対象となっているため、節税効果という部分で見ても、かけない方が損をすると言っても過言ではありません。
国民年金を支払っていない方は、確定拠出型年金に加入することもできませんので、節税効果の高い社会保障制度に加入できないというデメリットもあります。
国民年金を支払っていなければ、一円たりとも年金はもらえないので、50%の税金分支払い損ということになってしまいます。
もちろん、現在年金を受給されている世代に比べたら、金額の面では3割ほど減少することが既に予測されており、最悪の場合50%を割るかもしれないとも言われています。
こうして世代間格差を見ていくと、どうしても若い世代が年金は払い損だと思うという心情も理解できないわけではありません。
いづれにしても、国民年金だけで老後の資金を確保するという考え方には無理があり、現状の支給額65000円では生活できない世帯もたくさんあります。2017年度からは、確定拠出型年金の利用者は、すべて非課税となる制度も導入されています。
こういった制度を賢く活用して、老後の生活資金をきちんと確保できるようにしていきましょう!