クラウドソーシングを始めたい主婦必見!デメリットを知り賢く働こう♪
目次
家事や育児に専念しているため外で働くのは難しいけれど、合間を縫って自宅で少しでもお小遣い稼ぎをしたいという主婦は、昔も今も変わらず多いでしょう。昔は内職をして稼ぐ主婦が多かったのですが、近年注目を集めているのがクラウドソーシング(在宅ワーク)です。パソコンを使って自宅で仕事をするやり方です。
クラウドソーシングには、「移動時間が必要ない」「子どもが急に熱を出しても慌てる必要がない」「隙間時間を活用できる」など、メリットがたくさんある一方で、比較的報酬が安価であるというデメリットもあります。本コラムでは、主婦がクラウドソーシングを始める際に知っておきたいことをまとめました。特にクラウドソーシングのデメリットについては、事前に知識があるかないかで、効率的に稼げるかどうかを左右することになります。自宅で仕事をしていると、他の人と仕事量や報酬を比べることが難しいので、しっかりと情報収集をして、なるべく損のない働き方を目指しましょう。
仕事を始める目的、目指す収入額、仕事に充てられる時間
主婦がクラウドソーシングを始める目的は、様々です。家計の足しにしたい、自分が自由に使えるお小遣いが欲しい、子どもの習い事代を稼ぎたい、いずれ仕事を再開したいので少しでもキャリアアップしておきたい、社会との繋がりがほしい・・・などが多いでしょうか。大切なのは、目的を明確にし、月にどれぐらいの収入を目指したいのかを決めておくことです。
目的と目指す収入額によって、どのような仕事を選べば良いかが、自ずと浮き上がってきます。例えば、隙間時間を使って少額でも良いから単にお小遣い稼ぎをしたいということであれば、ポイントサイトやアンケートサイトなどで少額の収入をコツコツと稼ぐのが良いでしょう。キャリアアップを目指したいのであれば、そういった方法ではなく、パソコンスキルや調査能力が向上するようなライティングの仕事や、ビジネススキルを活かせるような在宅秘書の仕事、あるいはIT知識があるのであればWEB制作関連の仕事なども良いでしょう。専門知識が必要な仕事は比較的給料が高額になる傾向がありますので、キャリアアップを目指して高額収入を得たいというのであれば、必要な資格を取得する、過去の経験を生かせる分野に絞るなど、ちょっとした戦略を立て、他の人と差をつけると良いでしょう。
このように、自分の中である程度方向性を決めてからでないと、膨大な数の求人を前に佇んでしまうかもしれません。また、クラウドソーシングとは言え、応募の際には履歴書や応募動機などの提出が求められることがほとんどですので、最低限の自己分析を済ませておかないと、エントリーの段階で躓いてしまいます。
自分の一日のスケジュールを改めて見直し、仕事に充てられる時間がどれぐらいあるかを確認しておくことも大事です。ある程度まとまった時間を仕事に充てられるのか、まとまった時間は無理でも10~15分単位の隙間時間を利用するのか、一日のうちどのタイミングで仕事をするのか。このようなスケジュール感覚は、仕事を始めてから考えるのでは遅いので、事前に確認しておきましょう。
例えば小学生の子どもがいる主婦が、子どもが学校に行っている時間帯を仕事に充てようと思うと1日4~5時間は働くことが可能ですが、未就園児の子どもを持つ主婦の場合だと、子どもが昼寝している時間帯の1~2時間が限度だったりします。当然ながら、前者の方が仕事の選択肢は多いですが、後者の方でも、できる仕事は十分あります。自分のライフスタイルにあった求人に的を絞って探すことができるよう、スケジュールの見直しは必ずしておきましょう。
このように、クラウドソーシングを始める際には、目的意識、目指す収入額、そして仕事に充てられる時間の目安を明確にして仕事探しにあたりましょう。
どのような仕事がしたいのか
目的と目指す収入額、仕事に充てられる時間の目安が定まったら、次は仕事選びですが、クラウドソーシングのサイトを見ると分かるように、求人の数は膨大で、職種も様々です。営業・マーケティング、データ入力、ライティング、翻訳、プログラマー・SE、人事や総務など事務関連・・・特に資格や経験がなくても応募可能なものも多いですが、中には専門知識が必須とされている求人もあります。
まずは、自分がどのような仕事をしたいのか、考えてみましょう。前職の経験を活かし似たような職種にするのか、新しい分野に挑戦したいのか。経験や資格にあまり自信のない人は、データ入力やライティングなどがお勧めです。データ入力は、指定された文字や数字を、パソコンを使ってワードやエクセルなどに入力していく仕事です。中には、関連情報を調べて入力するといった、単純作業だけでは終わらないものもあります。仕事をしていくうちに、パソコンスキルが身に付き、タイピングスピードも速くなるでしょう。ライティングは、特定のテーマに沿って記事を書く仕事です。ウェブサイトのコラム記事やブログ記事、ニュース関連の記事など、種類は様々です。必要なのはテーマに沿って情報収集し、それを自分の言葉でまとめる力です。まずは得意分野からテーマを選んで執筆することをお勧めしますが、慣れてくると自分の知らない分野での記事執筆にチャレンジしてみるのも良いでしょう。知識が広がり、スキルアップも可能です。
自分ができそうな仕事を片っ端から選んで応募してみる方法もありますが、エントリーにも時間と労力がかかるので、ある程度絞って応募した方が効率的です。また、仕事を始めてからその仕事を長く続けるためにも、自分がやりたい仕事のイメージを持っておいた方が良いでしょう。
応募の際に気を付けたいこと
この仕事がしたい!という求人を見つけたら、早めに応募してみましょう。人気の求人はすぐに定員に達してしまうことが多いので、応募するか否か悩んで時間を空けてしまうと、「締め切られていた・・・」ということになり兼ねません。
その他に、応募の際に気を付けたいことが4つあります。
【具体的な数字やエピソードで自分のスキルをアピール】
自分が「いいな」と思った求人には、自分以外にも多くの人が応募していると思った方が良いでしょう。そのため、応募の際には、具体的な数字やエピソードを入れて、自分の持つスキルをうまくアピールし、他の人と差をつけましょう。
例えばライティングの仕事に応募するのであれば、1時間に打てる文字数や、得意な分野、そして実績があるのであれば、過去にどういった記事をどれぐらい書いたことがあるかということも伝えておきましょう。記事を書いた経験がなくても、文章の校正や編集の経験があれば、関連スキルとして記載しておきます。
【こんな求人には注意】
やたら高額な報酬を謳う求人や、仕事を始める前に教材費や講習費を請求してくる企業には注意が必要です。応募前にその企業のサイトなどをチェックしておくなどして、悪質な求人に引っかからないようにしましょう。
高額なサイト登録料を払わせるケースも見受けられますので、登録するクラウドソーシングサイトも、登録人数が多く、長年実績のあるものを選びましょう。
【応募のやりとりから選考は始まっている】
応募をして、企業から連絡をもらい、必要書類を提出するなど、選考の段階で企業とのやりとりは始まります。そのやりとりも選考のうちだと考えて、メールを早く返す、メール文面の言葉遣いに気を付ける、必要書類の提出期限を守るなど、基本的なマナーを意識しましょう。レスポンスが悪いと減点の対象になってしまうかもしれませんし、トライアルなどの提出期限が守られない場合は、選考から外されてしまうことも考えられます。
【家族の理解を得ておく】
クラウドソーシングに応募することに対して家族の理解は得られていますでしょうか。自分の空いた時間に仕事をするのだから、家族は関係ないと思われるかもしれませんが、そうではありません。仕事によっては、納期に間に合うよう多少無理をする必要が生じるかもしれませんし、どのような仕事をしてどれぐらいの報酬を得ているかを夫にも打ち明けておくことによって、いざという時に協力してもらえる可能性が高まります。子どもがいる人でれば、子どもにも「お母さんお仕事始めるからね」と一言伝えておくと良いかもしれません。
ちなみに、外でフルタイム勤務をしている人やパート勤務をしている人は、周囲の人から見ても働いていることが一目瞭然なので、例えば子どもの幼稚園や学校の役員仕事が免除されるなど、自然と周囲の配慮がなされていることでしょう。一方でクラウドソーシングの場合、自分から「仕事をしている」と話さない限り、周囲には伝わりません。クラウドソーシングの仕事が軌道に乗ってきて、役員仕事などの免除の対象にしてほしいと思うのであれば、普段から周りに「在宅で仕事をしている」と話しておくと良いでしょう。
クラウドソーシングのデメリット
ここで、冒頭にも既述した通り、クラウドソーシングの仕事には、比較的報酬が安価であるというデメリットがあることを知っておきましょう。これは、一時期、世間で問題視されたことがあり、主婦の労働力が搾取されているとまで言われていました。「移動時間が不要で、自宅でできる仕事なのだから、少し賃金が低くても致し方ない」と考える人が多いようですが、その点を鑑みても「これは低すぎでしょう」と思われるような案件が今でも存在していることは確かです。
クラウドソーシングで求人を出す企業は、人件費のコストダウンを狙っていることがほとんどですので、報酬があまり高くないのは当然のことと言えるかもしれません。また、「安くてもいいから自宅でできる仕事を受けたい」と思っている人が多くいるのですから、賃金は下がっていく一方なのです。
そして一番の問題は、賃金が安いのに作業時間は多くなってしまっているという点です。クラウドソーシングの仕事は、成果物に対して報酬が支払われる「業務委託」の形態が数多く見られますので、作業時間が長くなってしまうということは、その分時給換算した場合の報酬額が低くなってしまうということなのです。
例えばライティングの仕事で1文字0.3円の案件があったとします。1時間で1000文字書いたとしたら、時給換算にすると300円です。これでは最低賃金以下となってしまいますので、こういった安価な案件には手を出さない方が良いということを知っておきましょう。「クラウドソーシングの賃金の相場が分からないので、1文字0.3円が高いか安いか分からない」といった場合は、このように時給換算したらいくらになるのかを出してみましょう。
ライティングはただ単に文字を書く仕事ではなく、執筆前に情報収集や文章構成の検討などの準備時間を要します。また、記事を書いてポンと依頼者にメール送付するだけで良いのか、その記事に貼り付ける画像まで提出しなければならないのか、出来上がった記事をウェブにアップするまでが仕事なのか、仕事内容は案件によって異なります。このような時間も含めたうえで、時給換算してみましょう。
しかし実際に、時給換算すると最低賃金以下の安価な案件に手を出してしまう主婦が大勢いるので、世間でクラウドソーシングの低賃金が問題視されたわけですが、それではなぜ彼女たちは割に合わないような仕事に手を出してしまうのでしょうか。
まず、「家で仕事ができるだけでもありがたい」「他に稼ぐ方法がないのだから仕方ない」と考えているということが一因です。確かにそれはそうなのですが、だからといって自分の労働力を安売りして良いということにはなりません。在宅でも、依頼者の指示に従って真面目に仕事をするのであれば、それ相当の賃金を受け取る権利があるということを念頭に置いておきましょう。
次に、「報酬を気にせず、楽しんで働こう」という風潮があることも原因となっています。何か仕事を始める際、「最初は勉強」と思って、低賃金でもまずは仕事を引き受けてみるということは、よくあることでしょう。しかし、それがあまりにも低賃金で、その状況がずっと続くのであれば、本当にその仕事で良いのかどうか、改めて検討する必要があります。結果が報酬に伴わないと、自分のモチベーションアップにも繋がりません。
最後に、そもそも安価な案件しかないという状況も考えられます。既述の通り、クラウドソーシングには人件費を少しでも抑えたいという企業が集まっているのですから、モラルの欠けている企業が安価な案件ばかりを載せている場合があります。仕事を探す側からすれば、ずらっと並んでいる求人の中から、時給換算してなるべく高額になる案件をピックアップしたいところですが、そのための時間がまずもったいないと考えてしまう人が、安価なものでもできそうなものは取りあえず受けてみるというやり方にシフトしてしまうのです。そうすると、企業側も「この賃金でも受けてくれる人がいる」と学習してしまい、案件の単価は一向に上がらないということになってしまいます。
これらが原因となり、安価な案件に手を出してしまう主婦が後を絶たず、不当に安価な案件が今でも多く広がっているという状況にあります。このデメリットをどのように回避するかを、次に見ていきましょう。
デメリットを回避する方法
家で働きたい主婦にとって、やはりクラウドソーシングは強い味方なので、うまく利用し効率よく稼ぎたいものです。そのためには、自分の仕事環境を、効率の良いものに自分で変えていく必要があります。
まず、最低賃金以下のあまりにも安価な案件には手を出さないことです。こうすることによって、企業側も「この賃金では応募が来ないので、もう少し賃金を上げてみよう」という流れになるはずです。主婦の要領の良さや真面目さ、そして勤勉さは、安売りしてはいけません。自分でしっかりと納得のいく報酬が得られる仕事を探すようにしましょう。
また、高額案件が見つからない、早く仕事を始めたい、などといった理由から、仕方なく安価な案件に手を出す場合は、仕事に慣れてきてスキルアップしたと感じた時点で、賃金アップの交渉をしてみましょう。その場合は、「仕事のスピードがこれだけ上がった」というような具体的なエビデンスを示すことで、説得力のある交渉が可能となります。単発の仕事ではなく、ある程度まとまったプロジェクト案件に取り組むほうが、賃金アップの交渉もしやすいでしょう。
こういったことを常に意識しながらクラウドソーシングをうまく利用することによって、自分のモチベーションも上がり、納得のいく仕事ができるようになります。
実は、クラウドソーシングの環境は、以前に比べれば改善に向かっているという朗報もあります。発注者のモラルが高まり、コピペやリライトの仕事依頼を禁止するといった施策や、仕事内容に対する報酬額の評価などをユーザーが入力・公開できる機能を追加するなど、少しずつユーザーにやさしい環境になってきたと言えるでしょう。
とは言え、最終的に自分の身を守れるのは自分だけですので、労働力の安売りをしないよう、案件の選定には十分気を付けましょう。
どのくらい稼げるの?
クラウドソーシングには、大きく分けて3つの報酬形態があります。1つ目は「時給報酬型」、2つ目は「固定報酬型」、3つ目は「コンペ報酬型」です。コンペ報酬型は、主にクリエータ向けで難易度が高い案件なので、ここでは時給報酬型と固定報酬型について説明します。
まず、時給報酬型についてご説明します。時給報酬型はクラウドソーシング、もしくはクライアントから提供されたシフト管理ソフトで働いた分だけ報酬を得ます。
時給報酬型は、主にデータ入力や情報収集など単調な仕事ですので、単価はそれほど高くなく時給700~1000円と言った相場になっています。一日数時間で週に3~5日単位が多く、稼げる金額は月に約60,000円程度でしょう。
一方、固定報酬型は報酬の上限を設定してから仕事の契約となります。これはライターやプログラマーなどさまざまな案件で採用されており、クラウドソーシングにおいては一番メジャーな報酬形態です。ライターの場合ですと、上限30,000円程度で文字数は30000~60000文字。文字単価0.5~1.0円が相場となっています。文字単価1.0円の案件でしたら、一日に5000文字書けば5000円の報酬になります。仮に月に20日稼働ですと、100,000円獲得できることになります。
さいごに
専業主婦として家事をこなし、育児に専念している人が、クラウドソーシングとは言え仕事を始めるのは、簡単なことではありません。家事に終わりはありませんし、子どもが小さければ小さいほど育児の負担も大きいからです。それに加えて仕事を始めるのですから、家族の協力は必要不可欠。そして、せっかく始めるのであれば、納得のいく仕事をして、納得のいく報酬を得たいもの。それが長く続けられる秘訣です。
専業主婦歴が長くブランクがあっても、小さい子どもがいても、特に資格などがなくても、できる仕事はたくさんあります。自分の価値を低く見積もる必要はありません。家族に胸を張って働くことができるよう、高い意識を持ってクラウドソーシングを始めましょう。