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年末調整の手続きや扶養家族の定義について解説!還付をしっかり受けましょう☆

年末調整は会社員やアルバイトパートなど給与を受ける人が毎年手続きをしなければならないものです。
メンドクサイ、意味がわからない、難しいと嫌がる人も多いですが、ポイントを押さえれば全く難しいものではありません。

年末調整はとても大切な書類なのです。
特に扶養控除に該当をしている人は大きな節税ができるチャンスでもあります!
年末調整や扶養控除の仕組みをしっかりと把握して、気持ちよく年末を迎えたくはありませんか?

年末調整にまつわる必要書類や計算方法、扶養家族の定義などについてわかりやすくまとめました!

そもそも年末調整って何?何のために誰が何をやるの?

そもそも年末調整とはなんなのでしょうか?
給与をもらって仕事をしている人は年末になると用紙が配られますが、働いている人ならば誰でもやるのでしょうか?
そして年末調整をすることによって何が変わるのでしょうか?

細かい計算方法などを知る前に、まずは年末調整の基本について知っておきましょう。

【年末調整とはなんなのか】
年末調整とは簡単に言えばその年の1月1日から12月31までに支払われた給与の額から、差し引かれた所得税を清算するための手続きです。
所得税は本来、その年の1月1日から12月31までの所得に対して税額が決まるものです。

しかし、実際には年末にまとめて所得税を払うわけではありません。
従業員は毎月、お給料を受け取るろ気にあらかじめ「これくらいだろう」とされる額の所得税が差し引かれているのです。

これを源泉徴収と言います。
源泉徴収されている所得税の額はあくまで「これくらいだろう」という大体の金額です。
従業員各々の生活事情、扶養家族などに合わせた所得控除は計算されていません。
つまりその従業員の人が本当に納めなければならない所得税を正確に計算する必要があります。
源泉徴収と本当に払うべき所得税の額を比較するのが年末調整です。
もしも受け取った給与よりも多く税金を払い過ぎていた場合は差額が返ってきます。
不足していた場合はその分を追加で納めなければなりません。

【年末調整と確定申告、何が違うの?】
年末調整と似た役割を果たすのが確定申告です。
では年末調整と確定申告は何が違うのでしょうか?

年末調整は企業が従業員の納税をまとめて税務署に対して行ってくれます。
一方確定申告は勤め先の企業を通さずに納税者本人が直接税務署に納税をするシステムです。

自分自身が年末調整をするべきなのか、確定申告が必要なのか、もしくは両方必要なのかはケースバイケースです。
基本的に収入がお給料ならば年末調整で問題ありません。
確定申告が必要な場合は以下のケースです。

■その年の1月1日から12月31日までの給与収入が2000万円以上の場合。

■災害減免法でその年の1月1日から12月31日までの所得税の徴収が猶予や還付の対象になっている場合。

■自営業者やフリーランスの人でその年の1月1日から12月31日までの所得が38万円以上ある場合。
企業に雇用されて給与をもらうのではなく、自らが経営をして収入を発生させている場合です。

■公的年金が一定額以上の場合
公的年金は源泉徴収が行われています。
呼応的年金などでその年の1月1日から12月31日までの収入額が400万円をこえている場合、申告が必要です。

■株取引やFXなどで一定以上の利益を得た場合
株取引やFXなどの取引でその年の1月1日から12月31日までの収入額が38万円をこえている場合。
近年では仮想通貨などもその対象です。
その年のうちに現金で利益を獲得してしまうと、その後、損をしても所得税は支払わなければならないことがあるので注意しましょう。

また、もともと自動的に源泉徴収が行われる源泉徴収口座で取引をした場合、確定申告はする必要がありません。
副業で株取引を考えている初心者は投資用の講座を開設するときに源泉徴収口座を選択した方が負担なく取引をスタートさせることができるでしょう。
またNISA口座は税金面で優遇があり、利益が120万円を超えなければ確定申告は不要です。

■不動産など、他に所得があった場合
不動産の譲渡や不動産を貸して収入があった場合、印税が入った場合などは確定申告が必要です。
宝くじで当たった場合、宝くじはあらかじめ税金が引かれた額が受取金額なので不要です。

年末調整と確定申告の両方が必要な場合は以下のケースです。

■給与に夜収入が1カ所。それに加えて副業の所得が20万円以上ある場合。

■給与収入が2カ所以上ある。さらに少ない方の給与が20万円以上ある場合。
多い方の給与は企業の方で年末調整を行います。

■同族会社の役員やその親族などの会社から給与を得ていて、さらにお九兆意外に賃貸料などの支払いを受けた場合。

■年末調整では手続きができない還付を受けたい場合。たとえば初年度の住宅ローン控除の申請などです。

【確定申告の義務はないけれどした方がいい場合】

確定申告を必ずしもする必要があるわけではないけれど確定申告をした方が税制面で有利な処置を受けることができるケースもあります。
面倒がらずに手続きを行いましょう。
後悔はしない筈です。

■事業をしていて赤字になった場合
フリーランスや自営業者はその年の所得が38万円いかならば確定申告をする必要はありません。
しかし事業が赤字になった場合、確定申告をすると還付を受けられた利住民税が安くなったりする場合があります。

■支払った医療費が10万円以上ある場合。

■生命保険料などの控除漏れがあった場合。

■都市の途中で退職をした場合。その年の途中で退職をして、その年のうちに就職先が決まっていない場合、年末調整が行われません。
生命保料や社会保険料などの還付が受けられることがあるので確定申告をしましょう。

■退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合。
退職金の受け取りをするときに「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと、20.42%の源泉徴収が行われます。
これは本来支払う必要のない税金なので確定申告で取り戻しましょう。

■アルバイト先などで源泉徴収をされている場合
メインの収入源ではないアルバイトや副業などで源泉徴収をされている場合、確定申告をすると還付が受けられます。

【年末調整だからといって「年末」とは限らない】
年末調整は名前の通り、通常は12月ころ、つまり年末に行われます。
しかし年末だけしか行わないわけではありません。
以下の用な場合は年末でなくても年末調整を行います。
該当した場合は勤め先の総務課や経理、事務などに問い合わせましょう。

■海外転勤によって出国をして、日本に住まなくなった場合。

■死亡によって退職をした。この場合は遺族が手続きをします。

■心身障害のために退職をして、その後その年の内に復職の可能性が無い場合。

■12月に支給されるはずの給与などの支払いを事前に受け取った後に退職をした場合。

■パートタイマーなどで働いていたけれど、退職をしていて、その年の間に支払いを受ける予定の給与総額が103万円以下で、さらにその年の間は他の企業から給与をもらう予定がない場合。

このような事例に該当する場合はその年の間に給与をこれ以上受け取る予定がなくなるタイミングで年末調整を行い、過不足分の清算を行いましょう。

【年末調整は絶対しなくちゃダメ?しないとどうなるの?】
年末調整は給与をもらっている人は絶対にしなければならないのでしょうか?
もしも年末調整を行わないとどうなるのかについて見てみましょう。

■従業員はペナルティ無し。だたし損をすることも。
法的には従業員は年末調整を行わなくてもペナルティはありません。
しかし本来は還付が受けられるはずの金額の還付が受けられなくなるなど、損をする可能性がとても多いです。
さらに社内規定やコンプライアンス違反等で、企業側からのペナルティを受けたり、評価が悪くなったりする可能性があるでしょう。

■雇用主側は法的なペナルティあり
雇用主は従業員の年末調整を行い、税務署に提出する義務があります。
「年末調整をしなくて従業員から適切な金額を徴収しなかった場合」は1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられることがあります。
「年末調整を行ったが、その徴収額を納付しなかった場合」は10年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が課せられることがあります。

さらに、年末調整を行って税務署に納税はしたけれど、その納付金額が少なかった場合は「過少申告加算税」や「延滞税」がかかってしまいます。

■雇用主が年末調整をしなくていい場合もあり
雇用主は従業員に対して例外なく年末調整をしなければならないかというとそうとも限りません。
従業員が期日までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しなかった場合です。
この場合、従業員に対して年末調整の代わりに源泉徴収票を渡します。
そして従業員は翌年の2月から3月に行われる確定申告で個人的に税金の清算を行います。

年末調整の書類の埋め方大解説!

見慣れていないととにかくややこしそうに見える年末調整の書類。
しかし1つ1つマスを埋めて行けば必ず完成します。
年末調整の用紙は決して難解でもわざとややこしく作っている訳でもありません。
年末調整の書類の埋め方、用意するものなどについて解説をしていきます。

【給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方】
面末調整の際に企業側から配布されるのが「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。
これは全員が提出をします。
一番上の欄は全員が記入をします。
名前、住所、マイナンバー等なので難しいことはないはずです。
それより下は該当する人のみが記入をして控除を受けます。
配偶者控除、扶養控除、障害控除などに該当する人は必ず記入をしましょう。

【源泉控除対象配偶者について】
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の二段目は「源泉控除対象配偶者」についての欄です。
配偶者がいる人であっても書く必要がある人とない人がいます。
配偶者控除が受けられるのはその年の12月31日の時点で以下の4点、全ての条件を満たしている場合のみです。

■民放の規定による配偶者であること。(内縁関係や同棲関係の場合は対象外となります)

■納税者と生計を一にしていること。(単身赴任などで一緒に住んでいなくても生計が同じならば対象となります)。

■年間の合計所得が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与所得が103万円以下であること。いわゆる「103万円の壁」はこれが由来です)

■青色申告者の事業専従者としてその年を通じて1度も給与の支払いを受けていないことまたは白色事業専従者として事業専従者ではないこと。(自営業者の身内からお給料をもらっていないこと、という意味です)

ちなみに給与所得者本人の所得の見積額が900万円以上の場合はこの限りではありません。

【控除対象扶養親族(16歳以上)について】
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の3段目の欄は控除対象扶養親族(16歳以上)の欄です。
16歳以上の扶養対象親族がいる場合に記入をしましょう。
さらに19歳以上23歳未満の人がいる場合は「特定扶養親族」という扱いになります。
住所欄の左に「特定扶養親族」という項目があるのでマルをつけてください。

この年齢の扶養家族がいるということは専門学生あるいは大学生である可能性が高いので、納税者の経済的負担が大きいと考えられ、控除が大きくなります。
忘れずにチェックしてください。
一方、0歳から16歳未満の子供については控除対象の扶養親族とはみなされません。
これは医療費無料等で、すでに税制面の優遇を受けているので年末控除では特に扶養対象ではないからです。

【障碍者、寡夫、寡婦または勤労学生について】
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の4段目の欄は障碍者、寡夫、寡婦または勤労学生についての欄です。
納税者が障碍者の場合は障碍者を扶養している場合、寡夫または寡婦である場合、学校などに通いながら仕事をしている人はこの控除を受けることができます。

【ほかの所得者が控除を受ける扶養親族等について】
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の5段目の欄はほかの所得者が控除を受ける扶養親族等についての欄です。
16歳以上の子供がいて、夫婦が共働きの場合、子どもは夫婦どちらかの扶養に入ります。

子どもが配偶者の扶養に入る場合、自分の分の年末統制は「他の所得者が控除を受ける扶養親族等について」の欄に配偶者と子どもの名前を記入しましょう。

【16歳未満の扶養親族について】
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の6段目は16歳未満の扶養親族についての欄です。
その年の12月31日の時点で16歳未満の扶養親族がいる場合はこの欄に記入をしましょう。

【給与所得者の保険料控除申告書についての書き方】
年末調整は扶養控除と並んで忘れてはならないものがあります。
それが「給与所得者の保険料控除申請書」です。
各種所得控除や配偶者特別控除を受ける場合に記入をします。
これをしっかりと作成することで大幅な還付がある場合があります。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は基本的に名前と生年月日と住所を記入すればよかったですが、給与所得者の保険料控除申請書はもうすこし複雑で、計算もしなければならない場合があります。
しかし、おちついて埋めて行けば大丈夫です。
一マス一マス確実に記入していきましょう。

【生命保険料控除について】
「一般の生命保険料」「海保医療保険」「個人年金保険」の三つのうちどれかに加入をしていると生命保険料控除を受けられる場合があります。
10月頃に保険会社から封書やはがきで「控除証明書」が届くので、年末調整の時期まで大切にとっておきましょう。
万が一、紛失しまった場合は加入保険会社に連絡をすれば再発行をしてくれるので諦めないでください。

この控除証明書は年末調整の時に一緒に提出をします。
まずは契約者の情報を記入します。
左の欄から順番に保険会社の社名、保険の種類(定期、終身、養老などの種類があります)か年金の種類、保険期間、契約者の名前、保険金の受取と続柄(個人年金保険料は「支払開始日」の上に保険金の受取人名を記入しましょう)、新旧の区分にマルを記入しましょう。

新旧の区分にマルというのは契約した年が平成24年以降かそれより前かということです。
「新」は契約したのが平成24年1月1日以降です。
「旧」は契約したのが平成23年12月31日より前です。
ここまではそれほど難しくない筈です。
控除証明書に記載されている情報をそのまま記入すればいいだけです。
必要な情報はかならず控除証明書にあります。
次は少し複雑な保険料の金額です。

【「あなたが本年中に支払った保険料の金額(分配を受けた余剰金額等の控除後の金額)」の欄について】
「あなたが本年中に支払った保険料の金額(分配を受けた余剰金額等の控除後の金額)」の欄はその年に支払った保険料を記載します。
控除証明書には11月分まで支払った金額と12月分の金額が記載されているので間違えないようにしましょう。
記載するべきは12月分までの金額です。

1.のうち新保険料の金額の合計額、a)のうち旧保険料等の金額の合計額、a)の合計金額の欄について

2.のうち新保険料の金額の合計額、a)のうち旧保険料等の金額の合計額、a)の合計金額の欄は「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」のそれぞれの合計の料金を記入しましょう。

新旧に分けて合計額を出すのがポイントです。

【「Aの金額を下の計算式1(新保険料用)に当てはめて計算した金額)」の欄について】
「Aの金額を下の計算式1(新保険料用)に当てはめて計算した金額)」は「計算式1」に当てはめて計算をして金額を記入します。
「Bの金額を下の計算式2(旧保険料用)に当てはめて計算した金額)」、「Dの金額を下の計算式1(新保険料用)に当てはめて計算した金額)」、「Eの金額を下の計算式2(新保険料用)に当てはめて計算した金額)」も同様に行っていきます。

この欄に記入できる金額の上限は新保険料が4万円、旧保険料が5万円です。

【「計(④+⑤)」の欄について】
「計(④+⑤)」の欄は「一般の生命保険料」と「個人年金保険料の合計金額を記入します。
この合計金額が4万円より高くなる場合は、上限金額が4万円なので4万と記入します。

【「⑤と⑥のいずれか大きい金額」の欄について】
「⑤と⑥のいずれか大きい金額」の欄は指示に従い、計算結果を記入しましょう。

【「生命保険料控除額計(イ+ロ+ハ)(最高120000円)」の欄について】
「生命保険料控除額計(イ+ロ+ハ)(最高120000円)」の欄にはイ・ロ・ハの金額の合計をした金額を記入しましょう。
この金額が生命保険料控除額となります。
生命保険料控除額の上限は12万円までなのでごうけんきんがくが12万円をこえている時には上限金額である12万円と記入をしましょう。

【地震保険料控除について】
地震保険に加入をしている人は地震保険料控除を受けられる場合があります。
地震保険料も保険会社から「控除証明書」が10月ごろに届くので大切に保管をしておきましょう。

【地震保険料控除の契約者情報について】
地震保険料控除の左上のスペースは契約者情報を記入するものです。
控除証明書を見ながら1つずつマスを埋めていきましょう。
左から保険会社名、保険の種類(地震か積立傷害か)、保健機関、契約者名、地震・旧長期の区分にマルをつける、家屋などの居住者との続柄となっています。
続柄については大抵の場合、契約者と同じです。

【保険料の金額について】
右上の欄、「あなたがた本円柱に支払った保険料等のうち、左欄の区分に係る金額(分配を受けた余剰均等の控除後の金額)の欄に保険料額を記入します。
生命保険料と同じく、その年の12月までに払う金額を買いましょう。
その下にある「Aのうち地震保険料の金額の合計額」の欄に「地震保険料」の合計金額を記入しましょう。
さらにその下にある「Aのうち旧長期損害保険料の金額の合計額」の欄に「旧長期損害保険料」の合計額を記入しましょう。

左下の「Bの金額」の欄に先ほどの「Aのうち地震保険料の金額の合計額」と同じ金額を記入します。
この欄の上限は5万円なので合計金額が5万円をこえている場合は5万円と記入してください。

その横にある「Cの金額(Cの金額が10000円を超える場合はC×1/2+5000円)」の欄には「Aのうち旧長期損害保険料の金額の合計額」と同じ金額を記入します。
もしこれが10000円を超える場合は指示に従い、1/2+5000の計算をした金額を記入しましょう。

そして最後は右下の欄です。
「Bの金額」と「Cの金額(Cの金額が10000円を超えた場合はC×1/2+5000円)」を足した金額を記入しましょう。
この欄の上限は5万円なので、もしも合計金額が5万円を超えた場合は5万円と記入してください。

この額が地震保険料控除の金額となります。

 

【社会保険料控除について】
同じ生計の配偶者や親族の社会保険料を払っている場合、給与から自分の社会保険料にプラスして配偶者や親族の分の社会保険料が天引きされます。
この点引きされている社会保険料の金額を調整するのが社会保険料控除です。
以下の8つの社会保険料がそれに該当しているので、自分以外の社会保険料を払っているのならば還付が受けられる可能性があります。

■健康保険料、厚生年金保険料
■国民健康保険料、国民年金保険料
■後期高齢者医療保険
■介護保険料
■国民年金基金の掛け金
■厚生年金基金の掛け金
■公務員共済の掛け金
■雇用保険料

【小規模企業共済等掛金控除について】
「小規模企業共済」と「確定拠出年金」がこの小規模共済等掛金控除の対象です。
この中でとくに給与所得者が年末調整をしなければならないのが「個人型確定拠出年金」です。

給与から確定拠出年金の掛け金が天引きされている場合は会社が手続きをしてくれますが、給与所得者が個人で加入している場合は国民年金基金連合会から10月頃に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます。
これを大切の保管しておいて年末調整の際に「小規模企業共済掛金等控除」の欄に払った掛金の金額を記入しましょう。

【給与所得者の配偶者控除等申告書について】
平成29年度までは配偶者控除については対象者のみ記入が必要な書類がありました。
しかし、平成30年度からは配偶者控除・配偶者特別控除の両方が「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が必要になったので注意しましょう。

年末調整をする給与所得者の配偶者の万円を超所得がない、あるいは一定以下の収入(38万円、103万円などケースによってちがう)の場合に受けられる控除です。
配偶者特別控除は配偶者に一定以上の収入があって配偶者控除を受けられない場合、配偶者の所得金額によって受けられる控除です。
夫婦のうち、収入が多い方が受けることができます。

【配偶者控除と配偶者特別控除はどんな条件で受けられるの?】
夫婦ならば誰でも配偶者控除や配偶者特別控除が受けられるわけではありません。
国税庁の配偶者控除、配偶者特別控除では以下の条件を満たしていることが求められています。

■控除を受ける人のその年における合計所得金額が10000万円以下(年収換算で1220万円以下)であること。
■配偶者が次の5つの要件すべてにあてはまること。
■民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
■控除を受ける人と生計を一にしていること。
■その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払いを受けていないこと又は白白申告者の事業専従者でないこと。
■他の人の扶養親族になっていないこと。
■年間の合計所得金額が以下であるあること(配偶者控除の場合は38万円以下であること。配偶者特別控除の場合は38万円いじょう123万円いかであること)。

【給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方】
「給与所得者の配偶者控除等申告書」の書き方について紹介をします。

【控除を受ける人の情報と区分を入力します】
最初に控除を受ける人とその区分について入力をしましょう。
平成30年から控除を受ける人の所得を詳細に記入しなければならなくなりました。
平成29年とは少し様式が変わっているので、毎年やっていて慣れている人でももう一度確認をしましょう。

まずは右上の欄に指名と住所を記入します。
その次に左下の欄、それぞれに所得の種類に応じた収入金額を記入しましょう。

【所得は7種類あります。】
所得の細かい説明や分類については給与所得者の配偶者控除等申告書の用紙の裏側にあるので、分からない場合はチェックしながら記入すると良いでしょう。

次にその横の欄に必要経費を記入します。
さらにその横に所得金額を記入しましょう。
所得とは収入金額から必要経費を引いた額です。
右の一番下の欄に所得の合計金額を記入しましょう。

そして、最後に右上の欄の「配偶者の本年中の合計所得金額の見積もり」に所得の合計金額を記入します。
そして判定の欄の該当する区分を選び、一番右の上の欄に記入をします。

【控除金額を決定します】
用紙が完成したら控除金額が決定します。
控除を受ける本人の所得の区分と配偶者の所得の区分が交差する場所が配偶者控除及び配偶者特別控除の金額となります。
これを「配偶者控除の額」もしくは「配偶者特別控除の額」の欄に記入をして完了となります。

【住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除)について】
住宅ローンを利用してマイホームを購入したり新築したりリフォームしたりすると住宅借入金等特別控除申告書いわゆる住宅ローン控除を受けることができます。
一年目は年末調整でこの手続きを行うことができないので注意してください。

一年目は確定申告にてこの手続きを行います。
しかし、一度この手続きを行えば、2年目以降は適用可能性年分の「住宅借入金等特月控除申告書」を提出し、年末調整で行うことができます。

【特定支出控除について】
自営業者やフリーランスの場合、確定申告で収入を得るためにかかるお金、つまり「経費」の計上をします。
収入に税金がかかるのではなく、収入から経費を引いた所得に税金がかかるのです。
給与所得者の場合も生命保険や扶養家族、配偶者などの控除を受けることができますが、長年「経費」についてはそれほど考慮されてきませんでした。

しかし、給与所得者であっても、仕事に係る特定の支出に関しては「経費」として年末調整で控除を受けられるようになりました。
これが特定支出控除です。

特定支出控除を受けられる条件は以下であると国税庁から定められています。

■一般の通勤者として通常認められている通勤の為の支出(通勤費)。
■転勤に伴う転居のために通常必要であると認められている支出(転居費)。
■職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)。
■職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)。
弁護士、公認会計士、税理士などの資格所得費もこれに含まれます。
■単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居住と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)。
■次に上げる支出(その髭右津の額の合計額が65万円をこえる場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払い者に証明されたもの(勤務必要経費)。

なお支出については平成25年分以降、特定支出の対象となります。

■書籍、定期観光物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)。
■制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)。
■交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払い者の得意先、仕入先そのた職務上関係のある者に対する接待費、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)。

もちろん、これらは会社から支給されていないことが前提です。
交通費や定期代などを会社から支給されている場合はこの特定支出控除を受けることはできません。
しかし、たとえば新幹線通勤など交通費補助の上限を超える程の交通費を使っての通勤や派遣社員で交通費が出ない場合は控除の対象になる可能性が高いです。
特別に制服などがなく、営業職などの人が営業のためにスーツを購入する際にも適応をされます。
また特定支出控除を受けるためには給与支払い者が証明した場合にのみ認められます。
特定支出控除が認められた年にはサラリーマンでもなんでもかんでも経費にできるとのデマも飛び回りましたが、それほど緩い制度ではありません。

年末調整がやり直しになる場合も!どうしたらいい?

せっかく年末調整をしたとしても、やり直しをしなければならない場合もあります。
年末調整の書類を提出した後に後に記述するような起こった場合はなるべく早めに勤務先に報告しましょう。

【年末調整がやり直しになるケース】
年末調整をやり直しにしなければならない主なことは以下のようなケースです。

■結婚、出産、離婚などで扶養家族の人数や構成が変わった場合。
■なんらかの理由で配偶者の収入に変更があった場合。
■年末調整後に子どもが生まれて生命保険料などを追加で支払った場合。
■所得控除に必要な書類の提出や手続きを忘れてしまった場合。

【勤務先に報告したあとは?】
年末調整のやり直しが発生した場合はなるべく早い勤務先への報告が必須です。
報告した後どうなるかは2パターンあります。

1月末までならばまだ勤務先側が税務署に従業員の年末調整の報告を行っていないので、勤務先内で処理をしてくれる可能性が高いです。
しかし、事務の人の手を煩わせてしまうので「1月末までに報告すればいい」などと思わず、やり直しの必要が発生した時点で早めに報告をしましょう。

勤務先への報告が2月以降になってしまった場合、勤務先はすでに税務署に従業員の年末調整の報告を済ましてしまっているので、勤務先内での手続きはできません。
しかし年末調整の修整ができないわけではないので安心してください。

勤務先から源泉徴収票を発行してもらい、2月中旬から3月中旬に行われる確定申告のシーズンに個人で確定申告をすれば年末調整の修整が出来ます。
確定申告は郵送でも取り扱っています。
しかし書き方が分からないなど不安がある場合は税務署に出向いて処理を行いましょう。

 

扶養家族や配偶者の年収ってどうやって証明をするの?証明をする必要はある?

年末調整をする上で扶養家族や配偶者の年収が〇円以下であることが条件の控除があります。
しかし、扶養家族や配偶者の年収が〇円以下あるいは〇円以下であることを証明する必要はあるのでしょうか?
そして証明する場合にはどうしたらいいのでしょうか?

結論から言えば、扶養者や配偶者の年収を証明する必要はありません。
勤め先によっては扶養家族や配偶者の源泉徴収票を求めてくることがありますが、年末調整をしている時期のその時の源泉徴収票はできていないので不可能です。

扶養家族や配偶者の年収は見込みを申告すれば十分です。
ただしごまかすのは厳禁です。
税務署は個人の口座を見ることができるうえ、マイナンバー制度が導入されているので、嘘の申告をしても分かってしまいます。
悪質な場合は重い追徴課税や延滞税、重加算税などを払わなければならないこともあります。

 

ところで扶養家族って誰のこと?

年末調整の際によく出てくる言葉が「扶養家族」です。
字面だけ見れば養っている家族、つまり子どもや配偶者のことのような気がしますが、税法上、明確な決まりがあります。
一緒に住んでいなくても扶養家族として控除が受けられる場合もありますし、一緒に住んでいてその人に収入が無かったとしても扶養控除の対象外である場合もあります。
扶養家族について知っておきましょう。

扶養家族は健康保険法と税法の二つのカテゴリーがあります。
扶養家族の定義は主に収入における生活面でサポートしてもらう必要のある家族のことです。
一定の条件をクリアしている扶養家族がいると、年末控除の対象となるのです。
扶養家族の定義は大きく分けると健康保険法と税法上の二つがあります。

【健康保険法の扶養家族について】
健康保険上の扶養家族の範囲は健康保険法で次の3つのうちいずれかを満たしている必要があります。

■配偶者、子、孫、弟妹、父母の直系親族。
■上記以外の3親親等内の親族(義父母・兄姉等)で同居している人。
■内縁の配偶者の父母、連れ子で同居している人(内縁の配偶者死亡後も認められ)。

上記の3つの条件のいずれかに該当し、生計を1つとしていると健康保険法上の扶養家族として認められます。
しかし、75歳以上で加入する必要がでてくる後期高齢者医療制度の被保険者となる人は扶養家族の範囲からは除外されますので、注意してください。

また厚生労働省の通達によって、扶養家族となる人は収入の限度が設けられています。
給与所得者の場合は年収130万円以上になった場合は扶養から独立をして、自分で社会保険料を支払わなければなりません。
扶養家家族の条件を満たしているのならば被保険者の扶養家族は健康保険料を払うことなく、健康保険の給付を受けられます。

しかし、気を付けたいのが40歳から64歳の扶養家族です。
40歳から64歳の扶養家族は被保険者が別途介護保険料を払わなければなりません。
さらに、収入の限度額を超える場合は国民健康保険に加入したり別途勤務先の健康保険に加入をしたりする必要があります。

扶養家族の収入把握は徹底するようにしましょう。

【税法上の扶養家族について】
税法上の扶養家族がいると所得税の面で控除を受けることができます。
税法上の扶養家族の条件は年末控除を受ける年の12月31日の時に次ぎの4つの条件全てを見たしている人になります。

■配偶者以外の親族(6親等以内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から用語を委託された老人であること。
■納税者と生計を一にしていること。
■年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与の実の場合は給与収入が103万円以下)。
■申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者ではないこと。

条件の1つ目でアレ?と思った人もいるのではと思います。
「扶養家族」で思い浮かぶのは専業主婦やパート勤務の配偶者だという人もいるかもしれません。
しかしそのような配偶者は扶養家族ではなく、配偶者控除または配偶者特別控除の対象になるので、扶養家族としては扱いません。
また6親等以内の血族及び3親等以内の姻族というのはかなり広めに設定がしてあります。

条件の2目の「納税者と生計を一としていること」というのはつまり、一緒に暮らしていなくても扶養家族となりえるのです。
たとえば単身赴任をしていたり、子どもが大学生で1人暮らしをしていてそれに仕送りをしていたり、あるいは別居している両親に仕送りをしていたりするなどの場合は扶養家族に該当します。
しかし、定期的に仕送りをしているという実績が必要なので、お金は手渡しではなく、記録が残る銀行振り込みをするようにしましょう。

また兄弟で1人の親を養っている場合、扶養家族に記載できるのは1人だけです。
申請の際には兄弟間でよく相談をするようにしましょう。

条件の3つ目はいわゆる103万円の壁です。
高校生や大学生の子どもがアルバイトをする際に気を付けなければなりません。

条件の4つ目は聞き慣れない人だと混乱しますが、多いパターンとしては自営業者が家族を従業員として雇い、給料を払っていないかというものです。

年末調整の方法は今後変わって来るかも

年末調整は紙で行う企業が大半です。
12月の風物詩となっている場合もあるでしょう。

しかし、今後は年末調整のあり方が変わって来る可能性もあります。
パソコンやスマホに必要な情報を入力するだけで年末調整を行うことができるようになるかもしれません。

事務の人が大量の書類を配ったり回収したり、書き写したり、書き方を従業員に説明したりする必要がなくなり、今よりももっと手軽に年末調整を終えるようになれるかもしれません。
保険などの控除額の計算も自動的に行ってくれるので間違いも防げます。

年末調整は難しくありません!還付をしっかり受けましょう

年末調整は面倒なイメージを持っている給与所得者も少なくないかもしれません。
しかし年末調整は決して複雑怪奇な手続きではありません。
項目をよく読み、1つずつ落ち着いて欄を埋めて行けば必ず終わります。

また年末調整は年末だけに行うものではありません。
必要に応じて年末以外の時期にも行いましょう。

また年末調整でできない手続きは確定申告で行うことができます。
給与所得者、とくに扶養家族や年収の低い配偶者がいる場合、あるいは保険にたくさん入っている場合は多額の還付を受けられる可能性が高いです。
しっかりと年末調整を行い、もらえるべき還付金を取りこぼすことなく還付を受けるようにしましょう。

また「扶養家族」は税法上と保険法では定義が若干違います。
特に税法の場合、配偶者は扶養家族ではないので注意しましょう。
「親族」の範囲はかなり広いので該当をする場合がないかを調べてみるのもおすすめです。

扶養家族の収入には上限があるので、その点も注意してください。

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