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”過労の休職”は誰にでも起こりうる!知っておくべき手続きの流れや疑問にお答えします。

公開日: 2019.10.10
最終更新日: 2020.01.29

”過労の休職”は誰にでも起こりうる!知っておくべき手続きの流れや疑問にお答えします。

はじめに

過労の休職は、今や珍しいことではないと思います。

確かに私は、過労で休職をしたことはありません。ただある朝、まるでベッドと体がくっついたような状態になって、起きることができなくなった経験は2度あります。

また、私の知人で、現在過労で休職中の者は何人も。つまり、過労の休職は、今では珍しいことではなく、むしろ誰にでも起こりうることなのです。

そしておそらく休職を考えている方の多くは、「休職をすれば、お給料はどうなるんだろう…」とか「休職をすれば、今後の査定はどうなるんだろう…」とか「休職をするよりは、退社したほうがいいのでは…」など、過労の休職に対し、大きな不安を抱えているのではないでしょうか。

また不安はもちろん、休職するまでの流れをご存じない方も多いと思います。そこで今回は、「過労」と「休職」について、幅広くご紹介します。

「過労」について

日本人の特性として一番に挙げられるのは、真面目で勤勉な国民性だと思います。それは非常に素晴らしいことであると同時に、そのために多くの人が、過労の状態になっているようです。

ご存じの方も多いと思いますが、この過労は国単位での問題になっています。厚生労働省のホームページによると、11月は「過労死等防止啓発月間」だそうで、厚生労働省は関係各省と連携を取りながら、対策に取り組んでいるとのことです。

また、同省の「平成30年版過労死等防止対策白書」の「職場におけるメンタルヘルス対策の状況」によると、「仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、平成 28(2016)年は 59.5%であり、依然として半数を超えている」とのこと。

それに対して、「メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、56.6%(平成 28 年)」となっており、「事業所の規模別にみると、50 人以上の事業所は 80%を超える割合となっている一方、10 人〜29 人の事業所は 48.3%となっている」そうです。

また、平成 27 年 12 月から施行されている、「医師、保健師等による心理的な負担の程度 を把握するための検査を集団分析して、その結果を 活用した事業場の割合は 37.1%(平成 28 年)となっている」らしいです。

その一方で、「職場のハラスメントの問題については、近年、全国の総合労働相談コーナーへの「いじめ・ 嫌がらせ」の相談件数が増加するなど、社会問題として顕在化して」おり、「 具体的には、総合労働相談コーナーにおいて、民事上の個別労働紛争に係る相談を平成 29(2017)年度中 253,005 件受け付けている」そうですが、そのうち、職場での「いじめ・嫌がらせ」 に関する相談受付件数は、72,067 件(23.6%)であり、相談内容として最多となっている」そうです。

先日も、小学校の教員による教員いじめが問題になっていましたが、この問題は実に根が深いと思います。

こうなる前に、まずは周りに相談をして、せっかくある休職制度を利用しましょう。少し離れて自分や自分を取り巻く環境を見ることは、実に大切なことです。

 

「休職」について

私が社会人として働くようになってから、随分今は休職しやすくなったように思います。私の知人も休職を利用した後、会社と相談しながら自分のペースで頑張っていますし、今後ますますこの流れは普及していくことでしょう。

では実際に、どれくらいの方が休職を利用しているのでしょうか?また休職には期限があるのでしょうか?一つひとつ見ていきたいと思います。

まず休職の利用状況からご紹介します。データとしては少し古くなりますが、平成25年の6月に発表された独立行政法人の「労働政策研究・研修機構」のデータによると、「慣行を含めると9割の企業に病・休職制度」があり、「そのうち8割弱が就業規則等に規定」しているそうです。

しかし、「病気休職制度の非正社員への適用状況」は、「非正社員には適用されない」が48.5%ともっとも高く、「すべての非正社員に適用される」が31.1%、「一部に適用されている者がいる」とする企業での適用基準は、「就業形態」が59.9%ともっとも多いそうです。

今回こちらの記事の依頼を受けて休職について調べましたが、雇用形態により休職制度が利用できたり、できなかったりするという事実に非常に驚きました。ママワークスコラムをご覧の皆さまで、お勤め中の方はぜひ勤務先の就業規則を調べてみてくださいね。

さらに驚きのデータ結果が続くのですが、「過去3年間の病気休職制度の休職者人数(新規利用人数)の平均値は2.88人」で、「休職者1人以上の割合(すなわち求職者がいる企業割合)は52.0%となっている」そうです。

ところが、「非正社員の休職者人数の平均値は0.38人で、休職者1人以上の割合(非正社員の休職者がいる企業割合)は10.8%となっている」とのことです。つまり、休職制度は日本の企業の半数で利用されているけれども、その中で非正社員が休職を利用しているのは1人以下の割合であるということになります。

つまり、非正規労働者の勤務先の半数近くは、休職制度がなく、例え休職制度があったとしても、ほとんどの方は休職制度を利用することなく退社しているということに。

ここでも企業の非正規雇用と正規雇用の待遇格差が浮き彫りになったと言ってもいいのではないでしょうか。

話を元に戻しますが、次に休職制度の期間について調べてみると、「通常の年次有給休暇以外で、連続して1カ月以上、従業員が傷病時に利用できる休暇・休職・休業する制度」があるのは、「91.9%」だそうです。

以上より、たいていの企業では、1か月以上休職制度を利用できることになります。そうなってくると、次に気になることは、「休職中の給料」「休職中の●●」「休職中の今後の処遇」でしょう。

でもその前段階として、「休職に至るまでの流れ」についてお伝えします。

 

「休職」に至るまでの流れについて

ここまでで、過労や休職に関する事実をお分かりいただけたと思います。ただ、いざ休職したいと思っても、何をどうすればいいのか分からない…という方は多いのではないでしょうか?

そこでこちらでは休職するまでの流れをご紹介していきます。まずは、勤務先の就業規則に休職に関する規定があるかどうかを調べましょう。

さきほども指摘しましたが、休職に関して「8割弱」の企業が「就業規則等に規定」しているそうです。逆に言えば、2割強の企業は、就業規則に休職に関する規定がないことになります。

万が一、勤務先の就業規則に休職に関する規定がなければ、退職をしなければなりません。ですから、まずは勤務先の就業規則を調べてください。

また余談にはなりますが、就業規則で休職について調べる際、一緒に「添付書類がいるかどうか」を調べておいたほうがいいでしょう。

会社によっては、医師の診断書があれば休職できるところもありますが、それ以外に例えば「その会社独自の医師の意見書」の提出も併せて必要なところがあります。

ですから、休職があるかどうかを調べるついでに、休職に必要な書類を調べることをおすすめします。

勤務先の就業規則に休職の規定があることを確認したら、次は、医師の診断書を持って上司に休職したい旨を申し出ましょう。

ただ上司に、いきなり診断書を持って、休職したいことを伝えるのは、正直おすすめできません。もし今の部署に復職したいと思っているならば、なおさらそうです。

まずは、診断書を持って休職の申し出をするまでに、上司に相談をすることをおすすめします。この事前に、意思表示を何度か示しているかいないかによって、上司の態度や対応も変わってくるのではないでしょうか。

もし、どうしても上司ではらちが明かないようでしたら、復職後の居心地の悪さも覚悟のうえで、人事に医師の診断書を持って休職の申し出をすることをおすすめします。

会社の就業規則に休職について記載されていて、医師の診断書がある以上、会社サイドとしては受け取らざるを得ません。また、人事からあなたの上司にあなたの休職の申し出を話してくれるので、休職の流れとしては順調に進むことでしょう。

ここまで休職の話が進めば、休職の手続きへと進みます。おそらくこのとき、「休職願」を記入し、人事総務に提出して休職となります。

これで休職となりますが、おそらく多くの方の不安としてはまず、「休職している間は、お給料はどうなるんだろう…」ということでしょう。

そこで次に休職に際し、多くの方が不安に感じていることを一つずつ紹介していきたいと思います。

過労で休職の心配1.お給料について

やはり生きていくために必ず必要になるのは、お金でしょう。お金がなければ、何もできません。

ところで、休職中、お給料が貰えるのかどうかについてですが、結論から申し上げますと、休職中は、ほとんどの会社ではお給料は出ません。

あくまでもお給料は働いたことに対する対価として支払われるものですから、働いていない以上は、お給料はいただけません。ただ、先ほど「ほとんどの会社では」と記載した通り、たまに「休職手当」が支給される会社もあるようなので、事前に調べることをおすすめします。

話を元に戻しましょう。「じゃあ休職期間中は、貯金を切り崩して生活をしなければならないの!?」となってしまいそうですが、そんなことはありませんのでご安心ください。

ここで登場するのが、毎月お給料から天引きされている「健康保険」になります。ここからは、もっとも利用者が多いであろう全国健康保険協会の公式ホームページから説明を進めたいと思います。

この休職中のお給料を補てんしてくれるのは、健康保険の「傷病手当金」です。傷病手当金は、「業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます」。

確かに月給全額ではありませんが、月給のおよそ3分の2の金額が支給されるそうです。この額は大きいですよね!おそらくこれでお給料への不安は払しょくできたのではないでしょうか。

しかし次に不安なこととして出てくると思われるのが、「じゃあ傷病手当金は、いつまで支給されるの?」ということでしょう。

こちらに関しても、全国保険協会の公式ホームページによると、「傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6カ月」とあります。ただ1点、ここで気を付けるべきことが。

それに関して、私の知人のパターンで説明すると、その者はいったん休職して現場復帰したものの、数カ月後再度、休職しました。この場合、考え方の一つとして、その復帰した期間は、休職中としてカウントされないような気がしませんか?

しかし実際は、復帰して働いていた期間も復職中としてカウントされます。つまり支給開始からたとえ途中で復職するしないに関わらず、傷病手当金支給の期間となるわけです。

ただその一方で、もし開始日から1年6カ月を超えた時点で、再度休職したとしても、傷病手当金は支給されないことになるので、ご注意ください。

過労で休職の心配2.休職可能な期限と今後について

これも上記の通りですが、休職が就業規則に書かれている会社と書かれていない会社があるように「連続して1カ月以上、従業員が傷病時に利用できる休暇・休職・休業する制度」があるのは、「91.9%」だそうです。

しかし、残りの10%以下の企業では、1カ月以上休職することができないことになります。つまり、休職の期間は、それぞれの勤務先により異なるわけです。

ですから、一番のおすすめとしては、休職願を人事総務に提出するときに、必ず話し合いの場を持つわけですから、そこで勤務先の休職期間を確認したほうがいいでしょう。

例えば退社日を12月31日希望にしても、有給を使えばその退社の希望日よりズレることはよくあることです。そもそも有休を消化して退職できるかどうかも、勤務先によります。

いずれにせよ、本当にこの辺りの細かなことは、勤務先に確認をするのが一番です。あとその際、給与の支払いがいつからストップするのかも確認しておいたほうがいいでしょう。

また意外と忘れがちなのが、毎月のお給料から天引きされている厚生年金に代表される社会保険料と住民税の支払い方法の確認ではないでしょうか。

会社勤めの場合、普段その辺りのことを意識することがないので、ついうっかり忘れてしまいがちなことでしょう。しかし、長い人生においては非常に大切なことですので、こちらも併せて人事に確認が必要です。

ところで、「過労で休職」といえば後ろ向きなイメージのほうが大きいかもしれません。確かに過労で休職することにはデメリットはあると思います。その一方で、過労で休職することのメリットも確かにあるのです。

そこで次に、過労で休職するメリットとデメリットをお伝えします。

「過労で休職」のメリットとは?

「過労で休職するメリットなんて、本当にあるの?」と指摘を受けそうですが、私はメリットはあると思います。

例えば、勤務先で休職ができるということは、休職している間は誰が何と言っても、「勤務先の社員」にほかなりません。つまり、「会社員としての身分が保障されている」わけです。

人間は、安定した生活があってはじめて、正しい思考判断ができます。私はいわゆる超氷河期世代の者であり、妊娠後いったん退職し、子どもが1歳の時に改めて就職活動をしました。

今とは時代が異なるかもしれませんが、就職活動の辛さは骨身にこたえています。たとえ心身健全であっても、面接のたびに断られ、いやその前に書類選考の段階で落とされるあの辛さは、「自分は世間から必要とされていない人間なのではないか」というところまで考えてしまいます。

そんな経験があるからこそ、休職制度があるならば、メリットと捉えて「会社組織に所属できること」を利用して貰いたいと思うのです。

もちろん他にも過労で休職するメリットはあります。それは、いったん会社から離れることで、「心身ともに調子を整えられる」ことです。これも非常に大きいと思います。

私の知人で休職を経験した者の話によると、その人の場合、職場では女性が一人なうえに、彼女の勤め先は、離席する際、必ず上司や同僚に離席の理由を伝えなければならないという決まりがあったそうです。

彼女は若いため、「トイレに行きます」のひと言が言えず、トイレを我慢するようになり、その結果、膀胱系の病気を発症し、休職するに至ったそうです。

休職後はもちろん気兼ねなくトイレに行けるようになり、膀胱系の病気ももちろん良くなったとのことでした。一方、彼女の職場でも同様に、今までの慣習を見直す機会を持つに至り、離席の際、その理由を言わなくてもいいようになったそうです。

今では彼女はすっかり元気になり、元の部署で頑張って働いています。以上より、過労で休職することは、決して悪いことではないと私は思うのです。

「過労で休職」のデメリットとは?

もちろん過労で休職することにデメリットがないわけではありません。やはり一番のデメリットは、「お給料がもらえない」ことでしょう。

既述の通り、たまに休職給を支給してくれる会社があるそうですが、大抵の企業の場合、上記でご紹介した健康保険の傷病手当金での対応になるようです。

この制度は非常にありがたい制度ですが、ただ、通常の月給を満額いただけるわけではありません。また、ボーナスは計算に入っていませんので、確実にいただけるお金は減ります。

しかも、上記の通り、社会保険などの諸々のお金も会社に属している以上は、当然のことながら支払わなければなりません。そう考えると、貯金を切り崩すまでの必要はないものの、余裕があるわけではないことは確実です。

次に、過労で休職のデメリットとして挙げられるのは、「昇進やキャリアに響く」ことでしょう。

こちらも各々の会社の考え方なので何とも言えませんが、おそらく休職をしたからと言って、昇進できない会社はないと思います。なぜならば、休職は誰にでも起こりうる可能性があるものですから。

ただ、あなたが休職している間に、同期や後輩など周りの人たちは、当然のことながら働いています。常識的に考えて、周りが頑張っているのに、休職しているあなたのほうが昇進することは、考えにくいことです。

また、休職している間は、いったん仕事から離れているので、その後のキャリア形成にも響いてくることでしょう。

おそらく復職後、「私は私のペースで進んでいこう」と心に決めても、周囲との差を実感してしまうことはきっとあると思います。そうなったときに、心の平静をどのように保つのかも、意識はしておいたほうがいいかもしれませんね。

「過労で休職」は誰にでも起こりうること

先ほども指摘しましたが、過労で休職は他人ごとではありません。例えば今は、人手不足ながらも、社内の労働者を増やさない傾向にある企業が多いようです。

また、よくニュースや新聞などで報道されているように、特に飲食やコンビニ系の業界などでは、深刻な人手不足のため、時給を上げて募集をかけても、応募者が思いのほか少ないようです。

そうなってくると、今いるメンバーで会社の業務を対応しなければなりません。しかしそれにも限界はあります。どんなに頑張っても仕事が減らないとなると、まず体調が悪くなるでしょう。

また日本人は基本真面目ですから、次の日に片づけなければならない仕事のことを前日に考えると、気分が落ち込んできて、最悪の場合、鬱状態になってしまうかもしれません。

以上より、過労で休職する事態は誰にでも起こりうることで、決して他人事ではない、ということを心の片隅に思っておいたほうがいいかもしれない、と言えるのではないでしょうか。

おわりに

いかがでしょうか?「過労」も「休職」も普段口に出すこと自体あまりない内容なので、話題なることが少ないかもしれません。

しかし「過労で休職」は、決して他人事ではないことは、今回のコラムでご理解いただけたことだと思います。

ですから、ママワークスコラムをご覧の皆さまなら、「備えあれば患いなし」ということで、例えば、就業証明書を発行してもらうついでに、勤務先の就業規則を読むなどして、休職に対して備えておいてもいいかもしれませんね。

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