イベント参加費の仕訳で使える勘定科目とは?
そもそも勘定科目ってなに?
企業で経理に携わっている方ならご存知かと思いますが、企業の損益計算書や貸借対照表を作成するときに「勘定科目」というものが使われます。勘定項目とは資産や負債、収益などを分類別に記録するもので、以下の5つに分類されます。
①資産
現金も含めた会社が所有の物的資産です。現金以外に「土地」、「建物」、「手形」、「商品」、「立替金」なども含まれます。
②負債
ストレートに言うと借金ですが、未払金や預かり金など将来的に会社が支払わなければならないものです。
③純資産
一般的には自己資本と呼ばれていますが、資産から負債を差し引いたものであり、企業の経営体力の指数として見られます。主に「資本金」や「事業主貸」、「元入金」などが勘定科目です。
④収益
会社の運営によって得られたお金のことを指します。本業以外の「売上」の他に、「有価証券評価益」や「受取利息」、「雑収入」なども勘定科目として扱われます。
⑤費用
会社を運営し利益を上げるために必要だったお金のことで、会社から出ていく様々なお金のことです。今回はイベント参加費がどの勘定科目に入るのかというコラムですので、こちらの「費用」の分類を詳しく見ていきたいと思います。
損益計算書に重要になってくる費用の勘定科目について
企業活動に必要なお金として計上される費用ですが、その勘定科目はどうなっているのでしょうか。費用の仕分けとしては収益の逆になります。費用はさらに以下の4つに分かれることになります。
①売上原価
原材料や部品などを購入する際に発生する仕入科目。
②特別損失
あってはならないことですが会社の運営活動以外で突発的に起こってしまった費用で有価証券の損失や商品の自主回収やリコールなどが当てはまりこれが発生してしまったら企業のイメージダウンにつながるでしょう。
③販売費・一般管理費
商品を販売させるために必要な費用の事で主に配送料、広告費用などに当てはまります。
④営業外費用
会社の運営活動以外で日常的に発生する費用の事を指します。
イベント参加費はどの勘定項目になるのか
さて今回のイベント参加費ですが、どのような目的のイベント参加で勘定科目が変わってきます。もし自社商品をPRするイベント参加なら「販売費・一般管理費」に当てはまりますが、社員が「自己啓発」や「取引先との飲み会」などのイベントに参加した場合は、仕訳が難しいところです。
結論から言いますと、「営業外費用」に当てはまりその中で「諸会費」と「交際費」の2つになるでしょう。もちろんケースバイケースですが、条件を満たさなければ最悪の場合自費になる事もあるので注意しましょう。
①交際費のルール
交際費とは、その会社で業務上付き合いのある会社や取引先との関係に贈り物をしたり、接待をしたり、相手先のゴルフコンペなどで発生した飲食代や交通費などが挙げられます。
しかし交際費は、税法上扱いが特例で、原則として経費としては認められていません。しかし、平成25年の4月にこれらのルールが大幅に緩和され「資本金1億円以下の事業所は年に800万円、接待飲食費の50パーセント以下」「資本金1億超の事業所は接待飲食費の50パーセント以下」「個人事業主はすべて該当」の3つの条件なら損金に計上できるものとされました。
これらの交際費においては、必ず「金額」「店名」「該当者の人数と会社名」「日付」「飲食代であることがわかる明記」などを領収書などの記録が必要なので注意しましょう。
実は、これらが会議費にあたる場合もあります。それは1人あたりの費用が5000円を超えるか超えないかで決まります。5000円を超えるのであれば接待交際費ですが、5000円以下であれば会議費として計上することができます。
また、会議費は社内外の会議や打ち合わせでも5000円の基準はありませんが、ポイントとしては「必要な会議で必要な人と議論をしているか」が求められます。金額の基準はないと言われていますが一般的には2000~4000円程度だと言われています。
②諸会費のルール
企業は所属団体や契約しているサービスなど、何らかの入会金や年会費を支払っているのがほとんどであります。諸会費はそういった会費の支払いに計上します。原則、諸会費の消費税は対象外ですがクレジットカードの年会費、会社の福利厚生施設の会費、所属団体のセミナーやイベンンなどの参加費や懇親会費などが課税対象となります。
この諸会費は交際費と間際らしいところがありますが、そのイベントを企画した会社に会費を払っているか払っていないかで諸会費か交際費かで分かれます。もしかしたら今まで交際費として計上していたものの中にも、諸会費として認められるケースもありますので、今一度過去の損益計算書を見直してみてはいかがでしょうか。
さいごに…
勘定科目はたくさんの種類があり覚えるのは大変かもしれませんが、頻繁に利用する科目はある程度限られてきますので全て理解する必要はありません。また勘定科目を判断するルールはこれと言ってないため、悩むこともあると思います。
同じような事案であってもニュアンスや状況が変わってくると勘定科目が変わる可能性もあります。いざという時は税務署や会計士などの見解を聞いて、確実に仕訳作業を進めていきましょう。