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雑所得とは?税率、控除や計算方法・確定申告について解説!

雑所得とは

所得は、その内容に応じて全部で10種類に分けられています。

代表的なものには、サラリーマンが得ている給与所得やお店を経営している人などが得ている事業所得、マンションなどの不動産を貸している方の不動産所得があります。

ほかにも、下記の表のとおり、利子所得、配当所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得など細かく分類されていますが、どれにも当てはまらないものは「雑所得」に分類されているのです。

 

雑所得とは

そう聞くと、雑所得はそれほど一般的ではないと誤解されがちですが、実は、冒頭で紹介した給与所得、事業所得、不動産所得に次いで多くの人が申告しているのです。

 

雑所得とは

 

※国税庁「申告所得税標本調査結果 令和元年調査分」より作成

 

上の図を見るとお分かりいただけるように、4番目に申告数が多いのが雑所得なのです。

理由は、雑所得には公共年金が入っているほか、最近増えている副業による所得が含まれているためです。

 

雑所得の種類は大きく分けて2種類

雑所得について、その種類や税率はおおまかにお分かりいただけたと思います。

ただ、雑所得は9分類のどの所得にも当てはまらない所得ということですから、さまざまな所得がこの雑所得に分類されており、分かりづらいと思う方もいるでしょう。

そこで、雑所得をおおまかに2種類に分けてさらに解説していきます。

 

≪公的年金等≫

 

一つ目の種類は公的年金等の雑所得です。

具体的には以下のようなものが含まれます。

 

・国民年金

・厚生年金

・確定給付企業年金

・確定拠出企業年金

・恩給

・一定の外国年金などの所得

 

【国民年金・厚生年金について】

 

厚生年金や国民年金という言葉は、皆さんも馴染みがあるでしょう。

サラリーマンでも自営業でも基本的には皆一同に加入し、ある一定の年齢になったら老後の生活資金としてお金がもらえる制度です。

雑所得の中でも代表的なものと言えます。

 

 

【共済金(小規模企業共済等)について】

 

共済金(小規模企業共済等)とは、個人事業主や中小企業の経営者や役員などのための、積み立てによる退職金制度のことです。

掛け金は所得控除扱いとなるので、節税対策として利用している方も多いです。

この共済金は受け取り方によって税法上の扱いが変わってくるのですが、分割で受け取る場合は雑所得扱いとなります。

 

【企業年金・確定拠出年金・確定給付企業年金について】

 

企業年金は耳にしたことがあっても、確定拠出年金や確定給付企業年金という名前は知らないという方もいるでしょう。

確定拠出年金とは、退職金制度と同様老後の生活保障のために役立てる制度ですが、最近、退職金制度の代わりに、この確定拠出年金制度を取り入れる企業が増えつつあります。退職金の場合は、所得のなかでも上述の6の退職所得にあたりますが、確定拠出企業年金や確定給付企業年金の場合は雑所得に属すのです。

 

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≪公的年金以外≫

 

公的年金以外の雑所得にもいろいろあります。

最近はサラリーマンやパート、専業主婦の方が副業を行うケースが増えているので、それに係る雑所得が増えていると言えます。

どのようなものがあるのか、代表的なものを挙げていきます。

 

【ネットオークションやフリマアプリによる所得】

 

サラリーマンや専業主婦の方が副業として、ネットオークションやフリマアプリを通じ仕入れたものの販売や、ハンドメイド作品の販売を行った場合、その売上げから経費を除いた金額が所得となります。

この場合の所得は、雑所得に当てはまります。

ただしここで気をつけたいのは、その方の立場によって確定申告の必要有無が変わるということです。

 

・専業主婦など、ほかに収入がない方の場合:

48万円を超えなければ確定申告の必要はない

※2019年までは38万円

・自営業やフリーランスなどほかに所得がある場合:

年間の合計所得が48万円を超えなければ確定申告の必要はない

※2019年までは38万円

・サラリーマンやパート従業員などの給与所得者

 20万円を超えなければ確定申告の必要はない。

 

なお、これらの販売を事業として行っているのであれば事業所得という判断になる場合もあります。ただし、現在、事業所得と雑所得の違いについては明確な決まりがなく、一概にどちらかといった判断材料がない状況です。

 

【太陽光発電の売電所得】

 

最近増えている太陽光発電による収入も雑所得に分類されます。

ただし、自宅の家の屋根ではなく、用地を購入し太陽光発電を設置するなど事業として行っている場合は事業所得となります。

なお、確定申告についてはサラリーマン、自営業などの立場で条件が異なります。

自営業の場合は確定申告を行っていると思いますので、その際に一緒に確定申告を行います。

その際、発電量が10KW以上のものを利用しているのであれば産業用発電と見なされます。

いっぽうでサラリーマンなどの給与所得者の場合は、売電収入から経費を引いた所得が20万円を超えなければ確定申告の必要はありません。

 

参考:国税庁「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入

 

【外貨預金の為替差益】

 

外貨での利率の高さに着目し、外貨預金を行っている人も多いと思います。

その際に出る利息は源泉分離課税となっているので、確定申告は必要ありません。

しかし、外貨から円に戻す際に、レートによっては為替差益が出ます。

この差益に関しては総合課税となるため、確定申告が必要となる場合があります。

しかし、確定申告についてはサラリーマン、自営業などの立場で条件が異なります。

 

・専業主婦など、ほかに収入がない方の場合:

48万円を超えなければ確定申告の必要はない

※2019年までは38万円

・自営業やフリーランスなどほかに所得がある場合:

年間の合計所得が48万円を超えなければ確定申告の必要はない

※2019年までは38万円

・サラリーマンやパート従業員などの給与所得者

 20万円を超えなければ確定申告の必要はない。

 

【仮想通貨の利益】

 

ビットコインを代表とする仮想通貨で利益を得た場合は、雑所得扱いとなります。

令和3年6月30日付けで、計算方法をはじめとする取り扱いについてのFAQが発表されています。

 

参照:国税庁「No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係

  国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)

 
【そのほかの所得】

 

最近では、専業主婦が節約料理を動画サイトで流して広告料を得たり、自分の得意なことを教えるなどサービスでお小遣いを稼いでいる方が増えています。

また、ブログを開設し企業からアフィリエイトを得ている方もいるでしょう。

これらによる所得が、年間48万円を超えた場合は、専業主婦でも雑所得として確定申告が必要となります。

ちなみに年間所得が48万円を超えていなくても、源泉徴収されているのであれば、その税金が戻ってくるので確定申告をしたほうが得になります。

雑所得ってそもそもどんな所得のこと?

雑所得は9種類の所得に当てはまらないものをひとくくりにしたものであることはお分かりいただけたと思います。

また、副業による所得もこの雑所得に入ると説明をしました。

副業といっても、本業の他にアルバイトをして給与をもらった場合は給与所得となるので、雑所得には当てはまりません。

また、マンションを購入し人に貸して収入を得ているという方は不動産所得になるので、それも雑所得には当てはまらないことになります。

いっぽうでハンドメイド作品を販売したり、ブログのアフィリエイトで収入を得ている場合には、雑所得と言えるでしょう。ライティングなどによる原稿料も同様です。

しかし、「継続して収入を得られる」「かなりの時間を割いている」「儲けが大きい」などといった場合は、税務署に事業所得と判断される可能性もあります。

国税庁が発表した雑所得の税率表(令和4年版)はこちら!

雑所得にはどのような税金がかかるのでしょうか。

答えは、給与所得と同様、所得税です。

そのため、サラリーマンの方で副業をしている場合は、給与所得に雑所得に加えた総所得に、所得税の税率をかけることになります。

 

税率は、所得金額によって変わります。

日本では所得が多ければ多いほど税率が高くなる「累進課税」という仕組をとっており、もっとも低い方で5%、高い方で45%という数字となっています。

最新の税率表(速算表)はこちらです。

 

所得税の税率

※国税庁「No.2260 所得税の税率[令和3年9月1日現在法令等]」の表を元に作成

 

 

ちなみに、それぞれの所得金額に応じた控除額が設定されていることも特徴です。

たとえば、給与所得と副業による雑所得を合算、控除を引いた、課税所得が300万円となる方は、基本的に以下のような計算になります。

 

課税対象300万円✕0.5%-97,500円=52,500円

 

ちなみに、平成19年から平成26年までの分については以下の税率となります。

 

所得税の税率

※国税庁「No.2260 所得税の税率[令和3年9月1日現在法令等]」の表を元に作成

 

 

ただし、所得税以外にも、令和19年までは「復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1パーセント)」がかかります。

 

また、雑所得の所得税を計算する前に引くべきものを引くようにしましょう。

それは以下のとおりです。

 

≪公的年金の場合≫

 

公的年金の場合、公的年金等の控除額を差し引くことができます。

公的年金というのは、国民年金や厚生年金、公務員等の共済などです。

ただし、控除額は、65歳未満か、65歳以上かによって変わってくるうえ、公的年金以外の合計所得の金額によっても変わってきます。

詳しく知りたい方は国税庁の「No.1600 公的年金等の課税関係」でご確認ください。

 

≪公的年金以外≫

 

公的年金以外(副業などによる収入など)については、給与所得などと合算する前に、必要経費を引くことができます。

所得とは収入から経費を引いた金額だからです。

たとえば、Webデザインの副業をしている場合、インターネット接続料金やWebデザインの仕事用に購入したパソコン代(ただし10万円以下)などを経費とすることができます。

 

総収入金額必要経費 = 所得金額

 

経費について後の項でも詳しく説明します。

 

参照元:国税庁「No.1500 雑所得」

雑所得を得たら確定申告が必要

雑所得がある場合は、確定申告が必要です。

以下のケース、いずれも基本的に対象となります。

 

・フリーランスや個人事業主として在宅ワークをしている

・専業主婦がアクセサリーなどのハンドメイドを販売している

・サラリーマンが会社の給料以外で収入を得るような副業をしている

 

ただし、一部例外もありますので、詳しくは次項以降で説明をしていきます。

 

▶確定申告とは

 

確定申告とは、一年間で得た収入や支出などから税額を計算、確定し、税務署に報告を行うことです。税金が発生する場合は、当然何らかの形で納税の必要がありますし、逆に還付を受けることもあります。

居住地を管轄する税務署に申告を行いますが、訪問による書類提出のほか、郵送、e-TAXを利用したオンライン申請があります。

申告期間は例年、2月16日から3月15日と決められています。土日祝日にあたった場合は前後しますが、おおむね1ヶ月程度の間に申告をしなければならないということで、毎年、会場が混雑することが問題視されています。

2時間待ちなどというケースもあるので、eTAXの利用がおすすめです。

なお、税額の計算については、課税所得ごとの税率一覧を後ほどご紹介しますので、そちらをご参照ください。

 

▶確定申告をすると副業がばれる?

 

ちなみに、サラリーマンの方のなかには、「え、確定申告をしたら会社に副業がバレないの?」と思う方もいるでしょう。

結論は、確定申告することで必ずばれるということには繋がりません。

ただし、住民税額の関係で、人事や経理などで気が付かれる可能性というのは、ゼロではありません。

 

そもそも、副業は原則法律で禁止されているわけではありませんが、就業規則などでルールが記載されていることが多いです。

とはいえ、基本的には申請や断り書きをするといったものがほとんどですし、だまって始めてしまったことにより逆に問題になることもあるので、まずは就業規則の確認や上司への個別相談をすることをおすすめします。

 

▶年末調整ではだめなのか

 

サラリーマンの場合、年末調整を行うことが一般的です。

そのため、「年末調整で確定申告もできないの?」と考える方がいるようですが、それはできません。その理由は、年末調整というものがどういうものか分かると、すっきりとご理解いただけると思います。

 

給与明細を見ると、さまざまな項目がありますが、源泉徴収額と書かれている箇所があると思います。

それは、給与を支払っている会社がその人の税金を代わりに納めていることを意味していますが、実は、年間所得の予想を元に毎月納めているのです。なぜなら、本来所得税は、年間所得により計算されるためです。

しかし、年末になると、その人年間所得が確定できるため、最終的な税額を計算することができることになります。そこで企業は、正確な年間所得から、本当に納めるべきであった税額を計算することとなります。

そこでポイントとなるのは、生命保険や住宅ローンなどの支払いにより所得控除が受けられるという点です。皆さんは年末に生命保険控除のハガキ等を提出したことはありませんか?

その資料に基づき、年間所得から控除額を差し引いた課税金額を計算し申告するのが年末調整であり、企業の役割となっているのです。

そもそも少し多めに源泉徴収されていること、さらに控除もあることから、後日還付されることがほとんどです。

ただし、企業からの給与以外で得た所得については、企業側で申告する義務がないので、ご自身で確定申告を行う必要があるのです。

 

なお、どのような所得を申告しなければならないかについては、前項をご参照下さい。

雑所得を得た場合、確定申告以外に必要なこととは?

確定申告は税務署に提出するものですが、給与明細を普段からよく見る方、税金に少し詳しい方なら、「自治体への連絡は不要なのか?」ということも疑問に持つのではないでしょうか。

これまで説明したのは、あくまでも所得税に関することです。

しかし、雑所得を得た場合、実際には住民税の支払いも必要となるのです。

 

▶住民税とは

 

所得税は国に納める税金であり、住民税は、市区町村、都道府県などに納める税金になります。

それぞれ納める先は違いますし、使い道も異なります。

住民税は2つの税率が設定されています。

 

まずは均等割といって、課税対象者であれば所得額に関係なく一律でかかるお金です。

基本的には5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)と定められています。

ただし、東日本大震災を原因とした防災費用確保のためであり、2024年度以降は4,000円に戻ることとなっています。

 

もうひとつは、所得割です。こちらは課税所得に対し10%となっています。

つまり、課税所得が100万円なら所得割額は10万円ということになります。

この所得割によって出した金額から各種控除額をひいたものと、均等割でだした金額から各種控除額をひいたもの合計が、その人の住民税となるわけですが、実は、確定申告をすることで、税務署から自治体に通達がいくようになっているのです。

つまり、確定申告を行えば、自治体への申告は不要ということになります。

 

参考:総務省「個人住民税

雑所得の税額の計算方法とは?

雑所得には、その種類に応じて3つの計算方法があります。

 

▷公的年金等

 

公的年金等の雑所得 = 収入金額 ― 公的年金等控除額

 

▷業務(副業含む)などによる収入等

 

業務などによる雑所得 = 総収入金額 ― 必要経費

 

▷その他

 

その他の雑所得 = 総収入金額 ― 必要経費

 

なお、実際の税額は下記の税率表を参照して計算します。

 

所得税税率

引用元:国税庁「No.2260 所得税の税率

雑所得の「必要経費」にはどんなものを計上できる?

これまで説明してきた所得というのは、収入から必要経費を引いた金額のことを指しています。

仕入れたものを店舗で販売している場合は、売上げから賃料などを引いた金額が所得になり、その金額で確定申告の有無を判断することになるのです。

賃料のほかにも必要経費と言われるものはたくさんあります。

確定申告の必要性や納める税額を左右するので、雑所得で計上できる必要経費について知っておくことが重要です。

どのようなものがあるのか、帳簿に記載する勘定科目で列挙していきます。

 

・地代家賃:借りている建物や駐車場などの土地の賃料のこと。個人事業主、フリーランスの方が自宅を事務所や作業場としている場合に賃料の一部を計上できます。

・租税公課:国や地方に納める税金「租税」や国や公共団体などへの会費や公課のこと

・荷造運賃:販売した商品の梱包材料費や運賃のこと

・水道光熱費:事業所で使った水道代や電気代のこと

・旅費交通費:移動や出張にかかった電車、バスなどの交通費、ホテルの宿泊代など

・通信費:電話代、インターネット代、切手代など

・広告宣伝費:インターネット広告や折り込みチラシなど、宣伝にかかった費用

・接待交際費:取引企業に行った接待費用や送った贈答品の費用など

・損害保険料:事業のために支払った損害保険料

・修繕費:事業で使用している機械の修理費など

・消耗品費:ボールペンやコピー用紙など、使うと短期間でなくなるものに対する費用

・外注工賃:事業のための必要な作業を外注した場合の費用

      (例)ホームページ作成費など

      ※税理士や社労士、弁護士などへの報酬は「支払手数料」を選びます。

・雑費:上記に当てはまらないもの、ごく少額のものなど

 

さまざまな経費があることがお分かりいただけたと思います。

なかには、聞き慣れないものもあったのではないでしょうか。

上手に活用すれば確定申告が不要になるケースがあるかもしれません。

しかし、専業主婦やサラリーマンが雑所得を申告する場合あくまでも副業による雑所得といった位置づけなので、事業所得とは異なり、地代家賃などは認められにくい可能性が高いです。

心配であれば所轄の税務署に相談に訪れると良いでしょう。

なお、雑所得にかかる税金は所得税と住民税の2種類があります。

 

参照:国税庁|No.2210 やさしい必要経費の知識

雑所得の税金を納付しなくても良い場合

雑所得の税金を納付しなくても良いケースを改めて説明していきます。

自分はどうなのかなと思ったときの参考にしてください。

 

【サラリーマンで雑所得が20万円以下】

 

給与所得者であるサラリーマンの場合、給与所得については勤務している企業が手続きを行っています。雑所得がある場合は、年末調整にて雑所得を報告する必要がありますが、その所得が20万円以下であればその雑所得分は非課税(税金を納付しなくても良い)となります。

 

【定期預金や外貨預金などで得た利息】

 

定期預金や外貨預金で得た利息は分離課税なので源泉徴収がなされています。

結果、確定申告で確定申告、および納税は必要ありません。

なお、為替差益による雑所得は原則納税の必要がありますが、サラリーマンで年間20万円以下、専業主婦で48万円以下であれば納税の必要はありません。

 

【公的年金】

 

公的年金は源泉徴収されているケースがほとんどです。

確定申告の必要有無は、源泉徴収票にて確認することが可能です。

 

【源泉徴収で業務委託を受けている場合】

 

企業から業務委託を受けている場合、すでに源泉徴収がなされているケースが多いです。

その際はあらためて納税する必要はありません。

逆に源泉徴収がなされているケースで、ほかに収入のない専業主婦の場合その雑所得が48万円以下だった場合、非課税扱いとなるため源泉徴収された金額が戻ってきます。忘れずに確定申告を行うようにしましょう。

雑所得の控除はどのように計算するのか?

雑所得の控除はどのように計算すればいいのか、具体例をあげながら、確認してみましょう。

仮に、インターネットオークションで300万円の利益、仮想通貨で220万円の利益を挙げた人のケースを例に計算しみます。

必要経費は20万円と想定します。

300万円+220万円ー20万円=500万円(雑所得)

所得控除が100万円だった場合

500万円ー100万円=400万円

国税庁の雑所得にかかる税率表を確認すると、年間所得695万円以下のカテゴリーに入りますので、税率は20%。

つまり

400万円x20%ー控除額427,500円=372,500円(所得税)

520万円ー372,500円=4,827,500円(手取り収入)

必要経費が多かったり、所得控除の額の大小によって手取り金額は異なります。経費が大きければ大きいほど、所得は小さくなりますので、節税効果が高くなります。

雑所得は内容ごとに税率表をよく見て計算しよう!

雑所得にはどんなものが含まれるのか?また、雑所得にかかる税金はどのように計算するのかを詳しく解説しました。

雑所得の税金額は、国税庁が定めた税率表から該当する所得区分にしたがって税率を確認して計算する必要があります。

また、サラリーマンか自営業者か、あるいは扶養されている主婦なのかによっても、控除や申告しなくて良い条件が異なります。

そもそも自分の収入を雑所得として申告するのか?場合によっては、事業所得として申告する方が良いのか?といった判断も必要となっています。

自分がどのケースに当てはまるのか分からない場合は、管轄の税務署で確認してみると良いでしょう。

雑所得はお得か?雑所得が増えた場合について

雑所得についての定義や税率、必要な手続きについてはお分かりいただけたと思います。

しかし、雑所得が増えていくに従い税金も増えていくのが悩みの種と思う方もいるでしょう。

実際に、副業として始めた仕事が成功し所得が増えたら、それだけ税金も増額していきます。

節税したいと考えるのが当然と言えるでしょう。

そこで2つのアイデアをご紹介します。

 

▶まずは経費をしっかりと計算する

 

もっとも最初に手をつけてほしいところは、経費の計上です。

繰り返しになりますが、税金は収入に対してかかるものではなく、所得に対してかかるものだからです。

収入が増えても所得は少なければ、その分支払う税金も少なくて済むということにつながります。

とはいえ、収入をごまかすというのは絶対にやってはいけないことです。

面倒でも経費を確実に計上し、実質的な所得を割り出すということを行うようにしましょう。

そのためには、ボールペン1本でも仕事で使用した筆記用具関連は経費として計上をします。書籍代、パソコン代、ブログを掲載するためのレンタルサーバー代やドメイン代など形のないものも仕事としての使用ながら経費として計上することができます。

フリマアプリでの販売業務を行う場合は、梱包材料も経費となります。

経費として計上する場合は、レシートや支払いデータなどを保管するのも忘れないで下さい。

 

▶個人事業主として登録をする

 

事業規模が増え、収入が増えたら、個人事業主として開業することもおすすめです。

「え?事業なんて面倒じゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、個人事業主として登録すれば確定申告に青色申告を選ぶことができます。

青色申告ができる最大のメリットに、青色申告特別控除が挙げられます。

これは、所得に応じて最大65万円の控除が受けられるという制度です。

たとえば収入が120万円で経費を引いた所得が100万円であった場合でも、この青色申告を行うと、そこから65万円引いた35万円が課税対象所得になるということです。

結果として税金を低く抑えることができるということになります。

 

ほかにも赤字が出た場合でも翌年から最大3年間は繰り越せるというメリットがあります。

初期投資にお金がかかっても、その赤字分を差し引くことができれば、しっかりと事業規模の拡大や安定化がはかれるための優遇措置です。

 

ただし、最大で65万円という控除を受けるのは条件があります。

それは、複式簿記で帳簿をつけるということです。

複式簿記とは、たとえば「仕入」という一つの取引に対し、2つの科目で帳簿を付けることです。

仕入れにはお金がかかりますが、一方で資産が増えると考えられることから、その両方の科目を記載するというイメージです。

慣れるまでは大変かもしれませんが、毎年同じような帳簿をつけるので慣れてくるのと、最近は簿記の知識がなくても簡単に入力できるクラウドサービスが増えているので利用をおすすめします。

 

▶個人事業主として登録するには

 

個人事業主として登録するには、お住まいの地域を管轄する税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書 」とを出す必要があります。また、青色申告をしたい場合には、「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。

一緒に出すことも可能ですし、郵送でも受け付けてくれます。

書類は下記からダウンロードすることが可能です。

 

書類:国税庁「届出書」※人事業の開業・廃業等届出書

   国税庁「所得税の青色申告承認申請書

 

ただし、サラリーマンの場合、事業として認定されるケースは限られてきます。

所得自体が低い、投資などによる収入で安定した収入と言いにくい場合は申請が通らないといえるでしょう。

不明な場合は、税務署に電話か出向くなりして相談をしてみると良いでしょう。

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