固定資産台帳って?見方や作成方法・記入例を徹底解説!
固定資産台帳ってどんなもの?
個人事業主とし事業を行っている方なら、10万円以上かかるパソコンや車など、事業に必要となる道具や設備を購入することもあるのではないでしょうか?
こういった大きな経費が発生したときに、一度に会計処理をするのではなく、固定資産として登録し、何年かに分けて経費を計上し「減価償却」という形で処理していくのが一般的です。
この「減価償却」の累計を記録していく台帳のことを「固定資産台帳」といい、確定申告の際に提出することが義務付けられています。
固定資産台帳とは、企業が所有する固定資産の価値を正しく記録・管理するための台帳です。
建物や機械などといった有形固定資産だけでなく、無形固定資産、有価証券や長期貸付金などその他の資産も、1年以上保有、使用するものは、対象となります。
台帳に記録する内容は事業によって多少変わりますが、一般的に、それぞれの固定資産の取得日や購入金額、使用開始日、所在場所などを記録しておきます。
なお、固定資産台帳を作成する目的は、固定資産の資産価値の増減を把握するだけではなく、減価償却を行うためのものでもあります。
今回は、節税効果を高めるためにも重要な役割を果たす、固定資産台帳について徹底解説!詳しい書き方や、作り方のポイントなど、個人事業主が確定申告の際に役立つ知識をまとめます。
固定資産とは
固定資産とは、流通させることを目的とするのではなく、1年を超える長期間保存したり保有するような試算のことを言います。
土地や建物、車両などの有形固定資産のほか、特許権などの無形固定資産、そして、投資その他資産とに分かれています。
減価償却資産とは
減価償却資産とは、資産のなかでも時間の経過と共に価値が減っていく物を指します。
たとえば、パソコンや車両、建物やソフトウェア、備品などです。
車両は、たとえ新車を200万円で購入したとしても、限定モデルなどの希少価値がない限りは、5年後には購入時と同じ価格である200万円で売れることはありません。
なぜなら、年数がたつにつれて価値が下がっていくものだからです。
建物や工場の機械、先にあげたパソコンなどもその代表例です。
こうしたものは、経費として、その1年1年に対する価額を計算していきます。
計上する方法によって異なりますが、さきほどの例で新車200万円は、翌年には○万円、翌々年にはまた○万円などと、小分けにして計上していくという形になるのです。
減価償却資産は、長時間利用できるものであり、かつ、その価値が下がるものでありますので、価値の下がらない土地などは対象外となります。
2種類の償却方法
実際、減価償却するには2つの方法があります。
1つは、「定額法」というやり方です。
名前のとおり、毎年同じ額だけを償却していきます。
さきほどの車の例でいうと、毎年変わらず20万円ずつ計上するといったことです。
もうひとつは、「定率法」です。
こちらは、毎年同じ率で償却していきます。
具体的には以下の計算方法で計算していきます。
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定額法:取得価額✕定額法の償却率
定率法:未償却残高(取得価額―既償却額)×定率法の償却率
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上段の定額法は一定の率で計上するのに対し、下段の定率法では、徐々に未償却残高が減っていくために、毎年計上する額は減っていくイメージです。
逆にいうと、はじめの年の償却費がもっとも大きいことになります。
ちなみに、どんどん目減りした結果、「償却保証額」に満たなくなりますが、その場合は、同額を計上していきます。
なお、一般的には原則として定額法を採用することになっています。
ただし、定率法を使うと、はじめの年にもっとも大きな経費として計上できるという特徴があるため、節税効果としては非常に大きなものとなります。
個人事業主として起業したばかりで、徹底的に節税し、事業を順調にのせたいという場合は、定率法を採用する方もいます。
その場合は確定申告の期限までに税務署に「減価償却資産の評価方法の届出書」を提出します。
なお、それぞれの資産に対して、耐用年数があらかじめ決められています。
車両に関しては小型車は4年、運送用の小型車は3年など、また建物にかんしては木造か鉄骨かなどと細かい条件ごとに決められているため、実際に自分で計上するときにはその表を参照して計算をする必要があります。
その際には、国税庁の耐用年数表を参照すると良いでしょう。
※出典:国税庁
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm)
減価償却が不要なもの
業務用にと購入した資産でも、減価償却が不要なものがあります。
耐用年数が1年未満のものや、それ1つの取得単価が10万円を満たないものの2つです。
また、取得単価が20万円以下のものであれば、税務上3年間で計上することができる一括償却資産の損金算入というやり方がありますが、それを利用した場合は減価償却は不要となりますし、中小企業だけに認められる少額減価償却資産の特例を利用した場合も減価償却は不要となります。
繰り返しになりますが、時間がたっても劣化できないものは対象となりませんし、業務用に使用していない自家用車などは当然対象外となりますのでこちらも減価償却は不要です。
減価償却とは
減価償却とは、事業用に、しかも長期間にわたって使用する資産に対し、一括で経費として計上するのではなく、数年にかけて計上するやり方です。
数年にわたって使用するにもかかわらず一気に計上すると、その年の売り上げに対し、かかった経費との関係がおかしくなることから、ある一定の率に基づき、それぞれの年で計上することを目的としたものです。
減価償却のもっとも大きなメリットは、節税効果です。
毎年、経費として計上できるため、数年にわたって利益からマイナスできるので、結果として税金額を抑えることができるというわけです。
また、もともとの目的にもあるように、その年の売上に対する経費が見えるようになることから、自分の事業の売上がいくらで、コストがいくらかかっていて、利益をどれくらい得ているのかが財政状況がはっきりすることもメリットと言えます。
ただし、先に述べたように、減価償却できるのは10万円を超える資産であること、年々その価値が減るものであることなど、条件に合ったものだけになるので注意が必要です。対象外になるのは、おもに土地や借地権、骨董品などです。
これらは10万円を超えていても価値が減る物と認識されないので減価償却することはできません。
対象となるもの、ならないもの以外にも気をつけなければならないのは、耐用年数です。
ものによって耐用年数が異なるうえ、机は机でも、何の素材でできているかによっても変わるので、1つ1つ確認していくことが必要です。
たとえミスでも税務調査で追求される恐れがあるので、国税庁HPにて必ず確認を行いましょう。
減価償却と固定資産台帳の関係
これまで読んでいただきお分かりいただけたとおり、減価償却という処理のルールは非常に煩雑で少々わかりにくいものです。
さらに、その年だけ計上すれば良いものではなく、耐用年数に応じて計上していかなければならないということが一番のネックと言えます。
「経理担当者が退職してしまったから分かりませんでした」では済まされないのです。
おまけに、その物が不要になったり破損したことにより廃棄してしまったときは、固定資産除却損として計上する必要があります。
もしこれを忘れてしまうと、すでにないはずの資産なのに「償却資産税」がずっとかかってしまい損をしてしまうことにつながるのです。
そこで、登場するのが「固定資産台帳」です。
企業の保有する減価償却資産についてまとめておくものです。
単に対象物を書き記すだけでなく、取得年月日や耐用年数、償却方法、計上方法などについて記載します。
決まったフォーマットはありませんので、会社によって台帳の形は異なりますが、これがあることにより初めて正しい税額を計算することができるようになるので、税務署によるチェックにも対象となっています。
◆旧定額法
固定資産税の償却には一般的に定額法が使われますが、平成19年に実施された税制改正より前に使用開始した固定資産において利用されるのは、旧定額法となります。
具体的には、平成19年3月31日以前に使用を開始したものは旧定額法で計算します。
旧定額法では、現在の定額法では廃止されている残存価額が設定されていますので、計算方法が異なることに注意が必要です。
旧定額法での計算式は
「資産の取得価額」 ✕ 90% ✕ 償却率
です。
そして、取得価額の95%まで償却した翌年分以後は、その残り5%を5年間で均等に償却しますが、最後に備忘価額として1円だけを残します。
少しややこしいので、具体例で示します。
たとえば取得価額が100万円で、耐用年数が5年、償却率が0.2だったとすると、耐用年数以内においては上の計算式に当てはめ、以下のように計算します。
100万円 ✕ 90% ✕ 0.2= 18万円
5年目までは、毎年18万円ずつ減価償却するということになります。
この段階ではまだ95%に達していないため、6年目に95%まで償却させます。
6年目→5万円を減価償却 ※これで合わせて95万円、つまり95%を償却したことになります。
残りは5万円になりました。
ここで、1円の備忘価額を残し5年間で均等割りしていきます。
7年目以降→1万円ずつ減価償却 ※5万円÷5年間の均等償却
11年目 →9,999円を減価償却 ※備忘価額として1円残すため
◆旧定率法
旧定額法同様、平成19年3月31日より前に使用開始した固定資産に対し使用する計算方法です。
定率法は、定額法とは異なり、前期末簿価に対して一定の割合の償却率をかけていくので、毎年減価償却費が異なるという特徴があります。
旧定率法も一定の償却率をかけていく点では現在の定率法とは同じですが、定額法と同様、残存価額が設定されていることで計算式が異なります。
計算式は以下のとおりです。
期首帳簿価額×償却率
取得価額の5%までは上の式に当てはめ減価償却していきます。
そして翌年以降は、取得価額の5%にあたる金額を、1円の備忘価額を残し5年間で均等に償却していきます。
定率法のほうが分かりにくいので実例を表で示します。
たとえば取得価額が100万円で、耐用年数が5年、償却率が0.369だったとすると
1年目は、100万に償却率0.369をかけた金額を償却、2年目以降は100万から前年までの累計償却費に対し0.369をかけた額を償却していきます。
ポイントは7年目です。
償却累計が、取得価額、つまり100万円の95%である95万円に近づくためです。
これまでの数式で計算すると23,292円となりますが、
(取得価額-累計償却費)-取得価額×5%
と比較して金額が少ない方を適用するので、上の表のように13,120円となります。
そして、残り5%となった8年目からは、
(未償却残高-1円)÷5
で計算します。
そして、最後の年は、1円を残して減価償却します。
償却率とは、耐用年数に応じて定められた割合のことです。
国税庁によって、定額法、定率法ごとに、細かく設定されています。
詳しくは国税庁HPに掲載されているので、どなたでも確認することができます。
なお、平成19年の税制改革により、それ以前に使用開始した固定資産と、以降のものとでは適応する償却率や計算方法が異なるため注意しましょう。
固定資産台帳はどう書くの?
固定資産台帳には、実は決められたテンプレートがありません。行っている事業内容や規模に応じて、記入する内容が異なります。
固定資産台帳には、記入すべき項目が、大まかに見て最低9項目あります。以下に、すべての記入事項とどんな内容を記入するのかをアイテムごとに解説しましたので、参考になさってください。
<記入項目>
資産名称: 購入した物の名前、管理番号や型番など
資産区分: 建物、車両・電子機器類など(国税庁の資産区分を参照する)
取得年月日: 取得(購入)した年月日
取得価格: 取得(購入)した金額。追加費用があれば、合計金額
耐用年数: 国税庁の資産区分に従う
減価償却額: 定額法=取得価格x償却率
定率法=(前年の未償却残高)x償却率
償却率: 減価償却資産の償却率表を参考
償却方法: 定額法と定率法のいづれか。
資産区分によって決まる。個人の場合は原則とし て定額法
帳簿価格: 前年の未償却残高ー減価償却額
購入年度の場合、取得価格ー減価償却額
以上、大きく分けて9つの区分を記載することになります。資産区分、耐用年数、償却率は国税庁のホームページを参考にしながら記入してください。
税法が改正された場合には、算出方法が変わる可能性がありますので、その都度確認し、最新情報に則って記入しましょう。
<記入例>
続いて、固定資産台帳の記入例に移ります。
大きな設備投資や機械の購入などは、個人事業主にはあまり想定されない固定資産です。
ここでは、固定資産台帳に記入するアイテムをパソコンと仮定して記入していきます。
資産名称 ノートパソコン 〇〇製 管理番号〇〇〇 シルバー
資産区分 器具・備品
取得年月日 2018.7.1
取得価格 150,000
耐用年数 4年
減価償却額 37,500
償却率 0.25
償却方法 定額法
帳簿価格 112,500
<資産名称>
資産名称の部分には、パソコンのメーカーや管理番号、色なども記載しましょう。複数のノートパソコンを所有している場合などに、どの製品であるかを特定できるようにするために、このような細かい記載が必要となります。
<資産区分>
国税庁のホームページで確認すると分かりますが、パソコンは「器具・備品」という資産区分に該当します。
<取得年月日>
ノートパソコンを購入した日付を記入してください。
<取得価格>
パソコン本体の価格だけでなく、OSやアンチウィルスソフトなど、インストールしたソフトウェアなどがあれば、一緒に計上しましょう。
本体価格にプラスして、合計金額150,000のように記入します。
<耐用年数>
国税庁のホームページによると、ノートパソコンの耐用年数は、4年と区分されていますので、4年と記入します。
<減価償却額>
150,000×0.25=37,500
(償却率は、国税庁のホームページから該当するものを使用)
<償却率>
国税庁のホームページにある償却率表を見て記入します。
平成19年4月1日以降に取得した固定資産については、税法の改訂により償却率が変更されています。
平成19年4月1日以後の場合は、定額法で耐用年数が4年だと、償却率は0.25ですので、上記のような計算式となります。
平成19年3月31日以前に取得した場合は、過去の償却率を使用してください。
<償却方法>
個人事業の場合は定額法のみ。
<帳簿価格>
150,000-37,500=112,500
・資産名は詳しく記入
資産名は、どの資産か分かるよう必ず名前を入れるようにしましょう。
また、プリンターやパソコンなど複数存在する場合は、機種名や型番を入れるなどして、どの機器か判別できる状態にしておくことをおすすめします。
・購入日と使用開始日を記入する
減価償却の計算を正しく行うため、購入日と使用開始日の両方を入れておくようにしましょう。
今年購入しても、まだ納品されていない、セッティングしていないなどの理由で実際に使用していない場合は減価償却費として計上することはできないので、購入日とは明確に区別して記載する必要があります。
・当年償却費と年初帳簿価額を記入
年初帳簿価額や当年償却費を記入しておきます。
また、今後、償却できる費用が一目瞭然に分かるように、年末帳簿価額も合わせて記入しておくことがおすすめです。
固定資産台帳の作り方
固定資産台帳には、決まった作成方法がなく手書きノートやエクセルなどを使って 自分で作成することも可能です。
最近では、操作方法も簡単で会計知識があまりなくても簡単に固定資産台帳が作れる会計ソフトなどもありますので、以下に作成方法をいくつか紹介してみます。
<会計ソフト>
固定資産台帳作り方として、初心者にもおすすめの方法は、「会計ソフト」を利用するというやり方です。会計ソフトは、自動で仕分け作業を行ってくれるので、細かい科目や項目が分からない、会計素人の方にも大変使いやすい優れものです。
簡単な入力作業を行うだけで、固定資産台帳に記入するべき減価償却費の仕分けと計算を同時に行ってくれますので、いちいち調べる必要もなくて簡単です。
無料でトライアルできる会計ソフトも登場していますし、有料プランでも月額1000円以下と税理士をお願いするよりずっと安い価格で固定資産台帳を作成できます!
<エクセル>
固定資産台帳は、会計ソフトを使わなくても、エクセルで自作することも可能です。決まったフォーマットがないので、自分で自由に作成することができます。
減価償却の計算式も償却率をセットしたセルを作れれば、簡単に表計算が可能です。エクセルが得意な方は、わざわざ会計ソフトを導入しなくてもOKです。
無料で配布されているエクセルテンプレートもあるので、エクセルが苦手な方は、既に作成されているテンプレートを利用するのがおすすめです。
テンプレートを利用することのメリットは、自分で好きな項目を自由に追加できるという点です。会計ソフトよりも複雑にはなりますが、お金をかけたくない場合には、エクセルを使うのが良いでしょう。
<手書きノート>
もっともアナログな作り方になりますが、手書きのノートを使って固定資産台帳を作成するということも可能です。
固定資産台帳向けのノートが市販されていますので、パソコンが苦手という方は、こういったノートを利用するというやり方もあります。
手書きなので、何度も同じ作業を繰り返し行うことになり、時間はかなりかかります。ただし、会計処理についての仕組みや大まかな流れを覚えることができるので、初めはこういった台帳を使うというのも良いかもしれません。
固定資産台帳はこんなことに使う
確定申告の際に、提出が義務付けられている「固定資産台帳」。まだ、一度も作ったことがないという方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、固定資産台帳ってそもそもなんなのか?また、固定資産台帳を作らなければならないのは、どんな時なのか?といった基本的なことから学んでいきましょう。
固定資産台帳とは?
固定資産台帳について理解を深めるためには、まず「固定資産」とはどんなものなのかを理解することが大切です。
固定資産とは、土地や減価償却資産(設備投資や車など)のように、1年以上使用しても資産価値残るもののことです。
固定資産として登録できる設備や備品は、一つの値段が10万円を超えているものが対象となっており、パソコンや電子電気機器類でも10万円以上であれば、固定資産として登録することができます。
逆に10万円に満たないものについては、消耗品として会計処理しますので、固定資産に含めることはできません。
固定資産の具体例をいくつか挙げてみましょう。
・土地
・建物
・車両
・機械
・高額な工具器具
・パソコンなど
一般的な設備投資で10万円を超えているもの=固定資産と覚えておきましょう。
続いて、固定資産台帳についてですが、固定資産台帳とは、その名の通り「固定資産」を記録するための台帳です。
つまり、事業で必要な設備投資を行った場合に、建物や車や備品などの固定資産を具体的に記録するのが、固定資産台帳の役割です。
固定資産台帳に記入する事項は、商品名(設備名)、購入金額、購入日などで、固定資産に関する情報を記録して管理していきます。
固定資産台帳を作る理由
固定資産台帳を作成するには、それなりの理由があります。購入した固定資産を正しく管理することで、節税効果が高まるというのが一番の理由ですが、他にも、いくつかありますので、以下に掲載してみます。
<減価償却費を証明する>
固定資産台帳は、減価償却費を正しく行っているかどうかを証明するために作成されます。
先述の通り、固定資産台帳には、10万円を超える設備や車などを記入し、数年かけて減価償却していくことになります。
この減価償却の経費を正しく記録するために、固定資産台帳を作るのです。
個人事業のその他の経費は、レシートや領収書を提出することによって、本当に使われた経費であることを証明しますが、減価償却の場合は、数年かけて経費として計上するため、レシートの代わりに証明する根拠が必要となります。
固定資産台帳は、減価償却の根拠として確定申告の際に提出する義務があります。高額の項目ばかりですので、記入に間違いがないように気をつけましょう。
<会計記録を確認する>
固定資産台帳を使えば、固定資産にまつわる会計記録を一覧にして確認することができます。
固定資産は、損益計算書や貸借対照表には資産総額だけが記入されます。そのため、この数字からは、一つ一つの固定資産はどんなものがあるのか?また、残りの減価償却期間などを確認することもできません。
その点、固定資産台帳には、購入年月日や残りの減価償却期間なども詳しく記録されていますので、会計処理が正しく行われているかどうかを確認することができるのです。
<定期的に資産管理を行い節税する>
固定資産台帳には、長期に渡って減価償却する資産がすべて記録されています。
例えば、減価償却の途中で使えなくなってしまった設備や、車を買い換えて処分した場合など、台帳から削除しなければならない固定資産などもすぐに確認できます。
もう使わなくなった固定資産や壊れてしまったものについては、会計上でも「処分」することで、納める税金の額を減らすことができるのです。
このように、固定資産台帳は資産管理を行うためにも重要な役割を果たしています。
固定資産台帳が必要になる時
固定資産台帳は、確定申告の際に提出が義務付けられている帳簿の一つです。
固定資産台帳の提出は、白色申告でも青色申告でもどちらも必須となっていますので、その点にご注意ください。
固定資産台帳の書き方は記入項目が決まっています。一方、作成方法jについては、会計ソフトやエクセルを利用する方法などいくつかやり方にバリエーションがあります。
次の項目では、固定資産台帳の記入方法と記入例を具体的に紹介していきます。
固定資産台帳にまつわるその他の豆知識
固定資産台帳に関連する豆知識として、「閲覧制度」があることを紹介しておきます。
固定資産台帳の閲覧制度とは、自分の土地・家屋の評価額などを記載した固定資産課税台帳を越っ欄できるという制度のことです。
各市町村において、納税義務者の求めに応じ、本人の固定資産に関する事項が記載されている部分、またはその写しを閲覧させなければならないという義務があり、本人でなくても、固定資産の評価額を閲覧することが可能となっています。
固定資産台帳の閲覧制度の他に「縦覧」という制度があり、縦覧台帳には、他の全ての土地・家屋の評価額が記載されています。
この縦覧台帳については、公開期間中(毎年4月1日~4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日まで)自由に閲覧することができるようになっています。
固定資産台帳や縦覧を閲覧する制度があるのは、他の人の固定資産と自分の固定資産を比較することで、自分の固定資産の評価額が公正であるかを判断するためです。
もし、自分の固定資産の評価額が、他の方と比べて著しく低い場合などは、評価額に対する審査を申し立てることが可能です。
固定資産台帳の閲覧は一年中いつでも加納です。
縦覧は、公開期間以外の閲覧を希望する場合は、有料証明書が必要です。
全国の市区町村で固定資産台帳の閲覧は行えますが、各種手続きや料金に違いがあります。詳しくは各自治体の資産税課窓口で確認してください。
固定資産台帳の書き方はこれでばっちり!
固定資産台帳の書き方を記入例付きで紹介しました。固定資産台帳は、個人の固定資産を管理するために欠かせない重要な帳簿です。
在宅で個人事業主として活動している方は、パソコンが主に固定資産として登録できるアイテムになります。
今回の記入例を参考に、固定資産台帳を作成してみてください。