初めての業務委託をされる方必見!知っておきたい委託仕様書のメリットと注意事項☆
はじめに
ママワークスコラムをお読みの皆さまは、在宅ワークを探されていることと思います。中でも、既に在宅ワークをされたことがある方の場合、依頼主と業務委託契約書を交わした経験があるのではないでしょうか。
ただ、業務委託契約書は言葉尻に「契約書」と付いているから、たとえ在宅ワークをされたことがない方でも、「在宅ワークの契約書かな」とすぐに想像がつくと思います。
一方、「委託仕様書」については、在宅ワーク未経験者の方はもちろん、在宅ワーク経験者の中でも、「“委託仕様書”ってなに?」という方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、「委託仕様書」についてご紹介させていただきます。
業務委託契約書を交わすメリット
「あれ?タイトル間違えてない?委託仕様書の話じゃなかったの?」とのご指摘がありそうですが、このタイトルで正解です。
なぜならば、委託仕様書のことをいきなり語り出しても、正直、何のことだかよく分からない、という方がいらっしゃると思います。そこでまずは、「業務委託契約書」についてお伝えさせていただこう、というわけです。
先ほど業務委託契約書とは、「在宅ワークの契約書」と表現しましたが、もう少しきちんとご紹介すれば、「会社での“業務”を会社以外の外部に“委託”する際、業務内容や条件面を目に見えるかたちで、書面化したもの」になります。
ちなみに、業務委託契約書の内容については、契約書同様、各社それぞれ様式は異なります。ですから、業務委託契約書をもらったら、あなたにとって不利益なことが書かれていないか、必ずその内容を確認のうえ、契約書を交わすようにしましょう。
業務委託契約書を交わさないと…
最近では、業務委託契約書を交わすのが当たり前になってきているので、むしろ、業務委託契約書を交わさない企業はない、といっても過言ではないでしょう。
確かに、私が副業を始めたばかりの頃は、契約書を交わす企業のほうが珍しかったと思います。しかし今は、クラウドサービスを利用して、瞬時に契約書が送られてきて、PDF化したものをアップすれば契約完了となるようなすごい時代になっています。
とは言うものの、残念ながら、業務委託契約書を交わさない企業はないとは言い切れない現状があるのも事実です。そして、契約書を交わさない恐ろしさは、何かあったときに訴えられるような事態が生じないとも限らないことです。
おそらく会社側が訴えるなんてことは、めったにないことだと思います。ただ、絶対にないことではありませんし、最悪の場合、裁判沙汰になどなってしまえば、訴えられた側は、心身ともに衰弱するだけでなく、多額の弁護士費用等が必要となってきます。
そのような事態を避けるためにも、業務委託契約書は絶対に交わしておきましょう。
では「委託仕様書」ってなに?
ここまで長々と業務委託契約書について、ご紹介してきたのには訳があります。それは、委託仕様書とは、業務委託契約書に単に添付されているだけのものではなく、業務委託契約書の一部という存在だからです。
では改めて、委託仕様書とは何かといえば、委託する業務の内容、手順、機能、業務の実施条件、免責など、業務委託契約書では書ききれない、業務に関する細かな取り決めを定めるものになります。
ではなぜ、わざわざ業務委託契約書と委託仕様書に分けているのかと言えば、委託仕様書の内容を業務委託契約書に入れてしまうと、支払いや損害倍書などのいわゆる法律的な内容と混ざってしまい、分かりにくくなってしまうからです。
以上より、委託仕様書は、業務委託契約書から独立しているかたちなので、別物だと捉えられがちですが、あくまでも業務委託契約書の一部ですから、くれぐれも取り扱いにはご注意を。
委託仕様書の存在を気にするべき!?
契約書のことは誰もがその大切さをよく理解できていると思います。また、企業サイドも、業務委託契約書には、事前に捺印場所にわざわざ鉛筆で丸をつけてくれたり、フセンを貼ったうえで送ってきてくれたりします。では、委託仕様書に対する扱いはどうでしょうか?
企業の中でも、委託仕様書に対して、「業務委託契約書に書ききれなかったことを別紙に書いている、契約書の一部」という認識が低く、どちらかと言えば、説明書的な捉え方をしているところが結構あるようです。
とりあえず、業務内容や手順などを書き込んでおこう!としている結果、その内容をよくよく見れば、誤字や脱字がひどく、そのような書面だから、在宅ワーカー側も、委託仕様書を業務委託契約書の一部として把握していない、という現実もあるようです。
余談ですが、私は校正の仕事をしているので、そのような委託仕様書を見たときは、職業柄、かなり気になります!そして、おこがましいですが、依頼主側に対し、少し不安になります。
しかし、企業サイドがそのような扱いをしていたら、在宅ワーカーで委託仕様書が業務委託契約書の一部ということを知らない人ならば、内容をよくよく確認しない場合が考えられます。
しかしそれって、かなり危険なことですよね。なぜならば、委託仕様書に書かれてある内容をちゃんと把握もせず業務をしていると、トラブルに巻き込まれてしまう可能性が考えられるからです。またそれは、企業サイドにも同様のことが言えます。
例えば、上記のような誤字・脱字を放置したままの委託仕様書だったため、在宅ワーカーも業務委託契約書の一部である委託仕様書だとは思わずに、署名捺印をせずに業務委託契約書と一緒に送付してきた場合、再度、委託仕様書への署名捺印を依頼しなければなりません。
いずれにせよ、企業サイドも在宅ワーカー側も、委託仕様書の位置づけをしっかりと理解したうえで、取り扱うようにしましょう。特に在宅ワーカーは、委託仕様書には、委託する業務の内容、手順、機能、業務の実施条件、免責など自分の業務に直接関わってくることが書かれてあるので、着実に読み込みましょう。
おわりに
私は以前、10年以上勤務していた会社があります。そこは私の在籍途中に株式を上場したのですが、株式が上場するまでは、契約書の作成は現場が行っていました。
私のいた部署は法人事業部ということで、お客さまは企業や大学、商工会議所、役場などさまざまでした。そのような方々を相手に契約書を交わすわけですから、特に契約書の誤字・脱字と入力する金額・期間には、細心の注意を払って作成していました。
在宅ワーカーという立場になると、企業サイドが契約書を作るうえに、こちらは業務を委託される側なので、契約書の内容をよく理解もせずに署名捺印するという方が、いらっしゃるかもしれません。
ただ、特に小さなお子さんがいる在宅ワーカーは、業務委託契約書はもちろん、委託仕様書を熟読の上、納期など難しそうなところは、事前に伝えて相談するなどの対策をとっておいたほうがいいでしょう。
ところで、在宅ワーカーになる第一歩は、依頼主との業務委託契約書の締結から始まります。ただその際、ぜひ委託仕様書の有無の確認も行ってください。
会社サイドの在宅ワーカーの捉え方とすれば、仕事ができるのは当たり前で、業務委託契約書や委託仕様書に対するスマートな対応、つまり、「社会人としての常識」をむしろ気にします。
ですから、委託仕様書への指摘はおそらく、会社サイドに「この人は社会人として常識ある人だ」という印象を与え、一目置かれること、間違いなしですよ♪