在宅ワーク・内職の求人・アルバイト情報なら主婦のためのママワークス

個人事業主必見!知っておきたい法律上での業務委託の立場やトラブルの対処法などをご紹介

はじめに

会社員や派遣社員、アルバイト、内職など古くからある働き方は個人と企業との間に労働基準法や労働契約法、派遣法、家内労働法など、様々な法律によって守られています。また、会社内に労働組合があったり、社内に労働組合がない場合でも同じ業界や地域で加入できたりするユニオンも存在し、相談窓口もたくさんあります。

例えば、不当な扱いを会社側から受けた場合は、厚生労働省管轄の労働基準監督署やハローワークに相談して解決することになります。

これら雇用契約は、現在の日本では会社と労働者は対等な関係から労働者の方が弱い立場とみなされる傾向があり、労働者が不利益を受けることはありません。

では、近年増加傾向のフリーランスや在宅ワークなど個人事業主と言う働き方はどうでしょうか。今回は、労働基準法が適用されない業務委託契約に関する法律について説明していきたいと思います。

個人事業主の業務委託事情

個人事業主の方々が、仕事を請け負う際クライアントとの間で業務委託契約と言うものを結びます。

ひと昔前の個人事業主の業務委託のイメージと言えば「農業従事者」や「保険営業代理店」、「フランチャイズ加盟」などがありましたが、インターネットが普及してパソコンやスマートフォンだけの設備投資のみで簡単に個人事業主として活躍することができるようになり、インターネットという仮想世界の中だけで業務委託契約ができるようになりました。

農業や保険代理店、フランチャイズなどの業務形態は、設備投資や実店舗を構えるというリスクがある反面、地域の商工会議所に所属したり組合に加入したりする事で、ある程度は守られている部分はありました。

しかし、インターネット上で在宅ワークをする個人事業主は「ノマドワーカー(遊牧する労働者)」とも言われface to faceでのやり取りがないために、1人で仕事や問題を抱え込んでしまいがちです。では、実際に業務委託契約を交わした場合に個人事業主は法律上どのような位置づけになるのでしょうか。

業務委託契約の法律上での位置づけ

残念ながら業務委託という契約そのものに民法を始めとする法律的な位置づけはありません。しかし、業務委託契約は民法上の「委任契約」と「請負契約」の契約の俗称として生まれた言葉なので二つの契約を成していることになります。この二つの契約の内容を以下に説明いたします。

①委任契約について
委任契約とは個人事業主が行った作業そのものに対して対価が支払われるもので、仕事の完成は問われません。委任契約が主とする仕事は主に反復性のある仕事から法律行為ができる仕事まで幅広くあります。例えば、「事務作業」や「コールセンターのオペレーター」、「不動産仲介」、「弁護士」などが挙げられます。

メリットとしては「契約解除の自由がある事」や「仕事内容の結果や進捗、クオリティなどに関わらずに報酬請求が出来る」、「所得契約の立てやすさ」などが挙げられます。反対にデメリットとしては「契約解除など一方的に案件を失う恐れがある」、「クライアントとの報告を密に行う義務がある」などがあります。

委任契約の中にも準委任契約と言うものがありますが、大きな違いは「法律行為」ができるかできないかです。主に助言などを主とした仕事が多く「コンサルタント業」がその一つです。成果が出なくても報酬が支払われるため、クライアントとしては極力避けたい契約ですが、敏腕のコンサルタントなど名前が知れてくると準委任契約内容になってきます。

②請負契約について
一方、請負契約は委任契約とは違い、行った作業のクオリティが問われます。つまりクライアントが求めるもの、あるいはそれ以上の完成度の高いものを作成しなければ報酬を得ることはできません。請負契約が発生する仕事内容は主にスキルを必要とする製作関係の仕事が多い傾向です。例えば、「webデザイン製作」や「プログラミング」、「大工」、「調理師」「法人営業」、「タクシーや配達・配送業務」などが挙げられます。

メリットとしては「短時間で完成出来たら利益率が高くなる」や「請負業務を外部へ委託可能」、「裁量を任せられており仕事としての自由度が高い」などが挙げられます。反対にデメリットとしては「期日(納期)や完成度などを求められ精神的にきつい」や「業務が完成(成功)した場合のみしか報酬がもらえない」、「契約不履行をした場合、損害賠償の可能性がある」などが挙げられます。

業務委託のトラブル

法律上、業務委託契約という位置づけはないと前項でお話ししましたが、万が一トラブルにあってしまった場合は「下請法」を適用すると良いでしょう。

下請法とは、正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」と呼び、公正取引委員会がガイドラインや講習会などを開いています。下請法の適用範囲となる取引は「サービス提供委託」と「修理委託」、「製造委託」、「情報成果物作成委託」の4つに分けられます。親会社と下請会社の事業規模によって適用範囲が変わってきますが、具体的には「支払遅延禁止」や「買いたたき禁止」、「代金の返品や減額の禁止」、「納品後のやり直し禁止」、「受領拒否禁止」などがあります。

さいごに…

委任契約と請負契約の法律内容に沿って業務委託契約について説明してきましたが、業界や業種によって適正な契約内容が変わってくる場合もあります。

個人事業主は生計を立てていくためにもクライアントとの信頼関係を構築し、仕事の質を保証していくことです。大切なのは、必ず業務委託契約書の内容を確認する事です。業務委託契約を交わした以上は責任を全うすることとなりますので、内容が不透明な場合や不利益な条件など、必ず理解したうえで契約する事を心がけましょう。

目次