業務委託の経費の精算方法とは?確定申告時の対応についても解説!
はじめに
フリーランスや個人事業主とは、サラリーマンとは違い特定の組織に属さない働き方を指します。サラリーマンやアルバイトなど組織に属した働き方の場合は、一般的に雇用契約を結びますが、個人事業主は仕事をするときに業務委託契約を交わすことになります。
近年の副業解禁の流れでサラリーマンでも副業として様々なクライアントと業務委託を交わすことが多いようです。サラリーマンの方は今まで確定申告をやったことがない人がほとんどだと思います。そこで今回は副業やフリーランスの方向けに、確定申告時の経費についてコラムを執筆していきたいと思います。
経費ってどこまで適用なの?
ほんの一例ですがサラリーマンが会社まで通う電車代やガソリン代などは、毎月の給料に交通費として支給されている場合が多いです。しかし業務委託で仕事をしているフリーランスの方々は交通費を自分で支払わなければなりません。経費とはつまり「事業と関わりのあるものかどうか」や「売り上げにつながった費用であるかどうか」が判断基準となります。
今回のコラムで取り扱う業務委託に関しても、原則は業務を遂行する上での必要費用は個人負担となってきます。しかし業務委託に関する報酬の銀行振込手数料は、クライアント負担となっていることが多いです。
業務委託契約とは厳密には法的な定義は存在がなく、民法上の「委託契約」、「純委託契約」「請負契約」の俗称の事を指します。ほとんどの業務委託契約は経費が個人負担となる「請負契約」が多いですが、委託契約や純委託契約は例外としてクライアントが負担することになっています。業務の過程で受託者から請求があれば前払いとして請求、もしくは立て替えて後に報酬にプラスして後払いが可能となっています。契約する前にどの契約内容なのかを確認する必要があります。
経費精算とは
業務委託の場合、旅費や交通費などの経費は原則個人負担となっていますが、契約時の交渉次第では可能と言えます。このような場合、経費精算の仕組みを知る必要があります。経費精算とは特に営業活動など外でお仕事をしているサラリーマンの方ならなじみの深い用語かもしれません。
例えば取引先へ向かうまでの交通費や接待費、宿泊代、お土産代などがあります。これは予測できるものもあれば、突発的に発生するものあります。そのような費用を一度従業員が自分の費用で購入して立て替えて、後日会社側に経費として請求する事を経費精算と呼びます。特に期間が長い出張を伴う場合は宿泊代が多くかさみ高額となる事もあるため、前もって仮払いとして経費精算する場合もあります。この場合は必ず「日付」、「名前」、「購入先」、「金額」などが明記されているレシートや領収書を控えておいてください。
業務委託の場合、この経費精算としてカウントした領収書は案件ごとに振り分けて保存し、取り掛かっている仕事が完了した時点で請求することとなります。また、領収書は原本を提出するため、後々のトラブルを防ぐためにも領収書をコピーなどで複写して保存しておくことが望ましいでしょう。経費は報酬と一緒に振り込まれるので売上金としてみなされます。
副業やフリーランスで認められる経費について
副業や業務委託で仕事をしている方は、いったいどういった項目が経費に入るのか、経費の割合を占める経費率はどうするのかを把握しておく必要があります。
以下が事業別の経費比率となります。
①サービス業・・・50パーセント
②飲食業・・・60パーセント
③製造業・・・70パーセント
④小売業・・・80パーセント
⑤卸売業・・・90パーセント
従来の自営業と言えば「飲食店」や「農業」、「理容・美容室」、「個人タクシー」、「クリーニング店」など店舗を構え不動産を購入や賃貸での家賃支払い、必要機材の購入やレンタルなど多額の設備投資を必要とし経費として認められているものがほとんどです。
しかし近年ではパソコンやスマートフォンなどを活用して、インターネットやSNS上などの仮想世界で仕事をすることが可能となりました。これらは「在宅ワーク」や「ノマドワーカー」などと呼ばれる働き方で、いつでもどこでも自由に仕事ができます。特にクラウドソーシングなどのマッチングサイトの成長が挙げられます。
クラウドソーシングなどで仕事のやり取りが完了する場合は、業務委託という契約は発生しない場合が多いですが、手数料がかかってきます。その手数料は経費として計上します。例えば100,000円の報酬でシステム手数料が10パーセントならば10,000円となります。さらに振込手数料なども200円程度かかるため、合計10200円の経費となりますが内訳としてはそれぞれ「支払手数料」と「雑費」という勘定科目に分かれます。
注意したい税金問題
副業で在宅ワークを始めたばかりの方はあまり意識しないかもしれませんが、在宅ワークで稼ぎすぎると確定申告時に多額の税金を支払う可能性があります。会社員としての給与所得と、副業としての所得が合計されてしまいますので、所得税率を意識した働き方をしましょう。
以下に所得金額に対する税率と控除額を示しました。
①所得金額195万円以下は税率5パーセントで控除額0円
②所得金額195万円から330万円までは税率10パーセントで控除額97500円
②所得金額330万円から695万円までは税率20パーセントで控除額427500円
③所得金額695万円から900万円までは税率23パーセントで控除額636000円
④所得金額900万円から1800万円までは税率33パーセントで控除額1536000円
⑤所得金額1800万円から4000万円までは税率40パーセントで控除額2796000円
⑥4000万円を超えた場合は税率45パーセントで控除額479600円
となっております。
さいごに…
業務委託で仕事をするという事は「雇われ脳」から「脱・雇われ脳」に考え方を切り替えなければなりません。仕事のスタイルも受け身から自発的にならなければなりません。仕事のやり方から経費の計算まですべて自分次第になってきますので、日ごろから帳簿をつける癖や確定申告など税金の仕組みを調べる癖を身に着けておくことが良いでしょう。