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派遣と業務委託の違いとは?違いとメリット・デメリットをご紹介

2018年の働き方改革により、私たちを取り巻く労働環境は劇的な変化を遂げました。

これまであった派遣契約に加えて、最近よく耳にするのが業務委託という言葉。一体この両者にはどんな違いがあるのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか?

今回は、業務委託と派遣の定義をそれぞれ紹介すると共に、業務委託と派遣のメリットやデメリットも合わせて解説します。

目次

業務委託は主に2種類

まずは、業務委託とは一体どんな働き方なのかということから解説していきましょう。

業務委託とは、企業に勤めるのではなく、企業と対等の立場で仕事を受注するという働き方のことを指します。

具体的には、発注者となる企業と、受注者となる個人が、特定の業務を請け負う際に発生する取り決めのことを指しています。業務を行った場合の報酬や納期をあらかじめ取り決めし、お互いの同意が得られたら受注者側が業務に取りかかります。最終的な成果物が提出されたら、発注者となる企業側が成果物を検収し、問題がなければ報酬を支払うというのが一般的です。

日本の法律には「業務委託契約」という契約がなく、正しくは、「請負契約」と「委任契約」の2種類の契約方法があります。

以下に契約方法の詳細を解説してみましょう。

<業務委託は請負契約のこと>

民法第632条によると請負契約とは「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と記されています。

請負契約とは、仕事を請け負った側(受注者)が仕事の成果物の対価として、発注者側(依頼主)から報酬を受け取るという内容で契約することを意味します。

請負契約では、約束した成果物を期日までに納品しなければ、報酬が発生しません。成果物をきちんと納期までに納められるのであれば、途中の業務についてはすべて請け負った受注者側に委ねられるのが特徴です。

成果物の納品後は、発注者による検収が行われます。もし、成果物に不具合があったり修正すべき点が見つかった場合は、受注者が責任を持ってやり直しをする必要があります。

<請負契約の例>

・家や店舗などの建設を大工さんに依頼する
・一般企業が外部のシステムエンジニアにソフト開発を依頼する
・ブログ運営者がアイコン作成をフリーランスのアーティストに依頼する

<委任契約も業務委託に含まれる>

次にもう一つの業務委託の種類である委任契約について見ていきましょう。

請負契約では、業務を完成させて成果物を提出することが契約の目的でした。

これに対して、委任契約では業務の遂行を目的としています。委任契約の場合は、できあがった成果に関わらず報酬を受け取れるという点が、請負契約と異なります。

もちろん、約束した業務が適切に行われることが前提ですので、この点にご注意ください。

委任契約は、例えば、弁護士と依頼人のような関係が挙げられます。弁護士は、依頼人の弁護を法廷で行うことを依頼されますが、裁判の結果が敗訴となる可能性も含まれています。この場合、弁護自体をきちんと行うことが重要であり、結果敗訴したとしても、依頼人からの報酬を受け取れるという点が、請負業務と異なります。

また、委任契約の場合も、依頼主から請負者に対する指示や命令は行えないため、業務は請け負った側が自分のやり方で進めていけるという特徴があります。

<委任・準委任契約の例>

・会計事務所が経理担当者に経理業務を依頼する
・企業のIT部門が、システムエンジニアにサイト保守を1年間依頼する
・ビルの管理会社が、清掃業者に1年間ビルの清掃を依頼する

派遣契約は主に3種類

業務委託契約の定義を2つ紹介しました。続いて、派遣契約について見ていきましょう。

派遣契約とは、労働者と派遣会社との間に雇用契約を結び、派遣会社から企業に派遣されて働く就業形態のことを指しています。

業務委託契約と違って、業務の遂行が目的となっており、業務を行う際に派遣先企業から派遣社員に対して指示・命令ができるようになっています。

もし、派遣社員が派遣先企業で何かトラブルを起こした場合は、雇用主である派遣会社が責任を負うことになっています。

派遣契約には、3種類の契約方法があります。

<一般派遣契約 >

まず、一般派遣契約についてです。一般派遣契約とは、派遣会社が紹介した派遣先企業に、所定の期間だけ労働力を提供するという契約内容です。

一般派遣契約は、別名登録型派遣とも呼ばれており、一定期間が終了すれば、雇用契約が終了するという決まりになっています。

雇用期間終了後は、また新しい派遣先を探さなければなりません。新しい派遣先が見つかれば、新たな雇用契約を結ぶという形です。

就業している期間のみ給与が発生しますので、次の派遣先が決まるまでは収入がないという特徴があります。

また、給与は時給制で支払われるという特徴があり、ボーナスなどがありません。

<特定派遣契約>

2つめの派遣の種類は特定派遣契約という契約方法です。

特定派遣契約とは、派遣会社に正社員として無期限で雇用され、そこから派遣先企業に派遣されて働くという契約方式です。

この場合は、次の派遣先が決まっていない期間も派遣会社から給与が支払われるというのが特徴です。

また、ボーナスや交通費なども派遣会社から支給されるケースがあり、一般派遣よりも安定していて対偶がよいというメリットがあります。

残念ながら、特定労働者派遣事業は、平成27年9月30日の法改正により廃止されましたの。平成30年9月29日まで経過措置ありましたが、現在は実施されていません。

<紹介予定派遣契>

最後に紹介予定派遣契約についてです。

紹介予定派遣契約というのは、最長6ヶ月間の派遣期間が終了した後、派遣社員と派遣先企業の双方の合意があれば、正社員または契約社員として直接雇用されるという契約方法のことです。

正社員や契約社員になることで、より安定して報酬を得られるようになりますが、直接雇用されることが保証されているわけではありません。

派遣先が直接雇用しないと判断した場合は、派遣契約が終了となります。

業務委託と派遣契約のメリットとデメリットとは?

ここまで、業務委託と派遣契約のそれぞれの定義や事例を解説してきました。

業務委託と派遣契約は、しばしば混同されがちですが、実際はまったく違っているということがよくご理解いただけたと思います。

続いては、業務委託契約と派遣契約のそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

どんな働き方が自分に合っているかを判断するための参考にしてみてください。

<業務委託のメリット>

まず、業務委託契約のメリットですが、業務委託契約なら自分の特技や好きなことを仕事にして報酬を得ることができます。

仕事を請け負って成果物を提出することで報酬を得られますので、たくさん受注したくさん納品することができれば、その分収入を増やせるというメリットがあります。

また、業務委託契約の場合は、契約内容の成果物を納期までに納めればよいというルールですので、途中の業務の進め方やスケジュールについては、自分で決められるというメリットもあります。

働く場所も決まっていませんので、自宅で働くことも可能です。また、土日や週末など自分の都合のつく時間で業務を進めていけばよいので、時間をフレキシブルに使えるというメリットもあります。

もちろん、締切りを守る必要や守秘義務などがありますが、それ以外に決まったルールもないので、自由に働けるというのが魅力です。

業務委託契約の場合は、基本的に受注から納品まで個人で作業を行うことができ、取引についてはインターネット上で業務が完結するケースがほとんどです。

煩わしい人間関係がないというのも、業務委託のメリットと言えるでしょう。

<業務委託のデメリット>

業務委託契約のデメリットは、会社に雇用されているわけではなく、フリーランスで働くということです。

そのため、労働法の保護を受けることができないというデメリットがあります。

成果物を納められなければ報酬が発生しませんので、仕事を受注できない人や、病気やけがで働けなくなった時の保障がないという点もデメリットです。

この他に、確定申告の手続きなど経理関連の業務も一人で請け負わなければならないというデメリットがあります。

<派遣契約のメリット>

続いて派遣契約のメリットについて見ていきましょう。

派遣契約のメリットは、自分の希望する条件に合わせて働く時間や雇用形態、職種を選べるというメリットがあります。

例えば、子供が学校へ行っている間だけ短時間働きたいとか、事務系の職種で働きたいなど、仕事内容を自由に選ぶことが可能です。

また、派遣会社が見つけてきた派遣先で働くため、先に職場環境に対する情報などをもらうことも可能です。また、職場でのトラブルについても、派遣会社の職員が相談にのってくれるので、安心というメリットもあります。

就労された時点で報酬が発生しますので、仕事の出来高によって給料が決まらないという点も派遣のメリットです。

紹介予定派遣の場合は、正社員になれる可能性もあるので、安定して収入を得られる道があるというのも派遣のメリットでしょう。

派遣の場合は一定の条件を満たせば社会保険への加入も可能ですので、福利厚生という面でも業務委託契約よりは安定している傾向にあります。

<派遣契約のデメリット>

派遣会社のデメリットは、解約期間があらかじめ決められており、3年以上同じ派遣先に勤めることができません。

そのため、長期的なプロジェクトや責任の重い業務ではなく、単調な仕事を任せられるという傾向にあります。

スキルアップや昇進・昇級が見込めないので、業務に対してのモチベーションを保つのが難しいと言われています。

派遣では行えない業務もあるため、勤められる仕事が限られているというのもデメリットです。

また、派遣の場合は、正社員登用されなかった場合は、一から次の派遣先を探さなければならないため、長期に渡って安定して収入を得にくいというデメリットがあります。

業務委託契約と派遣契約の違いはこれでばっちり!

業務委託契約と派遣契約の違いについてお伝えしました。

業務委託契約は、自由に働けて自分の特技を生かせるというメリットがありました。一方、派遣契約は、自分の好きな職種や就業形態で仕事を選べて、一定の保障があるというのがメリットでした。

業務委託契約と派遣契約の違いを理解して、自分に合った働き方を見つけてみてください。

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