個人事業主とは?メリットや必要な準備・手続き、フリーランスとの違いについて。事業化・法人化も解説
目次
個人事業主とは?
個人事業主とは、個人で事業を営んでいる人のことを指します。
雇用され給料をもらっている会社員とは異なり、自分自身が事業の責任者であり売上げをたてる必要があります。
不用品をネットオークションやフリマアプリ等で販売するといったようなことは個人事業主とは言えません。
何かを仕入れて販売したり、業務委託を受けるなどして継続して収入を得るといった状態で、税務署に開業届を出すことにより個人事業主になることができます。
なお、個人事業主とよく比較される言葉として法人がありますが、法人の場合は定款の作成や登記などの手続きが必要です。
個人事業主を始めて一定の売上げを確保できるようになった場合、法人にしたほうが税金を削減できるため、事業が成長した場合に法人成りする方が多いです。
一般的に、会社員が独立して事業を営んだり、主婦が事業を立ち上げる場合、まずは個人事業主としてスタートするのが一般的です。
フリーランス・自営業との違い
では、フリーランスと自営業の違いはなんでしょうか。
▷フリーランスとは
フリーランスとは、個人事業主、法人などといったような税法的な区分を示す言葉ではなく、特定の会社、団体を通さずに働くスタイルを指します。
前述したように、個人事業主の場合は開業届を、法人の場合は登記を行いますが、フリーランスは働き方そのものを示すので、届け出などの行為は必要ありません。単なる呼び方、呼称と言っても良いでしょう。
▷自営業とは
自営業とは、自分で事業を営む人のことを指します。
サラリーマンとは異なり、自分自身で稼いだ売上げは、すべて自分のものになります。
出勤日や勤務時間などに関しても規定がありません。たとえば飲食店を経営していて、本来は営業日であるのに臨時休業日にするといったことも可能で、自由な働き方をすることができます。
フリーランスと自営業とでは、自由な働き方という点で共通していますが、自営業は事業を営むのに対し、フリーランスは企業や団体などに所属せず、自分自身の持つスキルを使って報酬を受け取るといった意味合いが強いと言えます。
たとえば、飲食店などの商店を経営する人、医者、会計士、弁護士、保険の営業などがあげられます。
いっぽうで、プログラマーやイラストレーターなど、会社に所属せず、依頼された仕事に対して報酬を得るといったスタイルで働く人が、フリーランスと呼ばれることが多いです。
明確な違いはありませんが、場所や時間が決まっていて一定の決まったサービスを提供していれば自営業、都度仕事を請負い、自宅などで仕上げたものを納品して報酬を得るといった場合がフリーランスと呼ばれることが多いと言えます。
▷個人事業主とは
個人事業主とは個人で事業を営んでいる人のことを指す税法上の区分です。
税率や控除などは、この区分によって異なりますし、実際に、個人事業主と法人とでは税金の算出方法が変わってきます。
そのため、個人事業主や法人の場合は、届け出が必要ということになるのです。
▷自営業と個人事業主との関係
個人事業主も働き方といった意味合いで自営業に含まれます。
また、法人を設立した会社経営者も個人事業主と同様事業を営む者として考えれば、自営業に入ると考える方もいるでしょう。
このように自営業という定義は明確なものがなく、幅広い対象を指すと言えます。
個人事業主は誰でもなれる?
個人事業主は誰でもなることができます。
事業を行う者であれば開業届を出すことにより、個人事業主という立場になることができるのです。
主婦はもちろん、サラリーマンが副業の一貫として、または学生、法人の経営者も個人事業主になることが可能です。
とはいえ、現在雇用契約を結んでいるサラリーマンや公務員などの場合は、就業規則で副業について何かしらの規定が盛り込まれていたり、禁止されているケースがあるので注意が必要です。
副業が法律で禁止されていることはありませんし、むしろ現在政府は副業を後押ししている傾向がありますが、本業に不利益を与えることを避けるため、副業は申告制にしているところが多いのが実情であるためです。
なお、子育てのために仕事を辞めた専業主婦が個人事業主になるケースも多々あります。
現在は、業務の一部を在宅ワーカーへ依頼する企業が増えており、自宅にいながらにしてパートと同様に収入を得る主婦が増えています。
過去の経験を活かし経理や人事業務に従事したり、Webデザインやプログラミングなど新たなスキルを習得し仕事を受注していくなど、そのスタイルはさまざまです。
しかし、いずれにせよ、政府の推し進めるICTの恩恵もあり、今後ますますそのチャンスは拡大すると言えます。
個人事業主になるにはどんな手続きが必要?
個人事業主になるためには、管轄の税務署で個人事業主としての開業届けを提出しなければなりません。
国税庁のホームページからも書類をダウンロードすることが可能です。
個人事業主の届け出は、直接税務署に提出する方法と郵送で提出する2つの方法があります。
税務署に提出する書類の名称は「個人事業の開廃業届出書」と言い、原則として開業から1カ月以内に納税地の税務署へ提出しなければなりません。
他にも、開業freeeというオンラインソフトを利用すれば、無料で簡単に開業届けを作成できます。
お金をかけずに、正確な開業届を作成したい場合は、クラウドソフトを利用すると良いでしょう。
個人事業主になった後にすべきこととは?
個人事業主になった後は、するべきことがいくつかあります。
Webデザインやアプリ開発、ライティングなどの作業だけでなく、企業にいたら別の担当者がやっていてくれたような庶務や営業行為も行わなくてはならないためです。
ざっくりとまとめると以下のような表になります。
次に、それぞれの作業について説明していきます。
≪届出≫
個人事業主になる場合、税務署に「開業届」をすることが必要です。
基本的には、個人事業主になってから1ヶ月以内に出すこととされています。
提出が遅くなっても特に罰則がありませんが、青色申告をする場合、必ず提出が
必要となるので忘れないようにしましょう。
また、個人事業主の場合、青色申告により大幅に節税をすることができます。
したがって、どうしても白色申告で済ませたいという方以外は、青色申告承認申請書も合わせて出すことがおすすめです。
なお、配偶者や親族に給与を支払う場合は、「青色事業専従者給与に関する届出
を出します。
その他の従業員を雇用する場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を出したうえ、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も併せて提出すると良いでしょう。
≪社会保険≫
サラリーマンの場合、国民健康保険や年金の保険料は、毎月の給与から天引きされています。
つまり、本人は意識していなくても、企業が代わりにきちんと納めていてくれているということです。
しかし個人事業主の場合、自分自身で納付する必要があります。
また、サラリーマンで厚生年金に加入していた場合、保険料の半分を企業が分担してくれていますが、個人事業主の場合、自分自身が国民健康保険料全額を負担することになります。
≪事務・営業≫
企業で働いている場合、契約は営業が、作業をエンジニアが、経理作業は経理担当が分担して行っているといったスタイルが一般的です。
個人事業主の場合、基本的に自分ですべてを行わなければならず、とくに収益を得られるよう営業活動は欠かせない作業となります。
また、開業時には、ホームページ製作やロゴの製作も必要です。
屋号は、開業届に記入する箇所がありますが、なくても開業することはできます。
≪経理≫
個人事業主の場合、1年に1度、自分自身で確定申告を行う必要があります。
白色申告にせよ、青色申告にせよ、日々の取引の帳簿を付けるのは必須作業となります。
売上げを請求するために、請求書の発行をしたり入金の確認も必要です。
もちろん、収支が赤字でないか、出金や売上げの把握も日々必要と言えるでしょう。
個人事業主になるメリットとは?
フリーランスとして働く人も含めて、自分で事業を行っている方(一人起業を含む)は、個人事業主になります。
個人事業主には、どんなメリットがあるのか、まずはそこから確認してみましょう。
個人事業主になることのメリットは、自分の好きなことや得意なことを仕事にできるということです。
また、個人の能力や努力次第で稼げる収入はいくらでも増やせるので、仕事を頑張ってたくさん稼ぎたいと考えている方にとっては、サラリーマンを続けるよりも、ずっとメリットが大きい働き方ということになります。
会社に勤めているうちは、実力や成果のみで評価されるわけではありません。また、年間の昇級率などがあらかじめ決められていますので、簡単に収入が増えていかない仕組みになっています。
サラリーマンとして働いていると、給料が安いという不満を持つ方が少なくありません。
もし、自分に得意なことがあって、人よりも能力を発揮して働ける自身があるのなら、会社員を続けていくより個人事業主になる方がメリットがあると考えて間違いありません。
個人事業主になるとこんなデメリットがある?
では、個人事業主になることのデメリットには、どんなことがあるのでしょうか?
個人事業主になると、お金をたくさん稼げる一方で、仕事がなければ収入がゼロになってしまうというリスクがあります。
つまり、サラリーマンと比べて個人事業主は収入が安定していないというデメリットがあるのです。
サラリーマンを辞めて個人事業主になったばかりの頃は、営業をかけても仕事がとれず、思ったように収益が上がらないという可能性もあります。
また、仕事は順調だったとしても、自分が体調を崩したり、病気になったりして働けなくなった途端に、収入がゼロになる可能性もあるのです。
個人事業主のデメリットは他にもあります。それは、サラリーマンと違って社会保障や福利厚生が薄いということです。
会社員は、年金もいわゆる「二階建て構造」で手厚いケアを受けられるのに対し、個人事業主は、それほど年金の金額も大きくありません。
老後資金や事故・傷病の際の保険対策をしっかりと行わなければ、将来の生活が保証されていないというのが、個人事業主の最大のデメリットと言えるでしょう。
個人事業主は会社員とどう違う?
働き方改革のスタートで、2018年以降副業を始める方が増えています。
中には、副業収入の方が本業のサラリーマンより稼げる人も多く、会社員を辞めて個人事業主になるという選択をする方もいるようです。
個人事業主と会社員とは、どう違うのか?
ざっくりと言えば、会社員は会社が収入を保証してくれているのに対して労働力を提供していますが、個人事業主の場合は、自分の収入を自分で保証する代わりに、自由に働けるという違いがあります。
今回は、これから会社員をやめて個人事業主になりたいと考えている方に向けて、個人事業主になることのメリットやデメリット、必要な手続き方法などを詳しく解説します。
個人事業主と法人はどう違う?
個人事業主として開業届を出すと、事業名として屋号を名乗る事が可能です。屋号を持つことで、社会的な信用を得やすくなり、取引先との関係がよくなったり、クレジットカードなどの審査が通りやすくなるといったメリットもあります。
ある程度個人事業で成功して、事業規模が大きくなってくると、会社を法人化した方が良いケースも出てきます。
それに対して、法人は、公的に認められた法人格を有する必要があるため、会社の登記を行ったり、資本金や会社定款を定めたり、さまざまな事務手続きが必要です。
法人の場合は、法人税や地方税、法人事業税など納めるべき税金も大きくなっていきます。また、監査法人に依頼して会計処理を行う必要が出てきますので、経理面でもさまざまなコストがかかります。
個人事業主の場合は、法人に比べて課税される税金も少なく、個人事業税、所得税、住民税などが対象となっています。
法人化することによるメリットもありますが、それほど収益がない小規模事業であれば、個人事業主の方がメリットが大きいと言えるでしょう。
個人事業主から法人化するには?
個人事業主になるには、年間所得が20万円ぐらいの収入を得ていることが届け出への目安となります。個人事業主の場合は、売上から経費を差し引いて税務署に届け出ますので、売上=所得ではありません。
必ず経費を差し引きますので、所得ができるだけ小さくなるように経費をきちんと計上することが、個人事業で利益を増やすためのコツです。
会社勤めをしていると、副業所得が年間20万円以下の場合は、確定申告の必要がありません。ただし、20万円を越えると確定申告が必要となります。
そのため、個人事業主として届け出をし、控除額(最大65万円)がもらえる青色申告で確定申告する方が、節税効果も高くお得なのです。
では、個人事業主ではなく、法人化する場合についてはどうでしょうか?
法人化への目安は、年間の事業所得が500万円を越えたら、検討した方が良いと考えられています。
年間所得500万円からは、個人事業主として所得税を納めるよりも、法人税を納める方が、全体的な税金が安くなる可能性が出てくるからです。
法人化にあたっては、監査費用が必要となったり、会社の資本金や定款を定めることなども必要になります。
また、事業をともに行う共同出資者を募るなど、個人事業主とは違った手続きやコストがかかる可能性が出てきます。
一概に年間所得500万円を越えたからといって、法人化する方がお得というわけではないので、税理士などによく相談してから決める方が得策です。
個人事業主は確定申告が必要
個人事業主になったら、届け出の有無に関わらず、所得38万円以上ある場合は確定申告を行う義務が発生します。
売上から経費を差し引いた後の所得が、年間38万円以下の場合は、確定申告する必要はありません。
ただし、この場合も後で税務署から調査される可能性がありますので、必ず経費のレシートや帳簿を保管しておくことが重要です。
確定申告手続きは、白色申告と青色申告の2種類がありますが、先述の通り控除額が大きいのは、青色申告の方です。
青色申告で確定申告するためには、事前に税務署への届け出を行うことと、複式簿記による帳簿の作成が必要です。
申告の義務があるのに、確定申告を行っていないことが発覚すると、通常の税金+延滞税や無申告加算税のような高額の追徴課税が課されることになりますので、ご注意ください。
個人事業主ではなく、サラリーマンの副業の場合は年間所得20万円までが上限となります。混同しないようにしましょう。
経費や社会保険料をしっかり計上して節税しよう
個人事業主として確定申告を行う場合は、売上から経費や社会保険料などの各種控除を差し引くことができます。
所得=売上ー経費ー各種控除
所得x税率=所得税
経費として計上できるものは、いろいろとありますが、例えばネットショップの運営で物販を行っている方を例にとると
・ネットショップの出店料
・商品の仕入れ代金
・インターネット回線の利用料
・商品を保管している倉庫の代金
・発送料
・梱包費用
などのようなものを経費として計上できます。
経費として使ったものについては、必ずレシートや領収書を保管し、記録を残しておく必要があります。
また、パソコンや車のような高額の設備投資を行った場合には、固定資産として固定資産台帳に登録し、減価償却という形で経費に計上していきます。
個人事業主になると、こういった会計関連の手続きもすべて自分で行うことになりますので、会社勤めのサラリーマンと違って担当以外の業務もすべて自分で行うことになります。
確定申告におすすめなのは青色申告
個人事業主の確定申告におすすめなのは、青色申告です。白色申告なら、単式帳簿(お小遣い程度の内容)の提出で済み、事前の届け出も必要ありませんが、白色申告には特別な控除がありません。
例えば、売上300万円、経費80万円、社会保険料50万円の個人事業主がいたとしましょう。
白色申告の場合は
300万円ー80万円ー50万円=170万円(所得)
170万円x5%(195万円以下の税率)=85000円(所得税)
一方、青色申告の場合は最大65万円までの特別控除がもらえますので、
300万円ー80万円ー50万円ー65万円(特別控除)=105万円
105万円x5%=52500円(所得税)
となり、32500円所得税額が異なります。
上記の例では、所得がそれほど大きくないので、税金の差額が少ないように感じられますが、所得税は所得が増えるごとに税率が上がる仕組みになっていますので、所得が多い人ほど納める税金の額も増えるのです。
上記の例では、年間所得195万円以下のカテゴリーで所得税率は5%でしたが、年間所得195万円以上のカテゴリーでは、10%、15%と徐々に税率があがっていきます。
もし、自分の年間所得が、195万円と196万円の境目だったとしたら、経費と特別控除を使って195万円以下にする方が、納める税金は少なくて済みます。
青色申告がいかに節税効果の高い方法なのか、お分かりいただけたのではないでしょうか?
青色申告するためには複式簿記による帳簿が必要
個人事業主が青色申告するためには、複式簿記による帳簿の作成が必要です。
事業の売上といった収入と、備品の購入や家賃といった支出を、それぞれ借り方と貸方の両方に分けて記入していかなければなりません。
また、記入する内容によって勘定科目というのが決められており、同じ経費でも書籍と交通費では、記入すべき科目がまったく違います。
こういった細かい仕分け作業と帳簿への記入は、経理の知識がない方にとっては、なかなか骨の折れる作業です。
確定申告を行うのは年1回ですが、帳簿の作成は毎月行っておかないと、レシートや請求書がどこにいったのかさえ分からなくなり、経費として計上することができないという事態にもなりかねません。
サラリーマンから個人事業主になった方にとっては、経理手続きが苦手と言う方も少なくありません。
おすすめは、オンラインクラウドソフトfreeeなどを利用して、簡単に帳簿作成を行う方法です。
クラウドソフトは、月額980円ぐらいから利用することができ、事業用の口座やクレジットカードを前もって登録しておけば、自動で会計ソフト上に経費を仕分けして記入してくれる優れものです。
また、確定申告書類を作成する機能もついているので、確定申告をしたことがない方でも、簡単な質問にソフトウェア上で答えるだけで、書類を作成できるのです。
税理士に書類作成をお願いすると、確定申告のみで15万円ほどかかります。
それに比べてオンラインソフトで税務処理すれば、年1万2000円ほどで済みますので、大変お得です。
個人事業主になるメリットはたくさんある!
個人事業主になるメリットとデメリットなどを詳しく紹介しました。
個人事業主になると、営業から経理まで会社に勤めているのと違ってさまざまな業務を一人でこなさなければならないというデメリットがあります。
しかしながら、会計ソフトを使ったり、クラウドソーシングサイトなどを使ったりすれば、仕事を安定して受注しつつ、会計処理も短時間で行えます。
個人事業主になれば、収入は自分の頑張り次第!
今の給与に不満のある方、自分の得意なことやスキルを生かして稼ぎたい方は、個人事業主になる道を選ぶ方が得策かもしれません。
個人事業主としておすすめの職種
1.Webデザイナー
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを行う職業です。
「どのようなサイトにするのか」から始まり、トップページを含めた各ページの配置、画面構成、色使いやフォントデザインなど、Webサイト全般を企画していきます。
Webデザイナーは、おもに、社内のWebサイトのみを取り扱うインハウスタイプと、さまざまな企業からWebデザインを請け負うデザイン会社勤務とに分かれていますが、最近ではフリーランスで請け負う方が増えています。
その場合、よほど実績があったり、宣伝力がある方以外は、どこかのデザイン会社から業務委託という形で受けるのが一般的と言えます。
その場合、1件当たりいくらという報酬額が提示されているケースと、時給換算で紹介されている場合とがあります。
基本的には、クライアントからの依頼に基づき進めていく仕事なので、相手のニーズをうまく聞き出す力、IT関連の専門知識、相手に説明し納得させることができるプレゼン力が求められます。
2.コーダー
コーダーとは、Webデザイナーの指示に基づき、実際にサイトを構築する職業です。
1つの企業のサイトを、数ページにわたり作る場合や、ランディングページだけを作って納品していくケースがあります。
HtmlやCSS、JavaScriptといった言語を用いて作成するのですが、比較的初心者でも習得しやすいということもあり、これからフリーランスとして活躍していきたいという主婦の方に人気の職種でもあります。
フリーランスの場合、勤務時間が決められているわけではなく、納品日までに仕上げれば良いというスタイルも人気の理由です。
子育てしながら、またはサラリーマンが副業として始めるケースも増えています。
3.プログラマー
プログラマーとは各プログラミング言語を用いてさまざまなプログラム、アプリケーションを作り上げる職業です。
銀行のATM、工場などの機械、パソコン上のソフト、スマホのアプリ、オンラインゲーム・・・これらすべてがプログラミングで成り立っています。
専門性が強く、スキルをもっていれば転職がしやすいというのもプログラマーの特徴です。
実際に、働く環境等の理由で、より働きやすいところでリスタートを切るという方も多いです。
また、独立してフリーのプログラマーとしての道を歩んだり、起業する方も少なくありません。
第一線で働くプログラマーであれば、独立したことにより年収1,000万は軽く超えることもあります。
とはいえ、ツテがあり仕事に事欠かないという方でなければ、最初はプログラマーに案件を紹介してくれるエージェントに登録するか、クラウドソーシングサイトや求人情報サイトで仕事を探すのがおすすめです。
なお、子育てが一段落したママや、サラリーマンが副業としてプログラマーを目指す場合、プログラミングを学ぶことができるオンラインスクールを活用すると良いです。
最初は簡単な案件しかこなせなくても、スキルアップしていけば高額な報酬を得られるようになるでしょう。
4.イラストレーター
イラストレーターとは、キャラクターや風景などのイラストを描く職業です。
現在求められているほとんどの案件が、デジタルのイラスト画を納品する仕事となっています。
その活躍範囲は広く、それぞれの得意分野を活かせる仕事と言えます。
たとえば、人物ひとつとっても、ゲームやアニメーションで使用されるキャラクターのイラストや、実在する人物の似顔絵イラストなのかでも違いますし、人物以外でも、Webサイトや営業資料、パンフレット等に使用する説明用イラスト、製品パッケージやチラシなどに使用するイラスト、パンフレットなどに載せる地図イラストなど、ありとあらゆる場面にニーズがあるためです。
ちなみに、基本的には、Illustrator®やPhotoshop®といった描画ソフトを使いこなすスキルが必要です。
と同時に、どのようなイラストが求められているか的確にとらえる力、プレゼン力も実は同じくらい求められていると言えます。
なぜなら、イラストは、目的があってその創作が必要とされるためです。
営業資料に使用するようなイラストであれば、文字による説明とともに、そのイラストを見れば、見る側がすんなりと内容を理解できるといったような表現がなされている必要があります。
いくらデザイン性が高くても相手に伝わらないのでは、イラストレーターとしては評価されない可能性が高いです。
楽器をもったキャラクターを描くのであれば、楽器に詳しくなくても、その楽器を正しく表現しなければならないときも出てきます。そのときに、実際に実物を見たり、資料を手に入れたりするなどして、相手が求められるレベルで表現していくことが必要となります。
イラストレーターはさまざまな職業の中でも、フリーランスが多い職種と言えます。
そのため、これから個人事業主としてイラストを作成する仕事をしたいという方にとって、比較的進みやすい道と言えるでしょう。
いっぽうで、多くのフリーランスがすでに存在するため、いかに仕事を受注し、安定した収入を得られるかがポイントとなります。
クラウドソーシングサイトを通じて仕事を受注する努力はもちろん、ポートフォリオの作成、SNSを使ったPRなど、徹底した自己プロデュースが大切です。
最初は報酬が低くても実績を重ねることも必要でしょう。
そのようにして積み上げた実績が、より条件の良い、大きな仕事へとつながると言えます。
5.ライター
ライターとは、本や雑誌などのメディアの記事を制作する職業です。
最近では、Webサイト上で読まれるWebメディアが増えており、ニーズもWebライターも増加傾向にあります。
誌面のライターと同様、正しい日本語を使うこと、事実を書くこと、情報もとを明らかにすること、他の人の記事を盗用しないことは当然ですが、Webメディアライターに求められこととして、検索上位になるよう記事を制作するスキルが挙げられます。
検索エンジンでキーワード検索したときに上位になるほうがクリックしてもらえる確率があがることから、
いかに上位に表示される記事にするかが重要になるためです。
いわゆるSEOライティングと呼ばれるものですが、世界で圧倒的なシェアを誇るGoogle検索に対応して記事を書くことを指します。
とはいえ、未経験者むけの仕事もたくさんあります。
そもそもライターには資格は不要であり、Web記事や新聞、書籍などから情報を集め、それを自分なりの言葉でまとめて記事を書くといったことができれば、十分お仕事を受けられると言えます。
なお、当然コピペは厳禁です。ほかのサイトと酷似していると通らないことがあります。
チェックツールもあるので、うまく活用しながら案件をこなしていくと良いでしょう。
なお、ライティングのお仕事は、求人情報サイトで探すことがおすすめです。
1文字あたり○円といった形での契約となり、記事が仕上がって納品したら報酬がもらえるといった仕組となっています。
慣れてくると1本あたりにかける時間を短くできるので、まずは数を書くといった気持ちではじめてみると良いでしょう。
6.データ入力
「子育てしながら在宅ワークをしたい」というママに特に人気の仕事がデータ入力です。
在宅ワーク初心者でも、パソコンの基礎知識があれば、比較的誰でもできるためです。
基本的には企業から依頼されたデータの入力を行うのですが、タッチタイピングが可能であれば特別なスキルを求められることはありません。
ただし、集計や正確なデータ入力等を目的として関数の知識が条件とされている場合はあります。
データ入力の報酬は、1件あたり○円、もしくは1つの仕事あたり○円といった形で決められていることがほとんどです。
作業時間が決められているのではなく、納品日までに仕上げるといった形式がほとんどなので、お子さんがお昼寝している間に少しだけやりたいといった方に向いた仕事と言えます。
なお、なかには、文字起こしという案件もあります。
会議やシンポジウムなどの音声を聞いて、それを文字にするといったものです。
これは簡単そうで、慣れるのに意外と時間がかかると言われていますので経験者向けです。
いっぽうで、オークションやフリマサイト、ECサイトへの商品登録といった仕事もあります。
エクセルなどは不得意でも、出品経験があるなどといった場合は、そちらもおすすめです。
ただし、なかには、高額なブランド品出品のお手伝いということで、偽ブランドの取り扱いをさせられ犯罪の一望を担がされたり、買い取り式になっていてお金をだまし取られたりといったトラブルも散見されます。
したがって、高額報酬につられて、安易にインターネットやSNSなどで請け負うということは避け、信頼のおける求人情報サイトやクラウドソーシングサイトを活用して仕事を探すことがおすすめです。
7.カスタマーサポート
お客様からのお問い合わせに対応するのがカスタマーサポートという職業です。
最近では、自宅にいながらにして受電するという案件が増えています。
パソコンやヘッドセットなどの準備が必要ですが、未経験者でもはじめやすい仕事と言えるでしょう。
むいているのは、人と話すのが好き、接客が苦にならない、お客様の身になって応対ができる人です。
報酬は時間給で設定されていることが多いですが、まれに1本あたり○円と受けた本数により計算される場合があります。
なお、同じカスタマーサポートのなかでも技術的なお問い合わせを専門に受ける仕事は、テクニカルサポートなどと呼ばれることがあります。
具体的にはそこの企業が取り扱う機器やアプリケーションの操作を教えたり、トラブル発生時に電話で対応をするといった仕事です。
一般的なお問い合わせよりも難易度が高いということで、報酬額も高めに設定されていることが多いです。
とはいえ、最初からそこの商品をすでに知っている、もしくは技術的な知識を持っているといった必要はありません。
研修やマニュアルが用意されていることが多いため、お問い合わせ者の話を聞き、マニュアルに従い対応すれば、スムーズに解決できることがほとんどであるためです。
どちらの案件も、在宅ワークを取り扱う求人情報サイトで見つけることができます。
8.コールスタッフ
お客様からのお問い合わせを受けるのがカスタマーサポートであるのに対して、架電をしてお客様に商品やサービスを案内するのがコールスタッフの仕事です。
顧客を獲得するのが目的なので、いわゆる電話で行うセールスと言えるでしょう。
報酬は1件あたり○円と単価制のケースがほとんどです。
リストに基づいて電話をかけていくだけなので、難しいことはありません。
トークスクリプトも用意されているので、人と話すのが苦にならない方なら大丈夫です。
もし、相手がその商品に興味を持ち説明を求めてきた場合は、別のスタッフにコールバック等の対応依頼を行います。その際はインセンティブとして別途報酬が設定されていることが多いです。
仕事は、求人情報サイトで見つけることができます。
9.オフィスサポート(経理・人事・労務)
どこの企業にもつきものの事務業務を代理で行うのがオフィスサポートです。
最近では、ICTの発展により、経理や人事、労務、営業事務などその範疇が広がっています。
経理であれば、帳簿をつけたり、支払いを確認したり、決算処理を行いますし、人事労務であれば、人の管理、給料の計算、福利厚生の手続き、人材育成業務などがあります。
基本的には、前職での経験を活かして、前職と同じ業務を請け負うことがおすすめです。
10.翻訳
翻訳は英語や中国語などの外国語を日本語に訳したり、逆に、日本語を他の国の言語に訳す仕事です。
最近では商品やサービスがますますグローバル化しており、翻訳のニーズも増えています。
AIを使った翻訳サービスが開発され、ニーズが減少傾向にあるとは言えますが、それでもなお、AIではまだ追いついていない分野や領域があるため、在宅翻訳家への案件も多数見つけることができます。
なお、報酬は1文字あたり○円といった単価制の場合が多いです。
納期までに納品すればいいので、好きな時間に作業することができるため、子育て中のママや副業としてもおすすめです。
なお、最近は、中国語、韓国語、フィリピン語など、アジア圏の翻訳の仕事が急激に増えています。
世界共通言語である英語の案件が圧倒的に多いですが、得意とする方も多い分、相当な言語力が求められます。
個人事業主としてやっていく場合、翻訳事務所に登録したり、求人情報サイトで案件を探すと良いでしょう。