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退職金をもらったら…ちゃんとしないと損をする!確定申告にも活かせる退職所得控除額とは?

公開日: 2019.11.26
最終更新日: 2021.06.24

退職金をもらったら…ちゃんとしないと損をする!確定申告にも活かせる退職所得控除額とは?

退職金とは…

会社員として雇われている方の最大のメリットと言えば、退職金です。これはフリーランスや自営業の方々には羨ましい福利厚生と言えます。日本は戦後、高度経済成長をへて終身雇用制度が強くなり、長年会社のために働いてきた従業員に対して感謝の意味の奨励金として「退職金」という制度や福利厚生が誕生してきました。公務員の方も「退職手当」と言う呼び方で退職金が支払われます。

海外においても退職金を扱っている国や企業もありますが、日本ほど浸透していないようです。アメリカではセベランス・ペイと呼ばれる退職金の制度があり、こちらは日本とは真逆の制度でリストラや解雇、雇用契約の解除など、会社側の一方的な都合で支払われ、定年まで働いた場合や自己都合などの退職では支給されないそうです。

日本における退職金は、勤続年数が長いほど受取金額が多くされている企業が多いですが、法律における退職金と言う制度は定められていません。したがって、正社員だからと言って必ずしも退職金が支払われるという訳ではありません。バブル崩壊後の日本企業は、大量のリストラや賃金の抑制や退職金の廃止などを余儀なくされた企業がたくさんあります。

厚生労働省の「労働条件総合調査」によると、退職給付制度がある会社は一番多かった1971年の90.8パーセントに対して、直近の2018年では80.5パーセントになっています。つまりおよそ5社に1社は退職金制度がないという事になります。また、退職金制度がある企業は企業規模が大きいほど整っている傾向があり、従業員1000人以上の会社は90パーセント以上退職金制度があります。

退職金は定年退職した時にもらえる報酬と思われがちですが、退職金を支給する基準もまた、企業の就業規則の退職金規定によりそれぞれ変わってきます。基本的な退職金の算出方法は「退職したときの最終基本賃金×勤続年数による係数×対象理由別の支給率」、「勤続年数によって決まる階段式」などが一般的です。

支給される勤続年数の条件ですが、ほとんどの会社では「勤続3年以上」と定めているところが多いようです。よく誤解されるのが勤続3年と在籍3年の違いです。休職期間中や育児休暇中、介護休暇などは勤続期間にはカウントされない場合もあるので注意しましょう。

退職所得控除額とは…

上記で退職金に説明しましたが、実際に退職金に対して掛かる税金について説明いたします。税法上の退職金は区分として「退職所得」になります。上記の説明では法律上、退職金に関する制度はないと紹介しましたが、それは企業としての義務が課されないとの事であり退職金を受け取った従業員に関しては「未払賃金立替払制度」により納税義務が発生します。

今まで受け取ってきた賞与や月収は「給与所得」としてみなされていますが退職金に関しては「後払い」や「未払い」に分類されます。したがって一般的な給与所得とは別に独自の計算方式を用いています。これは会社員にとって通常賃金か退職金かを区別するために用いています。

退職金所得控除額における計算

退職金の所得控除はまず初めに継続年数が「20年以下」もしくは「20年を超える」のどちらかによって計算方式が変わってきます。

20年以下の場合の退職所得控除額の計算式は「40万円×勤続年数」となります。勤続年数が3年の場合は120万円の控除額になりますが、ごくまれに勤続年数1年で退職金が支給される企業もあります。この場合、控除額は80万円に満たない場合となるので控除額は80万円となります。

そして勤続年数20年を超える場合の退職所得控除額の計算式は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」となります。勤続年数が25年の場合は800万円+70万円×(25年−20年)となり1,150万円の控除額になります。

では条件の境界線である20年と21年で比較してみましょう。勤続年数20年ですと40万円×20年となり控除額は800万円になります。一方勤続年数21年の場合は800万円+70万円×(20年−20年)で870万円となります。1年違うだけで70万円もの控除額に差が出てしいます。また、勤続年数が20年1か月の場合は端数を切り上げて勤続年数を21年として計算することができます。

退職金に対する所得税の計算方法

上記で述べた退職所得控除額をもとに退職所得金額が計算されます。

その計算式が「(源泉徴収される前の金額−退職所得控除額)×1/2=退職所得金額」となります。この退職所得金額に基づき所得税額が計算され以下のようになります。

 

①退職金額195万円以下の税額

  「(退職所得金額×5パーセント)×102.1パーセント」

②退職金額195万円越え330万円以下

  「(退職所得金額×10パーセント−98,500円)×102.1パーセント」

③退職金額330万円越え695万円以下

  「(退職所得金額×20パーセント−427,500円)×102.1パーセント」

④退職金額695万円越え900万円以下

  「(退職所得金額×23パーセント−636,500円)×102.1パーセント」

⑤退職金額900万円越え1,800万円以下

  「(退職所得金額×33パーセント−1,536,000円)×102.1パーセント」

⑥退職金額1,800万円越え4,000万円以下

  「(退職所得金額×40パーセント−2,796,000円)×102.1パーセント」

⑦退職金額4,000万円超え

  「(退職所得金額×45パーセント−4,796,000円)×102.1パーセント」

退職金における確定申告の有無について

退職する際には「退職所得申告書(国税庁様式の退職所得の受給に関する申告)」を勤務先へ原則として提出します。ほとんどが総務や労務と言った部署に促される場合がほとんど未提出となる場合はありませんが提出しなかった場合は「所得税額及び復興特別所得税」が適用されてしまい受取金額の20.42パーセントを源泉徴収されることになります。

しかし提出しなかった場合であっても確定申告をすれば精算することができます。つまり退職金を確定申告するかしないかはこの退職所得申告書を書いたか書かなかったかによって決まってきます。

さいごに…

退職金にも給与と同様に税金が掛かるものですが、長年会社に貢献してきた報償であることや退職後は高齢という事もあり税金の負担が軽くなるように設定されています。近年では転職することが当たり前になってしまいましたが一つの会社で何年も働く事は退職金と言う形で大きな報酬を得ることができますので頑張っていただきたいと思います。

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