お得に確定申告したいあなた!まずは出納帳の科目から見直しを◎
はじめに
会社の決算処理や個人事業主の確定申告時など、法人、個人問わず経理の知識や情報が必要となってきます。特に個人事業主としてお仕事がスタートしたばかりの人は、確定申告の流れや仕組み、用語の意味など戸惑うことが多いはずです。
企業ですとサービスや商品を作るのに「企画」や「人事」、「経理」、「営業」、「製造」などさまざまな部署が連携していると思いますが、フリーランスとして一人でお仕事をされている方は日々の業務を同時進行しながらの確定申告になります。確定申告は毎年2月中旬から3月中旬までですが、遅くとも年明けには準備を始めたほうが良いでしょう。
今回は、個人事業主として初めて確定申告を迎える人だけでなく、会社で経理のお仕事を始めた方向けに出納帳科目について説明していきたいと思います。
出納帳とは
出納帳は「しゅつのうちょう」と呼んでしまいますが、読み方は「すいとうちょう」です。間違えて読んでしまい、恥ずかしい思いをされた方もいるかもしれませんね。
「出納」と「帳」の字面からなんとなくですが「物品や金品などの出し入れ」をする「記録帳」と言うイメージが湧きますよね。
実際に調べてみますと、『入出金を記してある帳簿で「小口現金出納帳」や「預金出納帳」、「現金出納帳」などが挙げられる(※㈱シクミカ、「会計用語キーワード」より)』とされていて、動作そのものの行為を示しています。
ちなみに「しゅつのう」と呼ぶ場合はそれらの行為を実行する「役職」を意味しています。また、他には「すいのう」とも読み方があり、この場合は平安時代から江戸時代にかけて蔵人所の役職を意味しているそうです。
出納帳の種類
先ほどの出納の意味でも出てきましたが、出納帳にも「小口現金出納帳」や「預金出納帳」、「現金出納帳」、「売掛・買掛帳」などがあります。これらを記録する事でお金の流れを管理することができ「いつ?」「どこで?」「誰が?」「何のために?」「何を買った(売った)」などを把握することができます。
これは、経理における基本的な事でもあり、ビジネスにおいてもこれらのデータから経営のテクニックが発揮することができます。以下にそれぞれの出納帳を紹介します。
①預金出納帳
預金出納帳は、金融機関別に全ての預金の出し入れなどの取引類を記録していく帳簿の事です。個人事業主の方はプライベートでの出し入れも混ざってきてしまい、仕訳が大変になってしまいますので、別々に口座を開設したほうが良いでしょう。
②現金出納帳
現金出納帳は、金融機関を通さずに現金のみの出し入れを管理し、記録していく帳簿の事です。「金銭出納帳」とも呼ばれ、身近なものには家計簿があると思いますが、現金出納帳はそのビジネスバージョンだと思っていただければイメージしやすいと思います。現金出納帳は、金融機関やオンライン決算を通さないことから可視化しづらい帳簿であります。よくテレビドラマなどで「裏帳簿」など見たり聞いたりしますが、ほとんどがこの現金出納帳です。
自分はごまかせても取引先がきちんと帳簿をつけているので、現金の取引金額が大きければ大きいほど税務署にマークされる可能性があります。小さい金額であっても必ず帳簿をつけていく癖を身につけましょう。
③小口現金出納帳
小口現金出納帳とは、現金出納帳の補助簿の事を指します。主に現金取引の大小を区別するために入出金額が小さいものを記録していきます。
小口現金出納帳を管理するかしないかは、企業の判断に委ねられています。最終的に複数の小口現金出納帳の合計が現金出納帳と数字が一致していないといけませんので、逆に会計処理が難しくなるというデメリットもあります。
④売掛・買掛帳
売掛帳は得意先(お客様)にサービスや商品を売った場合に記録する帳簿の事で、買掛帳は必要物品や原材料などを調達した際に発生した経費を記録する帳簿の事を指します。つまり、売掛金と買掛金にどのくらいの入出金があるかを比較するためのものになります。
出納帳科目一覧
出納帳を管理するにあたって、覚えていただきたいのが出納帳科目一覧です。
出納帳はお金の流れ、入出を管理するものですが、同じ性質を持った勘定科目を設定することにより、スムーズな会計処理ができるだけではなく、経費削減や節税の効果も得られることもできます。
科目によっては非課税か課税もしくは減免など税率が変わってきます。一般的な出納帳科目一覧を以下に示します。
・仕入れ…サービスや商品に関する原価
・修繕費…自社設備におけるメンテナンスを行った際の費用
・広告宣伝費…折り込み広告だけでなくネット広告など宣伝に使った経費
・外注工賃費…外部委託として支払った費用
・給与賃金…社員へ支払うべき給与やボーナスなど
・水道光熱費…ガス代、電気代、水道代など
・福利厚生費…社内で従業員のために使用している飲み物や備品、その他割引制度など
・消耗品費…10万円未満で1年未満の耐用年数の経費
・接待維持費…得意先などへの贈答品や交際費
・通信費…電話代、配達代、インターネット月会費、郵便代、切手
・地代家賃…店舗などの家賃だけでなく大型機器などのリース代
・役員報酬…定額で支払われる役員の報酬
・保険料…火災保険、従業員福利厚生保険、経営者保険
・車両費…車両保険、自動車税、ガソリン代、有料道路通行料、駐車場代
・雑費…他のどれにも当てはまらない科目
など出納帳科目のほんの一例を挙げましたが、出納帳科目としてはほんの一部で、まだまだ沢山こまかい科目も存在します。
しかし、科目の仕訳に時間をかけてしまうのも通常業務に支障が出てしまいますので、これらをコンパクトにして社内でルール化しておくことです。
さいごに…
出納帳科目の仕分け作業には手書きや計算機などは使用せずにExcelなど自動化されたものを使用しましょう。
近年ではアプリやフリーソフトでも簡単に出納帳科目を利用することができ、正しく管理することが来ます。
「正しく管理する事」=「青色申告や節税効果が見込める」事になりますので、しっかりと記帳する事を心がけましょう。