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修繕費ってどのようなものが該当する?修繕費と資本的支出の判定条件を解説!

公開日:2020.02.29
最終更新日:2020.03.25
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修繕費ってどのようなものが該当する?修繕費と資本的支出の判定条件を解説!

一緒に学びましょう!

簿記や帳簿を付けたことのある人はご存じかもしれませんが、皆さんは「修繕費」ってどんなものかご存じでしょうか?
私自身は修繕費=修理にかかったお金という認識でしたが、調べてみると自分自身では修繕費と思っていても実は判定が難しく修繕費として認められないものがたくさん出てきました。
私のようにまだあまり理解していない人も、帳簿付けなどである程度の知識がある方も改めて正しい知識を身に着ける為に、一緒に勉強してみませんか?

「修繕費」ってどんなもの?

そもそも「修繕費」は、事業を行いその事業で使っている建物・機器装置・車両運搬具などの修繕のために支出したものを指しており、必要経費(勘定科目の中の項目の1つ)にすることが出来るお金になります。
一般的な修繕と言っても、その幅は広いので税務上は

◆通常の維持管理のためにかかったものである。
◆故障や損壊した場合、元通りにするためのものである。

以上に該当する費用と限定されています。
定義としても、【固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産について現状を回復するために要した部分の金額】(法人税基本通達7-8-2)として定められています。

ここで疑問に思うのが、「修理にかかった費用は全て修繕費となるのか?」という点ではないかと思います。事実、私自身もそうなるものだと考えていました。
ですが、修繕費として計上できないというケースもあるので、順を追って説明していきます。

事業を始めると、様々な備品や設備の故障やトラブルはあって当然です。
飲食店であれば冷蔵庫や水道、トイレのトラブル、IT企業であればパソコンや周辺機器の故障など様々なトラブルが起こり得ます。当然ですが、経営を続けるのであれば故障個所の修繕が必要となってきます。機材や設備の修理に使用した費用に関しては“修繕費”で経費として計上するのですが、“修繕費”として計上できないという場合もあります。
修繕費として計上できるのは、会社資産を【通常の維持管理・原状回復】のために修理した場合のみ費用です。その為、資産を購入した時と同様に修理した場合の費用は修繕費と認められますが、元の状態よりも改善された状態になってしまった場合は修繕費として計上することはできなくなってしまいます。

では、修繕費として計上できないものは何に分類されて計上されるのでしょう?
先程もお話した通り、会社資産が故障・損壊して修理をし【新しい機能を加えたため改良された場合】は修繕費として計上できません。
例えばトイレが壊れたので、ついでにリフォーム工事も行ったといった場合です。この場合、修理をする前の状態が改良されたこととなり、会社資産の価値が高くなったと判断されるので、このような場合は修繕費ではなく「資本的支出」と分類されます。

「資本的支出」って何でしょう?

この「資本的支出」とは、固定資産の修理、改良などのために支出した金額のうち、その固定資産の使用可能期間を延長または価値を増加させる部分をいい、取得原価に含まれます。

具体例をあげると
◆老朽化によって立替えた事務所に避難シューターを新しく設置した
◆使用用途を変更するために行った改装や改造
◆故障したパソコンを修理した際の部品を改良したものに変更した

といったことがあげられます。
資本的支出と分類されると、固定資産同様の計上方法で使用できる期間で減価償却をします。

ここで少し余談を

先程「減価償却」というワードが出てきましたが、そちらについても少しお話しします。

「減価償却」とは、マンションやビルといった時間経過によって資産価値が減少していく固定資産に対して、購入した際の費用と耐用年数に応じて毎年費用計上していくという会計処理(勘定科目)のことです。
なぜ減価償却が必要なのかということなのですが、それは「費用収益対応の原則」という考えに基づきます。マンションやビルといった不動産に対して支払った費用は、一回で費用計上して会計処理するのではなく、収益を得るための年数に応じて処理するのが望ましいという考えです。

この減価償却には「定額法」と「定率法」という2つの方法が存在します。
◆定額法
購入にかかった費用を耐用年数で割ることで算出される金額を毎年計上していきます。例えば、耐用年数が50年のオフィスビルを1億円で購入した場合「1億÷50」で毎年減価償却できる金額は200万円となります。
※耐用年数は建物の種類により細かく分けられており、最長で50年、最短で3年となっています。

◆定率法
購入にかかった費用に対して毎年一定に償却率をかけて算出される金額を毎年計上していきます。定額法とは異なり、毎年減価償却額が減少していくという特徴があります。先程の例でお話すると、耐用年数50年のものは償却率が0.042となり、1億円のオフィスビルだと下記のように償却していきます。

1年目:100,000,000×0.042=4,200,000(420万円)
2年目:95,800,000×0.042=4,023,600(403万600円)
3年目:91,776,400×0.042=3,854,609(385万4,609円)

算出方法は、
減価償却費=前期末の帳簿価額(取得した年は取得価額)×耐用年数に応じて定められた定率法の償却率
で算出します。また一定の年数を経過すると、算出される金額が最低保証金額を下回るようになりますので、その年度からは最低保証金額が償却額となります。

減価償却の基礎知識として、定額法と定率法について解説しましたが、マンションやビルといった建物は定額法での償却に一本化されています。
2015年の税制改正大綱では、建物と一体的に設備される付属設備(エレベーターや電気・ガス設備など)についても定額法で一本化されました。
2016年以降に購入した建物に関しては、この定額法一本化が適用されるので注意しましょう。
※注意※
定率法を採用するためには、管轄の税務署へその年の3月15日までに届け出を行う必要があります。届け出が無い場合は、定額法が自動適用されます。

また、メリット・デメリットも簡単に説明します。
まずはメリット。

◆減価償却費を毎年経費計上することができる
減価償却は1回で費用計上するのではないので毎年減価償却費が発生します。
これによって毎年の利益を減額計上することができるので、法人税を抑えることに繋がります。つまり、当期利益が1,000万円で毎年償却費が200万円だった場合、利益は800万円となります。
このため、200万円分の法人税が押さえられるということになります。

◆売却益がでる可能性がある
1億円のオフィスビルを購入した際の毎年の償却額は200万円です。
例えば、このオフィスビルを3,000万円で売却したとしましょう。すると【3,000万円-200万円】で会計上2,800万円の売却益を得ることが出来るのです。しかし、これはあくまで「売却益を得ることができる」ということだけで、実際に企業に利益が出ているというわけではないので注意してください。

次はデメリット。

■会計処理が面倒
減価償却することで、税制上のデメリットは特にないのですが、会計処理の面に関しては手間がかかるという事実は否定することが出来ません。「定額法=毎年一定の金額を費用計上する」と思ってしまうかもしれませんが実際は異なります。
確かに毎年一定の金額を費用計上しているのはまさにその通りなのですが、税制法などは頻繁に改正その都度その改定に合わせていかなければなりません。
2015年の税制改正大綱では定額法一本化でしたが、もしかすると今後耐用年数の見直しが発生する可能性もあります。そうなると未償却分に対して新たな耐用年数に応じた償却額を算出しなければならず、多くのマンションやビルを抱えている企業にとっては大きな業務負担になる可能性があります。
そのため、税制改正が行われた際には会計処理も複雑な処理が必要となる場合があります。

「修繕費」と「資本的支出」の判定条件は?

少し話がずれてしまいましたが、修繕費と資本的支出の話に戻りましょう!
よく似ている修繕費と資本的支出。この2つを判定するのは税務調査でも論点になるほど難しいものでもあります。基本的な区分の条件がいくつかあるので、そちらを説明していきます。

修繕費か資本的支出かは税務上区分されています。支出した金額とないようによって個別に判定していきますが修繕費としての判定条件は

◆支出金額が20万円未満であること
◆周期がおおむね3年以内であること
◆通常の維持管理のための経費であること
◆き損した固定資産を原状回復するために支出した経費であること
◆修繕費か資本的支出か判断ができない場合、支出金額が60万円未満または前期未取得価格の10%以下であること(形式基準による判定)

とされています。上記の条件のどれか1つに当てはまるのであれば修繕費としてその年の経費に計上することが出来ます。
例えば、総額150万円で店舗の内装・外装工事を行った場合、総額で判断するのではなく「電気設備」「ボイラー設備」「防水工事」「外装工事」「塗装工事」などをそれぞれ分類ごとにわけて判定します。

次に資本的支出の判定条件をお話します。

◆使用可能期間を延長させる部分の金額である
◆資産の価値を増加させる金額である
◆修繕費の要件に該当しない部分の金額である
◆明らかに資本的支出と判断された金額である

これらの条件の内、どれか1つに当てはまれば資本的支出として資産に計上します。

修繕費とも資本的支出とも判断できない場合は、割合区分によって判断することもできます。割合区分の計算方法は

①支出金額の30%と前期未取得価格の10%のいずれか少ない金額を修繕費とする
②支出金額―「①で計算した金額」=資本的支出(資産)

となりますので、判断できない場合はこの計算式に当てはめて判定するようにしましょう。
またここではご紹介が出来ないのですが、「修繕費と資本的支出の判定フローチャート」というものがありますので、そちらに当てはめることで修繕費と資本的支出の判定をすることが出来ます。そちらも利用すると判定がしやすくなると思いますので、是非活用してください。

これも余談になりますが、「災害(法人税法基本通達7-8-6)」によりき損した固定資産について支出した金額のうち「資本的支出」と「修繕費」との区分が明らかでない場合には「30%を修繕費、70%を資本的支出」とすることもできます。
また、資本的支出の条件に「明らかに資本的支出に該当するもの」とご紹介しましたが、それは下記の通りになります。

◆建物の避難階段の取り付けなど、物理的に付け加えたことが明らかな部分の金額
◆用途変更のための模様替えなど、改造又は改装に直接要した金額
◆機器の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り換えた場合で、その取り替えの金額のうち通常の取り替えの金額を超える部分の金額

具体的にはどう判定するのか?

ここまでは修繕費にはどのようなものが該当し、どのようなものが資本的支出になるのかについてお話してきました。何となく理解できてきたと思っていただけたら幸いですが、ここでは実際に修繕費となった経費の具体例をご紹介していきます。

◆ソフトウェアのプログラムの修正等を行った場合において、プログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するとき
◆車両のタイヤ交換を行った
◆冷暖房設備の部品の修理を行った
◆賃貸人の入居者が退室した後、クロス張替え、クリーニング等の原状回復工事を行った
◆便器、洗面台、鏡台等従来と同一の素材のものと交換した
◆雨漏りやガラスが割れた場合等の取り替え費用
◆機械等の固定資産に対する点検等の維持にかかる経費や、故障した場合に必要になるメンテナンスの経費で固定資産の使用に伴って必然的に発生するもの
◆建物の解体、移築を行った場合(旧資材の70%を再利用)

次に実際に資本的支出になるものの具体例をご紹介していきます。
こちらは、【資本的支出=通常のもの→新素材等、高性能のもの】に変更した場合が該当してきます。

◆ソフトウェアの新たな機能の追加、機能の向上などに該当する
◆ノーマルタイヤから冬用スタッドレスタイヤに交換する場合(性能が向上するため)
◆建物の増改築を行った(1LDK→2LDKにする等)
◆建物のバリアフリー化を行った
◆事務所用から居住用にするための改築を行った
◆一定年数を経過して使用できなくなり、改修が必要となった給排水設備、電気設備、ガス設備、冷暖房設備、消防用設備等附帯設備の改修工事

給排水設備等の部品交換は「修繕費」に該当しますが、設備の主要構造部の更新・取替え等の場合は資本的支出に該当するものと考えられます。

もう1つよく似ているのが「消耗品費」

もう1つ修繕費とよく似ているのが【消耗品費】です。
例えばですが、
◆機械の消耗している部品を新しいものに買い替えた
◆蛍光灯が切れたので、電球を新しいものに買い替えた
というケースは「修理」を伴っているため修繕費なのか?それとも消耗品費なのか?と悩んでしまうところです。
その2つの仕訳をするのであれば下記の内容を目安に判定してみると良いでしょう。

◆「10万円未満の短期間で消耗する品」の交換だけで改善されたかどうか?
「10万円未満の短期間で消耗する物品」ならば「消耗品費」に該当します。例えば「機械の調子が悪くなったが、消耗している部品を買ってきて付け替えたら直った」「蛍光灯がつかないので、電球を購入して付け替えたら直った」などの場合は「消耗品費」として計上することが出来ます。

◆「原状回復」のための業者サービスなどを伴うかどうか?
消耗品費が少額の物品購入のみを処理する勘定科目であるのに対して、修繕費は修理に必要な物品を購入費だけでなく、メーカーに修理してもらうことや、メンテナンスのために業者に来てもらうということを含め「原状回復のために修繕にかかった費用」を計上する勘定科目です。
つまり、「機械の調子が悪くなったので、メーカーに修理に出した」「蛍光灯がつかなくなり、電球を替えるだけでなく業者による工事やメンテナンスが必要になった」等の場合はたとえかかった費用が少額だったとしても、買った時の状態に戻す「原状回復」をするために業者のサービスを利用しているので、「修繕費」として仕訳することが適切であると判定できます。

上記でこのようにお話してきましたが、実際に「消耗品費」と「修繕費」とを仕訳する場合、どちらの勘定科目に計上しても特に問題はありません。(最終的には事業主の判断次第と言えます。)
ですが、「今回は消耗品費」「今回は修繕費」とあまりにころころ変えてしまうと経費の管理しにくくなってしまいます。どう仕訳するかは事業主が一定の基準を設けて同じ勘定科目で継続して仕訳・処理していくことが重要なポイントであると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
一言に「修繕費」と言ってもその判定基準をきちんと把握していないといけないものでもある反面、その判定が事業主次第であるという複雑な勘定科目であるということが理解していただけたでしょうか。
「修繕費」は確定申告などでも必要となる勘定科目ですので、きちんと理解して会計処理をするように心掛けてください。

【参照元】
◆減価とは?基礎知識からメリット・デメリットまで紹介!
◆その経費、「修繕費」で大丈夫?勘定科目「修繕費」を徹底解説
◆どんなものが修繕費の勘定科目になる?修繕費の会計処理は?
◆【税理士監修】修繕費とは?資本的支出との違いや判定方法も解説
◆修理費用が経費にならないことも!【修繕費】・【資本的支出】・【消耗品費】とは
◆国税庁:No.5402 修繕費にならないものの判定
◆修繕費と資本的支出を分けるフローチャート

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