SEの業種・職種とは?仕事内容やおすすめの転職先を紹介
まずは業種と職種の違いについて
インターネットが普及したおかげで、現代のライフスタイルも変化してきましたね。今ではインターネットがない世界なんて想像ができないという人やインターネットが普及していない時代を知らないという人もいると思います。
その中で誕生した“SE(システムエンジニア)”という仕事。一言でSEと言っても、実は多くの種類があるのを知っていましたか?今日はそんなSEの仕事や業種について一緒に勉強しましょう!
職種と業種(業界)、言葉はよく似ていますが実は似て異なる存在なのです。最初にこの2つの違いをご紹介していきます。
業種と職種はこんな違いがあります。
・業種(業界)=企業が属するグループ
・職種=個人が属するグループ
ざっくりと表すと上記の内容になりますが、もう少し詳しくお話していきます。
◆業種
業種は会社や個人が営む「事業の種類」になります。日本標準産業分類の大分類によりますと、「工業」・「漁業」・「製造業」・「建設業」など、20種類に大分されています。
◆職種
職種は「仕事の種類」のことを指しています。「営業職」・「経理職」・「人事職」・「開発職」など、仕事の内容によって分類されます。
営業部、経理部、人事部など部署ごとに分かれている会社に勤めている場合、所属している部署の業務を「自分の職種」と考えることができます。
※自分の職種をどう表現したらいいのかわからない人は、厚生労働省の「職業分類」で該当するものを探してみましょう!
この「業種」と「職種」の2つを使って自身の仕事内容を表現するのですが、例とするとこんな風に
・駅の売店の店員=「小売業」の「販売員」
・駅員=「運輸業」の「駅務員」・「運転士」・「車掌」
・電車の整備し=「運輸業」の「鉄道車両整備し」
・少年誌の編集担当=「情報通信業」の「編集者」
・スマートフォンの開発者=「製造業」の「電気通信技術者」
・基地局の設置作業者=「建設業」の「電気通信設備作業員」
・携帯電話ショップ経営者=「小売業」の「会社役員」
といった感じで表現します。(このように業種の後に職種を続ける言い方になります。)
SEとは?仕事内容や手順をご紹介
業種と職種の違いについてはなんとなくわかりましたが、肝心のSEについてよく知らないということにならないようにここで少しSEについても触れていきましょう。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはプログラマーの上位職にあたります。簡単に言えばプログラマーのリーダー的役割(ポジション)であると言えます。
「クライアントがどのようなシステムを求めているのか?」ということをヒアリングから正確に把握し、「プログラマーに何を作ってもらえばいいのか?」を明確に指示していくのです。プロジェクト・リーダーであれば、最初のヒアリングから、クライアントと開発チームの“パイプ役”となることもあります。
システムが開発した後も、動作の不備を確認、インターフェースを改善するためのテストを行うということもあります。これは場合によりますが、クライアント自身がシステム運用できるようにするためのトレーニングの企画・実施を行うケースもあるそうです。
これを簡単にまとまると
◆要求分析
クライアントがどのようなシステムを求めているかのヒアリング。現場や関係者の意見から課題を見つけ、ニーズを分析することも仕事になります。
◆要件定義
クライアントの要求をもとにシステム全体の概要を明確にする。
◆基本設計
システムの基本的な構造を決める。
◆詳細設計
プログラミングを行うための細かな設計をする。
◆プログラミング
プログラマーに依頼または自身もプログラミングを担当し、プログラムを作成する。
◆テスト
完成したシステムが正しく作動するか、不備やミスがないかの確認テストを行う。
◆トレーニング(場合による)
クライアント自身がシステム運用できるようトレーニングの企画・実施する
という流れが一般的な業務手順になるそうです。
SEになるためには?
ではそんなSEになるにはどのようなことを学び、どんなスキルなどが必要になるのでしょうか?
SEを目指す人の殆どは、IT関係の大学の情報学部や専門学校を経て仕事に役立つ知識を身に着けています。もちろん知識も大切なのですが、それらより「ポテンシャル」を重要視する企業も多く、全く知識のない文系の大学を卒業したという人でも活躍している人もいます。
しかし、SEは「経験」がものをいうので、最初はアシスタント的な業務を積んでからSEになるのが一般的とされています。
スキル面では、先程の業務手順を見るとクライアントと直接対話して要望を聞くことや、チームをまとめるための「コミュニケーション能力」が必須であることが読み取れますね。
また、設計をする「技術的能力」、スケジュール管理や仕様書を作成したりする「マネジメント能力」など必要とされるスキルは多岐にわたります。SEはプロジェクトの管理やプログラミングを行うPGに指示を出しますので、総合的なスキルが求められます。それに加え、IT技術はITの技術が進化するに伴って変動するので、最新の情報を得ることも重要です。
その為、SEは常にスキルアップをする必要があります。
セミナーに参加することや最新の技術を学び取り入れていき、常にクライアントの出す要望に対応することは自分自身の「アピールポイント」になってきます。
常に活躍していくためには、「努力を惜しまない向上心」も重要なポイントになります。
もしSEから異業種に転職するのであればどんな職種がおすすめなのか?
先程、SEは常にスキルアップすることが大切とお話しましたが、SEに限らずスキルアップをするために今の会社を離れ、新しい会社に転職しようと考える人もいます。また、SEでなく畑違いの今までと全く違う職種に挑戦してみようかと考えている人もいるかと思います。そんな人たちに役立つこと知識をここではお話していこうと思います。
まずはSEから異業種への転職を考えている人向けのお話をしましょう。
【SEから異業種への転職でやってはいけないこと】
◆SE経験を捨てて転職はしてはいけない
20代という若さであれば、未経験の異業種に転職は可能です。
しかし、経験が全くない未経験にチャレンジするということは“新卒”と同じ待遇であっても文句は言えません。
採用する企業もポテンシャルだけで採用するのですから、即戦力になる経験者と同じ報酬を払う事はありません。また、一度就職しているということは若いとはいえ“新卒”ではありません。第二新卒であれば、新卒とほぼ同じ扱いになりますが、3年以上社会人として働いている人材を未経験で採用するという事はハードワークで人材が定着しない仕事かもしれません。
もちろん、未経験のチャレンジを応援している企業もいますし、求職者の人柄を見込んでの採用もあります。
ですが、大なり小なり「何か」を期待しての採用となりますので、新卒より向けられる目は厳しくなります。
では、30代の異業種(全くの未経験)への転職はどうでしょうか。
一言で表せば、「無謀」です。
30代と言えば「中堅世代」。年齢が上がれば上がるほど未経験の採用求人は難しく、35歳以上となれば正社員での転職率は格段に下がります。
未経験である上に、30代を採用とする企業はほぼありません。「ブラック企業」とは言いませんが、厳しい職場環境である可能性は高いと考えていいでしょう。
30代で異業種への転職は決して「安心でない」ということを忘れないでください。
これらを踏まえ、SEが転職するのであれば今まで積んできた“経験”を活用・生かすことができるということを視野に入れた業種を選択するようにしましょう。
SEがSEだけの仕事しかできないというわけではありません。ある程度、IT業界と親和性の高い業界や、IT系職種への転職であれば今まで培ってきたものを無駄にせず生かすことができます。もしどうしても異業種を希望というのであれば、パソコンを使用する仕事など得意を活かせる仕事が良いでしょう。
例えば、製造業やメーカーのIT技術者や、自動車業界、電気や医療関係、意外にも販売業界のIT系エンジニアやITサポート、IT系営業なども一つの道です。
IT系エンジニアなど、エンジニア職であれば「リクルートエージェント」に登録して転職活動を進めるのがおすすめです。
リクルートエージェントは業界の中でも圧倒的な求人数を保有しており、サポートも手厚いことから、転職をするならまず初めに登録しておきたいエージェントと言えます。
これから転職活動を始める際には、どの職種に進むとしても登録しておいて損はないでしょう。
【異業種転職でおすすめ職種】
◆Webエンジニア
Web系のIT企業は自社サービス(アプリ・ゲーム他)だけでなく、他社のHPやECサイト作成など幅広く開発・運営をしています。
基本的には自社開発になるので、協力会社や下請けなどのITゼネコン体質とは無縁なWeb企業も多くあります。もちろん、仕事が多い場合はフリーランスのエンジニアに発注している企業もあります。
Webエンジニアは開発職であっても従来のSIerとは異なる企業文化を持っています。ベンチャー系企業も多く自分の裁量で仕事を進め易い企業や、「今」に拘らず色々な事にチャレンジしている企業、老舗の印刷会社、メーカーなど多種多様な企業があるので、自分に合った転職先を探しやすい職種です。
Web系エンジニアで転職したい人は「リクルートエージェント」に登録しておきましょう。
非公開求人も含めて約16万件もWeb系エンジニアの求人があるため、あなたにぴったりな求人を紹介してくれます。
◆社内SE
社内SEとは、メーカーや製造業など各種事業会社での「社内のIT担当」というイメージが一般的です。IT企業ではなく、一般企業のシステム担当者・ITの専門家、困った時に相談役という立ち位置にあたります。
現在のオフィスでは、パソコンは1人1台がほぼ当たり前。ですが、中小企業や零細企業では、IT化が遅れている会社もまだまだあります。
会社の規模や業種によって担当範囲は異なり、既存システムの保守や導入、パソコンやネットワーク関連の雑用まで、IT系の“なんでも屋“の側面もあります。社内の調整だけでなく、ITリテラシーの低い社員への教育・サポートなどもありますので、コミュニケーションが苦手な人には不向きの職種です。
ですが、仕事を通してコミュニケーション能力を上げたい方、幅広い知識を身に着けたい方にはオススメの職種です。
社内SEも「リクルートエージェント」に登録することで、あなたの希望条件に合うような求人を紹介してくれるでしょう。
一度登録してみて、キャリアアドバイザーに相談だけでもしてみると、思いがけない求人に出会える可能性もありますよ。
◆フリーランス
フリーSEとしてプロジェクト単位や年契約で契約して現場へ出向くタイプのほか、在宅でお仕事を請け負うタイプがあります。
スキル次第でリピート顧客も獲得でき腕一本で稼ぐことも可能ですが、会社員とは異なり保証もありませんし、社会保険・税務関係・事務処理も全て自分で行う必要があります。
他にも、仕事を取ってくるために営業活動もしなければありませんし、契約の締結・集金、法的な問題への対応などを一人で行う事になります。
また、フリーランスとして開業した直後では社会的な信用はありませんので、銀行のローンが通らないなどのデメリットも大きくなります。
その代わり自分の裁量で仕事が出来るので、計画性を持って仕事が出来る方や、結婚・出産・病気などで働き方を変えたいという方に合った働き方と言えます。
◆ITコンサルタント
幅広い知識を持ち、能力の高い方であれば、ITコンサルタントとしてキャリアアップ転職も可能です。
現場での作業的な仕事ではなく、付加価値の高い仕事をしたい、成果ややりがいを感じたい、SE経験者にはぴったりな転職先です。
高収入が保証されている高キャリア職になりますが、かなりのハードワークですし、責任が重い仕事になりますので、「これくらい、別にいいや。」と軽く考えてしまう方には合わない仕事です。
【女性SEにおすすめ!異業種転職する時のポイント】
高収入ではなく、住居に近い職場や働きやすさを重点として考えているのであればパソコンスキルを活かした事務職などがあります。
コミュニケーション能力も高く物腰のやわらかい対応が出来る方なら、社内SEとして働くのも良いでしょう。
Web系の企業の中には女性の働き方にも柔軟に対応しており、Webエンジニアとして女性が活躍しやすい環境が整っている職場もあります。
ライフステージが変わったからといって、今までのキャリアやスキルを捨てる必要は全くなく、環境によって変化する優先順位に合わせた転職をするのも良いでしょう。
最近では、在宅での業務を積極的に取り入れる企業も増えてきていますので、女性が働きやすい社会へと変化してきています。
人それぞれの価値観やライフバランスに合った転職先を選ぶようにしてきましょう。
【なぜ転職をするのか。転職する「理由」を明確にしましょう】
SEから未経験の職種に応募した時、企業の採用担当者はスキルや資格よりも転職する「理由」を見ています。
ですので、今までのキャリアを捨てて異業種に転職をするのであれば、転職する「理由」を明確にしておきましょう。
面接時に、取り繕った「理由」を言っても採用担当者は必ず見抜きます。
「なぜ、SEを辞めるのか?」
「なぜ、未経験の仕事にチャレンジするのか?」
この問いに、自信を持って回答できる転職理由を「明確」にしておきましょう。
むしろ、理由がないなら未経験で異業種へ転職すべきではありません。自分の中で「この仕事をしたい!」という強い気持ちが無ければ、転職しても「こんなんじゃ無かった・・・」と感じて、また転職をしてしまう可能性が高くなります。
また、異業種へ転職するなら資格は「無いよりまし」というレベルであることを頭に入れておきましょう。
資格を取得していたとしても、SEから異業種への転職であれば持っている資格は仕事に活かされないと理解してください。
もちろん、「資格を取得する意欲や勉強した事実」は評価されます。しかし、「師・士業」レベルの資格・免許でなければ、転職先で活かされる事は難しいでしょう。もちろん、これらの資格でも職種によっては意味がありません。
薬剤師の資格を持っていたからと言って、介護福祉士の仕事が出来るわけではないですよね。もちろん、出来る事もありますが仕事内容が全然違いますので、持っている資格を活かした働き方が出来ないという事になります。
面接時には、「なぜその資格を取得したのか?」ということも聞かれ易いので、それに対しての答えも「明確」にしましょう。
最期に、ここだけは意識して欲しい事があります。
「現職がつらいから」という理由だけでの異業種への転職は絶対辞めましょう。現職が辛いなら、職種ではなく働く会社を変えましょう。
日本には多くの会社があります。今の会社の環境や、仕事のやり方が自分に合ってないなら、自分に合った会社に移ればいいだけです。
もちろん、会社を辞めて求職活動をするのは大変ですし次の会社が良い職場と限りませんが、少なくとも我慢できない環境からは抜け出せます。
今は、色々な形の求職活動や働き方があります。ハローワーク・求人サイト以外にも転職エージェントがありますし、クライアントへエンジニアを出向させている会社もあります。
SEを辞めなくても零細SIerから脱出すれば、それだけで待遇や労働環境、年収アップなど劇的に改善されるケースもありますので、転職をするならしっかり計画をしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
SEというものに対しての知識が少しでも理解できたというのであればうれしいです。
IT系はまだまだこれから発展する可能性が十分ある企業です。
SEからの転職を急ぐことなく、でも自分のスキルアップをしながら自分に合った職場を見つけましょう。
【参考元】
◆業種と職種の違いとは?言葉の意味と転職における考え方
◆システムエンジニアとは?仕事内容・年収・資格について
◆システムエンジニアってどんな職業?稼げるSEになるには?
◆30代SEの異業種転職、絶対やってはいけないこととは?
◆職種・業種コード