子育て・お金・偏見の目・・・!シングルマザーの悩みと新しい解決策って?
シングルマザーの数は増えています。
わたしの周りにもシングルマザーが何人もいますが、その大半は、いろいろな問題に悩まされています。
でも、仕事や子育てに追われる毎日では、なかなか解決策を見つけることはできないようです。
そこで今回は、少しでもシングルマザーの方々に役に立てるよう、その問題点や解決策をご紹介したいと思います。
現在、「シングルマザーとして奮闘中の方」はもちろん、これから「シングルマザーになろうとしている方」に、読んでいただければ幸いです。
シングルマザーの数は増えている?
■シングルマザー数の実態
シングルマザーは増えています。
平成元年では55万4千世帯でしたが、平成29年では76万7千世帯です。年度により多少の増減はありますが、傾向としては右肩上がりとなっています。
(厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」より)
■シングルマザーになった理由は?
母子世帯数123.2万世帯のうち約80%は離婚によるものです。死別と未婚は、少数派というわけです。(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査)より)
離婚の原因はさまざまでしょう。
価値観の違いや性格の不一致、金銭感覚の違い、相手が育児や家事に参加しないなどが上位にあがってくるようです。(ブライダル総研「離婚に関する調査2016」より)
■子どもが小さいときこそ、離婚が多い!
では、離婚のタイミングはどうでしょうか。
死別以外の原因の場合、一番小さい子どもの年齢が「0~2歳」が約40%、「3~5歳」が約20%です。幼児期までに離婚を決意する方が多いようですね。
(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」より)
つまり、見方をかえれば、お世話が大変な幼い子どもがいるシングルマザーが圧倒的に多いということです。
シングルマザーになるってどういうこと?
では、シングルマザーになると、どのような状況・問題が待っているのでしょうか。
これから離婚を考えている方は、知っておかなくてはならない現実と言えるでしょう。
■思ったより大変!お金の話
子育てにはお金がかかります。
子ども1人にかかる教育費は、幼稚園から高校まですべて公立に通わせたとしても、540万円ほどかかるといわれています。
当然ですが、食費や衣料品、医療費など、いわゆる養育費は一切含んでいません。
それら養育費を含めると、18歳未満の子育て費用は、1年間あたり172万となります。
1ヶ月にすると14万ほどです。
(文部科学省「子どもの学習費調査(平成30年度)」により)
もし子供が2人いたら、「とてもそんな費用は出せない!」というシングルマザーがほとんどではないでしょうか。
もちろん、シングルマザーには、生活をサポートする各種制度があります。
しかし、2002年度の数字では、公費でまかなえるのは約90万とおよそ半分まで。
80万強、1ヶ月にすると、1人当たり6~7万は自分でなんとかしなければならないのです。
自分、それに子どもが2人いたら・・・と想像してみてください。
大学は公立でも550万かかりますから(交通費は別)、もし大学に行かせたいのであれば、毎月の収入で生活費をなんとかしつつ、別途、貯金をコツコツ貯めなければならないことがわかります。
■仕事・家事・子育てと、八方ふさがり!
シングルマザーの最も大きな問題は、収入の高い仕事に就くことが難しいことです。
わたしの周りにいるシングルマザーで、正規の職員として働き、子どもを大学に行かせた人は1人です。
彼女自身が国立大学出身者で、残業のない研究所に勤務しており、実家や離婚した夫の助けがなくても十分に資金準備が可能でした。
しかし、それ以外の知人は、みなパートです。
なぜなら、正規の職員は、シングルマザーではない一般のワーキングママでも続けるのが大変だと嘆くほど、子どもがいる人にとっては敷居が高いからです。
子どもが小さいうちは、遅くまで仕事ができないうえ、急な発熱などで休まざるを得ないケースも多いです。当然、正規の職員になることは難しいですよね。
帰宅後は食事・お風呂・洗濯など、さまざまな家事が待っています。
小さい子はお風呂の世話や寝かしつけを、小学生には宿題の丸つけも必要です。
休日は、公園などに連れて行き子どもの遊び相手になることを求められます。
どんなに疲れていても、基本的には1人でこなさなければなりません。
まさに八方ふさがり状態にあると言えます。
■他ママが敵に?偏見の目が親子を襲う
シングルマザーは大変な状況にあるにも関わらず、温かい目で見てくれる人が少ないという現実があります。
パート先などにいる先輩、とくに年配の方から、心ない一言を言われたなんて方もいるのではないでしょうか。
あからさまな態度をとらない方も、腫れ物を触るように接してきたことはないですか?
同じ学校のママも同様です。なかには、子どもが仲間に入れてもらえないなど、自分だけでなく子どもにも実害があったなんて方もいるでしょう。
こんなにあった! シングルマザーを助けるサポートの輪
一方、シングルマザーを助ける制度や動きもあります。
すでにご存じのものもあるかとは思いますが、順番に説明していきます。
■児童手当:行政が、児童を育てている家庭に支給している手当。いわゆる「子ども手当」。
シングルマザーでなくても一律もらえます。(所得制限あり)
0~3歳未満は一律15,000円、3歳から小学校修了までは1万円(第3子以降は15,000円)
中学生では一律10,000円です。
■児童扶養手当:ひとり親世帯に支給される手当です。(所得制限あり)
最大で43,160円。第2子加算額は10,190円、第3子以降は1人あたり6,110円です。
原則、18歳になる年の3月31日までが対象です。
■ひとり親家族等医療費助成制度:子どもの医療費の一部を、県や市町村が負担してくれる制度。しかし、健康保険に加入していない、生活保護を受給している人は対象外となります。
額は収入等によっても変わりますので、詳しくはお住まいの自治体に確認ください。
■母子家庭等の住宅手当:住宅を借りていて月額1万円以上を支払っている場合、家賃補助を受けることができます。
文京区や練馬区は上限2万円、千代田区は5万と高額となる一方、23区外や神奈川や千葉県の市町村だと数千円と、自治体によって金額に幅があります。
■育成手当:18歳までの児童を扶養する母子または父子家庭に給付される手当。
数千円から1万円強と、自治体により異なります。
■電車やバスの割引制度:JRの通勤定額が割引されたり、公営バスが割引、または無料化される制度
■上下水道の減免制度:ひとり親世帯が受けられる減免制度があります。詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせ下さい。
■ファミリーサポート制度:地域住民による助け合い制度。子どもの預かりや送迎などをお願いすることができます。
■高等職業訓練促進給付金:看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士など、法令で2年以上のカリキュラムを受けることが必要とされる資格を取得するにあたり、満額で月額10万円が支給される。平成25年度は7,875件の支給実績があります。
■自立支援給付金:ひとり親世帯の自立を促すために設けられた制度。教育訓練を無事修了したときに支給されます。
ほかにも、シングルマザーを助ける支援制度を提供している自治体やNPO法人があります。まずは、お住まいの自治体に相談してみることをおすすめします。
シングルマザーにおすすめの仕事(会社勤務編)
さまざまな支援制度がありましたが、まずは自立するための仕事が必要ですよね。
余裕のないシングルマザーに欲しい仕事の条件は以下の3点です。
・ある程度の時間で切り上げられること
・すぐに仕事が見つかる、または未経験でもできること
・高単価であること、または収入アップの道があること
そこで、シングルマザーにおすすめのお仕事をいくつかご紹介していきます。
■一般事務:常に募集が見つかる事務の仕事。原則残業がなかったり、時短制度を用意してくれている会社もあります。専門的なスキルが求められる職種もありますが、請求書を作成する、顧客データを入力するといった、簡単な事務作業のみの会社も多いです。
■看護師:高収入が期待できる看護師。求人にことかかないこともおすすめの理由です。どのような地域でも病院がある、一度やめても再開することができるなど、メリットがいっぱい。小さなクリニックなど、夜勤がないところもあります。なお、社会人入試制度があるので、今から目指すことも可能です。
■介護職:看護師と同様、求人にことかかない仕事です。未経験でもOKなところが多く、スキルアップで収入を増やすことも可能です。
■スーパーのレジの店員:未経験でも始めやすいレジ打ちの仕事。接客が好きな方にはとくにおすすめです。時間も融通がきくところが増えています。また、帰りに買い物を済ませられるのもポイントです。
■飲食店:ランチの時間帯など限定のパート業務を募集しています。15~16時くらいにはあがれるので、幼稚園ママでも勤務することが可能です。
■家事代行:お料理やお掃除が得意な方におすすめ。時給1,300円~1,500円と高単価なのもポイント。ただし、1箇所あたり、2時間程度で終了する場合も多く、ある程度金額を得る場合には、うまく掛け持ちをする必要があります。
■家電量販店:単純作業ではつまらないという方におすすめなのが、家電量販店の説明員。知識でお客様を喜ばせることができるので、やりがいもあります。また、高収入なのもポイント。家電製品アドバイザーを取得することでさらに収入アップも期待できます。
■歯科助手:将来的な展望を期待できる歯科助手。歯科助手で収入や基礎的な知識をつけながら、最終的に歯科衛生士を目指すことも可能です。学校に通う必要はありますが、合格率が高い国家資格です。子どものお口の中の健康を守れるので実利もありますね。
シングルマザーの悩みを解決する!新しい働き方
子育て真最中のシングルマザーは、ワンオペであるからこそ長時間働けなかったり、急な病気などで休まなければならなかったりと、さまざまな壁に当たることでしょう。
そこで、いま、新しい働き方にチャレンジするシングルマザーが増えています。
それは「在宅ワーク」という選択です。
政府が旗をふる「働き方改革」のもと、在宅ワークという働き方を取り入れる企業が増えています。在宅ワークには、「在宅ワークを認めている企業に所属する」という方法と「個人事業主になって、案件を請け負う」という2つの方法があります。今回はより自由度が高い、個人事業主におすすめの在宅ワークをご紹介します。
■コールセンター:自宅にいながらにしてできる受電のお仕事。時給は1,000~1,300円程度です。チャットソフトを使ってお問い合わせを受ける仕事も。タイピングに強い方におすすめです。なお、マニュアルが完備されている場合が多いので、見ながら受け答えができますよ。
逆にアウトバウンドと呼ばれる、見込み客に電話をかける仕事も多数あります。お問い合わせを受けるものより総じて時給が高いのが特徴です。
■事務の仕事:在宅でできる事務の仕事もあります。仕事内容はほぼ通常の会社と変わりませんが、チャットワークやZOOM、Googleスプレッドといったツールを使えること、自宅のパソコンにマイクロソフト社のOfficeなどがインストールされていることが求められることが多いです。時給は900~1500円程度です。
■ライター:未経験からでも始められるライティングの仕事。時給性ではなく、1文字0.5円~2円など、文字単価で指定されている場合が多いです。指定のテーマや注意事項にしたがい記事を仕上げます。慣れてくれば月20万ほど稼ぐことも可能です。なお、作文能力はもとより、ものごとを調べ上げる力が求められます。人が知りたいと思うことを、わかりやすく説明するのがライターの仕事だからです。SEOの知識があるとより高単価の仕事を探せます。
■Web制作:Wordpressなどを使って企業のホームページをつくる仕事です。ほとんどの企業はホームページ作成を外部委託しているので、常に仕事はあると思ってよいでしょう。ただし、Webの世界は日進月歩。常に知識をブラッシュアップする必要があります。また、企業に提案ができるマーケティングの知識も求められることも。なお、Web制作に関する知識をオンラインで教えているスクールもあるので、スキルアップを目指す方におすすめです。
■プログラマ:企業内のシステムから、スマートフォンアプリ、Web上のサービスまで、すべてプログラミング言語でできています。これらを指示書にしたがってプログラムする仕事がプログラマです。なにかしらの言語を習得していれば、在宅での求人を見つけることができるでしょう。納期があり厳しい世界ではありますが、高収入を期待できる仕事です。
習得したい方は、仕事をしながら無理なく講義を受けられるスクール探しをしてみましょう。
なお、これらの仕事をメインで行うのではなく、パートをしつつ副業として行う方法もおすすめです。夕方まではパートを行い、隙間時間や子どもが寝た後にライティングを行うことで、子どもの様子を見ながら収入を増やすことが可能です。もし、在宅ワークだけで収入が確保できるようになったら、在宅ワーク1本でいくといった選択も良いのではないでしょうか。
シングルマザーの心のケア
シングルマザーは仕事・家事・子育てに追われ、体も心も傷つくことが多いです。
心のケアにつながりそうな3つのアイデアをお伝えします。
■スキルアップできる仕事に就くこと
仕事はいろいろありますが、とくに、自分を高めていけるような仕事が心のケアにもつながると思います。なぜなら、たとえママ友や近所の方から偏見の目で見られても、「私は充実した人生を生きている!」という自信から跳ね返せるからです。
きらきらした女性なら、かえって一目を置かれる存在になれますよ。
■趣味をもつ
あるシングルマザーの友人は、ゴスペルサークルに入っています。もともと歌が大好きで、歌っている間は仕事や子育ての悩みも忘れられるのだそうです。
また、思いっきり歌うことでストレスを発散。
今の彼女は、ゴスペルを始める前に比べよく笑うようになり、子どもたちにも笑顔が増えました。
■ソーシャルワーカーに相談する
悩みを話せる相手を持つことは重要です。おすすめは、ただ話を聞いてくれるだけでなく、的確なアドバイスをしてくれるソーシャルワーカーです。自治体で紹介してくれるケースが多いです。知識があるので、悩みに応じて利用できる制度の説明なども行ってくれるはずです。なお、心のケアにならない恐れがあるのは、SNSです。シングルマザーが集まる書き込みであれば攻撃されることは少ないと思いますが、不特定多数にむかっての書き込みは避けた方が良いでしょう。応援してくれる人もいるでしょうが、心ない言葉をかけられ余計に落ち込むこともあり得ます。
まとめ
今回は、シングルマザーの方、またはシングルマザーになることを考えている方にむけて、その悩みと解決方法とをご提案してまいりました。
最も重要なのは、各種支援制度を利用しつつ、シングルマザーでも十分に子育てできる
仕事に就くことでしょう。
在宅ワークという新しい選択肢も増えてきましたので、ぜひご自分に合ったお仕事を見つけていただければと思います。