予防接種に熱中症・・・!生後2ヶ月の赤ちゃんの成長や気をつけたいポイントについて
生後2ヶ月をむかえた赤ちゃんは、どのように成長して、どんな変化が見られるのでしょうか。どんな風に接してあげたらよいか、育児のポイントをまとめてみました。また、ママ自身の悩みもいろいろ出てきているはず。ママの身体のことはもちろん、精神面や経済面、ワーキングマザーは仕事への不安などについても案内していきたいと思います。
生後2ヶ月の赤ちゃんの身長と体重
生後2ヶ月の赤ちゃんは、生まれたときと比べると、およそ2倍近い重さになります。例えば、生まれたときの体重が3kg程度だった赤ちゃんは、2ヶ月終わりくらいには6kg弱程度に成長しています。生まれたばかりのときの写真と見比べるとその差は歴然!お肉がついて、ふっくらとしてきたはずです。
上の表は、厚生労働省が行っている乳幼児発育調査です。平成22年の調査結果で、実際に生まれた赤ちゃんが、どれくらいの体重や身長に成長しているかを示しています。生まれたときと2ヶ月のときの数値を載せているので、2ヶ月でどれくらい大きくなっているかもお分かりいただけるのではないでしょうか。
なお、この表からはほかに、同じ2ヶ月でも赤ちゃんによって差があることが分かります。例えば、2ヶ月の男の子の赤ちゃんの体重は、4.41~7.18kgと、赤ちゃんによって3kg弱の違いがあります。これは、生まれたばかりの赤ちゃん1人分の重さに相当。赤ちゃんによって差があるのは、生まれたときの体重や母乳やミルクの飲む量、体質などによるものなので、それほど神経質になる必要はありませんよ。
生後2ヶ月の授乳・ミルクの回数
生後2ヶ月の赤ちゃんは、授乳間隔が長くなってきます。力もついてきて、母乳を飲むのが上手になってくるため、1回あたりの時間も短くなる傾向にあります。目安としては1時間から3時間おきです。1日、7,8回くらいに落ち着きます。ただし、赤ちゃんによっては、もっとほしがる子もいます。その場合は何度あげても構いません。昼夜の区別もついてくるため、夜中の授乳が1回くらいで済む赤ちゃんも出てくるでしょう。
なお、授乳はそれぞれ10分ごとに切り上げるのが基本ですが、なかなか口から離さない赤ちゃんもいます。遊びのみの可能性もあるので、一旦切り上げるなど様子をみてみると良いでしょう。
■ミルク育児の場合
ミルク育児の場合は、母乳育児とは異なり、回数を管理する必要があります。与える分量や回数については、使用するミルクの説明書に従いましょう。なお、混合授乳の場合は、まず母乳をあげたあと、本来の量をより減らしたミルクを与えます。分量については、赤ちゃんの体重の増え方にもよるので、助産師さんか、保健師さんに相談してください。
生後2ヶ月のウンチの様子や回数
新生児のころは、1日10回以上、おむつ替えに追われていたことと思います。生後2ヶ月になると、その回数も減り、少しずつお世話が楽になってくるでしょう。ウンチの種類や回数は、母乳育児かミルクにしているかによって変わってきます。
■母乳育児の場合
相変わらず水っぽいウンチが続きます。回数も、新生児の頃よりは減るものの、1日、7、8回くらいは排便します。もちろん、母乳の飲む量にも差があるので、便の回数は赤ちゃんによってばらつきがあります。とくに母乳育児の場合は、1日1回、または2,3日に1回という赤ちゃんもいます。回数よりも、赤ちゃんの様子や、便の色に問題ないかをチェックするようにしましょう。
★参考★便の色について:緑がかった色や、黄色から茶色のウンチであれば問題ありません。赤色や白色、黒色のウンチの場合は、病気などの可能性もありますので、病院に相談すると良いでしょう。なお、ウンチの色については、カラー写真入りで母子手帳に案内が載っていますので、そちらを参考にすると判断しやすいかと思います。
なお、受診する場合は、医師が診断しやすいよう便のついたおむつを持参することをおすすめします。もし、どうしても持参できない場合は、写真をとるなどして、できるだけ様子が伝わるように心がけましょう。
■ミルク育児の場合
粉ミルクで育てている場合は、便の回数は少なめで、1日3,4回くらいになります。また、少し粘り気があるなど、母乳育児の赤ちゃんより固めの傾向が見られます。つぶつぶしたものが混じることがありますが、とくに問題はありません。
色はどこのメーカーのミルクを使っているかにより変わる場合があります。「ミルクを変えたら、ウンチの色が変わった!合ってないのかな?」などと心配する方もいますが、変わること自体は問題ありません。赤色や白色、黒色の場合は病気の恐れもありますので、母乳育児と同様、病院を受診しましょう。
生後2ヶ月の赤ちゃんの様子~微笑みや追視が見られる~
生後2ヶ月になると、赤ちゃんによっては、パパやママを見て微笑んでくれる子もでてきます。睡眠が削られたりしてつらい日々を送るパパやママも、報われた気がする瞬間ですね。2ヶ月の赤ちゃんはまだ視力が弱く、0.01ほどなので、まだはっきりとは顔やものを見ることはできませんが、カラフルなおもちゃを目の前でゆっくり動かしてあげると、目で追う「追視」という仕草も見せてくれます。
生後2ヶ月の赤ちゃんの成長や発達~クーイングがはじまる~
生後2ヶ月ころの赤ちゃんをより愛おしくさせてくれるのが「クーイング」。「あー」とか「う-」といったような音を発しはじめます。新生児のころは泣くだけで、会話らしい会話もありませんが、返事をすると、「あー」と返してくれたりして、気持ちが通じたように気持ちになります。
■クーイングは実は言葉ではない
一見、話しかけてくれているように思えるクーイングですが、実際には言葉ではなく、音にちかいものです。よく見ると、口を動かすわけではなく、唇を閉じたまま発しているはずです。でも、クーイングは声帯や声を出す器官が発達した証拠。確実に成長している証です。
■クーイングは大事な成長過程
クーイングは言葉ではありませんが、これから始まる「喃語(なんご)」や言葉を発生するための大事な基礎と考えられています。クーイングについては全てがわかっているわけではありませんが、赤ちゃんの機嫌がいいときに見られるといわれ、実際ににこにこしているときが多いです。赤ちゃんも声をだしていること自体が気持ちいいのか、しばらく続ける場合もあります。
■赤ちゃんと一緒に楽しんで
赤ちゃんがクーイングを始めたら、パパもママも赤ちゃんに向き合って、しっかりと返事をしてあげてくださいね。
「お話じょうずね~」「『あー』だね~」「ご機嫌ですね~」など、どんな言葉でも構いません。普段話す声よりワントーン高い声で返事してあげましょう。
赤ちゃんをあやしたり会話することでパパ・ママの愛着も増し、しっかりとした信頼関係を結ぶ基礎になります。
■クーイングしなくなった!クーイングが見られない!
「これまでクーイングをしていたけど、最近しなくなった!」「うちの子はクーイングをしない!」と心配する方が多いですが、赤ちゃんの気が向かないだけかもしれません。過剰に心配する必要はないでしょう。熱がないか、食欲はあるかなど、基本的なところをチェックしておきましょう。
また、発達には個人差があります。クーイングが生後1ヶ月で見られる子もいれば、3,4ヶ月ころになる、または、クーイングはしないで、いきなり喃語を発する子もいます。
声かけやおもちゃの音に全く反応しないなどの異常がなければ、特段心配する必要はないでしょう。
生後2ヶ月のToDo~予防接種をスタートする大事な時期~
赤ちゃんにとって、非常に重要なのが予防接種。でも、この予防接種が、種類も数も多く、パパ・ママの頭を悩ませるのです。ロタウイルスワクチンのように、摂取期間を過ぎてから打とうとすると、腸重積などの病気を引き起こす恐れがあるということで、摂取を断られるものもあります。そもそも、接種期間が決められているのには理由があります。赤ちゃんが、重篤な病気にかからないよう、スケジュールをチェックして忘れずに受けるようにしましょう。
■ヒブワクチン(不活化ワクチン)・・・定期接種
接種回数は全部で4回。1回目のワクチン接種を行ったら、27~56日あけて2回目を接種します。再び27~56日あけてあけて3回目を接種したら、およそ1年後(1歳の前半)に4回目接種を行います。
ワクチン.netより
■小児用肺炎球菌(不活化ワクチン)・・・定期接種
接種回数は全部で4回。1回目のワクチンを接種したら、27日あけて(4週間後)2回目を接種。再び27日以上あけ3回目を接種したら、今度は60日以上の間隔をあけ4回目を接種します。ただし、4回目は、生後12か月~15か月の間にかぎられるので、忘れずにスケジューリングしましょう。
★ヒブワクチンと同時接種がおすすめです。3ヶ月になると四種混合ワクチンも同時接種が可能です。
ワクチン.netより
■B型肝炎(不活化ワクチン)・・・定期接種
接種回数は全部で3回。1回目のワクチンを接種したら、27日あけて(4週間後)2回目を接種。続いて、4~5か月経ってから最後の1回を接種します。基本的に、ロタウイルス、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種することが多いです。
こちらは無料接種ではなく接種者負担となり、およそ5,000~6,000円かかります。
ただし、母親がB型肝炎キャリアの場合は、2ヶ月を待たずに接種することが推奨されています。その場合、健康保険で接種可能です。
ワクチン.netより
■ロタウイルス(生ワクチン)・・・任意接種
ロタウイルスによる胃腸炎を予防するワクチン。そのほかの原因による胃腸炎は予防できませんが、生後7~15ヵ月の乳幼児に起こりやすく、また、脱水症状がひどい場合入院が必要となる場合もあるので、接種が推奨されています。
接種回数はワクチンの種類により異なります。
1価の場合は、全部で2回、5価の場合は、全部で3回です。いずれも、前の接種より27日以上あけて接種します。それぞれ、接種期間に条件があるので、忘れずにスケジューリングしましょう。
ワクチン.netより
なお、全体の接種スケジュールに関しては、日本小児科学会が出している表がおすすめです。ルールや注意事項などが網羅されているので、「本当に接種して大丈夫かしら?」などの不安に答えてくれます。また、チェック表もあるので、忘れずにスケジュールを管理することも可能です。
2020年1月版 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
生後2ヶ月に適した遊びやおもちゃ
赤ちゃんは日々成長しています。新生児のころは寝ていたばかりの赤ちゃんは、音や声、光に反応し、視線を巡らすようになります。さらに月齢が進むと、手を使ってものを持ったり、意思を持って自ら音を出して楽しんだりするようになります。
こういった成長を促すには、その月齢に適した遊びやおもちゃがあると良いでしょう。刺激を与えることにより赤ちゃんは、さまざまなことを学んでいきます。
ただし、早く成長をしてほしいと、先の月齢むきのおもちゃを与えるのはやめましょう。結局、そのおもちゃ本来の遊び方ができないのはもちろん、2ヶ月の赤ちゃんが手に持つには重すぎるなど危険が伴う場合があります。
一般的に2ヶ月におすすめの遊びやおもちゃには以下のようなものがあります。
<<遊び>>
■スキンシップをはかる遊び~くすぐり遊びや、手足の運動
赤ちゃんに触れてあげることを前提にした遊びです。
くすぐってあげたり、手足をリズミカルに動かしてあげたりして、刺激を与えます。新生児はまだ身体を認識することができず、自由に手足を動かすことができません。今後、脳が手足を認識し、意思を持って動かせるようになるための助けになります。
★ポイント★急激に動かすのではなく、ゆっくり優しくおこなう。声かけや歌を歌いながらおこなう。
■コミュニケーションをはかる遊び
コミュニケーションの基本、相手に反応するということを教えてあげる遊びです。
クーイングなどが始まったら、お返事するよう心がけましょう。
まだ、クーイングが始まらなくて何を声掛けして良いかわからない場合は、カーテンを開けるときに「カーテン開けましょうね~」。抱っこして窓を見せたら、「今日はお天気がいいですね~」など、動作を説明したり、状況を説明したりすれば、自然と声かけが可能です。
<<おもちゃ>>
■握れるおもちゃ
生後2ヶ月の赤ちゃんは、細くて手のひら全体で握れるおもちゃであれば、持っていられる力がついてきます。ただし、すぐにぽろっと落としたりすることも多いので、軽いもの、万が一落としても危なくないものを選ぶようにしましょう。「2ヶ月からOK」と書かれている市販のおもちゃなら安心です。布製のものや、なめても大丈夫なものが使われているのがほとんど。まだ視力の弱い赤ちゃんがわかりやすい、カラフルなものもおすすめですよ。
■メリーなどぶらさがるおもちゃ
ねんね期の赤ちゃんがもっとも遊びやすいのがメリーです。パパやママが持っていてあげなくても、赤ちゃん自身で遊ぶことができるのがポイント。いろんな色や素材のおもちゃがぶら下がっているものがおすすめ。さまざまな素材に触れることが、赤ちゃんの脳を活性化させます。
ベビーベッドなどに取り付ける据え置き型もありますが、お料理中など、手が離せないときにさっと出してこられるものが便利です。最近では、お洒落なものも増えてきました。お洒落なインテリアにもなるので、おすすめです。
★ポイント★一番おすすめなのは、パパ・ママ自身が気に入ることです。この時期の赤ちゃんは、1人でおもちゃを使って遊びだすことはせず、パパ・ママの助けが必要です。パパ・ママが気に入ったおもちゃであれば、そのおもちゃを使って遊んであげるのも楽しみになるはず。結果、赤ちゃんと触れ合う時間が増えるためです。
生後2ヶ月のころのよくある悩み
■「ミルクをだらだら吐くけど大丈夫?」
生後間もない赤ちゃんは、口からミルクをだらだら吐くときがあります。パパ・ママは慌ててしまいがちですが、赤ちゃん本人はけろっとしていることが多いです。これは、赤ちゃんの胃の筋肉が未発達であるため、逆流してしまうことが原因です。半分固まりつつある、カッテージチーズのような状態で出てくる場合も。
ミルクを飲ませたらげっぷをさせたり、枕をおいて少し傾斜をつけて寝かせるようにすると良いでしょう。
■「混合授乳中をしているが、母乳を嫌がる。どうすればいいの?」
一般的に哺乳瓶は柔らかいものが多く、それに慣れてしまうと、いざ母乳を与えたときに、赤ちゃんが嫌がる恐れがあります。できるだけ母乳育児のみにしたい場合は、おっぱいに近い硬めの哺乳瓶を選ぶことがおすすめです。また、あげる順番は、最初は母乳で、そのあと、ミルクを与えるようにしましょう。母乳をどれだけ飲んでいるかは見た目にはわからないので、完全に母乳にするまでは不安もあると思います。でも、体重が増えていれば大きな問題はないと割り切りましょう。
ママの身体と心の変化
最初は赤ちゃんのお世話に手間取っていたママも、2ヶ月過ごすうちに、すっかり慣れてきたことでしょう。それでも、急な発熱などに大慌てすることもありますよね。
これまで外で働いていたママはとくに、1日中、赤ちゃんと2人きりで過ごすことに、疲れてきたママもいることでしょう。
そんなときは、ベビーカーや抱っこひも使ってお散歩してくるのがおすすめ。外の空気を吸うだけで気分転換になるはずです。また、少しずつ体を動かすのも、産後の身体には大切です。
お役立ちコラム ~ベビーカーと熱中症の関係について~
1ヶ月過ぎるとお出かけデビューをするママが多いです。2ヶ月になると予防接種のために外出をすることから、7割近くのママが散歩デビューを果たしているという数字もあります。
(アカチャンホンポ「赤ちゃんのお散歩って、いつから?」より)
ただし、気温が高くなる夏は特に注意が必要です。
大人が感じる気温と、ベビーカーに乗っている赤ちゃんの周囲の気温は、少なくとも3度は違うというデータがあります。気温は30度でも、アスファルト部分は50度ほどになり、ベビーカーに座る赤ちゃんの顔周辺では35度以上の高温になるというデータも。
「暑いよ」「喉が渇いたよ」と言える幼児なら水を飲ませてあげたり、木陰で休むなどの対応をとってあげられますが、赤ちゃんはお話ができませんので、注意が必要です。
とくに、月齢が進むと、対面式ではなく、背面式のベビーカーを使用する方が多いと思います。様子がわからないので、「おとなしいな」などと思っていたら、実はぐったりしていたなんてこともありえます。
最近ではベビーカー周りの熱中症対策グッズが多数販売されています。日よけや、ひんやりジェルなど、その種類もさまざまです。赤ちゃんが熱中症にならないよう、しっかりと対策をたててあげてくださいね。
なお、赤ちゃんが赤い顔をしていたり、荒い息をしていたりしていたら熱中症の恐れがあります。
なにごとも予防が必要ですが、発熱していた場合は病院に連れて行くなど、すぐに対応をしましょう。
ワーキングマザーの復活への準備
産休は生後56日までです。仕事復活の日を迎えることになりますね。厚生労働省の調査によると、働く女性の育児休業取得率は2018年では82.2%にのぼるので、10人に2人は2ヶ月目に復活をすることとなります。ただし、この調査は、初産婦、経産婦を区別していないので、初産婦の育児休業取得率は、もっと高いかもしれませんね。
■育児休業給付金
育児休暇を取得している方は、育児休業給付金が支払われます。ただしこれには、申請が必要です。自分が勤務する会社で申請を行ってくれているか、確認することをおすすめします。
なお、自分で行う場合は、申請書のほかに、出勤簿や給与が支払われていないことを証明する書類が必要です。申請が遅れればそれだけ振込みも遅くなるため、勤務する会社に早めに依頼しましょう。
関連記事:振込みが遅い?増額できる?育児休業給付金の金額や支給日についてまとめて解説
まとめ
今回は、生後2ヶ月の赤ちゃんの成長や、育児のポイントなどをご紹介してきました。予防接種や熱中症など、パパ・ママには気をつけなければならないことがたくさんありましたね。
でも、赤ちゃんの笑顔を見たら、そんな苦労は吹き飛ぶはず。
かわいい赤ちゃんのため、記事を参考にしながら乗り越えて下さいね。