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副業の労働時間と通算制度の見直し

公開日: 2017.09.15
最終更新日: 2021.07.21

副業の労働時間と通算制度の見直し

家事のあいだの隙間時間で小遣い稼ぎや家計を助けるための副業、旦那が本業のあとに副業しているなど理由はさまざまですが、副業をしている方が増えてきていると感じます。インターネットが身近にある今の時代は、在宅で稼げる副業もあり、働き方の選択肢が多くなっていますよね。

そこでこの記事では、副業の労働時間と通算制度の見直しについて解説していきます。副業をしているけど労働時間のことはよくわからないと感じている方や「通算ルールって何?」と感じている方も多いはず。

この記事を読めば、副業の労働時間や通算制度について詳しくなります。自分や周りの人の労働が適切なものか把握できるようになるので、ぜひご覧ください。

労働時間の考え方

労働時間について考えるうえで大切なのが、労働時間内労働と法定時間外労働の違いを知ること。

労働時間内労働は週/40時間、日/8時間の労働のことをいいます。法定時間外労働は週/40時間、日/8時間より多く働く状態のことです。つまり労働時間内労働は労働基準法の範囲内で行われ、法定時間外労働では労働基準法の範囲よりも上回った状態で働いている状態です。

労働基準法の範囲内で働いている場合は、なにも問題はありません。ルールを守っている会社なので、安心して働ける環境が整っているといえます。

しかし仕事のなかには、労働基準法の範囲を超えて働かないと回らないような業務もあります。でもそれが違法というわけではなく、それに見合った賃金が発生していれば問題ありません。

時間外労働を行うときには残業手当が支給される、または時間外労働をする会社の場合は求人にその旨が記載されていて、時間外労働手当というものが支給されています。

 

業務委託で副業している場合

業務委託で副業している場合は、個人事業主やフリーランスのように労働基準法は適用されません。労働基準法が適用されないので、働いてる時間や賃金、休日など労働労働基準法によって守られるものが適用されないのです。

ですから働いている割に稼げない、最低賃金よりも時給が下回っている、仕事が多すぎて休みがないのようにマイナスの影響が働く可能性があります。

反対にスキルや人脈などがある方なら、最低賃金よりも多くの収入を得ることも可能。短い時間でも高収入を稼げる可能性もあります。

このように業務委託で副業する場合は労働基準法で守られないので、本業の賃金より時給が安くなってしまうということも大いにあります。業務委託の副業をする場合の、労働時間のメリットとデメリットを把握しておくといいと思います。

現行の通算ルール

労働時間には通算ルールというものがあり、本業と副業で働いている企業が違う場合でも雇用関係にあれば、本業と副業の労働時間を通算するシステムがあります。

たとえば本業で8時間、副業で2時間働いているAさんがいるとします。Aさんは本業である企業で8時間働いているので、労働時間のギリギリまで働いていることになります。しかしAさんは副業をしているので、その後2時間働かないといけません。

このケースだとAさんは労働基準法の範囲より多く働いているので、割増賃金を支払う必要があります。そこで登場するのが「通算ルール」。

通算ルールでは、上記のケースの場合副業先が割増賃金を支払う必要があります。ですからこのケースだと副業をしている時間は、残業時間に入るということです。

また本業や副業をしている企業でAさんの労働時間を把握する必要がでてきて、管理する手間が増えてしまうという面もあります。管理コストが増えてしまうので、副業を禁止している会社が多くあるのです。

副業を行い労働時間が増加するときに気をつけたいポイント

・労働時間と健康確保のバランス

 

労働時間が増えれば増えるほど収入も増加するのが一般的ですが、当然、身体の疲労も増加します。結果、労働に支障をきたすことがあるため注意が必要です。
日本の企業は、労働者の就業時間を把握し管理することが義務づけられています。
労働契約法5条に「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする。」と明記されているのです。
就業場所で危険な目に遭わないよう機器の管理を行うのはもちろん、労働時間を把握し、労働者が健康でいられるような配慮をする必要があります。
いっぽうで労働者側にも、自分の健康を確保し、会社に迷惑をかけないような努力をする必要があります。
たくさん働けばそれだけ収入も増えますが、健康が損なわれ勤務に支障をきたすようでは会社に迷惑をかけることになるため、自己管理や注意が必要です。
2018年に厚生労働省が出した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」やテレワークの促進により副業を行う人が増加傾向にありますが、副業をする際には報告を行うなどといった就業規則がないかを確認し、それを遵守するだけでなく、過労により体調不良にならないよう、労働時間と健康のバランスを確保する努力を怠らないようにしましょう。

 

・法定労働時間を超えたときの割増賃金

 

企業の担当者や人を管理する立場にいる人はもちろん、一般の労働者も労働時間に関する決まりは一通り理解しておくことが望ましいです。
とくに残業が多い、副業を行う予定がある人は企業に迷惑をかけないという意味でも、自分の身を守るという意味でも、ルールを理解しておくことが必要と言えます。
そもそも働く時間には明確な決まりがあり、「法定労働時間」といって、1日8時間、週に40時間を超えてはいけないというルールが定められています。
この法定労働時間を超える場合は、いわゆる残業と言われ、割増賃金の対象となるということはほとんどの方がご存じのことと思います。
具体的には、法定労働時間を超えた場合、通常賃金の25%以上が支払われるというルールになっています。
時間外労働が60時間を超えてしまった場合は、50%以上を超える割増率を支払うという決まりもあります。(中小企業は2023年4月1日から適用)
また、その勤務が深夜にあたる場合や、法定休日おける勤務には割増率が別途設定されており、それぞれ、25%以上、35%以上という数値が決められています。
仮に、法定休日に労働させ、さらにその勤務が深夜だった場合は、休日労働の手当として35%と、深夜手当としての25%とを合わせた60%の割増料金を支払うこととなります。
労働者のなかには、「仕事が終わらないから休みの日の夜に出勤します!」などと気軽に発言する方もいますが、割増料金を支払わなければならないのは企業なので、かえって迷惑になる恐れがあるのです。

通算ルール見直しの背景

この通算ルールですが、見直しされてルールが変更される可能性があります。通算ルールには問題もあり、機能していない部分もあったからです。

例えば割増賃金を払わないといけない副業先は、Aさんの賃金を払うのに出費が多くなります。企業としては経費を安くしたいので、代わりの人材を探すこともあるでしょう。働きたい人がそのような可能性を恐れたときに、採用されやすいように本業を隠してしまう可能性があるからです。

また本業と副業先の企業は副業をしている方の勤務時間を把握する必要がありますが、労働者の自己申告制なので把握する義務や権利もないという矛盾があります。会社としては把握したいのですが、自主申告制なので把握できないというジレンマがあるのも見直しの背景にあります。

そもそも副業は収入アップやスキルアップなどのために本人が自主的に行うものなので、本業や副業先の企業が管理する必要があるものではありません。このような背景から、通算ルールの見直しが検討されています。

通算ルールの見直し

通算ルールの見直しによって、本業と副業先での労働時間を通算する必要がなくなる可能性があります。労働時間を通算する必要がなくなったので、さきほどのAさんのような方の労働時間を把握していなくても問題ありません。自社で働いた勤務時間で労働時間の計算をすればいいので、労働時間を超過したときの割増料金の支払いの手間も減りました。

働いている人の労働時間の自主申告制、企業も労働時間を把握する努力をするというのは変わらずに残っていますが、企業ごとに把握していればいいので把握していなくても問題が生じることはないでしょう。

また働く方も副業先で割増賃金になることを気にする必要がなくなります。今までの通算ルールなら副業先で割増賃金になる可能性が多いので、副業であることを隠して働いている方もいたと思います。しかし企業ごとで労働時間を計算すればいいので、副業であることを隠す必要がなくなります。

通算ルールの見直しでは、働く方だけではなく企業にとってもメリットがあります。というのも労働時間の計算を1日1日する必要がなくなり、月単位で合算して計算できるようになるかもしれないからです。

これにより労働時間の管理のわずらわしさが解消されます。働いている人が労働時間を管理して、上限に近くなると企業に申告するという形をとれるようになります。

規制変更案における注意点

規制変更案における注意点は、以下の2つです。

 

■長時間労働になりやすい

労働時間を通算する必要がなくなったので、気を付けないと長時間労働になる可能性があります。本業と副業の労働時間を通算する必要がないので、副業先で働く場合本業で働いていた時間をカウントされないからです。

しかし、今まで通算ルールが機能していたのか疑問点が多いのも否めません。この記事を見ている方のなかにも、通算ルールが適用されたことがない…という方もいるかもしれません。

 

■労働時間を自分で管理する必要がある

通算ルールの変更では、労働時間を自分で管理する必要があります。通算ルールが変更されると労働時間を企業ごとに把握しておくだけでいいので、企業は個人の労働時間をそこまで気にする必要がなくなるでしょう。

ですから自分で労働時間を管理する意識を持って、仕事に取り組む必要がでてきます。相談できる仲間、法的なアドバイスをお願いできる専門家など、困ったときに助けてもらうことも大切なことです。

 

 

■労働者による申告がベースとなる

 

通算ルールの変更により、労働者は、自ら労働時間を申告することが必要となりました。
これまでは、本業でも副業でも、雇用関係にあるそれぞれの企業が労働時間を通算するといったルールであったものが、労働者自身が総労働時間を管理することになったのです。
たとえば、あなたが本業で法定労働時間である8時間ぴったり働いてきたとします。そのあと、副業先に移動し2時間の業務を行う場合、その2時間は法定労働時間を超えた労働とされ、割増賃金支払いの対象となります。そして、それぞれの企業があなたの総労働時間の把握・管理をしなければならないという状況でありました。
しかし、制度の見直しにより、今度は労働者自身がそれぞれの労働時間を報告することとなりました。本人であれば労働時間の把握はそれほど難しいことではありませんので、実現性のある制度になったと考えられます。

 

■企業の運用しやすさを重視した制度設計

 

総労働時間の把握は、企業にとって非常に難しいものでした。
勤務の前や後に労働者が別の企業とも契約し働いているかを知ることは、本人の申告がなければほぼ不可能といっても過言ではないでしょう。
業務に支障が出るほど明らかに疲労している場合には、本人に事情を聴いて、勤務実態の把握をすることはできるかもしれませんが、とくに大きな問題はない場合は、勤務時間以外の把握をすることは難しいからです。
さらに、把握したところで、その管理や支払いには手間がかかります。
とくに、副業先の企業は割増料金を支払う可能性が高いため、大きな負担と言わざるを得ません。このように企業への負担は非常に重いものでした。
結果、副業自体を禁止しようという企業が増加するのは当然です。
今度の制度は、労働時間の把握を労働者による申告ベースに変えるというものであり、企業にとって運用しやすさを重視した設計になっていると言えるのです。

 

労働時間とは

労働時間とは、労働基準法で決められている働く時間のことです。労働基準法は立場が弱くなりがちな働いている人を守るための法律で、不正な長時間労働や休憩時間が与えられないなどの問題を解決するために存在しています。

会社から残業して欲しいといわれて仕方なく残業している、仕事が忙しくて休憩できない
などの理由は一見すると正当なものです。仕事として働いている以上責任もついてまわるので、しっかり成果を残す必要もあります。

しかし雇用している企業の都合ばかり聞いてしまうと、上記のような長時間労働や休憩が与えられないなど働いている人に不利な条件ばかりそろってしまうことも珍しくありません。そのため労働基準法が定められていて、働く時間を法律で決めています。

このように労働時間は労働基準法で定められているもので、働く人の権利や生活を守ってくれる存在なのです。

土日の考え方と稼働日数の計算の仕方の理由

土日を稼働日数としてカウントをしない理由は、(想像がつくとは思いますが)土日は家族と過ごすための曜日と決めているからです。
ただ稼働日数に関しては「あれ?足し算が間違えているのでは?」と言うご指摘を受けそうですが、実はこれは“もしも”に備えての予備日として、1日を残して計算しているのです。

通算制度が変わると副業の働き方や労働時間が変わる!?

この記事では、副業の労働時間や通算制度の見直しについて解説しました。副業の労働時間や通算制度について理解できると、自分の働き方は適切だったのか理解できるようになります。問題ない方は今の働き方を維持する、グレーだった方は違う働き方を探してみるのもいいですよね。

この記事をきっかけに、ぜひ自分の働き方を見直してみてください。

 

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