クリエイターになりたい!職業一覧と必要な素質って?
「クリエイターになりたい!」そう考えている人は多くても、クリエイターを一言で説明できる人はいないのではないでしょうか。
なぜなら、クリエイターという言葉は具体的に1つの職業を表しているわけではないから。
しかも、非常に曖昧で、はっきりとした線引きのない、言葉でもあるからです。
クリエイターとは、『createする人』、つまり、なにかをつくる人のことを指しますが、単にモノを生産するという意味ではなく、「生み出す」「創り出す」といった意味合いです。
当然、そこには、新しさや工夫などといった『価値』が認められるものに限定されることが多いです。
物事を単によくするということは、創造というより改善といった表現が適しているでしょう。
そういった意味では、「いままでになかったものを新たに生み出す」というニュアンスも込められているといえますね。
「自分の感じるものやアイデアを世の中に出したい!」・・・。
今回は、そんなクリエイターを目指す方むけに、どのようなクリエイター職業が具体的にあるのかを説明していきます。
センスが勝負?グラフィック系のお仕事
オシャレなイメージがある、グラフィック系のお仕事。
一言でグラフィック系のお仕事といっても、実はさまざまな職業があります。
1:DTPデザイナー
商品のパッケージや、広告、チラシ、ポスターなど、おもに紙媒体を対象としたデザインを行うお仕事です。DTPは、Desk Top Publishingの略。文字どおり、パソコンを使って、デザインを仕上げていきます。なお、単にデザインするだけでなく、印刷会社に渡せるデータ作成までを行うことが多いです。大手広告代理店などから、小さなデザイン会社まで就職先はさまざま。フリーランスでお仕事をしている人もいます。
IllustratorやPhotoshopなどの画像編集ソフトの習得が必要です。
2:Webデザイナー
おもに紙媒体の商材を扱うDTPデザイナーに対して、webサイトに特化したデザインを行うのがWebデザイナーです。やはり、IllustratorやPhotoshopなどのソフトを使ってデザインを制作します。同じく、広告代理店からデザイン会社、フリーランスまで、さまざまな形で活躍することができます。
なお、デザインが好きな方はもちろんですが、人が見てくれるための仕掛け作りや、購買力を掻き立てるためのデザイン構成にするなど、マーケティングにも興味がある方におすすめです。
3:CGクリエイター/デザイナー
CG,つまりコンピューターグラフィック技術を使ってデザインを行うお仕事です。
先に説明した2つのデザイナーと異なるのは、CGデザイナーは、全体のデザインをつくるのではなく、あるパーツに対して仕事の依頼を受けることが多いという点です。
大きな案件に関しては工程が分かれているため、ほんの一部分しか担当しないこともありえます。しかし、与えられた部分に対して、リアルさを徹底的に追求し、いかにそれを表現するかということに喜びを感じ取れる人がむいていると言えるでしょう。つまり、センスというよりは、研究熱心で地道にコツコツと作業できる方におすすめします。
3Dデザインに関しては。今後ますます需要が増えていくと思われます。
なお、活躍できる業界は、アニメ、映画、教育、家電、建築などあらゆる分野に広がっています。
具体的な勤務先は映像制作会社やCG制作専門のデザイン会社などがあげられます。
4:アニメーター
アニメのなかの作画を担当するお仕事。アニメーションは1枚、1枚の原画からできていますので、その1枚1枚の人物や背景デザインを丁寧にリアルに書きあげます。一般的に、最初は動画を担当します。枚数をこなさなければならないので、ハードなお仕事だと言われることもあります。ただ、上達すれば原画をまかせてもらえますので、アニメ好きな方はやりがいのある仕事といえるでしょう。
ものづくりが好き!職人系のお仕事
1:ジュエリーデザイナー
宝飾品をデザインするのが、ジュエリーデザイナーです。指輪、ネックレス、ブレスレットなど、その範囲は多岐にわたります。センスはもちろん、宝石や貴金属など素材に関する知識から製図などを学ぶ必要があります。ブランドのインハウスデザイナーだけでなく、独立し自分のブランドを立ち上げることも可能です。
2:家具職人
実際に、自分の手を使ってものづくりをしたいという方におすすめなのが家具職人です。自分の感性を活かしてデザインした家具をつくり上げたり、オーダーメイドで顧客の希望を叶える家具をつくったり、さまざまなスタイルがあります。
工房に勤務というスタイルが一般的ですが、人気が出れば独立して自分のブランドを立ち上げることも可能です。
3:陶芸家
人の生活に密接にかかわる器をつくりあげる職業です。食事のための器や花卉などいろい
ろですが、つねに、人のそばにあるものをつくりあげるという点では、ものづくりの先に人があることを意識して向かい合うお仕事だといえます。直売を行っている工房であれば、自分がつくったものが人の手に渡る瞬間を見る機会もあり、よりやりがいが感じられるでしょう。人気が出れば独立して販売することも可能です。
4:革職人
財布やキーケースなど小物作りをはじめ、家具など大型製品にいたるまで、革を使った商品をつくりあげるお仕事です。製品によって、牛やヤギ、馬など、さまざまな素材を使い分けすることが必要。小さな工房から大きなブランドの工場まで、さまざまなスタイルでの働き方があります。
5:着物デザイナー
日本の伝統的な衣類である着物。海外でもファンが増えつつあり、若い人でも普段着として着物を着る人を見かけるようになってきました。従来着物は、正絹(しょうけん)はもちろん、麻、上布(じょうふ)、綿などが主流でしたが、見た目には正絹と区別がつきにくい、洗濯もできる化学繊維も開発され、より気軽に着られるようになったのも、着物が再注目された背景としてあげられるでしょう。そんな着物をデザインするお仕事が着物デザイナーです。普段着としての着物は、繰り返しの文様が使われるため、テキスタイルのデザインと似ています。伝統的な文様を現代風にアレンジして図案化したり、今までにない新しい文様を図案化したり、自分の個性をアピールできる職業といえます。
インテリアが好き!空間や内装系のお仕事
1:空間デザイナー
デザインするのが好きというなかでも、とくに店舗やイベント会場のコーディネート、デコレーションをするお仕事です。ただし、単にインテリアが好きというだけではつとまりません。店舗もイベントも販売促進や認知度アップなどの目的があります。その目的に適うよう、来訪者の視覚に訴えるようなディスプレイに仕上げるのが、空間デザイナーの役割です。海外の展示会に出張するということもありえるので、英語を身につけておくと仕事の幅も広がります。
2:壁紙デザイナー
家の中や、事務所、店舗などでも、壁紙が貼られていることが多いです。これらの壁紙をデザインするお仕事が壁紙デザイナーです。一般的には、シンプルなものが多いですが、海外の壁紙は、それ自体が主役になるようなデザインのものも存在します。日本でも、自分で手軽にはれる壁紙が登場したり、アパレルデザイナーによる個性的な壁紙が登場しつつありますが、今後、一般の人が壁紙に対してもっと前向きで自由な選択ができるような提案制のある壁紙をデザインしたり、情報を発信するようなデザイナーが登場すると世の中が変わるのではないでしょうか。
なお、有名壁紙メーカーである『サンゲツ』がデザインコンテストなどを実施しています。一気に注目を得られるチャンスです。
3:設計士
内装といっても見た目のデザインではなく、空間デザインをするお仕事です。美術館やホテルなどの大型施設から、一戸建てまで、活躍範囲はさまざまです。
美術館なら、洗練された雰囲気を出しつつ美術品を際出させる工夫をしたり、大型施設のトイレなどでは人がぶつかり合わないよう動線の工夫をしたり、狭小住宅では光を取り入れたり効率的な収納の工夫をしたりするのも、設計士の腕の見せ所です。
なお、独立して自分の事務所をつくることが可能なのもポイントではないでしょうか。
4:インテリアデザイナー
決められた設計のなかで、内装を工夫し、どのような空間にするのかデザインするのがインテリアデザイナーのお仕事です。具体的には、壁紙やカーテン、家具にいたるまでをトータルプロデュースしていきます。見た目だけでなく、素材の機能を熟知したうえでの選択が求められるため、センスだけではなりたちません。
一戸建てなどの個人宅から、オフィスや店舗、ホテルまで、活躍の場はさまざまです。
5:ガーデンデザイナー
内装にかかわるデザイナーがインテリアデザイナーなら、庭のプロデュースを行うのがガーデンデザイナーです。個人宅の庭から、ホテルの庭、デパートの屋上の庭園、そして公園にいたるまで、さまざまな活躍の場があります。造園や植物に関する知識が必要です。なお、門柱や塀などをデザインするエクステリアプランナーという職業もあります。
クリエイターに求められるもの
もともと曖昧な定義であるクリエイターには、上であげた例以外でもいろいろな職業が考えられます。なにか新しいモノを生み出すということさえクリアすれば、誰だってクリエイターになり得るからです。
しかし、どの職業においても、クリエイターとなる、またはクリエイターと呼ばれるには、必要とされる共通点があります。
それは、自分を見つめるといった内側にむけたパワーと、それを表現するという外に向けたパワーです。しかも、そのパワーを継続していく必要があります。その原動力となるのは、「表現したい、チャレンジしたい!」という情熱ではないでしょうか。自分の中に感動がなければ、人に感動を与えることはできません。お金を稼ぐには、スキルやパフォーマンス能力も重要ですが、まずは、熱い心の持ち主であることこそが、クリエイターの一番の条件と言えるでしょう。