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校閲ってなに?分かっているようで分かっていない、校正との違いや校閲のお仕事について

公開日: 2020.09.01
最終更新日: 2020.09.01

校閲ってなに?分かっているようで分かっていない、校正との違いや校閲のお仕事について

2016年に放送されたドラマにより、一躍日の目を見ることになった「校閲」というお仕事。
有名人気女優が獅子奮闘する校閲ガールを見事に演じきったことで、校閲という仕事に憧れた人も多いのではないでしょうか。
その反面、校閲というお仕事についてよく分からないという方も多いようです。とくに、校閲と響きが似ている「校正」というお仕事や、字は似ていないものの抽象的なイメージの「編集」というお仕事もあり、なかにはゴチャゴチャになっている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、この校閲というお仕事についてだけでなく、校正編集との違いや、どういう人がむくのかなどについても解説していきます。
少しでも興味があるという方のお役にたてれば幸いです。

校閲ってなにをするお仕事?

校閲とは、文章を読んでその内容が事実であり誤りがないか、きちんとした表現がなされているかなどをチェックするお仕事です。
そのチェックの対象は、原則として依頼を受けた文章全体なので、その内容は多岐にわたります。
たとえば、人の名前や企業の名前などの固有名詞から、書いた内容が事実であるかないか。また、数値データを使用していた場合には、そのデータ元もチェックする必要があります。
万が一、事実と違う記事を公開してしまった場合には、信用を失うのはもちろん、賠償金なども含めた訴訟問題に発展しうるからです。つまり、細心の注意力を求められる仕事といえます。

校正との違いは?

校閲と似た響きの言葉に「校正」があります。校正も文書を精査する仕事ですが、チェックの内容が異なります。
校正とは、簡単に言うと原稿と印刷物に違いがないか、誤字脱字なども含めてチェックをするお仕事です。文章全体を見るというより、1文字1文字見比べ、突き合わせを行うといった細かい作業となります。校閲が文章を見る仕事であるのに対して、1文字ずつの文字を見るといった表現がより分かりやすいでしょう。
文章の中に万が一誤字や抜けがあったとしても、人は読み飛ばしてしまいがちです。文章がその読み手にとってさほど難解ではない場合は特にその傾向があります。もし字が抜け落ちていたとしても、文章の読み取り能力がある人ほど言いたいことが想像できるが故、無意識のうちに正しい文字を補填して読んでいるという人もいます。
そのため、文章の終わりから、逆さまにして突き合わせ作業するよう指導する会社もあるようです。逆さまから読めば意味をなさないので、脳が勝手に補填することなく、1文字1文字チェックできるからです。
このように校正とは、校閲と一見似ていますが全く異なるお仕事なのです。

編集との違いは?

では次に、同じく雑誌や書籍の出版に携わる「編集」のお仕事について説明します。
編集は校閲や校正とは違い、その媒体や種類によって作業内容が変わってきますが、書く内容の企画や管理などを行う仕事です。
書籍や雑誌をつくるためには、まず「編集」のなかの企画という作業を行うのですが、ライターはその企画に沿った形で記事を起こすのです。記事ができあがったら、今度は編集者の管理のもとに、校正や校閲といった作業が入るのです。
ちなみに、大手出版社でなければ社内に専属の校正者・校閲者を置いていないことも珍しくありません。その場合、編集者が校閲までを行うか、専門の会社やフリーランスに業務委託されています。
つまり編集とは、この書籍や記事の製作全般のことを指しているのです。

※校閲・校正の結果、ライターが修正を行う場合や、入稿をライターが行う場合もあります。

校閲の手順と重要性について

さて、校閲とその他の作業との違いについてお分かりいただいたところで、もう少し校閲の仕事について詳しく説明していきます。

まず校閲では「素読み」と呼ばれる作業を行います。素読みでは、まずは原稿を単純に読み通し、矛盾点や文体に狂いがないかなどを確認します。このとき、書かれていることが事実と相違ないかなどは深追いしません。あくまで文としてのおかしくないかという観点でチェックしていきます。
たとえば、「です・ます」調の文体に「だ・である」と違った文体が混ざっていないか、表記にゆれがないかなどをチェックしていきます。表記のゆれというのは、たとえば子育てに関する記事で、「ママ」を「ママ」と書いたり「お母さん」と書いたり「母親」と書いたりと呼び方が変わっていることを指します。書いた日付が違うと、書き方が変わってしまったり、参考にするデータや記事により途中で変わってしまうということは、ライターによくあるミスです。また、ややこしい文字、とくに外来語の表記を誤るケースが多く見られます。たとえば「シミュレーション」を「シュミレーション」と書いたり、「ウェブ」を「ウエブ」と書いてしまったりといったようなミスです。

次に「真偽の確認」です。書かれていることが事実と相違ないか、その記事のもとになったデータを調べる作業を行います。この作業が実はとても大事です。
なかには、「文章を書くライターほうが大変だ」と思う方もいることでしょう。
確かに、文章を書くライターは、記事を書くための下調べや取材が欠かせません。下調べに数日、なかには数ヶ月かかるものもあるでしょう。さらに文章力、表現力も当然必要とされますので、「子供のころから作文が苦手だった!」なんて方には、神のような存在かもしれません。一方で校閲は、「人の書いた文章をチェックするだけで、何かを創り出すわけではない」という理由から、誰でもできると思われがちです。しかし、万が一記載した内容に誤りがあると責任問題となります。とくに、人の生死にかかわる問題になった場合の影響は計り知れません。だからこそ、責任感をもち徹底的にチェックする必要があるのです。
なお、修正すべき箇所に関して簡単なものであれば校閲者が修正する場合もありますが、矛盾点なども含めてライターに確認依頼を行います。

校閲のポイント

次に、校閲者が校閲を行う際に取り入れている方法を紹介します。

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1:素読みと事実確認は別々に行う
※どちらか片方にしないと、どちらかが必ず手薄になり、間違いを見落とす可能性がある。

2:1つミスがあったら、ほかにも同じミスがないかそのときに確認をする。
※たとえば、表記のゆれや字の間違いが見つかった際、他の箇所でも同じミスをしている可能性があります。原稿がデータであれば文字検索で探し出し、内容確認のうえ置換をしておきます。

3:2度目のチェックは時間をおいてから行う
※続けて行うと記載内容に慣れてしまっているため見落とす可能性がある

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いかがですか?「なるほど」と思った方が多いのではないでしょうか。そんなことをしなくてもミスを見つけられると思う方もいるでしょうが、校閲の際のルールとして、プロの校閲者でも守っている基本的な決まり事なのです。
なお、真偽確認以外の部分で、とくにミスが出やすい、校閲者がチェックすべき点についてもご紹介します。
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1:見出しは必ずチェックする
文章はくまなく見ていても、意外に太文字になっている見出しは見落とすケースが多いものです。タイトルや見出しを含め、1文1文見落とさないように心がけることが大切です。

2:数字は必ずチェックする
データとしての数字の真偽はもちろん行いますが、意外に多いのが「5つのポイント」と書いてあるのにもかかわらず、4つしか挙げられていないといった単純なミスです。数字と内容が一致しているかも必ずチェックを行います。

3:固有名詞は必ずチェックする
一般的な漢字はわかっていても固有名詞、とくに人の名前の漢字は人それぞれです。自分の知人に同じ名前の人がいる場合など、勝手な思い込みで誤った漢字を使ってしまいがちです。また、旧字がある場合も注意が必要です。地名も含め、固有名詞は間違っている可能性があるという前提で、とくに厳しくチェックが必要といえます。

4:接続詞や文末の表現が繰り返されていないかチェックする
「しかし、○○○○○○です。それは△△・・・△だからです。しかし・・・」と、同じまたは似通った接続詞が続いたり、「~です。それに・・・です。また・・・です」といったように、同じ文末表現が続いてしまっているケースが多々あります。文法的には誤りではなくても、単調な文章になったり分かりづらい文面になっていないかもチェックします。

5:係り受け表現が適しているかをチェックする
何かの解説をしている説明文などはとくに、「主語」と「述語」の関係がずれてしまうというミスが起りがちです。たとえば、「よくある現象に」と始まっているのに、「・・・ということがよくあります」といった文で終わらせてしまうといったミスです。もし「よくある現象に」と始めたのであれば、「といったことがあります」のような表現が適していますよね。
これは、ひとつの文が長いときによく起こすミスです。ライターはきちんと頭の中で整理して書いているつもりでも、長い文を書いているうちに最初の主語を忘れてしまうためです。
もちろん、ライターも自分で文章の読み直しやチェックはしています。しかし、自分で書いた文のミスを自分自身で見つけることは、とても難しいことなのです。

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校閲の仕事に興味がある方へ

ここまで読んでみて、「校閲の仕事をやってみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか。縁の下の力持ちといった重要な職業ですし、修正すべき箇所を見つけたときには、「見つけたぞ!」と思わず喜びを感じてしまうお仕事でもあります。

実は校閲の仕事には特別な資格は必要ありません。未経験でも求人に応募することはもちろん可能です。しかし、たいていの求人には経験者という条件が書かれており、未経験者枠はかなり限られてくるでしょう。少しでも有利にしたい場合は、校正や校閲の基本を教えてくれるような講座があるので、受けておくことをおすすめします。

そのうえで、未経験でも受け入れてくれる企業でまずは働いてみましょう。未経験からでも始められる場合年収はさほど期待できませんが、校閲の仕事はまず数をこなすことが重要です。何度もこなしていくと、ライターはどういうミスを起こしがちか、どういったところを重点的にチェックしていけばいいかなど、だんだんコツが分かってきます。そうすれば自然とスピードもアップしてきますので、経験を積んだうえで今度は経験者としてよりよい条件の企業に応募すれば良いのです。

まとめ

今回は校閲という作業を、校正編集との違いも含めて説明して参りました。具体的に校閲作業のイメージできるよう、校閲者が気をつけているポイントなども説明しましたので、「私もやってみたい!」などと感じた方もいたのではないでしょうか。
優れた校閲者になる場合は、数をこなすことが何よりも重要です。経験を積んでいくことで、速度や正確性がアップし、より多くの仕事をこなせるようになるはずです。
ちなみに校閲の仕事には、在宅でできる求人もたくさんあります。そのため、小さいお子さまがいて外で働けないという方や、副業をしたいという方から注目を集めている職種でもあります。もし、あなたも興味があるのであれば、ぜひ一度求人サイトをチェックしてみてくださいね。

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