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ゲームやアニメ、映画だけじゃない!CGデザイナーの仕事内容や年収、やりがい、なる方法まで徹底解剖

デザイン、しかもパソコンを駆使して作るCGデザインに興味があるという方は少なくないと思います。特に、映画が好きだったり、アニメガ好きだったり、ゲームをこよなく愛しているという人は、自分も作品を作ってみたいと思ったことがあるのでは?そこで今回は、憧れの職業である、CGデザイナーという職業の、仕事内容や年収、やりがいやなり方まで探っていきたいと思います。

CGデザイナーとは?

皆さんはCGデザイナーのCGの意味はご存知でしょうか?「そんなの当たり前!」と答える人が多い一方で、なかには「考えたこともなかった!」なんて方もいるのではないでしょうか。
CGとは、コンピューターグラフィックスの略で、文字通り、コンピューター上で、専用ソフトを使ってつくるグラフィックスのことです。
したがって、CGデザイナーは、ソフトを駆使してグラフィックスを制作する職種なのですが、2D(2次元)を扱う人と、3D(3次元)を主に扱う人と別れています。

どうやって3DCGデザイン行うの?

CGデザインを行うためには、専用のソフトを使用しますが、特に3DCGには関しては具体的にどのような工程を経て書くのか、よく分からないという方もいるでしょう。人によってやり方がいろいろあるようですが、基本的なやり方をおおまかに説明していきます。

 

STEP1:三面図を用意する

三面図とは、「正面から見たところ」「後ろから見たところ」「横から見たところ」の三方向からのイラストです。ものによっては、「右から見たところ」「左から見たところ」「上から見たところ」なども用意する場合があります。ただし、三面図がそもそも用意してもらえないケースもあります。

 

STEP2:モデリング(ポリゴンモデリング)

次に、3Dソフトに三面図をのせます。そして、ポリゴンと呼ばれる板のようなものに、頂点をいれていきます。そして少しずつイラストに近づけていきます。3Dなので、X軸、Y軸、X軸と3方向あります。
最初、この頂点を少なくとって、おおまかに全体を形づくってから、細かいところを作りこむと、比較的修正も少なく、スムーズだといわれています。
また、全体的に違和感がないか、バランスがうまくとれているか、(人であれば、手や足の長さがそれぞれ三面図と同じか)チェックします。
おかしいところを修正しては、またはバランスを見てチェックするという作業を繰り返していきます。そのときには、さまざまな方向からチェックする必要があります。これは2Dにはない、3DCGならではの作業と言えるでしょう。

 

STEP3:テクスチャ―

できあがったポリゴンに、今度は色や質感を加えてしていきます。この作業を「テクスチャ―」といいますが、マテリアルと呼ぶ方もいます。この色や質感を加えることで、味気ないただのロボットのような物体が、実際のイメージや先ほどの三面図イラストに近づいていきます。ガラスのような素材であれば、透過率を設定し、透き通っているように見せたりします。ほかにも、錆びた金属や、プラスチック、動物の毛など、さまざまなものを表現できますが、ここを丁寧にできるか否かで、リアル感が全く変わってきます。

なお、「ライティング」と呼ばれる、光源の設定を行い、陰影をつくる作業が伴う場合もあります。

 

STEP4:レンダリング

次に、作成したものの出力、「レンダリング」を行います。これが高性能のパソコンでさえ非常に時間のかかる作業なのです。
3Dの場合、座標やテクスチャ、ライティングなどを、コンピューターが1つ1つ計算するためです。
もし作成するものが動くキャラクターであれば、このレンダリングの前に「リギング」と呼ばれる動く仕組みを作る工程があります。

CGデザイナーの働く業界は?

CGデザイナーはどのような業界で働いているのかについて説明をします。
もっとも多いのは、ゲーム業界です。それは、テレビゲーム、モバイルゲーム、オンラインゲームなど種類は問いません。また、映画やアニメ業界などでも多数活躍しています。
もちろん、特定の業界ではなく、業界をまたいで活躍する方も存在しています。
そもそも、CGデザインはさまざまな業界から求められているため、結果的に活躍する場も広いと言えるのです。車などの製品を生み出す企業もありますし、最近ではVRを制作する映像会社もCGデザイナーを必要としています。そういった意味では、自分の興味がある分野で働けると言えるでしょう。
ちなみに、下のグラフは、どのような業務内容を行っているのか、CGデザインを制作する企業が答えたアンケート結果です。これを見ると、ゲーム業界が多いことがわかりますね。

出典:https://cgworld.jp/feature/201808-CGpro%20.html

 

CGデザイナーの年収って?

CGデザイナーの年収はどれくらいもらえるのでしょうか。
CG白書によるアンケート結果をご紹介いたします。

出典;https://entry.cgworld.jp/column/post/201701-fujiwara.html

 

この調査結果によると、未回答を除くと、CGデザイナーの年収でもっとも多いのが300~400万円未満、ついで200~300万円未満という結果になりました。職業にかぎらない全体の割合を見ても、300~400万円未満、ついで200~300万円未満という結果なので、傾向としては似通っていると言えます。半面、ゲーム業界のCGデザイナーに限った場合は、もっとも多いのが400~500万円で20%、ついで、ほぼ同数の結果なのが、300~400万円と500~600万円でした。つまり、一般的な業界よりは高年収が期待できるということが言えるのです。
平均年収もゲーム平均は、全職種平均やCGデザイナー平均と比較しても高額となっています。1,000万円以上が5%いることにも驚かされます。つまり100人のうち5人は1,000万円プレイヤーと言えるわけです。CGデザイナーは、努力次第で結果も返ってくる職業だと言えるのではないでしょうか。

CGデザイナーの働く時間は?

続いて、CGデザイナーの労働環境、とくに働いている時間についてみていきます。

※https://entry.cgworld.jp/column/post/201701-fujiwara.html

 

上の表は、さきほどと同じ CG白書によるアンケート結果です。この調査によると、平均で8時間~10時間ほど働いている人が多いということがわかります。さらに繁忙時とよばれる特定の時期には、労働時間が一気に増加しているのがわかります。もっとも多いのが12時間です。12時間といえば、一般的なサラリーマンでたとえると、9時に出勤して、夜の9時に終了するといったことになります。14時間働いていると答えた人も10%強いますが、その場合は、夜の11時まで働いているということになります。終電には間に合うかもしれませんが、これが、わりと頻繁に起こるのであれば、身体的にも精神的にも厳しいものがあると言えるでしょう。とくに、パソコンにむかって延々と作業を繰り返す、しかも、非常に細かい作業となると、かなりのハードワークと想像できるのではないでしょうか。

 

CGデザイナーのやりがいと大変なこと

CGデザイナーのやりがいとはどんなものがあるのでしょうか。
そもそも、「デザインが好き!」「キャラクターが好き」という理由でCGデザイナーを目指す人が多いため、「作品を作れること自体が楽しい」という方が多いです。また、クライアントに褒めてもらえたり、自分が制作したCGを使った映画やアニメの興行成績がよかったり、製品が売れたりすることも励みにつながります。また、SNSなどを通じて発信するCGデザイナーもいて、その場合には、一般の人や同職の人からのダイレクトな反応がもらえます。作れば作るほどスキルは磨かれ、日に日に進化していくのも楽しみのひとつです。また、一生懸命続けた結果、ハリウッドやディズニーから注目され、思わぬ抜擢を受けることも。実際に40代で花開き、有名な映画作品の制作にかかわれた日本人もいます。実は彼は元証券会社勤務から転職したという異色の経歴をもっています。このように努力次第で道が開けることがあります。ういった意味では、夢のもてる職業だと言えるのではないでしょうか。

一方で、さきほど説明したように、労働時間が長いというデメリットがあります。とくに締め切り前は多忙で、終電帰りということも多いでしょう。正社員や契約社員とでは5割を超えるものの、いまだ残業に関してのルール化は遅れているところも多いようです。その結果なのか、転職の理由には「待遇に不満がある」、「仕事がハードすぎる」などが挙げられています。また、驚くべきことに「仕事にやりがいが感じられない」と答えている人も14.1%いました。(CG白書 2017より)その背景には、自分が書きたいCGと、クライアントや上司から指示されるCGとの方向性が合わないなどといった事情があるかもしれません。CGデザイナーは、依頼を受けて、依頼どおりに制作するのが仕事です。自分で勝手に好きなCGをつくって、誰かが買ってくれるというわけではありません。なかには、そこに溝を感じたり、やる気がそがれたりする方がいるのかもしれませんね。

CGデザイナーの学校事情

CGデザイナーはどのような学校に通ってCGデザイナーになれるのかについても説明していきます。なかには、独学でチャレンジしてみようか思っている方もいるかもしれませんが、現役のCGデザイナーで独学からなった人は、実際にはほとんどいません。
大学と専門学校が半々程度となっています。職業全体でいえば、高卒で働く方もいるものですが、CGデザイナーでは、さまざまな技術を習得しないと商品として通用するレベルにいけないため、最低でも専門学校が望まれます。
なお、大学の場合は、美大や情報工学といった選択士があります。大手ゲーム製作会社や有名映画製作会社などでは、大卒でないと就職できないというわけではありませんが、一般教養やその他の専門的な知識なども学べるので、就職の際に有利になる可能性はあります。
実際に、CGデザイナーにはコミュニケーション能力も必要ですし、とくに独立した場合には総合的な知識が役に立ちます。
実際に大学と専門学校でのカリキュラムにはどのような差があるのかについて見ていきます。

※財団法人画像情報教育振興会「3DCG教育に関する全国調査集計結果」より作成

 

上のグラフは、財団法人画像情報教育振興会が行った、3DCG のクリエイター育成を行っている33校の専門学校と29校の大学が答えたアンケート結果に基づいたものです。
大学と専門学校の違いとして顕著なのは、大学がもっとも力を入れているのが幅広い分野にわたるカリキュラムを組んでいるのに対して、専門学校の場合が、アニメーションや映像の基礎知識にもっとも力を入れているということです。3DCGの実務的な基礎能力として必要とされるデッサンに関しては、大学では重視しているところは少ないようです。もともとデッサンが苦手な人は、大学以外でスキルを磨くなど、自己努力が必要と言えるかも知れません。同アンケートでほかに明らかになったのは、3DCGの実技に関して、特に2年制の専門学校では1年目からどんどん開始するのに対し、大学では2年制から開始するところが多く、早くCGを習いたいという方には不向きと言えるかもしれません。

全体的に、専門学校は実技が重視されている傾向にあります。デッサンや絵コンテ制作、キャラクターデザインなど、CGデザイナーとして実際に行うであろう一通りのカリキュラムが組まれています。とくに、アニメーションなどをグループで制作する経験など、コミュニケーションとチーム力を育むユニークな授業を組んでいるところもあるようです。なお、なかには、企業と提携して、実際にCGデザイナーとして働いている人を講師にむかえた講座を行うところも。一方、大学では、映画史や西洋美術史などの知識的な面や、プロジェクトの企画、運営を学ぶなど、将来、ディレクターとしてやっていけるような体系的な知識を得ることができます。ディレクターやスーパーバイザーといった立場にたてば、年収的にも期待できるというメリットもありますので、長く安定的に続けていくためには、大学進学を目指すのも一つの手と言えるでしょう。

ちなみに、CGWORLD.Entry JP(株式会社ボーンデジタル)が行ったアンケートでは、CGデザイナーに最終学歴を聞いたところ、大学卒専門学校卒が同数という結果でした。

※CG白書2017より作成

CGデザイナーで取得しておきたい資格

CGデザイナーになるには、免許や資格は必要ありません。
しかし、就職に有利になるなど、とっておくと良いと言われる資格があります。

○「CGクリエイター検定」
CG-ARTSが主催、運営している検定です。
デザイン力や、2DCG制作、モデリングやアニメーションなどの3DCG制作の手法や流れなど、多様な知識やスキルを問う問題が出ます。
ベーシックと、エキスパートの2段階に分かれており、それぞれ受験料はベーシックが5,600円、エキスパートが6,700円となっています。
ベーシックでは、CGに関する基礎知識の他、映像製作のワークフロー、CGを制作するにあたり必要なデッサン、色など基礎的な項目について、2DCGや3DCG制作の際に行うモデリングやカメラワーク、ライティング、レンダリングなど各手順の手法の知識などについて出題されます。なお、知的財産権やハードウェア、ソフトウェアなど関連知識についても問われるので、実技的なことだけでなく、幅広く勉強しておくことが必要です。一方エキスパートでは、映像編集やアニメーションなど、より高度な技術手知識が要求されます。ベーシックがあくまで基礎的なことにとどまるのに対して、応用する力が試されます。

※CG-ART「2019後期の実績」より作成

 

ちなみに、2019年後期の合格率は、ベーシックが7割程度、エキスパートが2割程度となっています。エキスパートの難易度が高いことが分かりますね。

 

○Photoshopクリエイター能力認定試験

世界中のクリエイターから使われているAdobe Photoshopを使って画像編集する技術に関する知識や実際の制作能力を認定するものです。スタンダードとエキスパートと2段階に設定されており、基礎力を問われるスタンダードに対して、エキスパートでは、創造性の高さも求められます。

※出典:https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/

 

○Illustrator®クリエイター能力認定試験
先ほど紹介したPhotoshopと同様、世界中のクリエイターから愛用されているソフトウェア、「Illustrator」の活用能力を問う検定試験です。スタンダードとエキスパートの2段階で、スタンダードでは基礎力のみにとどまるのに対し、エキスパートでは、クライアントから依頼されたケースを想定した、指定のコンセプトや目的にそって、同ソフトの機能を使いこなしながら、どれくらい表現ができるかが見られます。

CGデザイナーになるために他に知っておきたいこと

CGデザイナーになるための学校や、資格について説明をしてきましたが、ほかにも、知っておきたいことについて、いくつか紹介しておきます。

○意外にかかる、CGデザイナーだからこそある出費

皆を納得させられるCGデザインを製作するには、対象物をどれだけ具体的にイメージができるかが影響してきます。といっても、見たことのないものをイメージするのは非常に難しいです。そこで、実際に製作するものを資料として集めることとなります。公園のベンチなどであれば、ベンチをいろいろな角度から写した写真や動画になりますが、実物のミニチュアや人であればフィギュア、プラモデルなどで集める場合もあります。どんなものをCGで制作するにしろ、この資料集めにお金がかかることがCGデザイナーの懐事情を厳しくしているケースもあります。
フリーランスの場合には、ほぼ確実に個人負担となります。

○フリーランスの場合は、高収入を得られる可能性があるがデメリットも!
フリーランスとしてやっているCGデザイナーも多く、なかには高額な年収を獲得している方もいます。しかし、企業に所属していない場合は、厚生年金などの社会保障制度が手薄になります。そのため、個人で保険に加入するなどの対応が必要となります。

○ポートフォリオを作成しておく
CGデザイナーは転職が多い傾向にあります。その際に役に立つのがポートフォリオです。実力をアピールできるよう予めポートフォリオをまとめておくことがおすすめです。なお簡単にポートフォリオを作成できるうえ、ポートフォリオをそのまま公開したり、SNSと連携できるWebサービスもあります。海外や有名映画会社、ゲーム業界からオファーがくる可能性もあります。また、未経験である場合は実績がないため、自己アピールのツールとしてぴったり。ぜひ自分専用のポートフォリオを作成しておきましょう。

まとめ

今回は、CGデザイナーの仕事内容や各データ、取得しておきたい資格などについて、おおまかに説明をしてきました。大変ですがやりがいがある仕事です。また、将来性の高い仕事なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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