ファッションやお洒落が好きな人必見!スタイリストのお仕事や年収、なるための方法についての未経験者向けガイド
お洒落が大好きで、いつも雑誌やお洒落な人が投稿するSNSを欠かさずチェックする人のなかには、スタイリストになることを夢見ている方も多いでしょう。
とくに、単に「こういう組み合わせがお洒落なんだー」などと受け身的に見ているのではなく、「私だったら、こうコーディネートする!」と自分なりのアレンジをしたり、「流行を創り出したい」などと野望を持っている人はなおさら憧れが強いのではないでしょうか。
しかし、ショップの定員さんなどと違って、一般人の前に姿を現すことがほとんどないスタイリストという職業は、分からないことだらけです。
そこで今回は、謎の部分も多い、スタイリストさんの仕事内容や年収、なるための方法などについて解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
スタイリストはどんな仕事?
スタイリストとは、主にモデルやタレントが着用する服や小物類をコーディネートするお仕事です。つまり、華やかな存在であるモデルやタレントに対して、やや裏方的な面のある仕事となります。しかし、お洒落のセンスやコーディネート力に自信がある方にとっては、それこそが晴れ舞台で、まさに腕の見せ所と言えるでしょう。
一般的なスタイリストのお仕事の流れは、まず、クライアントとの打ち合わせから始まります。コンセプトや方向性の確認から行い、それに見合った衣装をコーディネートし当日までに用意します。
撮影当日に現場に出向くのも仕事のうちです。実際に、モデルやタレントに着てもらい着こなしの調整を行います。撮影できる準備が整ったら、カメラマンや編集者、テレビ局であればディレクターなどと一緒に、カメラ映りのチェックを行います。そして、クライアントに依頼されたイメージ通りの出来になっているのかを、責任もってチェックを行います。
撮影の終了後は後片付けをして、衣装の返却を行います。
スタイリストの活躍の場は?
一口でスタイリストと言っても、活躍の場や働き方はさまざまです。
どんな場でどのように働くスタイリストがいるのか挙げていきたいと思います。
1:タレントやモデル専属のスタイリスト
多くの人が憧れているスタイリストの1つです。
特定の人のコーディネートをするお仕事なので、雑誌の撮影でも、テレビの出演時でも、地方でのイベントでも、どこにでもついて行きます。一般的には、テレビ局にはテレビ局用にスタイリストを用意しているものですが、専属のスタイリストがいる場合は、その人がコーディネートを行うこととなります。
当然、ついている人から実力も人柄も信頼されていないとなれませんから、未経験者がいきなりそういったスタイリストになる可能性はほぼないと言えるでしょう。ある程度スタイリストとしての経験を積んで、たまたまある有名人についたときに気に入られオファーされたり、スタイリストとして有名になって声をかけられたりといったケースがほとんどです。
2:テレビ局や雑誌の専属スタイリスト
有名人の専属スタイリストと同様憧れる人が多いのが、テレビ局や雑誌の専属スタイリストです。あるファッション雑誌に掲載するメインや特集ページ、または有名モデルを担当できるとなれば、相当なやりがいがありますよね。
しかし、これも全くの未経験の人が、いきなり任せてもらえるわけはありませんので、狭き門と言えるでしょう。募集はしていても、たいていは「経験者」という条件が付けられている、または優遇されることが多いです。
たとえば、20代女性をターゲットとした「CanCam(キャンキャン)」で、2017年にスタイリストの募集をしていましたが、「経験者を優遇」という条件が入っていました。ただし、例外もあります。実際に未経験者が選ばれるかは分かりませんが、2018年に募集していた30代女性にむけたファッション誌「Oggi」では、有名スタイリスト髙橋リタさんのアシスタントスタイリストを公募していました。
このように、不定期ではありますが、急に目当ての企業が募集することもありますので、チェックが必要です。
3:フリーランスのスタイリスト
スタイリストとしてどこにも所属せず、フリーランスとしてやっていくスタイリストもいます。長期・短期問わず、さまざまな媒体やブランドと業務契約を結んで活躍するスタイルです。
好きなタレントがいるなど特殊な事情がない限り、スタイリストを目指すほとんどの方が最終的に目指す形はこのスタイルなのではないでしょうか。自分で事務所を立ち上げ、自分のセンスを思う存分発揮できるのもフリーランスのスタイリストの醍醐味です。
しかし、実力もない、名前も知られていない状態でのフリーランスは、全く別物です。自分で受注しなければ仕事もありませんので、つねに募集を探したり、営業活動を行わなければなりません。もし契約できることになっても、低賃金になったり、不利な条件になる恐れもあります。未経験の場合は、ある程度経験を積んで、過去の実績や紹介などで仕事がもらえるようになってからフリーランスを目指すことをおすすめします。
4:スタイリスト事務所所属のスタイリスト
卒業したての方や未経験者の方の多くの方がまず目指すのが、このスタイリスト、事務所所属のスタイリストです。なんだかややこしい字面で、意味がわかりずらいという方もいるかと思いますが、要するに、いろいろなところに派遣されるスタイリストです。
スタイリストは、常に決まった人数が必要とは限りません。映画撮影であれば、その映画を撮影するときに必要になるだけで、終わってしまえば当然不要になります。
そこで必要になるのが、依頼した期間だけ来てくれるスタイリストです。
スタイリスト事務所では、予算に応じてスタイリストを派遣します。広告やカタログ、雑誌などの紙媒体はもちろん映画、ドラマなどの映像関係などの依頼に対応します。映画やドラマでも時代物に特化したところや、特殊な衣装の制作までを請け負うところなど、その規模も大小さまざまです。そのなかで、自分が興味のある分野で実績がある事務所に所属するという働き方もあります。
将来、有名人専属スタイリストやフリーランスを目指す場合でも、まずはこのスタイルが堅実な方法と言えるかもしれません。
スタイリストにやりがいとは?
スタイリストのやりがいとはなんでしょうか。
最も大きいのが、自分のセンスを皆に見てもらえるということでしょう。
もちろん、大前提として、大好きな服や小物選びが毎日できるということも当てはまります。
また、スタイリストは、単独の仕事と思われがちですが、実際にはチームで働きます。あるひとつの共通した世界観を、クライアント、服を着用するモデルやタレント、ヘアメイク、カメラマンや編集者といった人たちと、協力し合って創り上げていくのです。それぞれが、それぞれの持つセンスやスキルを発揮することで「良い結果」が生まれるのです。
映し出された作品に対して視聴者や、購読者から良い反響がかえってきたら、これにまさる幸せはありません。
このようなやりがいを感じて、スタイリストは日々頑張っているのです。
スタイリストの大変なこと
スタイリストは嬉しいことばかりではありません。実は大変なこともたくさんあります。
1つは、自分の思うようなスタイリングができないことがある点です。
スタイリングは、基本的にクライアントから依頼されて行う仕事です。クライアントと打ち合わせの際に、自分の提案が通らない場合があります。しかし、スタイリストの仕事は、もともと、希望のイメージに沿ってコーディネートしてあげることですから、自分の希望が通らないことがあるのは当然なことですし、それをクリアしクライアントに納得してもらうのが仕事だと理解しましょう。
2つ目は、スタイリストとして認められるまでの期間があることです。この時期は、アシスタントスタイリストと呼ばれ、下働き的なことをこなす必要があります。
まず、スタイリストが指定した衣装を借りに行ったり、撮影後に返しに行くのもアシスタントの役目です。また、当日、必要なものを、必要な順に、わかりやすく並べたり、汚れをチェックしたり、しわができてしまった場合はアイロンをかけるなど管理をしなければなりません。そもそも、スタイリストの対象は服だけでなく、靴や帽子、バッグなどの小物などさまざまなので、当日現場に運ぶ作業は、体力を使います。とくに高価なアクセサリーがあった場合は、運搬にも撮影現場での管理も細心の注意が必要ですし、万が一傷つけたり紛失してしまったなんてことになれば、責任問題にもなりかねません。
もちろん、撮影の時間によっては、早朝や深夜にまで仕事が及ぶので、体力が必要です。
なお、モデルの体系に合わないなどといったときには、当日、急いで簡単に縫い留めたりするなど臨機応変な対応も求められます。
実は、この苦しい下積み時代に、「イメージと違った!」と辞めてしまう方も多いのだとか。
スタイリストとして活躍するためには、必ず通らなければならない道と考え、頑張りましょう。
スタイリストの年収は?
スタイリストの年収は、ほかの一般的な職業に比べて、差が大きいと言えます。
アシスタントなのか、スタイリスト事務所所属のスタイリストなのか、出版社やTV局所属のスタイリストなのかで全く違うと言っていいでしょう。アシスタントやスタイリスト事務所所属であれば、100万~400万円程度と言われていますし、パートやアルバイトだと、時給1,000円から1,500円程度なので、働いた時間に比例してきます。一方で、指名されるようなスタイリストになれれば、700万円~800万円ということもあります。
芸能人やタレントの専属スタイリストや、雑誌に名前がのったり、衣料品ブランドの商品開発にまでかかわるようなスタイリストであれば、1,000万円も夢ではないでしょう。
スタイリストになるためには?
スタイリストになるためには、以下のスキルが必要です。
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・ファッションセンス
・リサーチ力(トレンドや、一般人の悩みや求めていることを知る)
・体力
・コミュニケーション能力
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一見、疑問に思うものもあるかもしれませんが、どの能力も必要不可欠です。
チームで仕事をするので、仲間とうまくやっていくことが重要です。
もちろん、ビジネスマナーは身に着けておく必要があるでしょう。いくらセンスがあっても、コーディネートする対象に嫌われたり、編集者などに認められなければ、今後使ってもらえなくなる可能性があるのです。
また、荷物運びやアイロンがけといった体力を要する業務や長時間労働にたえるため、体力も要求されます。服が好き、センスがあるというだけではやっていけない、それがスタイリストなのです。
なお、スタイリストになる人は服飾系専門学校を卒業する場合が多いです。ファッションに関して基礎から学ぶことができます。また、実際の業界について、また、仕事の流れについても知ることができます。
一方で、販売などを経験してから、独学でスタイリストを目指す方もいます。
いずれにせよ、必ずアシスタントスタイリストといった下積みから始めることがほとんどなので、実際にスタイリストについて荷物運びなどの雑用をこなしたり、現場でスタイリストを見てコツを学びながら、自分自身もスタイリストとして活躍していくことになります。
スタイリストを目指す方へ
今回はファッションやお洒落が大好きという方にとって憧れの職業であるスタイリストについて解説してきました。
スタイリストとはどんな仕事なのか、働く先にはどのようなところがあるのか、年収はいくらなのか、どのようなスキルが必要なのかについてお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、アシスタントスタイリストとして無事働き始められたとして、スタイリストとしてキャリアアップをしていくためには、努力をし続けることが重要です。現場でコーディネートするだけでなく、実際に完成した映像や写真を確認し改善点を見つけたり、ファッションブランドの担当者や編集者、ディレクターといったさまざまな人に名前を覚えてもらって、業界で少しずつ知られコネクションづくりをしておくことが重要です。
そして、1歩ずつ、あなたの目指す理想のスタイリストに近づいていきましょう。