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食育に関わる仕事とは?栄養学・食育資格の種類も紹介

公開日: 2020.09.14
最終更新日: 2022.02.07

食育に関わる仕事とは?栄養学・食育資格の種類も紹介

食育や栄養管理といった分野に興味がある方は少なくないはずです。「子どもを健やかに成長させたい」「スポーツ選手の身体作りにかかわりたい」「長生きしたとしても寝たきりではなく、健康な状態を保ちたい」など、さまざまな思いがあると思います。
そこで今回は、食育や栄養管理に興味がある方にむけて、「栄養学」の概要や栄養学関係の資格、また栄養学の知識を活用できる職種について説明していきたいと思います。
学生さんはもちろん、専業主婦の方や、現在全く違う分野でパートや正社員として働いている方もぜひ参考にしてくださいね。

そもそも栄養学とは

栄養学とは、人の健康と食物のもつ栄養やその関係性について学ぶ学問です。
いわゆる「食育」や「栄養管理」などに興味がある方が学んでいます。
似たような学問として「調理学」といった学問がありますが、そちらはあくまでも食物の利用法、たとえば「いかに美味しさを引き出すのか」といったことに重点をおいています。
それに対して栄養学は、食品の持つ栄養そのものや人が健康を維持するためにどのような栄養素が必要なのかを学んでいきます。

栄養学は研究に近い?

栄養について学ぶといっても、炭水化物や脂質・たんぱく質といった分類など、大きなカテゴリであれば、普段料理をしない人でも知っている知識でしょう。
栄養学では、その「炭水化物」といったカテゴリをさらに細かく見ていき、「糖質」や「食物繊維」といったカテゴリに分けていきます。さらにこの「糖質」も、「単糖」と呼ばれるそれ以上分解ができないといったところまで分けていきます。具体的には牛乳や乳製品などに入っている「ガラクトース」や果物やハチミツなどに含まれる「フルクトース」のほか、2つ以上の単糖が結合した「スクロース(主に砂糖)」や「オリゴ糖」などがあります。
いかがですか?
栄養学を学んでいない方でも、一度は耳にしたことがある栄養素があるのではないでしょうか。
実際に栄養学の勉強では、ほかの単糖はもちろん、ほかの栄養素についても細かく見ていきます。このように、食べ物を細かくミクロレベルで見ていく学問なので、無機質について学ぶ無機化学といったような学問と同じ研究系の学問となります。
とはいっても、料理といった日常生活に役立つ分野なので、興味深いことばかりですよね。
なお、さまざまな疾患がある方の原因や治癒に特化した栄養学は臨床栄養学と呼ばれています。

 

栄養学はどこで学ぶ?

栄養学はどこで学べるのでしょうか?
関東では、お茶の水大や日本女子大、関西では近畿大学といった総合大学や、東京栄養食糧専門学校や服部栄養専門学校といった専門学校で学ぶことができます。なお、スポーツに特化したスポーツビジネス科をもつ東京工学院専門学校など、より専門的な学問を学べるところもあります。また品質管理や発酵食品の企画・開発といった分野に役だつ分析化学に特化した日本分析化学専門学校といったユニークな学校もあります。

なお進学情報を掲載しているスタディサプリによると、栄養学や食物を学べる専門学校の数は240校ありました。そのなかで、洋菓子やパンなどの調理に特化した学科が中心のところもあるので、純粋に栄養学を学べる学校は少なくなりますが、全国に点在しています。
また、大学・短期大学は入学試験を合格しなければならず、専門学校に比べて難易度があがりますが290校見つかりました。(Benesseマナビジョンにて「栄養学」で検索)

偏差値も65オーバーの「お茶の水女子大学」から、45以下の大学まで広範囲にあるので、立地や現在の成績に応じて選ぶことができます。
大学は4年制ありますので、短大や専門学校と比較し学費や時間がかかりますが、総合的に学べることもあり、将来研究者や講師、大手企業の正社員として仕事をしたい方は大学を選択されることをおすすめします。

 

栄養士は格ではない!?

栄養学を学ぶだけでなく、「栄養士をとりたい!」とおっしゃる方が多いですが、実は
栄養士という国家資格は試験を受けて合格すると与えられるといったような資格とは違います。
試験を受ける代わりに、厚生労働者が指定した栄養士養成施設(昼間部の大学や短大、専門学校)に通い、必要な過程を履修・卒業すれば栄養士を取得できるようになっています。
その際、2年制の専門学校だとか、4年制の大学といった年数や問われません。そのため、いち早く栄養士として働きたいという方は2年制の短大や専門学校を選択する方が多いです。

管理栄養士になるには

栄養士のほかに「管理栄養士」という資格があり、管理栄養士を目指すのであれば、最初から管理栄養士養成施設に選ぶことがおすすめです。なぜなら、一般的な栄養士養成施設を卒業した場合、もしその後管理栄養士を目指すとなると、実務経験を積むことが求められるからです。4年制大学の場合は1年の実務経験を、3年制の短大や専門学校の場合は2年の実務経験を、2年制の短大や専門学校の場合は、少なくとも3年間の実務経験を積まないと受験資格が得られません。
もちろん、管理栄養士養成施設を卒業しても受験が免除されるわけではありませんが、卒業と同時に管理栄養士になれるので、もっとも近道となります。

※出典:https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

栄養学の知識を活かせる仕事って?

では、栄養学を学んだら、実際にどのような現場でどのような仕事に就けるのでしょうか?
主なお仕事をご紹介していきます。

 

●給食施設

日本全国にある小学校や中学校などの学校向けの食事(給食)をつくっている施設で活躍している栄養士さんはたくさんいます。
発育に欠かせない重要な栄養素をまず計算したうえ、給食に適した献立づくりを行います。
ほかに、献立に即した食材の発注や調理場の衛生管理なども担当することがほとんどです。

 

★ポイント★子どもが好き、食育に興味があるという方におすすめ

 

●小中学校(栄養教諭)

子どもたちの食育によりかかわる仕事が栄養教論です。子どもたちに、食事の大切さや、栄養に関する指導を直接行うといった、先生と似た役目を果たします。昨今、働く親が増えたことや、貧困家庭の増加により子どもたちの食生活の乱れが問題となっており、子どもたちに「適切な食習慣」「栄養に関する知識や自己管理力」をつけさせることが重要視されています。栄養教論はそういった役目も求められています。
なお、アレルギーに対して個別指導を行うなどきめ細やかな対応も必要です。
ちなみに、栄養教諭になるためには「栄養教諭普通免許状」の取得が必要です。栄養教諭普通免許状は3種ありますが、そのうち「専修免許状」と「.一種免許状」を得るには、管理栄養士の国家資格が必要です。
なお、すべての小中学校に配置されるわけではありません。平成27年度時点では全国でもたった5,356人のみです。(文部科学省 栄養教諭の配置状況(令和元年5月1日現在)より)。しかも意外なことに、最も多いのが北海道で438名、2位が大阪府で428名、3位が兵庫で329名となっています。東京都は私立が多いなどの事情が影響しているのか、たった57名と他県と比べても少ないという結果に。一方神奈川や千葉、埼玉は166、198、207名と多めに配置されています。

 

★ポイント★食育に興味があるだけでなく、子どもに寄り添いたいという強い熱意がある方におすすめ

 

 

●幼稚園・保育園
給食があるのは小中学校だけではありません。幼稚園や保育園むけの給食を準備している施設でも栄養士は働いています。
未就学児に必要な栄養素の計算や献立の立案、素材の仕入れなどを行います。とくに献立に関しては、小学生以上に気を使わなければならないこともあるでしょう。

 

★ポイント★小さい子どもの食育に高い意識を持ちつつ、創意工夫ができる方におすすめ

 

●社員・学生食堂
企業内にある社員食堂や、大学などにある学生食堂で、栄養管理や献立づくり、素材の調達、調理などを行います。体脂肪計で有名なタニタの食堂は、社員の健康を守るための献立や調理で有名になりましたが、昨今ではさまざまな企業が社員の健康のために社食の栄養管理を重要視していますので、社員食堂などでの栄養士の活躍の場も広がっています。
また大学でも少子化を乗り切るため、学食に力を入れ魅力ある学校作りを目指す傾向にありますので、その一端を担う学食での栄養士の仕事は、きっとやりがいのあるものになるはずです。

 

★ポイント★かげながら頑張る学生や会社員を支えたいと考える人におすすめ

 

 

●病院・クリニック
病院給食の献立づくりや調理、栄養指導などを行います。
誰にとっても入院は望むことはでないものです。そんな入院生活を少しでも楽しいものに変えることができるのが病院勤務の栄養士さんの仕事と言えます。
なお、入院患者さんによって、流動食にしたり減塩対応にしたりと変える必要があります。症状があることで入院しているわけですから、間違ってしまうと病状を悪化させるなど、思わぬ事態を引き起こす恐れがあるため、責任感と緊張感が求められます。

 

★ポイント★病気やけがをしてしまった人の健康管理をサポートしたいという方におすすめ

 

 

●社会福祉施設・介護施設
児童施設、身体障碍者や知的障害の方々が過ごしている施設や、特別養護老人ホームや養護老人施設といったさまざまな施設で栄養計算や献立づくり、食材の発注などを行います。病院と同じように、きざみ食や流動食にするなど適切な調理方法にしたり、減塩食にしたりなど指示や調理を行います。
高齢化社会が進む中で、これらの施設で働く栄養士がますます必要とされます。

 

★ポイント★高齢者や障害を持った人の健康管理をサポートしたいという方におすすめ

 

●食品メーカー
加工食品や飲料メーカーといった営利目的の食品会社でのメニュー開発を行います。「人は何を好むのか」「なにが今、選ばれているのか」などといった市場調査に基づいた商品作りが求められるので、単に栄養学だけでなく、マーケティングに対する意識や知識が求められます。
なお、大企業に就職できた場合は、年収も期待できます。ただし、4年制の大学を出るなど、学歴も求められる傾向にあります。

 

★ポイント★商品の販売などにも興味がある方におすすめ

 

●レストラン・飲食店
レストランや飲食店でのメニュー開発や調理にかかわる仕事です。
人々の健康に対する意識が高まりを受けて、栄養士を置き栄養学を取り入れたメニューを提供していることを売りにする飲食店が増えています。
とくに、「低カロリー」「低脂質」「糖質0」といったキーワードや、「無農薬野菜」「地産地消」などのトレンドを意識したメニュー開発はやりがいもあるでしょう。
なお、レストランやホテル、飲食店などで出すということは、いろどりも意識した見た目
にも美味しい一皿に仕上げることが求められます。フードコーディネーターなどの資格もあわせてとることがおすすめです。

 

★ポイント★栄養学だけでなく、レストラン経営やグルメに興味がある人におすすめ

 

 

●自治体
役所や保健所、保健センターにて、地域の住民に対する栄養指導を行います。同じ栄養士でも行政栄養士と呼ばれることもあります。地域の住民向けに、健康を維持するための講座やイベントを企画したり、乳児をもつパパママに離乳食の指導をしたり、地域に寄り添う活動をします。定員がもともと少ないうえ、常時募集しているわけではありませんので、別の仕事をしつつ、募集されたら申し込むといった形がおすすめです。

 

★ポイント★地域住民に奉仕したい人。病気で入院となってしまわないよう、日頃の健康作りに対する意識を高めてもらいたいと考えている人

 

●研究・教育機関

教育機関や研究機関に在籍し、栄養士を育てたり、栄養学そのものの研究を続けていたりする人もいます。世界の食習慣を研究し、日本人に向け新たな提案をしたり、研究結果を実践に活かすための指導を行ったりします。

 

★ポイント★栄養学を極めたい、栄養士を育てたいという方におすすめ

 

●スポーツ関連施設
より高いレベルで利用者の健康管理を行うスポーツジムや、スポーツ選手のためのスポーツ関連施設で、トップアスリートや一般人に栄養や食事に関するアドバイスを行います。とくにスポーツの場合、そのスポーツに合わせ、必要な栄養素を提案する必要があります。そのためスポーツに関しても十分な知識を持つことが必要です。

 

★ポイント★スポーツや筋肉づくりに興味がある方

 

栄養学を学ぶ人が興味を持つ、ほかの職業リスト

栄養学に興味がある方のほとんどが栄養士を目指しますが、その栄養学の知識を活かしつつ、別の職業に就く方もいます。
参考までにどのような職種があるのか見ていきましょう。

 

○薬膳コーディネーター
より美しく年を重ねていきたい、薬膳の力で健康でしなやかな身体になりたいといった方が増えています。そんな方たちのサポートをするのが薬膳コーディネーターです。病院やクリニックといった施設からレストランなどで活躍できます。また、はっきりとした病気ではないものの、疲れや血行不良など体調が悪い人へのサポートが行えます。栄養士でありながら、薬膳コーディネーターの資格を習得すれば、より幅広い食の提案ができるようになります。

 

○野菜ソムリエ
一般人でも取得を目指す方が多い野菜ソムリエ。とくに野菜や果物類が好きという方におすすめです。レストランや飲食店で働く方におすすめの資格です。なお、レベルは3段階に分かれていますが、基本的には講座を受けること、そしてその試験に合格すれば資格が取得できます。

 

○フードアナリスト
主に栄養学は、さまざまな食べ物に含まれる栄養に関しての学問であるのに対して、フードアナリストは、食文化や料理の歴史などの体系的なものと、人の味覚、インテリア、法律などといった、レストランの経営に役立つ実践的知識を身につけることを目的とした資格です。食業界での就職をしたいと考えている人におすすめです。

栄養学を学んだ人の実際の就職先とは?

では、栄養学を学び栄養士や管理栄養士となった人は、さきほど説明した就職先のなかでも、どの就職先へ進んだのか、実態についてご紹介いたします。

※出典:https://www.eiyo.or.jp/about.html

 

上の表を見て下さい。H29年度の栄養士養成施設卒業生の就職先の割合です。
もっとも多いのが病院で24.3%、次に多いのが児童福祉施設の18.9%、続く一般企業の事業所は18.3%で、児童福祉施設とほぼ同数という結果になりました。
しかし、4位の介護保険施設まではそれほど大きな差がないのも特徴です。ほとんどの方がこの4つの選択肢に進んでいることが分かります。

 

※出典:https://www.eiyo.or.jp/about.html

 

次に管理栄養士養成施設を卒業した場合の就職先です。
管理栄養士になった人は31.1%、栄養士と比較しより多くの人が病院勤務になっています。その次は、介護保険施設や児童福祉施設と、上位にあがってくる就職先は同じであるものの、官公署という選択肢が、3,2%ではありますが、出てくるのが特徴です。

栄養士の年収について

栄養士の年収はどれくらいかも気になりますよね。
厚生労働省が出している栄養士の年収は355.9万でした。(厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査)より)ただし、「決まって支給する現金給与額」に「年間賞与 その他特別給与額」を足したもので、所得税や社会保険料などを控除する前の金額です。

次に、年齢別の推移を見ていきましょう。

※厚生労働省 賃金構造基本統計調査より作成

*このグラフ内の年収は所定内給与額に年間賞与その他特別給与額を足したものです。

 

上の表は、栄養士の年収を年齢別にまとめたものです。全年齢を合わせた平均年収とは異なり、20歳~24際と卒業したては、268.5万と低い数値なのが分かります。
その後徐々にあがっていき、50代で400万円超えと最も高額になりますが、その後、再びさがっていきます。
なお、子育てなどの理由なのか労働者数は徐々に減っています。
手に職といったイメージのある栄養士ですが、他の職業と同様ずっと続けていく人は限られてくるようです。

 

 

公務員としての栄養士

栄養士を目指す人の中には公務員を目指す人も多いです。
栄養士に比べて管理栄養士の場合は、その職種から平均年収が高いと言われていますし、さきほど紹介した就職先一覧でも管理栄養士のほうが官公署に勤務する割合が多いですから、管理栄養士を目指すことが、公務員になる近道になると言えるでしょう。
ちなみに、自治体などに雇用され保健センターなどや、公立病院や幼稚園などで働く場合は、給料は人事院や自治体が定める「俸給表」に従います。その際には、栄養士よりも管理栄養士のほうが当然給与も高くなります。
公務員としての管理栄養士を目指す人は多いですが、管理栄養士の資格を得るだけでなく、公務員試験にも合格する必要があります。その際には、栄養士として実務経験の有無が問われる場合がありますので、受験資格を確認してください。
なお、自治体などに採用される地方公務員ではなく国家公務員の場合は、転勤の可能性がありますので注意が必要です。

 

栄養学に興味がある方へ

今回は栄養学に興味がある方向けに、就職先、仕事内容、年収などについて説明してきました。これから栄養学を学ぶ方は、目指したい仕事ごとに、どのような場所で何を学んでいけば良いか考えるきっかけになれば幸いです。

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