イヤイヤ期の接し方!理由を解説
はじめに
1歳半頃から3歳頃のお子さんによく見られるのがイヤイヤ期。
心構えをしていても、いざお子さんのイヤイヤ期が始まると、
「いつまで続くの?」
「イライラしちゃって優しいママでいられない…」
など、日々思っているママも多いのでは?
筆者の娘も絶賛イヤイヤ期。
『なんでもイヤ!』 から『意思を持ったイヤ』に変化しており、
なんとなく終盤に差し掛かったような気持ちですが、
まだ「イヤイヤ期が終わったー!!」とは言えません。
イヤイヤ期とは?
イヤイヤ期とは、子どもが何に対しても「いや!」を主張する時期のことで、「魔の2歳児」と呼ばれるように、2歳前後に見られることが一般的です。
「自分の育て方が悪いのかしら?」「うちの子はかんしゃく持ちなの?」などとついついネガティブになってしまう時期ですが、脳や心の発達のために必要な成長過程のひとつであり、子どもにとっては非常に重要な時期なのです。
ここでは、イヤイヤ期に関して多くの方が持つ疑問を、ひとつずつ解説していきます。
◆いつから始まるの?いつ終わるの?
およそ1歳頃から始まり、2歳にピークを迎えることが多いです。ただし期間は子どもによってまちまちで、半年くらいで終わる子もいれば1年以上続く子もいます。
なかには、3歳過ぎてもイヤイヤ期が続いているケースもありますし、そもそもイヤイヤ期がないケースも少なくはありません。
あくまでもその子どもによって変わるため、その子の個性として考えると良いでしょう。
◆イヤイヤ期の特徴とは?
イヤイヤ期に観られる特徴も子どもによって異なりますが、以下のような行動が見られることが多いです。
・歯磨きを嫌がる
・気に入った服だけを着ようとする
・友達のものを取り上げる
・できないことを無理にやろうとする
・気に入らないと物を投げる
・帰ろうと声をかけても離れようとしない
・ところ構わず泣きわめく
・ご飯も食べずに遊び続ける
・好きな物しか食べない
・とにかく「いや!」と大声で叫ぶ
◆イヤイヤ期の原因は?
イヤイヤ期は自我の発達に伴い見られる過程です。具体的には以下のような原因があると言われています。
・思ったことがうまくできない
1歳を過ぎたあたりから、「これがしたい」「あれがしたい」などという自己主張が生まれます。パパ・ママからお世話されるがままの受動的な赤ちゃんから成長した証と言えます。しかし、本人がイメージしたとおりにできないこともしばしばです。
そのうまくいかないことに対してのイライラが不満となって現れるのです。
・うまく言葉で伝えられない
1歳を過ぎ、「ご飯、おいしい」など二語文を話せるようになりますが、まだまだ思ったことをうまく伝えられるような語彙力や文章力はありません。
心が発達し、それを具体的に伝えたいという気持ちがあるにもかかわらずうまく表現できないことから、イライラが生まれてしまうのです。
・甘えたい
単純に甘えたいという気持ちが「イヤイヤ」になるということもあります。
それは両親だけではありません。保育士さん、祖父母、そして周囲にいる大人、誰彼構わずにイヤイヤすることが多いです。
これは、「自分を受け入れてもらいたい」というごく自然な気持ちのあらわれと言えます。
イヤイヤ期の原因
一体なぜ、イヤイヤ期が始まるのか、考えたことはありますか? 「単なるワガママ!」「大人を困らせるためにやっている!」なんて、目をつり上げていませんか?
実は、このイヤイヤ期は、『自我の目覚め』が原因と考えられているのです。 これまではお世話されるままだった子どもが、「これは好き」「これは嫌だ」など、自分なりの価値基準を持ち、意思を伝えるようになったということ。 つまり、順調に育っている証とも言えるのです。
ただ、2,3歳の子どもには、論理的かつ冷静に考え、それを伝えるという能力はまだあるわけもなく、それが「イヤ!」という言葉になってしまうのです。
発達心理学の面からいうと、脳の中でも人間らしい行動をさせる『前頭前野』と呼ばれる部分が未発達であり、「○○したい!」という欲望を抑える「抑制機能」が不十分であるといえます。 言い換えれば『ブレーキのない車』。 つまり、お子さん自身も、イヤイヤをやめたくってもやめられない状況なのです。
イヤイヤ期を乗り切る対応策
1.とりあえず受け入れる
イヤ!と言われたことに対して、「そうだよね~」ととりあえず受け入れてみます。
お子さんの感情を認めてあげることが大切なので、心の中では『それは違うでしょ』と思っていても、
お子さんとの信頼関係に関わることなので、一旦は受け入れ姿勢を取ることをオススメします。
2.見守る
お子さんの感情を認めた後はそっと見守ります。
「落ち着いたら呼んでね」や「したくなったら言ってね」と言って、
別室など、少しお子さんから離れましょう。
意外ですが数分経つとお子さんの気分も変わっていて、
「イヤ!」と言っていたこともすんなり受け入れてくれるようになります。
見守ることはお子さんが自分で感情を処理できるようになる特訓も兼ねています。
3.ダメなときは理由を説明する
どうしてもこのタイミングじゃないとできないことってありますよね?
そんな時に「イヤ!」と言われてしまった場合は状況を説明します。
「時間に遅れちゃうから公園に行けない」
「これからお仕事に行くから一緒に遊べない」など、
お子さんが分かるように説明しましょう。
ポイントとしては、長々と話すのではなく、お子さんの理解度に合わせて文章を区切って、一つ一つ納得してもらえるよう説明してみてくださいね。
4.気をそらす
よくありがちなのが遊んでいる時に「そろそろ帰るよー」と言った時です。
「お散歩してるワンワンを探しに行こう!」
「トンボを10匹探そうか」
「今度はおうちで折り紙しない?」など、お子さんの興味に合わせて話しかけてみてください。
また、「10数えたら○○しよう」と言うと、今していることよりも数えることに意識が向くので、気分転換にも使えますよ。
保育士さんおすすめの方法
さて、子どもと接することに関してはプロ中のプロといえる保育士さんの対処方法も知っておきたいところ。 いくつか、ポイントを説明していきます。
■まずは受け入れることから始める
子どもの「イヤ!」は、大人にとっては理不尽に感じることがほとんどです。 食事をとらない、帰らない、着替えない、どれをとっても合理的な行動はひとつもありません。 でも、まずは「受け入れてあげる」ことが必要です。 受け入れられることで安心しないと、そこから子どもは進めないのです。 「そっか、まだ帰りたくないのね~」「どうしてもこれが欲しいのね~」などと、一度は肯定することから始めましょう。
■代替案を出す
やりたいことを禁止されたら、大人だってムッとするはずです。 当然、「(自分はこれがしたいのに・・・。だから)イヤ!」となってしまうのです。 そこで、ダメというだけでなく、ほかの案を出してあげましょう。 うまく気を引くことができたら、お子さんも納得するはずです。 「こっちはダメだけど、○○か、△△ならいいよ。」など、いくつか選択肢を出すのもおすすめです。
■気持ちを切り替えさせる
イヤイヤの気分になっているときに、その原因に対して押し問答しているとヒステリックになって、イヤイヤが悪化することがあります。 代替案も聞いてくれずイヤイヤが収まらないときには、「わかったよ。できるか考えておくから、まずはおやつでも食べようか」などと、気持ちを切り替えさせる方法も有益です。 その後、お子さんの気持ちがあっさり変わっているか、そのこと自体を忘れてしまうこともあります。
■スキンシップをする
イヤイヤしているときは、お子さんも気分的に不安定になっている状態です。 そんなときは、抱っこをするなどスキンシップを図ることも大切です。 パパママが嫌いなお子さんはいません。 抱っこされるだけで、心が満たされ、気分も落ち着いていくことでしょう。
大切なのは、子どもはパパママが嫌いでわざとイヤイヤしているわけではないこと、イヤイヤ期はあくまで一時的なものだと理解することです。 そして、うまくいかないことで自分を責めすぎないようにしつつ、ストレスをためこまないよう周りの人と悩みを共有してこの時期を乗り切ることなのです。
今回は、子育ての悩みのひとつである「イヤイヤ期」について、自分の体験をもとに、周りの先輩パパママや保育士さんからのアドバイスなどをまとめてみました。 お子さんがイヤイヤ期真っ最中の方も、お子さんのイヤイヤ期が始まったばかりの方も、これからお子さんのイヤイヤ期を迎える方も、このコラムをご覧になっている方の手助けになれば幸いです。
イヤイヤ期の子どもにしてはいけないこと
◆「だめ!」を連発しない
一番やってはいけないことは、「だめ」「やめなさい!」などと一方的に叱りつけることです。
「これは〇〇だからやめようね」「これは危ないからいけないけど、これだったらいいよ」などと理由を説明したり、代替案を出すことがおすすめです。
それでも「いやだ!」と反抗する場合は、「そうだよね、やりたいよね、でもね、〇〇なんだよ」と、一旦気持ちを受け止めてあげたうえで、再び理由を説明しましょう。
一度で納得しない場合も多いですが、辛抱強く付き合ってあげることが重要です。
もちろん、生命の危機に関わるような危険なときは、はっきりと「だめ!」と言い切って大丈夫です。
◆交換条件を出すことを避ける
子どもの機嫌をとるために、「お片付けしたらお菓子をあげるよ」などと交換条件を出すことも避けたいものです。
どうしてお片付けをしなければならないのか理由を説明し、行動を促すことが重要だからです。
さらに「どっちが早く片付けられるか競争しようか」などと遊び形式にしたり、他の子のおもちゃを取り上げようとしているときには別のおもちゃに目を向けさせるなど工夫をすると良いでしょう。
◆あらかじめ原因を取り除くのは避ける
イヤイヤさせないよう、きっかけや原因となるようなことをあらかじめ取り除く、やらせないなどといったことも避けたいものです。
そもそも公園に連れて行かない、ご飯を食べなくても良しとする、パジャマのままでいさせるなど原因を作らないようにしたり、最初から諦めて言い聞かせをしないことは、健全な成長の妨げになり得ます。
イヤイヤ期の対応例
では、具体的にどのように子どもに対応したら良いか、よくあるケースを例にみていきましょう。
■「ご飯いらない」とテーブルにつかないとき
まずは、子どもの気持ちになって考えてみましょう。 周りにお気に入りのおもちゃがあるのに、突然ご飯だと呼ばれたら、どういう気持ちになるでしょうか?
当然、「(遊びたいから)ご飯いらない!」となりそうですよね。 さらに、お子さんには時間の感覚もありません。 だから「時間だからそろそろ食べないと」という考えにはなりにくいのです。 ほかにも、テレビがついていたりすると気が散りがちです。 ご飯の時間が近づいてきたら、まず、おもちゃを片付け、テレビを消すなどの環境を整えることから始めましょう。
それでもテーブルにつかないときは、お気に入りのぬいぐるみを座らせ、「美味しいなぁ」などと口まねをしながら食事のまねをさせると良いでしょう。 子どもは、何か面白そうだと思うと寄ってきます。
■公園などで時間になっても帰れないとき
お子さんを公園などで遊ばせているとき、帰ろうとしても「いや!まだ遊ぶ!」と駄々をこねることってありますよね。 当然、大人としては、「ご飯を作らないといけないのに・・・」などとイライラすることもあるでしょう。 子どもは遊ぶことが大好きです。 そして、大人のように今日の予定を考えて行動なんてできません。 だからこそ「遊ぶ」行為をやめさせようとする大人に対して「NO」をつきつけるのです。 そんなときは、帰る行為も遊びに変えてみることがおすすめです。 「今からママとゲームしよう?家まで何個たんぽぽを見つけられるか」など声かけをしてみましょう。
ほかにも、「青い車を見つけるゲーム」や「落ち葉拾い集めゲーム」など、お子さんが好きそうなゲームを編み出してくださいね。
■とにかく全部がいや!と泣きわめくとき
ほかにも、イヤイヤにはいろいろなバージョンがあると思います。 でも、先の例のように、どんなときもお子さんの気持ちになって考えれば自然と対応方法が思い浮かぶはずです。 でも、なかには、とにかく全部がいやとヒステリックに泣きわめくお子さんもいるのではないでしょうか。 とくに、スーパーなど人目のあるところでこれが始まると、自分も泣き出したくなることでしょう。
ほとんどの方は、なだめすかしたり叱ったりして、とにかく早く収まるよういろんな声かけをするはずです。 または途方にくれたり、強引に手を引っ張ってその場を離れたりする方もいるかもしれませんね。
実際、これに関しては一筋縄ではいきません。 ですが一つ言えることは、こうなったら腹をくくるしかないということです。 早く収めるのは無理と覚悟して付き合うしかないのです。 「あらー、どうしたの?悲しいのかな?痛いのかなぁ?」と優しく声かけをしながら、「おさまるまで抱っこをするね。平気になったら声をかけてね」と抱きしめてあげましょう。 あとは嵐が過ぎるのを待つしかありません。 お子さんもパニック状態のはずです。 少なくとも、さらにパニック状態にするような、矢継ぎ早の声かけは避けましょう。
イヤイヤ期体験談
現在2歳11ヶ月の娘は、1歳半頃からなんとなく「イヤ!」という機会が増えていました。
私が「○○しようね~」と言った返答のほとんどが「はーい!」から「イヤ!」になった時、『イヤイヤ期が始まったな…』と悟ったのです。
それからはもう毎日が戦いでした。
オムツ交換も「イヤ!」
ご飯食べてねと言っても「イヤ!」
おもちゃを片付けようと言っても「イヤ!」
挙句の果てには、託児スペースのスタッフに「ママじゃないとイヤ!!!」
※子連れ出勤しているため、託児スペースが隣にあります
1時間おきに呼び出され、毎回20分程娘のイヤイヤに付き合う日々。
仕事も全く進まないことに苛立ち、つい叱ってしまうこともありました。
そしてイヤイヤが加速する娘…。
私も娘も負のループに陥ってしまいました。
そんな状況を見かねた職場の先輩ママさんからの助言もあり、
娘ととことん向き合おうと決意した私は、イヤイヤ期対応策を片っ端から試すことに。
その中でも効果的だったものを今回お教えします。