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IT企業の年収はどれくらい?職種別に詳しくご紹介します!

公開日: 2020.09.25
最終更新日: 2020.09.25

IT企業の年収はどれくらい?職種別に詳しくご紹介します!

IT企業の職種といえば、一般的にはシステムエンジニアプログラマーなどの職種が思い浮かぶことが多いかと思います。それでは、IT業界で活躍する人の平均年収はどれくらいでしょうか?なんとなく、普通のサラリーマンよりは高収入なイメージを持つ方もいるかもしれませんね。また、就業時間が不規則で、残業が多かったり、休日返上で働いたり…激務というイメージを持つ方も多いでしょう。IT業界は実力主義で、スキルや経験によって年収にもかなり幅がある業界です。さらに、企業間の差も大きく、大企業でしたら平均年収1000万円を超えることも多くありますが、大企業からの下請けや孫請けをする中小企業ですと、平均年収300万円程度というケースもあります。ここから順番に見ていきましょう。

まずは他の業界との比較

DODAによる、業界別平均年収ランキング2019年度版を参照すると、業種別でみるとIT/通信業界は全業界の中で第3位で、平均年収446万円となっています。1位はメーカー、2位は総合商社となっていますが、注目すべきは女性だけで見た場合、IT/通信業界が年収トップだということです。男性が475万円、女性が383万円となっています。実力主義のIT業界は、他の業界に比べ女性と男性の給料の差が比較的小さい業界ともいえるでしょう。

 

IT業界の企業別平均年収

野村総合研究所やソフトバンクグループ、スクウェア・エニックス・ホールディングスなどIT業界トップクラスの企業では、社員の平均年収が1000万円を軽く超え、1100万円~1400万円近くに上るというデータもあります。また逆に一部上場企業でも、平均年収300万円台といった企業も多くあり、非常に年収に幅がある業界であることがわかります。

それは、能力の高さや幅広い知識という個人のスキルを評価した結果ということももちろんありますが、それよりもIT業界の下請け構造がこの幅を生み出しているとも言えます。金額の大きな案件は名の知れた大企業が受注することが一般的ですが、システム開発などすべての作業を社内で請け負っているわけではなく、その多くを外注します。大きな案件ですと3次受け4次受けといったケースも多いようですが、もちろん階層が下がるほど企業が受け取る金額も小さくなっていきます。ですので、階層が低い下請け会社でいくら頑張って実績を積んでも、激務薄給であることが多く、そこにいたままでは給料がうなぎ上りにあがるなどということは起きないわけです。最初は中小企業で実績を積み、スキルを身に着けて、上位企業に転職したり、独立したりするのがIT業界でのキャリアアップの道筋と言えそうです。

 

IT業界の職種別に年収ランキングをご紹介!

ここからは、平成29年に経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」をもとに、年収が高い職種を順番にご紹介していきます。

 

<SIerやシステム開発関連企業>
◆コンサルタント:平均年収928万円
IT業界の中で年収トップの職種となりました。ITコンサルタントは、ITを活用して企業の課題を解決するスペシャリストです。企業にヒアリングをし、どんなシステムを導入すれば、企業の持つ課題を解決できるのかを検討し、提案するのが主な仕事です。コンサルタント自身がシステム開発をするわけではなく、あくまで課題解決のためのどんなシステムが必要なのかを導き出します。実際にはコンサルタントからの指示に従ってSEがシステム開発にあたるので、システム開発の最上流工程を担当しているといえます。システム開発やITに関する幅広い知識はもちろん、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力、多くのスタッフをまとめるリーダーシップも必要で、非常に高い能力と技術が求められるので、これほど高い年収になっているようです。

 

◆プロジェクトマネージャー:平均年収891万円
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の進行を管理する責任者で、開発するシステムの規模に応じて、予算やスケジュールを立て、メンバーを決定し、プロジェクトを遂行していく職種です。ITコンサルタントが獲得してきた案件を実際にスタートアップする際にアサインされます。

開発途中で仕様が変更になったり、スケジュールがずれこみクライアントとの交渉が必要になるような場面も多いですので交渉力や、しっかりと予算や人員配置の計画を立て利益を出すマネジメント能力も必要です。プログラマーやシステムエンジニア、プロジェクトリーダーなど、基礎となる経験を積んだうえで、プロジェクトマネージャーとして活躍するのが一般的です。年収1位のITコンサルタントよりは一段下位職になりますが、プロジェクトの成功を分けるのは、プロジェクトマネージャーの手腕次第ともいえる、重要なポジションですので、こちらも高年収になっています。

 

IT関連業務の営業マーケティング:平均年収783万円
全業界の営業の中で、最も年収が高いのがIT業界の営業です。また、マーケティング職についても全業界の平均年収は約500万円ほどですので、それに比べると高い水準です。SEの経験などは必ずしも必要ありませんが、ある程度のITについての専門的な知識が必要であるので、高い給与水準になっています。また大手になれば金額の大きい案件も多くなるので、インセンティブを含めて高水準になっていると考えられます。

 

◆高度SEITエンジニア(基板設計担当・ITアーキテクト):平均年収778万円
名前の通り、SEプログラマーの分野において、難易度の高い作業が可能なSEエンジニアの職種です。基盤設計担当・ITアーキテクトとは、そのシステム全体をどのようなデザインにするのかを設計するポジションで、年収第2位のプロジェクトマネージャーと連携を取りながら、メインメンバーとしてプロジェクトを遂行する重要な職種です。

 

IT技術スペシャリスト(特定技術(DB/NW・セキュリティなど)の専門家):758万円
データベース、ネットワーク、セキュリティに関する技術や資格をもった専門的なエンジニアのことを指します。一般的なエンジニアに比べ、特定分野の知識が豊富で、高いスキルを持っているため、年収も高めになっています。

 

IT教育(IT関連講師・インストラクター等):平均年収651万円
ITスクールの講師や社内のITインストラクターが、この職種にあたります。通常ITインストラクターは年収300~400万円程度となることが多いですが、この調査ではこれほど高い年収になっている理由は不明です。

 

IT運用・管理(顧客向け情報システムの運用):平均年収608万円
システムやサーバー、ネットワーク全体を管理している職種です。トラブルが起きた時の対応はもちろんですが、日々トラブルのない運用のために、データのバックアップをしたりメンテナンスをしたりする、縁の下の力持ち的役割です。

 

SEプログラマー(組込みソフトウェアの開発・実装):平均年収603万円
電化製品や車などを制御するために組み込まれているソフトウェアを開発するエンジニアです。IoT(Internet of Things)の普及により、今後もより多くの組み込みソフトウェアが必要とされると考えられますが、その需要に比べて人材が少ないので、年収が他のエンジニアに比べてやや高くなっています。

 

SEプログラマー(顧客向けシステムの開発・実装):平均年収593万円
クライアントが希望するシステムを開発するエンジニアで、ほとんどが大手企業で雇用されているわけではなく、その下請け企業で働く人たちです。大きなプロジェクトの場合、3次受け・4次受けとなることもよくあることで、多重下請けの構造上、下流企業のエンジニアは年収が上がりにくいようです。

 

IT保守(顧客向け情報システムの保守・サポート):平均年収592万円
システムの保守業務を行う職種で、すでに出来上がっているシステムの保守開発や改善をすることが業務となります。システムの調整やバグをとりのぞくことが主な仕事です。専門的なスキルがそれほど必要でないこともあり、一般的には400万円程度の年収となることが多いようですが、この調査では高めの水準になっています。

 

SEプログラマー(ソフトウェア製品の開発・実装):平均年収568万円
主に、経理や会計、オフィスなどのソフトウェアを開発しているエンジニアです。自社で販売しているソフトウェアの保守開発がメインの業務となり、常に新しいシステムを構築するわけではないので、残業なども比較的少なく、ゆとりある生活が送りやすい職種です。ライフワークバランスを大切にしている人には良い職種かもしれませんね。

 

<インターネット関連企業>
◆プロデューサー/ディレクター :平均年収792万円
IT案件のプロジェクトマネージャーと同じように、Webに関わるプロジェクトを統括する責任者です。WEBサイトの企画から、予算やスケジュールの管理、人員配置などを決定し、円滑にプロジェクトが進むように、ハンドリングしていきます。Webに関する知識があることはもちろん、クライアントの要望を正確に聞き出すコミュニケーション能力や、決められたスケジュールや予算の中でプロジェクトを成功させるための交渉力やマネジメント能力も必要になります。幅広い知識と経験が求められる職種ですので、インターネット関連企業の中で、最も年収の高い職種になっています。

 

営業マーケティング(インターネット関連):平均年収682万円
IT関連の営業マーケティングに比べると平均年収が100万円ほど下がりますが、他業界の営業マーケティング職に比べると高水準です。デジタルマーケティングの知識を持つ人材が不足していることや、案件獲得のインセンティブ制度によって年収が高くなる傾向があるようです。

 

エンジニアプログラマー(インターネット関連):平均年収592万円
インターネットサービスの企業で、ソフトウェアやシステム開発を行うエンジニアの職種です。WEB関連の事業、例えばスマホアプリの開発やショッピングサイトの構築などを手掛けています。平均年収は高めではありますが、他のIT系職種に比べるとやや低めです。エンジニアプログラマーという職種は、どこの企業でも不足していて、経験値が低い人をポテンシャル採用するといったケースなど低めの年収からスタートする事例もあるため、全体の年収を少し押し下げているのかもしれません。とはいえ、需要の多い職種ですので、しっかりと経験を積めば、確実にキャリアアップできる職種と言えるでしょう。

 

◆コンテンツクリエイター/デザイナー:平均年収411万円
主にホームページなどのWebページを制作するデザイナー職です。デザイナーは上位職であるWebプロデューサーやディレクターの指示のもと、Webサイト全体をデザインしていきます。コンテンツクリエイターは、Webサイト上のコンテンツ全般を制作する職種で、コンテンツとは、動画や写真、ブログ記事、販促ページ(LP/ランディングページ)など種類は様々あります。いずれも高いスキルが求められる仕事ではありますが、近年はクラウドソーシングでデザインやブログ記事制作の仕事を請け負うフリーランスが増え、価格競争が起きているため、給料が上げられないという実態もあるようです。

 

◆顧客サポート/ヘルプデスク:平均年収390万円
この職種はイメージしやすいと思いますが、一般的によくある企業のサポートデスクでのお仕事です。お客様向けのサポートデスクと社内向けのヘルプデスクがありますが、どちらもソフトウェアやシステムについて疑問点や不明点がある場合、問い合わせ先となり、電話やメールで回答するのが業務となります。インターネット関連事業で最も低い年収となっていますが、それは外注化したり、パートやアルバイトの社員でまかなったりすることが一般的になっているからです。最近では、在宅でのサポートデスク業務委託も非常に増えています。通常マニュアルや定型文なども用意されるため、それほど専門性が必要とされず、なかなかこの職種で年収を大きく上げるのは難しいといえるでしょう。

 

また、同調査のスキル別の平均年収を見てみると下記のようになります。
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【レベル1】新人・初級者レベル/仕事に慣れ始めたレベル<437.8万円>
【レベル2】上位者の指導のもとに仕事ができる若手人材レベル<499.2万円>
【レベル3】独立して仕事ができる中堅人材レベル<576.0万円>
【レベル4】部下を指導できるチームリーダーレベル<:726.1万円>
【レベル5】社内での指導者・幹部レベル<937.8万円>
【レベル6/7】 国内で著名なレベル/国際的に著名なレベル<1129.9万円>
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レベル1~3の年収の上がり方は比較的緩やかであるのに対し、レベル3から4には約150万円の差があり、レベル4以上となると上昇幅がかなり大きくなるのが見て取れます。このことから、エンジニアプログラマーとして、キャリアをスタートさせたのち、コンサルタントやプロジェクトマネージャーなど全体を指揮統率したり、管理したりする業種もしくは、特定技術のスペシャリストや高度SEプログラマーとしての道を究めるかというのが、一般的なキャリアパスで年収アップの道筋と言えそうです。

 

IT企業で年収をあげるには?

再び「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」を参考にすると、IT人材の給与決定には「成果」「ITスキルのレベル(設計力、開発力、スピードなど)」「コミュニケーション能力(含むマネジメント能力)」を重要視していて、「年功(在籍年数・年齢等)」は最も重要視されていないという結果が出ています。IT業界は日本企業ならではの年功序列は通用せず、実力主義の世界であるということがわかります。

 

また、「ITスキル」を判断するうえで重要視している項目を尋ねた問いでは、「保有資格」の割合が最も高く「非常に重視している」「ある程度重視している」の合計で70%以上となっています。学歴やITスキル診断ツールを重視するとの答えは30%程度でした。業務に関する資格を取得することで、確かなスキルを持っていることの証明となり、評価が上がり、年収アップへの近道となると言えるかもしれません。

 

また、社内で最高水準の年収を達成している人材についてその要因を尋ねたところ、20~30代では「高い実務的技術力・それに基づく実績」という答えが70%程度だったのに対して、40~50代では「高いマネジメント能力・それに基づく実績」が60%以上を占めています。他にも20代ではほとんど重要視されていなかった「高い営業力・それに基づく実績」や「高い新製品/新事業企画力・それに基づく実績」が40~50代では20~30%程度を占めていて、年代が上がるにつれ、実務能力に加えてマネジメント能力や企画力といった別の能力を獲得することが、年収を上げる大きな要因となることがわかります。これは、先に年収ランキングでも、コンサルタントやプロジェクトマネージャー、プロデューサー職が年収の上位だったことからもわかりますね。

 

IT企業の年収まとめ

平均値で見ると、高収入といえるIT業界。しかしその実態は、年収1千万円を超えるマネジメント職から年収300万円程度のサポートデスクや弱小企業のエンジニアなど、企業の規模や本人のスキルによって大きな差があることがわかりました。さらに最近では、徐々にフリーランスも増え、年収の低いサポートデスクやデザイナー・コンテンツクリエイターの仕事は、クラウドソーシングを利用してさらに低い単価でフリーランスが担うことも多くなりました。今後、IT企業で年収アップ・キャリアアップを目指すには、高い技術力とそれを証明する資格があれば有利です。また、年齢を重ねれば、技術面の知識だけではなく、マネジメント能力や交渉力なども身に着ける必要があります。しっかりと実績を積めば、女性でも差別されることなく高年収を目指すことができる業界ですので、IT業界で今後のキャリアパスをお考えの方の参考になれば幸いです。

 

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