職業観ってなに?
「あなたの職業観は?」と突然聞かれて、すらすらと答えられる方はほとんどいないと思います。職業観という言葉は、日常会話に出てくるような言葉ではないですし、そもそもその言葉を初めて聞いたという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、この職業観という言葉の意味や考え方について解説していきたいと思います。
そもそも「職業観」ってなに?
職業観という言葉は、辞書では「職業に対していだく一定の観念」と書かれています。
しかしこれでは、分かるようでわかりにくいと感じる方もいるでしょう。
そこで、この職業観という言葉を、別の言葉で表現してみます。
「職に対する価値観」となれば、少しイメージがつきやすいでしょう。
さらに柔らかい表現である、「なぜ自分は働くのか?」と置き換えれば、すんなりと頭の中に入ってくるのではないでしょうか。
どういうときに「職業観」って聞かれるの?
「あなたの職業観はどういったものですか?」などと聞かれる場合にはどんなケースが考えられるでしょう?
答えは採用面接の時です。
ほとんどが採用側の人事担当者によって行われる質問でしょう。
もしかしたら、面接の前の書類選考の時点で書かされるかもしれませんが、いずれにせよ、採用側はなぜこのようなことを聞くのか気になりますよね?
〇採用担当者が質問するのは、あなた自身を知りたいから!
採用担当者があなたに職業観を聞くのは、あなた自身を知りたいからです。
あなたが、どのような人で、どのような考えを持っている方なのかを知りたいのです。
自分の職業観について考える意味はたくさんある!
職業観なんて面接の際に形式的に聞いているだけと思ったら大間違いです。
多くの方が、「こんな質問で自分の何がわかるの?」「一般ウケしそうな回答をしておけばよい」などと考えがちですが、自分の職業観について考えることは実はとても重要なのです。
その理由を2つ説明していきます。
〇面接官は見抜いている
企業の面接官は、人を見抜きます。
大手企業であればあるほど相当数の面接を行っているため、人を見定める経験を積んでいます。
そのため、あなたがその質問に対して真剣に考えてきたのか、それとも就職対策本を見て上っ面で答えているのか、見抜いてくる可能性が高いです。
だから、面接を受けるうえで職業観について真剣に考えてくる意味があるのです。
〇企業もあなたもハッピーになるために
職業観とは、言ってみれば働き方に対する自分自身の理想です。
もし、その理想と現実が離れていたらどうなるか考えてみて下さい。
「自分は女性だけど、どんどんキャリアップしていきたい」と考えていたとします。しかしその会社があまり女性の活躍に前向きではなく、同僚の男性ばかりにチャンスが与えられていたとしたらハッピーにはなれませんよね?
最近では、どの企業も女性の登用に前向きではありますが、ほかにも、働く側の理想と企業の方針とがずれている(アンマッチ)場合は多々あります。
人はもし理想と違った場合、それが耐えがたい度合いの場合どうなるのか、簡単に想像がつくでしょう。
やる気をなくしたり、ストレスを抱えて調子が悪くなったり、場合によっては会社を辞めてしまうことになるはずです。
それは働く側にとって決してハッピーな状態ではありませんが、実は企業にとってもハッピーではないのです。
せっかくコストをかけて育て上げた人材が辞めてしまうとなると、また採用活動をしなければなりませんし、やる気がなくなって良い仕事をしてもらえないと、効率が悪いと言えるからです。
実際に、新卒者が3年ほどで辞めてしまう例はたくさんあり、企業にとっても頭の痛い問題となっています。
つまり、働く側の職業観と企業の方針とがマッチする状態がお互いをハッピーにするというわけです。
だからこそ企業は、あなたの本音による職業観を知りたいのです。
「当社と合っている!」と感じた人に長く、最大限の効率で働いて欲しいからです。
こう考えると、あなたも、面接対策としてその企業に合う職業観を作り上げるのでは意味がないことがわかりますよね?本当は自分の職業観とマッチしていなかった場合、入社後ハッピーになりにくいからです。真剣にあなた自身の職業観を考えることに意味があることがご理解いただけることでしょう。
職業観を考えるタイミング・方法について
職業観に向き合うには、可能であればまだ具体的に面接などが進んでいないときが適しています。
まずは、どこの企業に合わせるわけではなく、自分自身と向き合い、シンプルに職業観について考えてみるべきだからです。
そして実際に応募する企業を決める際には、その職業観に合っているかどうかチェックすると良いでしょう。会社選びがスムーズにいくはずです。
では職業観はどのように書くのかというポイントですが、まず思いつくままに箇条書きなどで書き出すのがおすすめです。多少内容が似通ったものを書いてしまっても気にする必要はありません。最後にそれを分かりやすい形で文にまとめれば良いからです。
「どんどんキャリアップしていきたい」
「技術力をもって人に感動や幸福感を与える仕事がしたい」
「持ち前の明るさをもって人を笑顔にする事がしたい」
「実力が直接給与に反映されるような仕事を選びたい」
など、思ったことならなんでも良いです。
そして、自分の職業観に合う会社やお仕事をぜひ見つけて下さいね。