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時短勤務の利用は小学校卒業まで?制度の詳しい内容をご紹介

公開日: 2020.10.26
最終更新日: 2023.03.24

時短勤務の利用は小学校卒業まで?制度の詳しい内容をご紹介

産休・育休から復帰し、こどもが小さいうちは「時短勤務」の制度を利用しようと考えている方は少なくないでしょう。実際、こどもが小さいうちは何かと手がかかりますし、父親は帰りが遅く、家事育児の負担が母親に偏ってワンオペになりがちな今の日本の社会では、夫婦ともにフルタイムで勤務するのは、なかなか大変ですよね。時短勤務は誰でも取れるのか、いつまで取れるのか、不安な方も多いと思います。順番に見ていきましょう。

「短時間勤務制度」を設けるのは企業の義務!

現在、改正育児・介護休業法において、「3歳に満たない子を養育する労働者に関して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度を設けなければならない」と定められています。一般的にはフルタイムワーカーは、1日8時間、週5日の勤務をしている人が多いですが、時短勤務ではこれを原則1日6時間に短縮することができます。また、制度上は「子どもの3歳の誕生日の前日まで」時短勤務をすることができると定められています。

 

ただし、時短勤務を利用するには、次のすべてに該当しなければなりません。
1: 3歳未満の子どもを養育する労働者であること
2:1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
3:日々雇用される者でないこと
4:短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業を取得していないこと
5:労使協定により適用除外とされた労働者でないこと

 

上記の5で書かれている「適用除外とされた労働者」とは下記の条件の人を指します。
1:当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
2:1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
3:業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者

 

参照:厚生労働省 / 短時間勤務制度(所定労働時間の短縮等の措置)について

 

以上のことから、雇用されてから1年に満たない人は、育児休暇から復帰後、短時間勤務ができない可能性があります。気になる方は、早めに勤務先に確認されることをおすすめします。また、制度を利用できるのは正社員だけではなく、1年以上継続して週3日以上働いていれば、パート・アルバイト契約社員など契約形態に関わらず利用することができます。

企業独自の短時間勤務制度

国で定められている短時間勤務制度は、こどもが3歳未満の場合に取得できるとなっていました。ただ最近では、女性が多い会社や子育て社員を応援している会社などは、その企業独自の短時間勤務制度が設けられていることもあります。ここから色んな会社を詳しく見ていきましょう。

 

■株式会社ワコール
皆さんご存知の、ランジェリーやナイトウェアなどを販売している会社です。女性社員が圧倒的に多いこちらの会社では、小1の壁に対応するため、小学校1年生の年度末まで、最大2時間の時短勤務が認められています。(通常勤務時間:7時間30分→時短:5時間30分)

 

■株式会社高島屋
老舗百貨店の高島屋では、従業員の7割を女性が占めています。こちらの「育児勤務制度」は、こどもが小学3年生の年度末まで利用でき、勤務時間や休日の異なる9つの勤務パターンから選択することができる制度です。2020年は、社員・契約社員合わせて430人もの従業員がこの制度を使って希望する時間帯に働いているそうです。

 

■アサヒビール株式会社
2015年7月に「プラチナくるみん」の認定を受けたアサヒビール株式会社。所定労働時間は1日7時間30分のところ、時短勤務者は、1日最大2時間の短縮が可能です。勤務時間の短縮は5分単位で決められ、始業・終業どちらの時間の繰り上げにも使うことができます。子どもが中学校就学前まで利用でき、育児休業取得後の復帰率はほぼ100%になったとのことです。

 

※プラチナくるみんとは、厚生労働省から「優良な子育てサポート企業」として、特例認定を受けた企業のことです。

 

■サイボウズ株式会社
ワークライフバランスや多様性を大切にするこの会社では、2018年から働き方宣言制度を始めています。育児や介護に限らず、通学や副業など個人の状況に合わせて、勤務時間や場所を選べるという制度です。「基本的に週5日9時~17時は出社」という人もいれば、「週4日は出社、週1日は副業」「満員電車を避け生産性を上げるため、8:00~9:30は在宅勤務、10:00~17:00は出社」などという、従来では考えられないような自由な働き方を選ぶこともできるようです。その結果離職率は、2005年の28%から2019年にはわずか4%まで減ったそうです。

時短勤務ができる期間の現状

厚生労働省が発表した「平成30年度雇用均等基本調査」によると、時短勤務ができる最長期間は、実施している事業所のうち、半数以上の企業で3歳未満となっています。また、小学校就学までが17.1%、小学校入学~小学校3年生までが11.4%、小学校4年生~小学校卒業までが6.3%、小学校卒業以降も利用可能が7.1%となっています。ただし、3歳以上でも利用できる事業所は年々増える傾向にあります。

いつまで時短勤務したい?親たちの希望は

一般的には子どもが3歳になる前日まで認められている時短勤務。しかし、子どもが3歳になったからと言って、まだまだ手がかかるのが現実ですし、両親ともにフルタイム勤務では保育園のお迎えも間に合わない!という方も多いと思います。世のお父さん、お母さんたちはいつまで時短勤務したいと思っているのでしょうか。

 

ここからは、平成27年度に厚生労働省が委託調査をした「仕事と家庭の両立支援に関する報告書」を参照したいと思います。過去または現在「短時間勤務制度」を利用したことのある人を対象に、末子が何歳まで制度を利用したか、また利用する予定かを聞いたところ、「女性・正社員」では「3 歳以上-小学校にあがる前まで」(26.7%)が最も多く、次いで「2 歳以上-3 歳未満」が23%、「2 歳未満」が22.8%となり、回答がばらける結果が出ています。また、「女性・非正社員」では「子どもの年齢にかかわりなく、手がかからなくなるまで」(27.3%)が最も多く、次いで「3 歳以上-小学校にあがる前まで」(25.0%)が続きます。

 

次に同じ対象者に、実際のところ何歳まで利用したいかと質問すると、「女性・正社員」では、「3 歳以上-小学校にあがる前まで」(20.5%)が最も多く、「小学校 2 年生-3 年生まで」(15.9%)が続きます。「女性・非正社員」 では「子どもの年齢にかかわりなく、手がかからなくなるまで」(32.8%)が最も多く、次に「3 歳 以上-小学校にあがる前まで」(28.9%)が続きます。実際の国の制度である3歳未満で良いと思っている人は、「女性・正社員」で24.2%、「女性・非正社員」 では11.8%でした。

 

出典:厚生労働省委託調査 平成 27 年度 仕事と家庭の両立支援に関する実態把握のための調査研究事業報告書 労働者アンケート調査結果
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000103116.pdf

 

この結果から、こどもが3歳になったら時短勤務を終了してフルタイム勤務に戻りたいと考えている人は少数派で、できればもっと長く時短勤務をしたいと考える人が圧倒的に多いことがわかります。企業はその希望を承知していて、優秀な女性社員に長く働いてもらうため、実際に小学校入学までやそれ以上の期間、時短勤務を認める企業が増えてきているのでしょう。また制度では3歳までとなっていても、会社に相談すれば、時短勤務できる期間を延長することができるかもしれません。時短勤務を延長したければ、就業規則でそう決まっているし…と諦めずに、会社に相談してみましょう。

 

そもそも時短勤務を選ぶ人は2割!?

2016年に株式会社マクロミルが実施した、産休・育休復帰後2年以内のワーキングマザーを対象にした調査では、会社員や公務員として働く人の中で、フルタイム勤務者は81%、時短勤務者は19%と、わずか2割の人しか短時間勤務を選んでいないことが公表されました。

 

筆者が以前正社員として勤務していた首都圏の従業員100人程度の会社では、20~30代の女性従業員が多く、産休・育休を取得する人も多かったのですが、職場復帰後は100%時短勤務もしくはさらに短時間のパート勤務への変更をしていました。保育園のお迎えも18時までに来る人がほとんどだったので、遅くても17時までに終業する時短勤務が普通だと思っており、2割という少なさは衝撃でした。会社の規模や風土、業種によっても異なってくるのだと思いますが、皆さんの周りではどうでしょうか。

 

平成30年の内閣府の調査によると、第一子出産前後に46.9%と約半数程度の女性が離職するというデータが出ています。育児と仕事を両立できるような企業でなければ、時短勤務利用云々以前に、退職という選択肢を取らざるを得ないという方が多いということだと思います。とはいえ、就業を継続している女性の数は年々増加していて、これまで4割前後で推移してきたのが、2010~14年のデータでは53.1%と、10%以上増えています。

時短勤務終了後の働き方や生活

こどもが3歳になり、時短勤務ができなくなった場合、生活はどう変わるでしょうか。
勤務時間が9時~18時の1日8時間労働(休憩1時間)、通勤時間と保育園の送迎で合わせて片道1時間かかる場合で想定してみましょう。

 

朝は8時に出発すれば問題ありませんが、保育園へのお迎えは19時前になり多くの保育園では、延長保育となるでしょう。また延長保育も19時までとなっている園もあり、少しの猶予も許されないようなハードなスケジュールになることが予想されます。また帰宅後も、夕飯づくり・食事・お風呂・洗濯など怒涛のような時間が続きますよね。便利家電などを利用し、食事は総菜を買ってきて…とうまくやりくりしている方もいらっしゃいます。でも頑張りすぎる生活を無理に続けていると、子どもにも笑顔になれず、体も心も疲れ切ってしまいますよね。「両親にも頼れないし、仕事をやめるしかないのかな」そんな風に考える方も少なくないと思います。仕事を続けていくために、下記のような方法も検討してみてはいかがでしょうか。

 

●ファミリーサポートを利用し、お迎えを依頼する
ファミリーサポートは、利用できる時間や条件など、自治体によって異なりますが、おおむね1時間700円程度で利用できます。事前の登録が必要ですので、育休中に登録だけでもしておきたいサービスです。相談すれば、食事の準備をしてくれることもあるそうで、働くママには強い味方になってくれそうですね。

 

●時間を買うと割り切って、便利な家電を活用する
両親ともにフルタイム勤務の場合、毎日が時間との戦いです。少しでもママたちが休む時間や子供と触れ合う時間を増やせるよう、便利な家電を活用するのがおすすめです。掃除はルンバ、ご飯の準備はホットクックに任せ、食後の洗い物は食洗器へ、洗濯物は乾燥機能付きの洗濯機で干す手間を省いて…といった具合です。最初の出費は大きくなりますが、その分快適な生活が送れるでしょう。

 

●時間の融通の利く仕事への転職やフリーランスで働く
フルタイム勤務での仕事が負担になってしまう場合、思い切って自宅近くの職場に転職したり、一時的にパート勤務にしたり、退職してフリーランスとして働くことも、選択肢の一つです。人生において何を大事にしたいのか、ライフプランやキャリアプランについて、ご家族と一度じっくり話し合ってみるとよいでしょう。今では、時短勤務専用の求人サイトもありますし、フリーランスが仕事を見つけられるサイトもたくさんあります。クラウドソーシングも盛んになっているので、スキルがある方は、フリーランスでも単価の高い仕事ができるでしょう。在宅フリーランスとして働けば、通勤時間が減らせるので、作業効率がアップしますし、何より自分の都合に合わせて働ける点が魅力です。今は少し前と比べても、自由に仕事を選ぶことができる社会になってきています。

 

時短勤務についてのまとめ

ここまで時短勤務について、色々と見てきました。国で定められているのは子どもが3歳になるまでですが、実際はもっと長く時短勤務をしたい方が多いということもわかりました。今の日本では、家事・育児の比重が母親に大きく偏っているのが現状です。夫婦ともにフルタイムで勤務していては、母親の負担が重すぎるため、子どもに手がかからなくなるまではパート勤務にするという方が多いのも納得です。多様性が認められつつあるこの時代、誰もが無理なく自分らしく働くことができる社会になるといいなぁと思います。

 

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